京都祇園もも吉庵のあまから帖

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刊行日 2019/09/07 | 掲載終了日 2019/10/23

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内容紹介

「まずは、甘いものでもおあがりやす」

 元芸妓のもも吉は、わけあって今は祗園で甘味処「もも吉庵」を営んでいる。 一見さんお断り、メニューは「麩もちぜんざい」のみの小さな店だ。

 そんな店を訪れるのは、舞妓になるために十五歳で祗園へやってきた少女、妻を亡くして一人で京都を旅する中年男性――様々な悩みを抱えた人たちへのもも吉の言葉は、ときに辛口だが、彼らの心を解きほぐしていく。

京都の四季に彩られた感動の連作短編集。

 文庫オリジナル。

「まずは、甘いものでもおあがりやす」

 元芸妓のもも吉は、わけあって今は祗園で甘味処「もも吉庵」を営んでいる。 一見さんお断り、メニューは「麩もちぜんざい」のみの小さな店だ。

 そんな店を訪れるのは、舞妓になるために十五歳で祗園へやってきた少女、妻を亡くして一人で京都を旅する中年男性――様々な悩みを抱えた人たちへのもも吉の言葉は、ときに辛口だが、彼らの心を解きほぐしていく。

京都の四季に彩られた...


おすすめコメント

京都祇園には、元芸妓の女将が営む「一見さんお断り」の甘味処があるという――。ときにほろ苦くも心あたたまる、感動の連作短編集。

京都祇園には、元芸妓の女将が営む「一見さんお断り」の甘味処があるという――。ときにほろ苦くも心あたたまる、感動の連作短編集。


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784569769561
本体価格 ¥700 (JPY)

関連リンク


NetGalley会員レビュー

あまから帖、ぴったりなタイトルですね。歌舞伎の仕草のようなもも吉お母さんの凛とした佇まいと、美味しそうな季節の麩もちぜんざい。春夏秋冬どれも美味しそうだけど、特に夏のかき氷が食べたい…!
美津子さんと隠源さん、令奈ちゃんと巌夫くんのその後も気になるし、早くも続編が楽しみです。読ませていただき、ありがとうございました。

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京都で元芸妓の女将さんが営む甘味処を中心に巡る人間模様のお話
バラエティに富んだ登場人物が話に花を添えて楽しめます
出て来る甘味も美味しそう
ただ淡々と話が進んで行く感じがして
少し盛り上がりに欠ける気もしますが
続きが楽しみです

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もも吉お母さんが悩みを聞いて
そっと一言。
一言で救われる人々。

【頑張る】と【気張る】の違いになるほど。
気張るのほうがなんだが少し肩の力も抜けて
気負うことなくできそうな感じがする。

有名な場所や食べ物も登場し
京都に行きたくなるお話でした。

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脂ののった美味しい肉料理ばかり食べていると、薄味の上品な和食が食べたくなる。派手さはないが素材を生かしながらもしっかり手をかけてある、そんな料理と同じ味わいの作品。京都花街やおいしそうなぜんざいがいい感じだが、やはり、一本筋の通ったキャラクタが気持ちがいい。温かいぬくもりを感じる話ばかりで心が安らぐ。ぜひとも続編が読みたい。

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もも吉さんは、いろんな人の相談を聞いてくれます。それは恋の悩みだったり、今は無くなってしまった奥さんへ何もしてあげられなかった後悔だったりですけど、ほとんど口を挟まずに話をしっかりと聞いてくれます。

 そして、最後に一言。京都の女ですから、押し付けがましいことは決して言いません。でも、ズシっと心に沁みる一言を言ってくれるのです。

 この頃は観光客が増えすぎてちょっと荒れ始めている京都ですけど、もも吉さんのお店はきっと大丈夫でしょうね。

 こんな素敵なお母さんが待っていてくれるお店でおぜんざいを食べたいなぁ!

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疲れた時には甘いもの、疲れた心に甘いもの。心を満たす滋養の言葉。流す涙は浄化の涙。迷う心も軽くなる。そんな居場所を持てたなら、きっと明日も気張れます。どこかにあなたのもも吉庵が、あなたの居場所があればいい。

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この系統は今まで ちょっと苦手だったあのですが
今回読んでみて 本と良かったです。

あと読んでいくうちに 関西弁(京都弁)から
美都子さんが 女優の中村ゆりさんが頭に浮かんで
きて イメージできました。

「がんばる」と「きばる」の違い勉強になりました。

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これは、五話からなる粋な思いやりの物語。
舞台は祗園の甘味処「もも吉庵」。誰にでも人には言えない悩みがある。
相談を受けるもも吉の言葉は、じんときて、強く心に残るものばかり。
五話の中には、思わず涙が止まらなくなるようなエピソードも。
人生にはどうしようもなく辛い事もある。なぜ、こんな目に合わなければならないんだろうと苦しくなる。
そんな時に、思い出すと少し心が軽くなるような言葉がたくさん詰まった作品だった。

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一言でいうと「粋」な小説です。
もも吉や美都子だけでなく、出てくる人たちの言動や振る舞いが「粋」なのです。
現代の話ですが京都の祇園という特別な場所が舞台だからでしょうか、ちょっと時代小説の様な雰囲気が漂います。

花街、会社、一話一話には単なる「粋な話」だけでなくビジネスで必要なことが書かれています。
それは「おもてなしの心」だったり「相手を思いやる」ことだったりします。
話に出てくる人は皆、真面目で真っすぐな人達です。
仕事は「頑張る」のではなく「気張る」
京都ならではなの名言です。
作者の人を見る目の温かさが感じられます。

作品に出てくるもも吉さんの「麩入りおぜんざい」が食べたくなりますよ。

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華やかさと厳しさと優しさと「粋」を感じた本。

 主人公は「もも吉」と美都子の母娘。二人とも祇園の芸妓で、二人ともNo.1と言われていた。「もも吉」は芸妓を引退して営んでいたお茶屋を急にたたんで、今は一見さんお断りの甘味処「もも吉庵」の女将。美都子は「もも也」という芸名の芸妓だったけれど、名実ともにNo.1の27歳の時に突然芸妓辞め、なんとタクシードライバーに転身した。

 本書は、この母娘が、祇園界隈の人たちの心の重りを、包み込むようにして溶かしていく物語。その相手は、舞妓になるための修行中の「仕込みさん」であったり、和菓子の会社の新入社員であったり、東京から来た会社員であったり。その他にも、もも吉が図らずも手を貸した若い恋とか、もも吉の幼馴染の旅館の女将と僧侶の邂逅とか。全部で5編の短編を収録。

 祇園という街は、その名前の響きだけで華やかを感じる。おまけに美都子はすごい美人らしい。舞妓さんが歩く祇園の街でも、美都子が歩けばみんなが彼女を見る。この物語には華があるのは、祇園の街と美都子のおかげだ。

 ただし厳しさもある。祇園に詳しいわけではないけれど、10代の女の子たちが修行する社会なのだから、厳しさは想像できる。物語に交じって明かされる、もも吉と美都子が重ねてきたエピソードにも、それは感じる。

 それらが交じり合って、もうとにかく全部が「粋」だ。美都子によると「粋」か否かが、花街で育ったものが筋を通す「生き方」のものさしだそうだ。出過ぎた真似をするのは「粋」からはずれる。でも見て見ぬフリをするのは、あの娘のためにならん。そうやって、若い娘たちを思いやって、周りにも細やかな目配りをする。もう1回言うけど、全部が「粋」だ。

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元芸妓の甘味処「もも吉庵」を営んでいるもも吉と、元芸妓のタクシードライバーの娘、美都子を中心とした短編集。もも吉庵唯一のメニューである麩もちぜんざいを食べながら、もも吉が悩み相談にのる。個人的には1話の美都子のキツさで、全体を通して美都子が好きになれなかったし、1話もうーんって感じだった。2話から5話は悪くはなかった。

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京言葉が好きで、祇園が好きで、ですからとても楽しみにこの本を拝見しました。本当のことを、毒のない、真っ直ぐな言葉で言ってもらえることって、昨今少なくなった気がします。美味しいお茶とお菓子を差し出され、やわらかに語りかけられる言葉は、静かに胸に落ちていく、木蓮の花びらのようでした。お酒を扱うことが多いイメージの、祇園を舞台にした小説で、甘いものをお客様に差し上げる、というのが、なんとも上品で、きよらかな感じがします。差し出される手のうつくしさ、物腰のやわらかさ。言わねばならない言葉を、すずやかに伝える声までが想像されて、こんな所が本当にあれば、新幹線に飛び乗って、ふらりと旅人の顔で訪れてみたくなるのに、と作中で何度も思っては、憧れのような、本の中で独り占めしてるんだからいいじゃないの、と思うような、人恋しい気持ちになって…。いい時間をもらったな、と自分の悩みも、いつのまにか、すぅっと消えていってしまう。そんなお話でした。

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