魔女たちは眠りを守る

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刊行日 2020/04/16 | 掲載終了日 2020/04/30

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内容紹介

魔女はすべてを覚えている。

ひとの子がすべてを忘れても。どこか遠い空の彼方へ、魂が去って行こうとも。

そして地上で魔女たちは、懐かしい夢を見る。記憶を抱いて、生きてゆく。その街は古い港町。


桜の花びらが舞う季節に、若い魔女の娘が帰ってきた。

赤毛の長い髪をなびかせ、かたわらに金色の瞳をした使い魔の黒猫を連れて。

名前は、七竈・マリー・七瀬。

目指すは、ひとの子たちが「魔女の家」と呼ぶ、銀髪の美しい魔女二コラのカフェバー。


懸命に生きて、死んでゆくひとの子と、長い時を生きる魔女たちの出会いと別れの物語。

魔女はすべてを覚えている。

ひとの子がすべてを忘れても。どこか遠い空の彼方へ、魂が去って行こうとも。

そして地上で魔女たちは、懐かしい夢を見る。記憶を抱いて、生きてゆく。その街は古い港町。


桜の花びらが舞う季節に、若い魔女の娘が帰ってきた。

赤毛の長い髪をなびかせ、かたわらに金色の瞳をした使い魔の黒猫を連れて。

名前は、七竈・マリー・七瀬。

目指すは、ひとの子たちが「魔女の家」と呼ぶ、銀髪の美...


おすすめコメント

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レビューを寄せてくださった書店員さんには、『#魔女ねむ』応援バッジをプレゼントいたします。 

※4/16までのレビューが対象。発送は4月初旬以降、順次行います。 

※数に限りがございますので先着順とさせていただきます。予めご了承ください。

なお、レビューは弊社SNSほか宣伝にて使用させていただく可能性があります。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784046047564
本体価格 ¥1,600 (JPY)

NetGalley会員レビュー

長い歳月をゆっくり刻み過ごす魔女と、駆け抜ける様に生きて死んでゆく人間との千載一遇のファンタジー。物語好きなら一度は夢見た世界の息吹を感じられるリアリティもありまさに夢うつつ。ほっこり温かくもとても切なく縺れた想いに惹かれました

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昔、「魔女の宅急便」を見たとき、もしも自分の周りに魔女がいたら、魔法を使えるならと想像したことがあります。この作品では、日本の港町を舞台に一人の若い魔女?が登場し、様々な人達で出会いと別れを繰り返していきながらも懸命に生きていく物語です。もしかしたら周りにいるのかも…と色々想像を掻き立てながら読んでいました。
日本が舞台なのですが、どこか西洋のようなポワーンとした雰囲気を漂わせていて、まるで「魔女の宅急便」に登場してくる町のような雰囲気がありました。
また、ファンタジー小説ですが、日本の昔からある行事や昔の歴史を取り込んでいて、内容は日本的なのに西洋の雰囲気を醸し出しているというアンバランスなことが自分の頭の中で発生していて、面白かったです。
出会いよりも「別れ」の方が強く描かれていて、哀愁の色が漂っているものの、芯がしっかりと強く生きている人達が多いせいか、重い気持ちにはなりませんでした。むしろ感動の方が強かったです。特に「お盆」の話がジーンときました。

魔女や魂が宿るなど、文字にするとホラーな感じを想像してしまいますが、村山さんが描くと、ファンタジーに仕上がっていて、ちょっとした不思議な感覚がありました。
最初は、ポワーンと温かく包み込むような感じでしたが、段々と後半になると、シリアスな方向へと進み、作品をキリッとさせてくれます。感動あり、冒険あり、歴史劇ありと色々なことがありながらも、全体としてファンタジー小説に仕上がっていて、ファンタジーとしての奥深さを感じました。

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あたたかい灯火のような物語。時を超えひとよりも長く命を保つということは出会いが多い分別れも多いということ。喜びと共に哀しみも味わい、悼み、迎え送る。この世で起きる奇跡のようなものはその力が溢れたものかと思うと、心があたたかくなる。人々の安らかな幸せと眠りへの祈りのようだ。

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魔女、七瀬。
ひとより幾分、命の長い彼女は様々な時を過ごしてきた。
七瀬のことを忘れないと言ってくれた、はじめてのひと。
「夢」を叶えるまえに事故で亡くなってしまった少年。
戦争によって離れ離れになってしまった家族。喪われた命
信仰を禁じられていた時代にもひっそりと神を信じていたひとびと。
ひとにとっては遥か昔の出来事。
けれど、七瀬はその瞳ですべてを見つめてきた、
時に手を差し伸べ、時に救い、時には思いがけずひとに救われることもあった。

わたしたちは、とりこぼしているものが多すぎる。
楽しかったことも、しあわせだったことも。悲しかったことも、苦しかったことも。
でも、その全てはきっと魔女たちが見つめ、守ってくれている。
わたしたちが、しあわせな眠りにつけられるよう。
生涯をぶじ終えられるよう。

守り、慈しまれていること。
そのことが、こころの一番大切な場所に光をともす。
こころに魔法が宿ったから、わたしはこれからも生きていける。

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まさに村山早紀ワールド‼︎
2つの瓶に入った竜‼︎
瓶の中で動く竜!素敵だなぁ
困ってる人が辿り着く魔女の店
新盆に帰ってくる猫や金魚
魔女が助けた小さな男の子
きっと自分の街にも魔女が居る、なんて素敵なんでしょう
いつか自分も魔女のお店に辿り着ける事を夢みて……

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人の子たちが知らなくても、忘れてしまっても、魔女たちはやすらかな眠りを守る…

魔女たちに比べて、その短い寿命を終えて去っていってしまう人の子たちの中に紛れて静かに暮らす現代の魔女たち。魔女の気持ちになると寂しさやはかなさも感じますが、その分、人とのふれあいや、使い魔との優しくて温かい心の交流がとても温かくて大切なものと際立ってよく分かります。
彼女たちのひとびとへのまなざしは優しく、時々そっと寄り添ってくれます。

村山早紀先生の、宝石のような、魔法のような言葉で紡がれたファンタジーの世界に導かれて、魔女の七瀬や、ニコラ、愛すべき使い魔たち、たくさんの優しい子たちに会えました。
大切な人への贈り物に選びたくなる、とても素敵なご本です。

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一気に読むのではなく、少しづつ大切に読みたい作品でした
一遍一遍がとても優しくて、少し悲しいところもあって・・・
感動を押し付けられるのではなく、心に優しく静かに積もっていくような

児童文学を夢中読ふけり、読書好きだったのに
今では手に取る機会も減ってしまった
そんな人に薦めたい一冊でした
矛盾しているようですが、正に大人のための児童文学と表したい

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心温まる、優しさが溢れでるファンタジー。
どのお話も相手の幸せを願うひたむきな気持ちでいっぱいの素敵な物語でした。
第1話のお話のように書店の仕事で擦りきれた私の心も癒され、もう少しだけ頑張ってみようという気持ちになれました。
背中を押されると言うよりは、寄り添って包み込んでくれるような満たされた気持ちです。
読みながら映画「魔女の宅急便」のエンディングテーマソング『やさしさに包まれたなら』が頭を流れたのは私だけでしょうか?笑

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人に興味と愛着があろうと、その幸せをひっそりと祈り見守っている魔女。

読んでいる間もジワジワと心が温かく、それぞれの優しさに涙がこぼれそうでした。

全ての物に魂はある。
自分の生活に忙しくて気づかないだけで、というより気づこうとしないだけで、優しい目に見守られているのかもな、と思いました。

夜と眠りは、魔女に守られている、素敵なことだな。

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いいなあ…魔女たちが集う「魔女の家」に私も迷い込んでみたい。
しばらくは街中の怪しげな路地を見つけるたびにときめいてしまいそうだ。

その古い港街には魔女たちがいる。
魔女たちは一見ひとと変わらない姿で同じように暮らしている。
ただひとと違うのはその身に不思議の力を宿し、ひとよりも寿命がはるかに長いこと。

だから魔女たちは一つ所には居続けることができない。
ひとと異なる時間を生き、愛したひとと一生を添い遂げることもできない。
世界中の街から街へと旅をしながら、
疲れたときにはひっそりとどこかの街にふらりと立ち寄り、
ひとが暮らす街の日常に溶け込むようにしか生きられない。
彼女たちの出会いにはいつでも別れが付き纏うのだ。
愛したひと、親しいひとを見送り続けること、それはとても切なく、寂しいことに思えた。
彼女たちがひとに向けるまなざしはこんなにもあたたかいのに。それを思うと胸が締め付けられた。

魔女たちはいつだってひとの子に優しく手を差し伸べてくれる。
暗闇から救いだし、ひとの儚さを悲しんでもくれる。
ここには童話に登場するような悪い魔女はおらず、
まるで母のように、姉のように、
彼女たちはいつもわたしたちの眠りを優しく見守り続けている。
そのまなざしは暗闇の中に灯るやわらかな火のようで、胸いっぱいの安らぎを与えてくれた。

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切なくてやさしい物語群でした。
進むにつれて、避けられない別れや死の要素が色濃く漂う中、
それでも救いを感じさせ、限りある命が愛おしくなる、
優しいファンタジーでした。
七瀬のマンション?暮らしを描いた続編も読んでみたいです。

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もしかしたら、こんな魔女がどこかにいるのかもしれない。ふと、そんなふうに思ってしまった。悲しみの欠片をそっとすくい上げるように寄り添ってくれる、大人のためのファンタジー。夜空に宝石箱を散りばめたような、ほのかに灯る明かりがまたたく物語。

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声を大にして薦める、というより、書架の目立ちすぎないところにそっと並べて、呼ばれた子に手に取ってほしい本。そして、呼ばれる子はきっといると思う。

本文中にある通り、ない証明は誰にもできない以上、いい大人といわれる年齢になろうがやっぱり魔女の家には行ってみたいし、見えなかろうが存在するものはあると思うのは個人の自由。
ただ、この本でも描かれている通り、人ではないものが存在する余白やあわいが人の心の中にもなくなっていて、それこそこの本に呼ばれるような子が減っていて、本当だったら魔女の家で助けを得たいような子すらそこへたどる道を見つけにくくなってしまっているのではないかと思うと寂しく感じられます。
そう思うと、この本ももっと目立つように宣伝するのがよいのかもしれないのですが、目立つものに寄ってくる子よりそうではない子に必要な本に思えるので、自館ではやっぱり見えるくらいのところにそっと置きそうです。

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『人の子』の街と眠りを守る魔女。一つの街に1人の魔女。魔女よりも寿命の短いの人間の魂と想いは覚えている人がいる限り永遠。その想いを記憶しておく為に魔女は長く生きるのかも。何百年も生きるのは辛い。沢山の人との別れがそれだけ多いのだから。ほっこりと温かい気持ちになると同時に切なさもこみ上げてくる。

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小学生の頃、図書館で出会った魔女の本に魅せられ、魔女や魔法の出てくる物語を読みあさっていた時のようなときめきを、久々に思い出しながら読みました。
生きる時間の違う、魔女たちと人の子。一瞬の交わりと別れ。もたらされた小さな奇跡を人は受け取り、魔女は優しく見守る。
物語から染み出した魔法に包まれ、日々に追われてしょぼくれた心に暖かな光が灯るような、お話でした。少しだけ優しくなれるような、生きる勇気をもらったような気がします。

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表紙のイメージに引っ張られたのもあると思いますが、暗闇の中にマッチの火が灯るようなイメージの本でした。そうイメージできたのは、人よりも強く長く生きる魔女たちが、儚い一生を懸命に生きる人々を優しく見守っていてくれるお話たちだったからなのだと思います。

とても暖かい気持ちになるのに読後感に寂しさが残るのは、魔女たちがたくさんの人やものを見送ってきた背景があるからなのかもしれません。少し前に大切な家族を見送った私だからかもしれませんが、暖かい涙が込み上がる優しい本でした。

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どのエピソードにも、痛ましい、悲しみが描かれている。
魔女が魔法でそんな悲しみを拭い去ってくれる――そういう夢物語ではない。

ただ、ひととは違う時間を生き、すこし不思議な力を操れる彼女たちだからこそ、
その痛みや悲しみに、彼女たちだけのやり方で寄り添うコトが出来る。
それは、じっと「声を聞く」コトであったり、
ずっと「覚えている」コトであったり、
ひたむきに「祈る」コトであったり。

見えないもの、聞こえないものに想いを馳せる。
そして、ただただ「忘れない」。そんな形で想いを伝えていこう。
そして、己が儚くなるその日まで、力強く生きていこう。

今夜の眠りは、魔女たちが守ってくれるのだから。


時計店での七瀬の心情に、

「自らに与えられた知恵と知性の力によって、この世界の法則を読み取っていく、その過程と結果の表れであるところの機械たちを、美しいと思うのだ」
「ひとは願いと実験と実践の積み重ねによりいつか、空へと羽ばたく生き物なのだ」

という、科学と魔法に対する向き合い方が非常に的確な感じがして、あぁ、この考え方なら両者が共存出来るなぁ、僕も今後はこの立場を表明していこう……と感じた。

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長い時を生きる魔女たちと、短い時しか生きられずすぐに彼女たちのことを忘れてしまうひとの子。それでも魔女たちはひとの子の眠りを守る。
なんて優しい物語なんだろう。世界は優しく美しいものなのだと思えるようなそんな話。もし叶うならこの世界に生きてみたいと、そう思います。

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時の流れから外れて、流れていく人々を見守る魔女たち。"ひとの子"とは違うがゆえに達観的でもあり、一歩離れて見つめる。時に助けの手をさしのべ、"ひとの子"が忘れても魔女は決して忘れない。
ノスタルジックで、ちょっと切ない物語。

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「魔女」あなたはどんな「魔女」を想像しますか? 
某人気アニメのかわいい女の子、ゲームに出てくる魔法使い、森で大きな鍋をかき混ぜるちょっと怪しい老婆のような魔女、どんな魔女にも子供の頃憧れませんでしたか?ほうきに跨がって空を飛びたいと魔女ごっこしませんでしたか?
そんな子どもの頃に憧れた、「魔女」たちの物語です。
「魔女」たちはどんな世界でもどんな見た目でも、街や森で人々を優しく見守っているのです。
時にはささやかな奇跡を起こしたりして、人々を助けてくれているのです。私たち人間が今日も安心して眠れるように、いつも近くにいて守っていてくれる、優しくて切ないファンタジー。
この物語を読んで、また「魔女」になりたいと思ってしまった。この物語に出てくる魔女たちのような、優しい魔女に。

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物が少ない部屋でホテルみたいに暮らすのが理想と思っている私は、どうも増えていく本や雑誌、または自分が書いた雑文、POPを脅威の目で見ている。空間が欲しいと思い、時折、思い切った断捨離をしてしまう。何もない部屋でのんびりと過ごす時間は至福の時である。が、これはと思う一冊は、文庫ではなくきちんとした装丁で保存したい。そして、何度も読み返したい。今のところこのハードルを越えるのは、『ナルニア国ものがたり』だけである。が、村山先生の作品も実は捨てがたい。そして、ルルーが大好きだった私は、『その本の物語』で再会できた。村山先生が描く魔女の話は、奇跡とか夢とか愛とか希望とか優しさとかすべてがつまっているような気がする。今回の魔女のお話も心地よかった。ユーミンの歌詞ではないが、子供の頃にはいつも心に神様がいたような気がする。そして、年をとるにつれてそんなことを忘れてしまう私達に村山マジックは、語りかけてくれるような気がする。何か大切なことを忘れていませんか?と。

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キリスト教、仏教、神道といった正統派の宗教の他に習俗に根ざした信仰、過去に異端と呼ばれ、今となっては迷信とも呼ばれるもの。魔女はそんな存在であったろうし人知れずひっそり過ごす存在であったのだろう。

風の又三郎のようにマレビトとして現れ消えていく若い魔女七竈・マリー・七瀬と三日月通りのカフェバー『魔女の家』のマダムにして魔女の住処『バーバヤーガ』の家主・銀色の髪のニコラを中心に物語は回っていく。此岸から彼岸に旅立とうとするひとと見送るひと。お盆に彼岸から帰ってくる魂。そうした日本の習俗と魔法使い。

ひとは百年の人生の後永遠を生きるが、魔法使いは一千年生きて消えてしまうのである。

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♪~小さい頃は神さまがいて 不思議に夢をかなえてくれた~♪
神さまじゃなくて魔女だけど。
いつの間に忘れてしまったのだろう。

別れや死の気配を感じる場面があるが、語りかけるような文体で、村山ファンタジーマジックに癒やされました。

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こんな魔女さんなら会ってみたくなるお話ばかり、
魔女さん側からすると、ちょっぴりセツナイヨねぇ~、生きてる時間が違いすぎるから、喜びも多い分悲しみも多くて。魔女に会えたら、いろんなお話沢山聞いてみたい❗

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今までに読んできた魔女のものがたりの集大成のような作品です。一気に読んでしまいました。様々な状況の中で生きていく人間たちと動物たち、そして魔女たち。ものがたりの中に作者と同じように、書店員として、魔女としての私自身がいるような気がしました。
眼の奥がじんとする場面がたくさんありました。状況や風景が人形や人間や魔女の様子などが目に浮かぶような、読み手の中でものがたりの織物が紡がれていくような、そんな素敵なお話です。

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魔女たちは眠りを守る。夢のある眠りも。夢のない眠りも。
魔女たちは、とてもとても長い時間をかけて生きており、たくさんの命を見送ってきた不在を抱えて生きている存在である。
魔女たちは町から町へと移り住みながら、人に紛れて長い命を生きる。人を避けることもあれば、人と関わることもある。
人より長いいのちから人の子を見守る、というところが、ちょっと不思議な感覚をもたらしてくれた。
深い、深い愛情が、すべての眠りを優しく守ろうと、手を差しのべているのを感じて、読後、胸がいっぱいになる。
慈愛に満ちた、祈りにも似たファンタジー。

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決して永遠の命ってわけではないけれど、長く生きていくというのはそれなりに辛いこともあるんだろうなぁって思います。バンパイヤたちと同じように、いつまでも歳を取らない自分のことを人間に悟られないように、ある時期が来たら立ち去るという日々を自分が過ごすことになったら、ちょっと寂しいかなとも思えるのです。

 短い期間しか人間たちとは触れ合えないけれど、その刹那に愛や友情を育める七瀬さんは幸せなのかな?

 「月の裏側」の中で、月のうさぎもかぐや姫も月の裏側に隠れて住んでるんでしょという会話があって、なんだか、こういう想像力っていいなぁって思えたのです。

 そして「サンライズ・サンセット」ではお盆にいろんな人が家に帰ってきて七瀬さんと話をしていくのです。こうやって集うことができたら、亡くなった人たちも「また戻ってこよう!」って思えるなぁ。そういう人たちと話ができる魔女が羨ましいなぁって思いました。

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古い港町の海にとても近い場所にある小さな商店街、三日月通り。そこにカフェパー『魔女の家』がある。そこにはひとの子のことが大好きな優しい魔女たちの住処だ。ずっと昔から人知れずひとの子の眠りを守ってきた優しい魔女たち。道に迷ったひとの子、最後のひとことを伝えたいひとの子、そんな彼らの力になってくれる魔女たちがこの物語の中にいる。

ひとならぬものたちが生きていけるような場所ではなくなったこの地上にかろうじて残った魔女たちが起こす奇跡をじっくりと、そしてしっかりと受けとめながら読みました。

「物語の力を信じるひとの子には奇跡のひとつやふたつが訪れてもいいはず」そんなふうにつぶやく、優しい魔女たちの紡ぐ優しい物語。
なんて優しい物語なのでしょう。
いま、この世の中には心を痛める現実の出来事がたくさんあるけれど、ひとの心を信じて、愛する気持ちを信じて、お互いを思いやる気持ちを信じていけたら、きっとまだまだ大丈夫。そんなふうに思える物語でした。

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人の暮らしに溶け込んで過ごしている魔女や魔法、幸せを願うまじない。なんてワクワクするキーワードだろう。優しく人々を見守り、手を貸し、心を魂を助けてくれる魔女の七瀬やニコラは、時に『怖いもの』として表現される魔女とは随分違っています。長く長く生きる彼女たちが、その長すぎる生の途中で経験したたくさんの別れが、その優しさの芯になっているのだろうと感じました。
魔女にはなかなか出会えないもの。だけど幸運にも出会えた人々は幸せなまじないによって救われ笑顔になっていく。その笑顔によって魔女もまた幸せそうに笑う。そんな優しさの連鎖が、病魔に恐れ、ギスギストゲトゲした空気が蔓延した今こそ沁みるなぁと思います。
ギュッと強ばった気持ちがほろっと解けるような物語を読んで、みんな落ち着こうと言いたい。

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どれも、村山さんらしいとても優しくて、少し泣けるお話でした。新型コロナウィルスの大流行という今、突然の別れや、理不尽な別れを強いられた人を思ってしまい、時々泣きました。でも、誰かの記憶に残るなら、誰かの礎になるならば、それは「いなかった」事にはならない。私たちが今ここで生きている事への感謝を改めて感じる作品でした。怖いけれど、魔女たちのように長く生きられれば幸せ、というものでも無いのでしょうね、きっと。#NetGalleyJP

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世界をそっと優しく見守る魔女たちが起こす奇跡の数々。
人の命はとても儚いものでいつ尽きるかわからない。
救われる命もあれば、突然のことに気持ちが追いつかず、この世に想いを残してしまうこともある。
そんな心に寄り添い、みんなの幸せを願う魔女たち。
その優しさを受け取ったものたちの、互いを思いやる気持ちに涙がこぼれた。
魔女たちにもそれぞれ歩んできた人生があり、それは、寂しさや孤独を感じる、決して幸せなものだけではないけれど、それでも、魔女たちは私たちを見守り続け、想いをつなげてくれる。
時に不思議な現象が起きることがある。きっと、それは、魔女たちの思いやり。
そのような存在が、この世の中にいても決しておかしくないと思えてしまうほど、優しい気持ちになれる真心に満ち溢れた物語。

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こんなことがあったらすてきだなと思える、日常にひそむちょっとした不思議の数々。
寿命が違いすぎるので、町に暮らす魔女は人と一定の距離を保っている。
魔女から見れば、人の人生はほんの一瞬で終わってしまうから。
でもめぐり会えた人にはおいしいココアでもてなしてあげたり、望みが叶うようにそっと手を貸してあげたりする。
短い人の一生を慈しみ寄り添う魔女たちの優しさが、ひたすら温かくて、切ない。

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村山早紀さんらしい、優しさに溢れたファンタジー。
海の近くにある三日月町で、魔法使いの少女・七瀬と黒猫、七瀬が住む「魔女の家」の女主人ニコラが織り成す1年間の物語。
前半は児童書のようにも感じましたが、ニコラが語り手となった第5話「サンライズ・サンセット」の親子や兄弟の物語には思わず涙。ファンタジーを信じる心と、お盆に死者や祖先が帰って来てくれるという心は繋がっているのだと感じました。
最後の隠れキリシタンの話も、長崎在住の村山さんらしい、その土地が持つ歴史や哀しみを上手く題材にしながら、エピローグにつながる、心温まる優しい物語になっています。
魔女の話が好きな子供はもちろん、大人も童心に返って楽しめる素敵な物語。

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私も魔女の家に行ってお茶を飲みたい!
児童文学が好きで、魔女の宅急便の文庫版も全巻持っています。
このお話はかつて魔女好きだった大人もとても楽しめる本でした。
どちらかというと、魔法!というよりは生き方や、切なさなどが描かれた本。
どこかにこんな魔女の家があって、きっと今も人間の眠りを守っているんだと思える素敵なお話ばかりでした。

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魔女という非現実的な存在を日本のとある街においたことで、ファンタジーとリアリティが絶妙に組み合わさっていて魅力的だった。いろいろな出会いと別れが描かれていて、心があたたまったり、ほろりと来てしまったり、切なくなったり……。たくさんの出来事を見てきた魔女という存在、なんとなく寂しいなあと思いつつ、元気づけられるような感じがした。

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魔女の生命は人間より長く
天寿を全うした瞬間 光の粒になる

人の記憶に刻まれぬ出逢いと別れの繰り返し。そして生と死。

──魔女と人の強き念が再び擦過した時、筆者の魔法が双方を包み込む。

夜空に流れるオーロラにくるまって 素敵な夢を見た。

魔女の七瀬と猫さんの月を過る影を焼き付けて。

世界の夜と眠りを魔女たちは守る。

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魔女の七瀬が出会った人々、七瀬の周りで毎日を営む人々の物語。
元来、ファンタジーは苦手で、すすんで読まないのだが、この本はすんなりと読めた。
著者の生み出す優しい言葉の数々が、胸にじんわりと染み渡った。
どこか切なく、温かい魔女の物語。

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その昔、想像力を働かせ、「もしも、~だったら」と言う願いや夢をどうしたら叶えられるか、そんな時、魔法が使えたら、と考えたことがある全ての人に贈りたい物語。
ファンタジー小説ならではの派手な演出はなく、淡々とした日常の、ほんの隙間にある奇跡が描かれています。それ故に、もしかしたら本当に魔女は存在しているのでは、と思えます。
魔女から見た人間界は、時間の概念も恐ろしく違っていて、それゆえの悲しみや切なさを、日常の中で自然、感じなければなりません。それでも、人間のために、密かに魔法を使い、人間を守り、助け続けている魔女たちの優しさが心に染みました。

#魔女たちは眠りを守る
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