RAW DATA(ロー・データ)

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刊行日 2020/03/16 | 掲載終了日 2020/08/09

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内容紹介

研究の喜びと不正の本質に迫る、カレンとクロエの物語。

○あらすじ○
4年かけた研究成果が有名雑誌にアクセプトされ、バラ色の未来ヘ歩みだす若手研究者クロエ。同僚として祝福しつつ、少しの嫉妬心、なによりも自分の実験がうまくいかないことへの焦りが募るカレン。ふとした偶然からクロエ論文の齟齬が明らかになり、ラボは騒然となる...

研究の喜びと不正の本質に迫る、カレンとクロエの物語。

○あらすじ○
4年かけた研究成果が有名雑誌にアクセプトされ、バラ色の未来ヘ歩みだす若手研究者クロエ。同僚として祝福しつつ、少しの嫉妬心、なによりも自分の実験がうまくいかないことへの焦りが募るカレン。ふとした偶然からクロエ論文の齟齬が明らかになり、ラボは騒然となる...


おすすめコメント

池谷裕二氏(東京大学大学院薬学系研究科)推薦コメント
不正、虚勢、焦燥、欺瞞、背徳 ――研究者の実態があまりにリアルに書かれていてハラハラしながら読み進めた。そして最後に本を閉じたとき、改めて「研究は美しい」と感じた。多くの人に研究の本当の現場を知ってもらいたい。

大須賀覚氏(アラバマ大学バーミンガム校)推薦コメント
圧倒的な生々しさ。研究不正の誘惑に堕ちる者、危機に追い込まれるボス、巻き込まれるラボメンバー。結果へのプレッシャーが増す現代の研究世界のリアルがここに。正しい対処とは!? 

●パート2「著者との質疑応答」より
これは不正行為についての物語というより、科学者としての生き方の物語です。そうした生き方のもたらす感動はもちろん、苦難も描いてみようと思ったのです。小説の中心となるのは、キャリアの重要な転換点にいるふたりの科学者です。 (中略)事件も実際に起こっています。日本でのSTAP細胞事件がありますね。 (中略)何よりもまず、科学に携わることがどんなにすばらしく、刺激的かということですね。つらいことや激しい競争だけでなく、驚異にも満ちているのです。読者のみなさんにもぜひそれを体感していただけたらと思います。
池谷裕二氏(東京大学大学院薬学系研究科)推薦コメント
不正、虚勢、焦燥、欺瞞、背徳 ――研究者の実態があまりにリアルに書かれていてハラハラしながら読み進めた。そして最後に本を閉じたとき、改めて「研究は美しい」と感じた。多くの人に研究の本当の現場を知ってもらいたい。

大須賀覚氏(アラバマ大学バーミンガム校)推薦コメント
圧倒的な生々しさ。研究不正の誘惑に堕ちる者、危機に追い込まれるボス、巻き込まれるラ...

出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784758112123
本体価格 ¥1,600 (JPY)

NetGalley会員レビュー

科学者も人間である。成功する科学者は類まれなる好奇心と野心を持っている。高度な能力と職業倫理が同時に求められる研究者社会にも、人格者もいれば性格障害を克服できずに挫折する者もいる。本作品ではポスドク研究員の集まる研究室での人間模様、若い研究員たちを統括・指導する研究統括者の能力などが、研究者である著者によるフィクションとして描かれている。研究不正をきっかけとして展開するドラマの中に描かれる登場人物には、他にも科学ジャーナリスト、法務担当者、研究広報担当者など多岐にわたる脇役が配されている。タイトルにあるRaw Dataが表す科学の大前提「データに忠実であれ」という事が、研究者や研究統括者の野心によって時に曲げられるばかりか、新たな知見を生み出す競争の制度の不完全さ故に不公平をも生み出す様も、本作品は密に描いている。「研究者倫理」という一般人の理解を越えて複雑な問題を描く本作品からは、安っぽい研究者叩きとは異なる、研究者としての同業者への愛情が感じられる。

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研究者の日常が緊張感のある展開として描かれている。人間の業のようなものが蠢く海の上を細い1本の糸の上を渡っている、そんな感じのハラハラ・ドキドキ感が充満している。私は研究者ではないが、多かれ少なかれすべての職業には倫理観が必要だと思っている。もちろん職業により倫理の表すところは異なっているし、倫理を侵した場合のペナルティも大きく異なる。本書で取り扱っているような職業の本質的な部分を形作っている倫理は不可侵であり、これを侵した場合は、職業人足りえない。とはいっても、問題は研究者とて人間、欲があり嫉妬心や野心があること。決して仙人や聖人ではない。葛藤があるのは仕方がない。しかし、職業人としてのプライドを持って打ち勝ちたい、そんな気持ちにさせてくれる作品であった。

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