団地のコトリ

teens’ best selections

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刊行日 2020/08/03 | 掲載終了日 2020/08/04

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内容紹介

父を亡くし、母と二人暮らしをしている美月は、バレーボールに青春をかける中学3年生の女の子。自分には身寄りが母親しかいないのだと不安になることはあるけれど、部活の仲間たちや同じ団地に住む愛梨に囲まれて、ひとりの中学生として、幸せな毎日を送っている。

ある日、家で飼っているインコのピーコが逃げ出し、階下の独居老人・柴田のじいちゃんが住む部屋の窓辺に挟まっているのを発見する。じいちゃんに助けてもらおうと声をかけたとき、そこにいるはずのない女の子の気配を感じて……。

居所不明児童の問題を、中学生の少女の視点から描いた著者渾身の意欲作!

父を亡くし、母と二人暮らしをしている美月は、バレーボールに青春をかける中学3年生の女の子。自分には身寄りが母親しかいないのだと不安になることはあるけれど、部活の仲間たちや同じ団地に住む愛梨に囲まれて、ひとりの中学生として、幸せな毎日を送っている。

ある日、家で飼っているインコのピーコが逃げ出し、階下の独居老人・柴田のじいちゃんが住む部屋の窓辺に挟まっているのを発見する。じいちゃんに助けてもらおう...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784591167243
本体価格 ¥1,400 (JPY)

NetGalley会員レビュー

部活に燃え、仲の良い友人たちが居て、悩みといえば迫りくる高校受験というあたりまえをあたりまえと思って生きている少女美月。その生活圏に少しずつ入り込んでくる違和感。読者はもう一人の主人公となる陽菜の目線からの物語を同時に読むことでその違和感の正体を知りつつ物語は進んでいきます。
居所不明児の現実を若い世代に提示する、意味のある本だと思いました。対象年齢は小学校高学年から中学生まででしょうか?この年齢の子供たちはとても敏感ですから、読めば忘れられないでしょう。そういう配慮があって生死や衝撃的な場面がわりとあっさりと描かれているのかな、と思いました。
作中、美月が善悪や他人に対してどう判断してよいのかわからず逡巡したり、小さな後悔をしたりします。15歳の未熟な一面は大変好感が持てました。

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居場所のない子、戸籍のない子…様々な状況の子どもたちがクローズアップされる機会が増えた。昔と比べて増えているということなのか、昔よりもその実態が明らかになってきたということなのか。何にせよ、大人の都合で満足な社会生活を送れない子どもがいることは事実だし、十分に救済できる措置がないこたもまた事実。どうしたらよいのか未だ考えも半ばだけれど、できることから、そして繋がりを切らないことを続けなければと思う。

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「居所不明児童」、つまり居所がわからなくなってしまっている子どもが全国に大勢いるというのは、今の日本の一つの問題です。親が子どもを育てられないからという理由で施設に預けられている子どもたちがいるということは知られていますけど、子どもと一緒に暮らしたいためにウソをついて子どもを引き取り、失踪してしまう家族がいるというのは、日本という国の影の部分です。

 美月さんのような母子家庭だったり、親がいなかったり、親はいても子どもと一緒に暮らせる状態ではない家庭だったり、いろんな事情を抱えた人が世の中には大勢いるのです。そういう人たちの存在が見えなくなってしまっているのは何故なのでしょうか。

 当事者が出てくるのを嫌がっているのかもしれないし、ただ単に助けの求め方を知らないだけかもしれないし、難しい問題はたくさんありますけど、この物語に登場するような子どもを見つけて、何らかの解決策を出さなければならないのは確かです。役所に頼るだけでなく、地域社会として助け合いたいです。

 難しいテーマをわかりやすく教えてくれた作品でした。

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今日、様々な困難を抱えている家庭も多い。経済的困窮や孤独。社会での生きづらさは尽きない。そんな中、不安を抱えながらも、明るく過ごしている少女が目にしたものとは。親の事情により、飢えに苦しみ、教育も受けられない幼い子どもがいる。親だけの責任なのだろうか?頼り方を知らない、受けられる行政支援自体を知らない親も多いのではないだろうか。知る機会さえないのかもしれないけれど、子どもと離れたくない。その思いから、よけいに子どもの貧困は見えづらくなってしまうのかもしれない。このような深刻な状況があるということを子どものうちから知る事ができれば、いち早く救いを求めるメッセージに気づくことができるかもしれない。貧困だけではなく老人の孤独も同じで、地域の人々で支えるには限界があるかもしれないけれど、何かできることはないのかと考えるきっかけになる作品だと思いました。

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