文豪たちの憂鬱語録
豊岡 昭 ・高見澤 秀
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刊行日 2020/06/05 | 掲載終了日 未設定
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内容紹介
●憂鬱な気分に浸りきろう!
ただでさえ憂鬱な気分になりがちな梅雨時。今回はコロナの影響もあって、ますます沈み込んでしまうかもしれない。そういうときは無理に自分を奮い立たせるよりも、憂鬱な気分にできるだけ浸りきったほうがいい。本書は、文豪たちによる「憂鬱名言」を取り上げて、読者の方々が〝日本で最も美しい憂鬱気分〟に浸れる内容になっている。
●本書で取り上げる10名の文豪たち
太宰治、石川啄木、夏目漱石、芥川龍之介、島崎藤村、坂口安吾、宮沢賢治、谷崎潤一郎、佐藤春夫、有島武郎の10名による文豪の憂鬱、絶望、狂気といった「文豪のリアルな肉声」をご紹介する。類書には常連の太宰や漱石に加えて、有島武郎、島崎藤村、石川啄木、宮沢賢治といった、あまり目にしない文豪も登場する。
●500ほどを名言は切れ味抜群!
本書では文豪が人生をはかなみ、社会に唾を吐き、人間関係をぶち壊しにしていくという、読み手を鬱々とさせるものばかりを集めた。本読めば文豪がますます好きになることは間違いない。彼らは「言いたいこと」を素直に、極端に、鋭利に言ってくれるので、爽快感の切れ味が違う。これまでにないほどたっぷりマイナスイメージに浸った後は、もうきっとプラスの感情しか湧いてこない。一味違った名言本の良さを、ぜひ体感してみてほしい!
【目次】
第1章 太宰治のネガティブ語録 暗すぎてウケる! 文豪界随一の絶望名人
第2章 石川啄木の『ローマ字日記』 娼婦、借金、無断欠勤も赤裸々なクズの証明録
第3章 夏目漱石の厭世語録 エリート出身の大文豪が綴る憂鬱な呟き
第4章 芥川龍之介の『侏儒の言葉』と晩年 「文豪が憧れた文豪」が零した怜悧な嘲り
第5章 島崎藤村の『新生』 これぞゲスの極み! 姪を妊娠させた狂気
第6章 坂口安吾の無茶ぶり名言 叱咤激励を超えて罵詈雑言の境地か
第7章 黒い宮沢賢治 イーハトーブの深い闇
第8章 ドマゾの谷崎潤一郎VS狭量な佐藤春夫 暴走する奴隷願望と独白する毒舌文豪
第9章 闇落ちしていく有島武郎 白樺派唯一の闇キャラが残したダーク名言
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784798060989 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
抱いてきたイメージを打ち壊す。知らなかった闇。誰しもが抱えているだあろうものだが、言葉を綴る人たちからすると、それすらもダダ漏れに漏れ心に留まらず流れてゆくのだと、哀しみすら覚えるようなそんな想いに駆られる。嘆きも妬みも心に溜まった毒は、文字にすることで少しは昇華されたのだろうか。
物書きは正直者で偽善者で。教科書に名を連ねる累累。生死の片道切符、鬱々とした戒名徒然と。掠れて消えることのない焼印の刻。塞き止められぬ血潮の噎せる臭い。評価額は三途の渡し賃。あちらではそれ以上を求めてはなりませぬ。
●「すごい読み応え!」
とんでもない読み応えでした……
テーマにそって、小説の中の一文を取り上げてくることが
こんなにも面白いと思いませんでした
twiitterとかで流行るなんってまさかなんって思いましたが
こうやって横並びで並んでみると
文章がまた素敵なだけにすごく面白いです
また、なんだろう著者がリスペクトがないからでしょうか…
いやあるんだろうけれども、
ツッコミ方とか、人物評とかが結構尖ってて楽しかったです
世の中に発信することの虚無
ニヒリズムも追求すれば、いろんな信仰や思想に出会う。
自分の生とは?
または死とは?
ここに書かれた9人の文豪たちが織りなす言葉は、時に窮屈で、時に宇宙のように広い。
ポジティブなのかネガティブなのかよくわからない言葉や文字のパワー。
本書に出てくる言葉は、どれもコントロールが不能な真っ黒い炎のように、僕の中の何かをかきむしってくる。
制御することをあきらめた観念のように立体化しては、また深い海に潜る。
この感覚を僕は知っている。
あえてここでは「衝動」と名付けてみる。
まともに向き合えば、各々、孤独と向き合う準備を問われているような気にさえなってくる。
そんな彼らの生きた残滓が、今も読み継がれて人々を魅了する理由とは?
シンプルに僕らが今を生きているからだ。
「生きる事は、芸術でありません。自然も、芸術ではありません。さらに極言すれば、小説も芸術ではありません」(p23『風の頼り』引用)by太宰治
世の文豪の作品は数々あるが、学校の教科書に出てくる作品はなんでいつも同じ?と思っていた。そしてそれは教科書にはちょっと載せられない小説の方が実は多いのだろう、ということがわかる本です。しかしながら、ダメなところも含めて作家の内面をさらけ出した文章の方が、読者の心をとらえるもので、おそらく授業中の居眠りもなくなるはず。
かの有名な文豪がいかにクズだったのかわかる本
いやはや、エピソードだけは知っていても、改めて向き合うと酷いもんです。
なんでこんなんで生きていられたのか不思議なくらい。
ただ、それだけに彼らの紡いだ文章が今もなおどうしてこんなに刺さるのか。
それは彼らの生き方が闇だったのではなく
人として、表にはなかなか出せない本質の一部なだけだったからのように思わされた一冊
彼らのクズさに笑うも良し、一緒に沈むも良し
はたまた反面教師にするも良し
読む人、心持ちで如何様にもなる不思議な本だった
最近「文豪」をキーワードにした本は多いけれど、楽しんで読めました。
こう言っては何ですけれど、病んでいる人多いですよね。
人よりも闇が深いからこそ、常人には達せない境地でものを書くのかもしれません。
このような本が入り口になって著者本人や著作に興味を持ってくれたらという下心込みで、
生徒にすすめてみたいなと思います。
こんな切り口考えたこともなかった。この視点を持ってもう一度作品を読み返したい。
10名の文豪の生い立ち、人となりを紹介してから、その作品の中に垣間見える文豪の心の闇をピックアップ! 読んでいるうちに「むしろクズじゃないといい作品を生み出すことはできないんじゃないか」とさえ思えてくるが、一方で人間くさい人間なのかもしれない。そうでなければ人の心の襞の奥底など表現することはできないだろうから。
時代を経てもなお、人の心を揺さぶる作品だけになんとも言えない気持ちになったが、それも含めて「人間とは」と考えさせる存在というのは、やはりすごい。
文豪たちの作品を未読の方も既読の方も、片手に文豪の心の叫び、片手に本作。
「恥の多い生涯を送ってきました」
「私ひとりが、変質者だ。」
「とかくに人の世は住みにくい」
「死とはあまりに無能である」
等々。
なかなかに暗い。
だけどその憂鬱な呟きさえも、うつくしいなんて、ずるい。
小説の中の言葉をこんな風に切り出して分析するなんて考えたこともなかったので、とても新鮮でした。あの時のあのフレーズが!と読んだ本を思い出してニヤニヤするのも楽しいですが、逆にこの一文が使われているのはいったいどんなシーンなんだろうと想像し、元作品を手に取るのが楽しみになったりもしました。文豪作品には独特の魅力がありますが、手に取りにくい分野ではあると思います。こういった本をきっかけに手に取るのもいいのではないでしょうか。面白かったです。
10人の文豪たちのネガティブな名言がたっぷり掲載されています。
それぞれの文豪について、冒頭に解説があり、人となりをおさらいしてから読めるのが良かったです。
教鞭を執る人と新聞社に関わる人が多いようで、教え子と読者は大丈夫かなと心配になるレベルですが、
作品の一部分だけを抜き出しても芸術的なリズムになるのはさすが文豪、と思いました。
姪を妊娠させた島崎藤村の小説というか私小説。あれはひどい鬼畜だと思った。そういうことがあったにせよ、小説にして宣伝することはないし、姪の立場はどうなるのかと思った。太宰や芥川、漱石の陰気なのは知っていたが、石川啄木の武勇伝には驚いた。こんなのありなのかよ。最低なのは、ローマ字日記って形で妻には読まれないように書いていたのだが、こんな風に内容紹介されてはたまらんだろうな。石川啄木が最低大賞決定だな。
ゴールデンカ◯イにでてきた石川啄木、あれ、凄まじかったよね。本作を読んであの描写はまんざら嘘でもないじゃん、と思いましたよ!解説通り、この大御所たちの鬱々とした叫び、を編んだもの。気が滅入る?いや、別に。まさにそういうものだと一瞥してわかるので。むしろ、いや、すごいこれはなかなかの、言葉は悪いけど下衆すぎる。妻に分からないようにと書いたローマ字日記のエロさ。そして、禁断の人に手を出してしまい云々の話の多さ。人間の肉欲の激しさ。その中で漱石とかは天上の人のようだな。その他が地を這い回る人間臭さなのか。時代が現代ではないので貞操観念がないのもあるが。これ読んで鬱にはならずむしろやりたい放題の作家達すごいと思う私は天邪鬼なのかも。
どんなにヤバい性癖でも小説の中なら許される、ということを言っていたのは、確か渡辺淳一だったかな?
作品の中で花開く闇の数々……。
こうして抜き出して並べてみると、なかなか闇は深く、作家によってそのジャンルも違うのが面白い。
何度「大丈夫か、こいつ(笑・恐)」とつぶやいたことか。
教科書に載ってるような人たちも、やっぱり人間なんだな。
ちょっとだけ「文豪」が身近になった感じがした。
文豪のダメ人間っぷりを紹介している作品。内容もかなり過激なものがあるため正直学校向けにはおすすめできないが、読み進めていると文豪たちのありえない生き様にだんだんと感心してしまうのが不思議。石川啄木、恐るべし。今の時代ならこの作品で紹介されている文豪たちは間違いなく全員炎上必至です。
文豪たちが必死に真理を追求しようとした、その結果の表面だけを切り取ると、確かにこのような憂鬱語録が出来上がると、面白く感じました。知っている本が出てきても、知らない本が出てきても楽しめる、魅力あふれる一冊だと思います。
面白かったです。
名だたる文豪たちのイメージがいい意味で覆されました。
「人間だもの誰だって心の中に闇を抱えているよね。」
「人生一度きり、好きなことして生きていたいよね。」
文豪たちも必死に生きていたんだなと身近に感じれました。憂鬱を通り越して清々しささえ感じます。
だけど石川啄木、島崎藤村には恐れ入りました。
これぞ「ゲスの極み」です。
太宰治など文学史上有名な作家の作品から引用したネガティブ記述コレクション。言葉の達人が紡ぎ出す人生の悩みに、共感を覚えるだろう。一方で、文豪ならではの破天荒な人生経験の章は、賛否両論あろうが驚きが味わえる。
個人的には、石川啄木が衝撃的だった。いや、ホントに「働けど働けど…」の句のイメージしかなかったもので。ちょっと!💢 詐欺でしょう!? と思っちゃう。宮沢賢治はわりと怖い感じのも書いてるし、ブラック賢治作品をもっと取り上げてほしかったかなと思う。
少し本に興味がある人なら必ず聞いた事はありながら、敷居が高く手には取りづらそうな面々の文章抜粋集です。
これを以て「誰々は○○である」と断じるのは全くの早計と言えるでしょう。と言うのも当該書籍はあくまでも抜粋であるからです。抜粋だけで判断するならMr.Childrenでさえも憂鬱なバンドとする事が出来ますし、私にはそれが証明出来ます。
つまり全体を読まないと作者の意図する事を感じるのは非常に困難なものです。例え対象になっている文豪達が実際に憂鬱な人生を歩んで鬱屈とした気持ちを持っていたとしても。
この本で興味を持った文豪がおられましたら是非とも手に取って全体を読んで下さい。漱石も芥川も太宰も非常に面白い作品を書いています。
この本の良い所は正に、手に取りやすいキャッチーなタイトルと面白そうな部分を抽出して「一度買って全体を読んでみよう」と言うきっかけになり得る点に尽きます。