ライオンのおやつ

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刊行日 2019/10/04 | 掲載終了日 2020/05/08

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内容紹介

人生の最後に食べたいおやつは何ですか―― 若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。 ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。 ――食べて、生きて、この世から旅立つ。 すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。

人生の最後に食べたいおやつは何ですか―― 若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。 ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。 ――食べて、生きて、この世から旅立つ。 すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おし...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784591160022
本体価格 ¥1,500 (JPY)

NetGalley会員レビュー

小川糸さんの物語は私には美しすぎる。こんな風にすべてを受け入れて、新しい一歩を踏み出すように旅立つことができる人間が、いったい何人いるだろう。家族のしがらみや金銭的理由、あるいは特殊な薬や治療のためいる場所すら選べない患者の方が多いに決まっている。…そんな思いを抱えた私でも途中からは涙が止まらなかった。形はそれぞれ違っても、彼女が受け取ったものと同じようなものが自分の周りにもあふれているに違いない。自分も何か与えられる人間になれるだろうか。そして私も旅立つときには吐息に感謝を乗せられるように生きていきたい。そんなことを読後じっくりと考えずにいられないほど、染み入る物語だった。とても良かった。

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誰にも何にも言わず、身辺整理をしてひっそりとホスピスで最期を迎えることにした雫さん。
死に向かっているはずなのに、ライオンの家での日々はとっても生き生きとしています。
悲しいお話なのは間違いないけど、やっぱり優しいお話っていう方がしっくりくるかな。
小川糸さんらしい物語で心が温かくなりました。

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「幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない」

開始5ページで、早くもこの世界の真理が書かれていた。
正直、自分から手に取るタイプの作家さんではないのだけれど、毎年のように本屋大賞で小川糸さんの作品に触れると、毎回ハッとさせられ、その筆致と物語に胸を打たれる。

先日、数年ぶりに祖母に会いに行った。
ちょうど誕生日を迎えた直後で、90歳になったという。さすがに足腰は弱ってしまったが、まだまだ相変わらず、よく喋るし、よく食べる。久しぶりの孫の姿が元気を与えられたのなら、それはとても嬉しい。
菓子パンやケーキ、お土産に持って行ったブッセも食べてくれたので、食事にNGは無いらしい。伯父が作ったカレーに「辛くない」とぼやいてた。何でも食べられるのは良いコトだと思う。
勿論、まだまだ長生きしてもらうつもりだけれど!

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光にとけゆき、また別を照らしゆく・・・
若くして癌になってしまった雫は最期を迎える場所として「ライオンの家」を選ぶ。そこで過ごしながら色々なものを受け入れ新たに出会いゆく・・
迫りくる最期の時をいかに迎え受け入れるかを雫を通して述べているかのように思えた。理想のようでもあり、違うかのようでもある(もちろん体験したことないからであるが)。
役目を全うしたい、使い切りたいと思えた作品。

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余命幾ばくもないまだ若い人がホスピスで最期を迎える話。ざっくり説明するとそんな話。
でも、とりあえず明日も明後日もいつも通りのほほんと生きているであろう私よりも、人生の終わりが近いこの人たちの方がよっぽど生き生きと「生きてる」
もしできるなら私も最期は「ライオンの家」で迎えたい。

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とにかく涙が止まりません・・・
死ぬ間際に自分の人生を精算し思い残すことなく旅立つ、って難しいことだと思いますが、
登場人物たちは自分のいままでの人生にひるまず向き合っている姿に、
ささくれ立つ自分の心にあたたかなものが入ってくる気がします。

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自分の死とどう向き合うのか。遺していく人やものと、どう折り合いをつけるのか。言葉にしてみると重いテーマを、小川さんらしく温かく優しく描いています。「おやつ」という何とも甘く懐かしい響きの中に、大切な思い出を持つ人が多いというのも納得でき、実際にあったらとても素敵なホスピスだなと思いました。
ただ、緩和ケアやホスピスについて考えるとすると、大切なのは死にゆく本人だけの視点ではなく、「遺される人」との葛藤ではないかという気がします。やはり、愛する人にはどんな形であれ生きていてほしいと自然に思いますし、少しでも可能性があるのなら病と闘ってほしいと思う人もたくさんいるのではないでしょうか。この本の主人公の雫さんのように、未来ある若い方であればなおさらと思います。そのあたりがもう少し描かれていたら、と思いました。

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舞台は瀬戸内の海が眺められる終末期医療のホスピス。
若くして余命を宣告された主人公がそこで最期を過ごすという、冒頭から哀しいのがわかっているともとれない物語でしたが、
もちろん哀しい哀しい物語ではあったのですが、
死を除くと、人との関わり合いやそこでの出来事は気持ちを豊かにしてくれ、自分のことでと振り返った時に幸せな記憶が甦り、余生があると今は思えるからかもしれませんが
今までのこれからの自分のあり方を考えるいい機会になりました。



毎週日曜日みなさんがもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストすることができます。
毎回おひとりの希望に応える形でその方の思い出のおやつを忠実に再現します。
*
見たこともない細長いグラスに入っていて、どの果物もその甘さに驚き続けた日本橋のフルーツパーラーで食べたパフェ。

おせちの栗きんとんの栗のみを食べ尽くそうとし、こっ酷く父に怒られたその翌年は私用にと甘露煮だけを用意してくれた。
と、思い出したおやつは母との思い出の味。

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余命幾ばくかもない女性が選んだ、最期の場所“ライオンの家”というところは、自分らしくゆっくり時間が流れる、優しい場所でした。毎朝美味しいお粥が出て、毎週日曜日は誰かの思い出のおやつが登場してくるというお楽しみ付き。こんな優しい施設があったらいいのに、と思いました。後半は、涙無くしては読めませんでした。

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