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内容紹介
■地球の生命の歴史は、目を見張るような収斂の事例でいっぱいだ。眼や翼、木に登るトカゲは、何度も独立に進化した。一方で進化生物学者は、偶発性を示す例も数多く発見してきた。ランダムな遺伝的変異や、はるか昔のチョウの羽ばたきといった、ごくわずかな変化が、進化のたどる道筋をしばしば大きく書き換えた。この2つの力は、常に変わりつづける自然界で、それぞれどんな役割を果たしているのだろう?
■いま存在する動植物や、わたしたちヒトは、必然的に生まれたのか、それともたまたま運良く進化しただけなのか? ほかの惑星に存在する生命について、そこから何が言えるだろう?
■ジョナサン・ロソスは、進化生物学における最新のブレイクスルーが、いまなお続く科学界屈指の大論争にもたらした新たな知見を明らかにする。世界各地を訪れ、地球の生命史における最大のミステリーを、進化実験で解決しようと奮闘する研究者たちに出会う。ロソス自身も、このエキサイティングな新分野のリーダーのひとりだ。
■グッピーやショウジョウバエ、細菌、キツネ、シカネズミ、そして彼自身のカリブの島じまのアノールトカゲの実験を通して、生命のテープのリプレイがおこなわれ、進化がきわめて急速に、また予測可能なかたちで起こりうることが明らかになる。
■本書は、進化についての考え方や、議論のあり方を一変させるだろう。自然淘汰と進化的変化に関するロソスの洞察は、生態系の保護、食料供給の安定、有害なウイルスや細菌との闘いに、広く応用できる。臨場感たっぷりに描かれた、この進化をめぐる物語は、わたしたち人類について、そして自然界や宇宙における人類の役割について、新たな理解をもたらすだろう。
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【目次】
序章 グッド・ダイナソー
第一部 自然界のドッペルゲンガー
第1章 進化のデジャヴ
第2章 繰り返される適応放散
第3章 進化の特異点
第二部 野生下での実験
第4章 進化は意外と速く起こる
第5章 色とりどりのトリニダード
第6章 島に取り残されたトカゲ
第7章 堆肥から先端科学へ
第8章 プールと砂場で進化を追う
第三部 顕微鏡下の進化
第9章 生命テープをリプレイする
第10章 フラスコの中のブレイクスルー
第11章 ちょっとした変更と酔っぱらったショウジョウバエ
第12章 ヒトという環境、ヒトがつくる環境
終章 運命と偶然:ヒトの誕生は不可避だったのか?
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出版社からの備考・コメント
科学における長年の論争のひとつに、進化が予測可能な方向をたどるか否か、がある。議論の一方では、地球上の「生命のテープ」をリプレイすれば、今日の姿とは大きく変わるだろう、と偉大な故スティーブン・ジェイ・グールドは主張した。ちょっとした変更があると、進化の軌跡に大きな違いをもたらす可能性を示唆している。この議論の対局にはサイモン・コンウェイ=モリスがいて、グールドの主張に対し、収斂進化の存在を指摘している。収斂進化とは、異なる種が似たような環境に適応するために、同じような形質を進化させることをさす。例として、翼や眼がある。
ジョナサン・ロソスは、カリブ諸島のアノールトカゲを長年研究してきた進化生物学者だ。彼自身の研究とともに、グッピーやキツネ、シカネズミ、その他数多くの種における進化研究を紹介し、進化がいかに迅速に進み、予測可能であるかを、この説得力のある本書で示している。
科学者の発見物語としても描かれるこの魅力的な本は、わずかなビールで著者とチャットしているような感覚になるほど、想像以上に面白い。とくに興味深いのは、進化が予測可能かについての議論と、それを科学者がどう検証し、どのように収斂進化が起こったかをロソスが考察しているところだ。
自然淘汰と進化的変化が病原性ウイルスや細菌の進化にどう影響するかについてのロソスの洞察は、とりわけ時宜を得て重要なものだ。進化と、それがどう機能するかを科学的な視点で考察し実験で示した、明快かつ魅惑的な物語だ。
★これまで広く一般向けに書かれたすべての進化生物学に関する本のなかで、本書は傑出した作品だ。壮大な地球の生命史、人類の存在の本質的な危うさ、地球外生命体の存在確率といったテーマを、これほど綿密に、わくわくするような筆致で描き出せるのは、科学者としてもナチュラリストとしても卓越した筆者ならではだ。──エドワード・O・ウィルソン(ハーバード大学名誉教授,『人類はどこから来て、どこへ行くのか』著者)
★「ときどき素晴らしい本が出版され、わたしたちが進化について理解していることを再考するのに役立つ。本書は魅惑的で、強烈で、やめられない。まさに、そういう本だ。生き生きとした筆致と思慮深く挑発的な洞察力を備えたロソスの進化論研究は、エドワード・O・ウィルソンの『人類はどこから来て、どこへ行くのか』(化学同人)とスティーヴン・J・グールドの『ワンダフル・ライフ』(早川書房)と並んで読む価値がある。」──BookPage
★「明晰かつ面白おかしく、学術的かつ情熱的に、進化生物学でわかったこの世界の壮大なしくみを描き出す。その物語は驚きでいっぱいだ。」
──ワシントン・ポスト
★「どんな困難にもめげず、進化のメカニズムの解明に明け暮れる研究者たちの珠玉のエピソードは、驚くほど読みやすく、引き込まれずにはいられない。」
──ネイチャー
★「進化をめぐる興味の尽きない問いに、空虚な思索ではなく、最新研究のフレッシュな発見から取り組む。個性豊かな生物たちも登場し、最高に刺激的だ。」
──カール・ジンマー(『進化の教科書』 著者)
おすすめコメント
進化は予測可能な方向をたどるのか、それとも偶発的なのか。グールドとコンウェイ=モリスによる科学界屈指の大論争は、進化実験で解決するというブレイクスルーにより、新しいフェーズに入りました。このエキサイティングな新分野の科学者たちは、グッピーやショウジョウバエ、細菌、シカネズミ、アノールトカゲの実験で生命テープをリプレイし、進化がきわめて急速に、また予測可能なかたちで起こりうることを明らかにしました。臨場感たっぷりに描かれた進化をめぐる物語は、著者の説得力のある筆致も相まって、わたしたちの思考を刺激します。ぜひ、ワクワクしながら読んでみてください。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784759820072 |
本体価格 | ¥2,800 (JPY) |
閲覧オプション
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