AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争

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刊行日 2020/07/16 | 掲載終了日 2020/07/16

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内容紹介

戦前から戦後の貴重な白黒写真約350枚を最新のAI技術と、当時者への取材や資料をもとに人の手で彩色。カラー化により当時の暮らしがふたたび息づく。

広島出身の庭田氏と渡邉教授は、 AI(人工知能)技術で自動カラー化した写真をもとに、 対話の場を生み出す「記憶の解凍」プロジェクトに取り組んでいます。 このプロジェクトは、 庭田氏が高校在学中の2017年にスタートし、 発展しながら続けられてきました。
「記憶の解凍」においては、 AI技術でモノクロ写真を自動カラー化したのち、 戦争体験者との直接の対話、 SNSで寄せられたコメント、 当時の資料などをもとに手作業で色彩を補正していきます。 この過程において、 モノクロ写真の印象が大きく変化し、 遠い昔の戦争が現在の日常と地続きになり、 写し込まれたできごとにまつわる対話が創発します。 このことにより、 貴重な資料とできごとの記憶を未来に継承する一助となることを企図しています。

本書は、 これまでの研究成果をまとめたものです。 戦前の広島・沖縄・国内のようす、 開戦から太平洋戦線、 沖縄戦・空襲・原爆投下、 そして戦後の復興。 個人提供による貴重な写真、 朝日新聞社・共同通信社提供の写真、 アメリカ軍が撮影した戦場写真など約350枚をカラー化し、 収録しています。

戦前から戦後の貴重な白黒写真約350枚を最新のAI技術と、当時者への取材や資料をもとに人の手で彩色。カラー化により当時の暮らしがふたたび息づく。

広島出身の庭田氏と渡邉教授は、 AI(人工知能)技術で自動カラー化した写真をもとに、 対話の場を生み出す「記憶の解凍」プロジェクトに取り組んでいます。 このプロジェクトは、 庭田氏が高校在学中の2017年にスタートし、 発展しながら続けられてきました。
「記...


出版社からの備考・コメント

刊行前から各種メディアで話題になり、発売前重版が決定しました!

刊行前から各種メディアで話題になり、発売前重版が決定しました!


おすすめコメント

【著者コメント】
●渡邉英徳教授コメント
戦前から戦後にかけての写真は、 もっぱらモノクロです。 カラーの写真に眼が慣れた私たちは、 無機質で静止した「凍りついた」印象を、 白黒の写真から受けます。 このことが、 戦争と私たちの距離を遠ざけ、 自分ごととして考えるきっかけを奪っていないでしょうか?
私たちはいま、 AI(人工知能)と人のコラボレーションによって写真をカラー化し、 対話の場を生み出す「記憶の解凍」プロジェクトに取り組んでいます。
戦前の広島・沖縄・国内のようす。 そして開戦から太平洋戦線、 沖縄戦・空襲・原爆投下・終戦。 本書には自動カラー化ののち、 写真提供者との対話、 資料、 SNSでの時代考証などを踏まえて仕上げた、 約350枚のカラー化写真が収録されています。
しあわせな暮らしが、 少しづつむしばまれていくようす。 戦禍が日常に。 そして焼け跡から生まれた希望。 一葉一葉をめくり、 眺めながら、 過去のできごとに思いを馳せていただければ幸いです。

●庭田杏珠氏コメント
高校1年生の夏。 私は広島平和記念公園で偶然、 浜井徳三さんと出会いました。 浜井さんの生家は戦前、 中島地区で「浜井理髪館」を営んでいました。 中島地区は現在の平和公園にあたる場所で、 原爆投下前は4,400人が暮らす繁華街でした。
浜井さんが疎開先に持参した大切なアルバムを見せてもらうと、 戦前のご家族との幸せな日常を写した白黒写真約250枚が収められていました。 「ご家族をいつも近くに感じてほしい」という想いから、 私はカラー化の取り組みを始めました。
その後も、 少しずつ中島地区の元住民との繋がりが広がり、 資料や対話を通してよみがえったさまざまな「記憶の色」を再現しています。
写真集の出版にあたり、 私自身は子どもたちの目線から写真を集めました。 戦争は、 戦地で戦う人たちだけではなく、 子どもたちを含む一般市民も巻き込まれてしまうものなのだと伝えたかったからです。 家族と最後のお別れもできないまま、 永遠に一人ぼっちになってしまった、 中島地区の浜井さんたちの想いとともに…。
本書を通して、 戦争や平和について、 自分ごととして想像してほしい。 そして、 それぞれが感じた想いをまた、 大切な友達や家族に伝えてほしいなと思います。 これが、 今の私にできる戦争体験者の「想い・記憶」のあたらしい伝え方です。

【著者コメント】
●渡邉英徳教授コメント
戦前から戦後にかけての写真は、 もっぱらモノクロです。 カラーの写真に眼が慣れた私たちは、 無機質で静止した「凍りついた」印象を、 白黒の写真から受けます。 このことが、 戦争と私たちの距離を遠ざけ、 自分ごととして考えるきっかけを奪っていないでしょうか?
私たちはいま、 AI(人工知能)と人のコラボレーションによって写真をカラー化し、 対話の場を生み出す「記憶...


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784334044817
本体価格 ¥1,500 (JPY)

NetGalley会員レビュー

戦前ののどかな日常、花見や運動会の写真は、当時の明るい日々を伝えてくれます。

 わたしたちが今、見ることができる広島の原爆ドームのある一帯は、こういう普通の人たちが住んでいる町でした。それが一瞬にして跡形もなくなってしまったということを、この本に納められている写真を見ることで、初めて知ることができるです。戦争は恐ろしいものです。

 同じ時期、アメリカに住む日系人は敵国人として財産を没収されて、収容所に囚われていました。そういう写真も、この本には収められています。戦前の幸せな時期と、戦中のつらい時期、戦後になって解放された後、写真は事実を見事に伝えてくれます。

 この本の中で私が一番びっくりしたのはドイツの収容所の写真でした。小説「縞模様のパジャマの少年」で描かれていたナチスドイツに囚われた収容所の少年たちが写っていたのです。戦争が終わり、命が助かった少年たちの笑顔がまぶしいです。

 白黒で撮られた写真が見事にカラー化され、人の体温まで感じるような写真を見て、平和であることのありがたさをしみじみと感じました。

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写真をカラー化すると撮影された状況がわかりやすくなる。
街並みや人々の様子を写した写真などが特によくて、モノクロでは読み取ろうと努力しなければわからなかったであろう服装や看板の文字などがすんなり認識できる。

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戦前〜戦中〜戦後の市井の人々の生活を写すモノクロ写真を、過去の資料や証言と最新技術によりリアルに彩色した写真は、人物や風景が立ち上がって来る。それは、現在から切り離された過去ではなく、今と地続きの日々なのだと感じる。そこにあるのは、戦時下にあっても驚くほどに明るく、喜びや笑いのある生き生きとした庶民の生活。広島市内の写真も多く、子供の頃よく出かけた商店街のかつての姿も数多く掲載されていて、懐かしさも一入。
電子版で見ましたが、これは紙の本で再読したい。

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平和教育は大事なことだけど、戦争の悲惨さ残酷さを見せることが子どもや若者が忌避感を持つことに繋がった面もあるかもしれない。庭田さんが書かれていることにまったく同感。「戦前には私たちと変わらない暮らしがあって、それがたった一発の原子爆弾によって一瞬のうちに奪われてしまったことを自分ごととして想像してもらいたい。」ところどころに入る日本以外の国の、爆撃や空襲後の街を撮った写真をみるにつけ、「世界大戦」ということ、世界中で人間が人間を殺していたのだということが身に迫る。

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カラー写真として見ることで、そこに写っている人や出来事が決して遠い過去のものや作り物ではなく、今自分がいる所・時と地続きであるという感覚が持てるようになりました。写っているものの色彩は年を追うごとに地味になり、被写体からは日常の喜怒哀楽や生活のにおいが消え、節制や、破壊や、死の気配の濃いものになっていきました。本当に、戦争は嫌です。
当時を知る人はカラー化した写真を見て、記憶を掘り起こすきっかけになったということですが、当時をまったく知らない多くの人にも、カラーで見た体験は忘れえぬものになると思います。

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職場の後輩から話を聞いていると、世代的に祖父母から戦争の話を聴いて育ってきたという人が少なくなっている気がします。
 本書の情報を知ったときから読みたくて仕方がありませんでした。想像以上の1冊でした。75年以上前、戦前、戦中、1940年代…歴史で習い、テレビドラマでその時代を取り上げた映像を見ても、おそらく感じ取れないだろう“現実”がここにあります。
写真に写っている人々が“生きている”という生活感、ファインダー越しに伝わってくる彼らの“感情”、カラー化することによって現代の私達が彼らによって繋がり、生きてきていることが実感できるのではないでしょうか。
日系人強制収容所での日常の一コマなど、貴重な写真も満載です。写真枚数の多さと充実度にも圧倒されました。

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人間は脳でものを見ていると言われているが、
色の場合は、実際の色よりも鮮やかに記憶しているのだそうだ。
AIの自動カラー化ではなんとなくしっくりこないのは、
恐らく人の記憶の中の色とは違うからなんだろう。
本書には、教科書でしか見たことのないような、
真珠湾攻撃でまさに爆発する瞬間、
帝国議会で敬礼を受けるヒトラー、長崎原爆投下が、
カラー写真になることで、まるで今起こっている出来事のように、目の前に広がる。

ふと、どこかで読んだ、3.11の時、被災した人々はまず写真を探した
という話を思い出した。
私たちは、喪われた景色や景観、風景や場所や、
自分が、人が、確かにそこにいて生きていた、
という事実に何度でも出会うために、写真を撮るのかもしれない。

戦後75年分の想いと復元させようとする人々の想いでずっしりと重い新書。
手元に置いておきたい1冊。

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まだ100年も経過していない時代の写真を、カラー化した写真集です。
おそらく、この写真の情景を時分の記憶として覚えているという方は、懐かしさがこみあげてくるのではないかと思うのですが、不思議と生まれてまだ50年に満たない私が見ても、懐かしさや既視感といった感情が沸いてきます。
記憶にない風景を見て、なぜ懐かしさがこみあげてくるのだろう。
おそらく、私たち日本人は全員が原風景としてこの作品に掲載されている風景を記憶とは別の何かとして覚えているのではないかと思います。それは、もしかすればこれまで生きてきた中で得た知識や風景からの再構築なのかもしれません。それでも、多くの日本人は同じような気持ちになると思います。
今年はお盆休みでも、祖先の眠る場所へ帰ることが難しいかもしれません。
自分の祖先に想いを馳せながら、未だ見ぬ、確かにあった、日本人の原風景を確認するために、この作品を眺めるのもいいのではないかと思います。

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写真に色が有るか、無いかというその一点の違いが、こんなにも写真を見る側の気持ちに変化を与えることに驚きました。色がつくことで「昔の出来事」が一気に近づいてきました。

カラー写真になったことで戦争の悲惨さ、恐ろしさがより感じられたことは想定の範囲内でしたが、意外だったのは「戦争の滑稽さ」が強調されていたことです。たとえばp17の戦争ごっこをする園児たちの写真。真剣な表情で銃を構える子どもたちの姿に、可笑しささえ感じてしまいます。それが翻って、戦争中の狂気を感じさせる面もあるのですが。

とても良い本だと思ったのでさっそく購入の予約をしました。
ちなみに、また続編が出るならば、単行本もしくはそれ以上のサイズだと学校では使いやすいです。

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人々の暮らしから空襲の様子まで、第二次世界大戦の写真はモノクロで、自分には遠いもののように思っていたが、AIや写真に写っている方への調査などでカラー化されると、一気に身近に感じられるようになりました。カラフルな服装で微笑む人々や生活の様子は今も変わらないと思い、空襲で燃えさかる炎は、赤々としたことで恐怖を感じるようになりました。
平和について学ぶ生徒達も、カラーになった写真から学べることは多いと思います。

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カラー化されたから、視覚に訴えてくるものが大きく、そのあまりのリアリティさに打ちのめされてしまう。

また夕涼みの写真では、祖母以外の女性たちの前にお膳が無い。今とは異なる小さな意識の違いなどにも目が行ってしまう。

当たり前の日常。普通の生活のなかにじわじわと戦争の影が忍び寄る。
子どもたちの戦争ごっこを照らす太陽と、数時間後に特攻に向かう隊員たちを照らす太陽は同じ。なぜ楽しいのか、なぜ笑えるのか。この先に待つのは、死なのであるのに。それも自分も、他人を巻き込んだらそれは成功した死であること。

遮る日陰のない、広島の平和記念公園のなかを歩く夏はいつも渇きと、セミの声で、静かだ。ここで日常生活が営まれていたことをあの地面の下から感じ取ることができていただろうか。この写真集はそれを教えてくれる。

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