赤羽末吉

絵本への一本道

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刊行日 2020/05/22 | 掲載終了日 2020/05/19

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内容紹介

『スーホの白い馬』で知られ、日本人ではじめて国際アンデルセン賞を受賞した赤羽末吉。50歳でデビューし、自由な筆致と緻密な設計で「こころ」を描いた作家の作品と生涯を紹介する。

『スーホの白い馬』で知られ、日本人ではじめて国際アンデルセン賞を受賞した赤羽末吉。50歳でデビューし、自由な筆致と緻密な設計で「こころ」を描いた作家の作品と生涯を紹介する。


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784582635218
本体価格 ¥2,000 (JPY)

NetGalley会員レビュー

小学校の図書館にたくさんある赤羽末吉さんの絵本。「スーホの白い馬」にも、民話の鬼の姿にも、そんな思いがあったのだなあと改めて知りました。赤羽さんのお持ちだった郷土玩具の中に熊本の「お化けの金太」があって、思いがけない繋がりを感じました。

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鬼といえば、赤羽末吉さんの造形が刷り込まれている人が多いのではないでしょうか。
「ももたろう」「だいくとおにろく」「こぶとりじいさま」「へそもち」といった、
鬼満載の日本民話を発表する一方で、「スーホの白い馬」「王さまと9人のきょうだい」など
中国を舞台にした絵本も多数ありましたね。
私も子どものころ、これらの作品を大変「無造作に」読ませていただいておりましたが、
それも赤羽さんの意図していたことと知って、子どもを見つめる視点の深さに感じいりました。

大陸時代、引き上げの苦労と悲しみ、ダブルワークの末の画業専念と、
赤羽さんの人生が作品とともに紹介されていて、情報の整理に役立ちました。
最終章のご子息の鼎談では、赤羽さんの人生がそれぞれの視点からリアルに語られています。

個人的に特に響いたのは、赤羽さんの初期の創作の根源のひとつが映画「ジークフリード」だったこと。
ドラゴン退治の場面が特に好きだったというのは、東アジア的表現の根っこには西洋の河があったということです。
また、96-97ページにある、絵本のダミー。実物でなくても全然かまいません。これは私の宝物に認定します。

絵本が好きな人なら、一度は目を通すことをお勧めしたい資料本です。

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小学校図書館でお馴染みの赤羽末吉さん。「スーホの白い馬」も教科書に出てくるので子どもたちにもなじみ深い方です。 「スーホの白い馬」「スーホのしろいうま」の読み比べをしてみたいです。
絵本(物語)に対する赤羽末吉さんの思いを知り、あらためて全ての作品を読み直したいなと思いました。発売日が楽しみです。

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『スーホの白い馬』や『かさじぞう』など、数々の名作絵本を遺した赤羽末吉氏。その生涯と人物像、絵本解説を一冊にまとめたもの。絵本の絵、スケッチ、手帳、スナップ写真、旅先の写真、エッセイや新聞記事の文章、氏に寄せられたエッセイ、息子たちのインタビューなどから、彼の絵本の魅力と絵本にこめられた思いが、ありありとうかびあがってくる。

 まず驚いたのは、赤羽氏の豊かな感性と、それを書き表す文章の素晴らしさだ。「紫色の空気がおさえてくれなかったら、目の玉の裏までもつきさす白い反射である。」(P28)など、文章からその情景が感覚を通してじんじんと伝わってくる。
 色に対する感性も当然ながら豊かだが、際立っている。十数年を過ごした満州の乾燥した風土と、湿気を含んだ日本の風土を感じとるだけでなく、そこに似合う色の違いにまで赤羽氏は気づいている。
 絵を描く人は、そのように物事を見ているのだと、鋭さにはっとさせられる。

 そうした豊かな感性で捉えた世界を、心に湧き上がった感激を、そっくり、子どもたちに伝えたいと考え、資料を調べつくしたうえで、最善の工夫を施し、全力で絵本を創りだしているとわかった。
『スーホの白い馬』で、壮大さを表すためにした「色のドラマ」「構図のドラマ」の工夫には、ほれぼれする。そして、それを受けとる私たち読者は、どんなに幸せかと思う。

 赤羽氏が中国からの帰国時、腹に巻いていたという「樹下美人」も印象的だった。「樹下美人」には、深さ、格調高さ、強さ、人間的なやさしさが全部ある。若いとき、そういう絵をかきたいと思ったというようなことを、彼はいっている。
 その理想を絵本にこめて描いただろうし、息子たちのインタビューを読めば、きっと、彼自身がそういう人間だったと感じられる。
 最後の「赤羽末吉が遺したもの」の章では、絵本の絵に対する思いが赤羽氏の言葉で綴られている。それは、私たちがなにかをするときの心構えにもなるものだ。

 赤羽氏の絵本の魅力とそこにこめられた魂を、たくさんの資料から、わかりやすく、カラー版でまとめた1冊。こうした本を読めたことをありがたく思う。

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