彼女が天使でなくなる日

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刊行日 2020/08/31 | 掲載終了日 2020/08/31

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内容紹介

いま、沢山の共感を呼ぶ!

注目の作家・寺地はるな書き下ろし最新作

壁にぶつかってどうしようもなくなって……

でも、いつだって朝は来る。

小さな島の、やすらぎの託児所 兼 民宿。

九州北部にある人口300人の星母(ほしも)島。そこで育った千尋は、1年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、家族・子供・友達のこと……悩みを抱えたひとびとがそのご利益を求めて訪れる。千尋は島の人々とお客さんと触れ合いながら、自らの過去と今を深く見つめていく。

あなたのほんとうの願いは――

ただ願うだけでいいの?


いま、沢山の共感を呼ぶ!

注目の作家・寺地はるな書き下ろし最新作

壁にぶつかってどうしようもなくなって……

でも、いつだって朝は来る。

小さな島の、やすらぎの託児所 兼 民宿。

九州北部にある人口300人の星母(ほしも)島。そこで育った千尋は、1年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、家族・子供・友達のこと……悩みを抱えたひ...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784758413596
本体価格 ¥0 (JPY)

NetGalley会員レビュー

離島の民宿「えとう」は託児所が併設されている。そこには育児に疲れ果て心折れた人、子どもができない人やそこから逃げた人など何かしらの問題を抱えた人が集まってくる。そこの若き女主、江藤千尋もまた同様の過去を持っていた。千尋はやって来るどの女性にも決して心地良い慰めはしない。辛辣で直球過ぎる言葉が相手に刺さる事もあるし、反発される事もある。でもこれが現実社会なんだと、さらりと言ってのける千尋の言葉は読者に刺さります。

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誰のものでもない自分の人生。それを自分の足で歩んでいけるように見守り支えることのできる親になりたい。守りたい気持ちが過剰になり過ぎて盲目になってしまわないように、自分の姿に立ち止まれるように、一呼吸おいて過ごしたいと思った。

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あたたかいスープを スッと 差し出されたような作品。
わたしも 3人子持ち 10年育児して
今でも あたたかい食べ物をあたたかいうにち食べるなんてままならない。
そんな カサカサの心に スッと染み渡る
あたたかいスープのような作品。
今まで 頑張ってきたね ここに来たら
休んでいいんだよ。
子供達 見ててあげるから。
だから ゆっくりして。
落ち着きがない?元気な証拠じゃん!って
正当化して褒めてくれるようで。
やっぱ 主婦だって 母親だって
褒められたいし 休みの日が欲しい。
それがこんな 海の近くの 食べ物の美味しい民宿で 休めるなんてサイコーじゃん!

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離島で託児所を兼ねた民宿を営む複雑な出自の主人公。子供について悩む様々な訪問客との炎の様な危うい温度での触れ合いが曇りなく心地好さを感じた。生きる事、生を育てる事に徒に正解を促さず“見守る”事を教えてくれる作品

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星母島(九州北部の島)の民宿えとうで、千尋は、裏に託児所を開いて子供を受け容れている。千尋は、島民に『モライゴ』と言われている。本島で就職したが、大野麦生と一緒に戻って来た。育児に追われる女の来訪、千尋の過去等を探るライター三崎塔子、ひょっこり来訪した子宝を願う娘と母、複雑な家庭の江藤家主の政子と娘亜由美とその娘まつり、まつりの子、陽太・・・千尋は天使なのか?はたまた、来訪者が天使となるか?・・・後半で語られる政子や、千尋、まつり等の語りで、真相を知り、相手に正確な思いを伝えないと誤解されたまま、誤解したまま人間関係が形成されてしまうんだなと、感じた。育児に困る人から見たら、千尋が天使なのだろう。後半に語られる理津子の託児所への思いから、誰でも天使になれると掛けて描かれていました・・・楽しめた!次作も期待!

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行間の袋小路や段落の落とし穴の前で、筆者は多くを語らず姿をくらますのが得意だ。
一握りの砂で私の目を潰し、暗闇に置き去りにされたことは一度や二度じゃない。
頭のてっぺんから空気を抜き、からっぽにしてくれる。
読了しただけでは決して完結しない、そんな小説を筆者は極めていくだろう。

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最初、千尋は考えたり悩んだりしないのかと思っていた。それほどに千尋は、強い意志を持っているように感じていた。でも、やっぱり、あれこれと考えたり、思い過ぎたりしない人などいないのだと
そして千尋もそうだと読み進むと感じるようになった。
みんな不完全でみんな悩んでいる。年齢に関係なく。
子育ては間違いなく大変だ、それはわかる。でも、大変さの種類は
多分、親と子どもによって違うのではないかと思っている。
だから、誰とも同じではなくて誰とも比べられない。でも、それを知るには随分な心の葛藤が必要だ。
人の気持ちや想いはきちんと伝えないと伝わらないことも今さらながら教えられた。
全体を通して、ただ、ぬるい優しさだけでなく優しさを通した強さを感じた。続編があれば是非読みたい。
最後の「スナック ニュースター」での島民の振る舞いがすごく素敵だった。
#彼女が天使でなくなる日 #NetGalleyJP

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愛想がなくて、少しとっつきにくそうな千尋でしたが、子どもに向ける笑顔や、垣間見えてくる優しい人柄、複雑な家庭環境の理由などが分かるにつれて、応援したくなりました。千尋ファンのお客さんが作った託児所が増えていくと面白いですね。

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寺地はるなさんの書くものを読むと、いつも「自分ならどうするか」を、考えさせられる気がします。包容力はあるのに甘くはなく、その清々しいまでの厳しさが心地いい。たぶんそれはきっと、読み手の力を信じてくれるからなんでしょう。

この物語に力をもらいながら、ふたたび自分自身の足で立てる読者がいることを信じています。

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読み終わり、もっと続きが読みたい衝動に駆られた。田舎の離島で民宿と託児所を営む千尋は、生い立ちの哀しみを心の奥底に持ちながら、どんな人にも歯に衣着せぬ単刀直入さで自分の真実の思いを口にする。そんな彼女のドライで的を射た寄り添い方は、悩み苦しむ人に気づきと救いをもたらす。何事も永遠や当たり前、一括りの常識など無いことを知っている千尋が、堂々と自分を生き、等身大で人と個別に向き合おうとする潔さが眩しく、心打たれた。

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千尋の凛とした佇まいが印象に残った。彼女や彼女の周りの人間関係には、「ふつう」や「正しい」を超えた、とても強いやさしさを感じる。自分は自分、他人は他人、理解できるはずがない、という一見ドライな考え方には、相手をしっかりと見つめとらえようとする誠実さがある。

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本作は5章からなるお話しです。お話しは家族、子供、友情などの悩みをそれぞれもった方々のお話しで共感できる事があると思います。私は共感できる話があり、まるで自分の事を書かれたのかなと思いながら読んだ場所もありました。
本の中にあった私の好きな言葉を載せます。「はじめの一歩を踏み出せた人は次の一歩も踏み出せるよ」です。

文中に自分の心に残るフレーズ探してみてください。自分の悩み解決の糸口になるかもしれない一冊です。特に女性が読むと共感できる事多いと思います。逆に男性は女性の気持ちを知れると思いますので男女共々楽しめる作品となっています。

良かったら読んでみてください。

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九州北部にある小さな島、星母(ほしも)島。
島には「母子岩」と呼ばれる名所があるぐらいです。
でも、ある人のブログを機に何かしらの事情を抱えている人達が、星母島にある民宿兼託児所を訪れてきます。こういった流れだと、前向きな言葉を投げかけて、明日から頑張ろうと勇気を与えてくれるというのが想像つくのですが、この作品はそれに「現実」という苦さがアクセントとして加えられています。現実と向き合うことで、一味違った強さや優しさを与えてくれます。
訪れてくる人みんな、決して明るい事情ではありませんが、寺地さんの言葉が、読む人の気持ちをマイルドにさせてくれます。

民宿のオーナー・千尋は、読んでいて、どこかサバサバした雰囲気を醸し出していますが、この人も何かしらの事情を抱えています。でも、しっかりと現実と向き合い、来るお客をもてなしてくれます。千尋がお客に言う言葉がもう直球で、グッと胸に刺さりもしますし、痛いところを突かれます。
そういったところが、他の作品とは違った魅力でありました。

また、島の人たちのキャラクター性が濃く、憎めない人ばかりでした。
旅行というと、景色や観光名所のために訪れますが、そこに住む人に会うために訪問してもいいのかなと思いました。ちょっと違った人情物語を味わえた作品でした。

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自分の子どもたちは成人しているので、すっかり子育ては終わっていますが、今でもよく子どもたちが小さかった頃の夢を見ます。とても愛おしくあの頃の子どもたちに会いたいと思います。そして、一緒に遊んで、笑って一日中相手してあげたいと思います。でも、この本を読んでいて、そういえばと、思い出したのは、普段帰りが遅く、全く育児に参加しなかた夫だったり、夜泣きがひどくて寝不足の毎日だったりする日常と、少しでも自分の時間が、欲しいと嘆いていた自分だったりと振り返ると切なくなる思いでした。一生懸命だったけど、楽しい事もたくさんあったけど、心も体もキツかった日々。。でも、出来ることならもう一度あの頃に戻りたい。子育てってそんなものかも。。

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読む度に寺地はるなさんの作品はいいなぁって思う✨

寺地さんの作品を読むのは8作目。

今作は書き下ろし長編。
netgalleyにて読ませていただきました。

九州北部にある人口300人の小さな島。

そこで育った千尋は都会へ出て行ったが再び島に戻り、託児所を併設した民宿を営むことに。

島にある母子岩に不妊や子供のことで悩みがある人たちが訪れる。

章ごとに視点が変わり、少しずつ背景が見えてくる。

子育ての大変な時期のことなども描かれていて今まさに子育て真っ最中の方や子育て経験者の人は、そういうこともあったなぁと思うんじゃないかなぁ。

千尋と麦生の関係や島の人たちとの関係がいい✨

政子さんも個性的だけど素敵!

前からだけど私は純粋に誰かのことを好きな気持ちとかに弱くてそういうのを読むと泣いてしまう💦

ただ大好きで健やかな想いに、いつも感動して涙がぽろぽろ止まらなくなってしまって…。

なんでだろう?純粋な想いに感動するからかなぁ。
それとも羨ましいのかなぁ。

今作でも印象に残った言葉があった。

伝えるべき相手に伝えられていないことがたくさんある。ちゃんと伝えないといけないと思う✨

あと二度と戻ってこないこの瞬間を、しっかりと切り取って大切にしまっておくのも大事だなと改めて思った。

人の温かさが沁み、前向きになれるような作品。

寺地さんの強さ、優しさをとても感じられる。

本当に素敵な作品ばかりで大好きだなぁ💕



#彼女が天使でなくなる日#寺地はるな#netgalley


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寺地さんの新作が読めると知り、小躍り!

小さな島で、託児所を併設した民宿「えとう」を営む千尋。複雑な生い立ちを持ち、それゆえに、いつも自分にブレーキをかけるところがあり、愛想も悪い。初めは、好きになれなかった千尋。でも、実は人一倍優しい人だとだんだんわかってくる。
島に「母子岩」という名所があるため、訪れる人は子どもに関する悩みや願いを持っている。ギリギリまで追い詰められた人たちは、民宿「えとう」で何を見つけるのだろう? 千尋も、自分自身を振り返り、何かを見つけられるだろうか?
同じような悩みを持つ読者は、この宿が本当にあってほしい、と願うだろう。
でも、だからこそ、千尋は、寺地さんは私たちに伝える。願っているだけでなく、その後こそが大事だと。

さまざま考えさせられ、読後感 爽やかな良作。オススメ!

*おまけ*
麦生が千尋に淹れた紅茶に垂らした蜂蜜。黒江蜂蜜園って、あの話のだね♪ 久しぶりに再読したくなった。

#NetGalleyJP

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内容は読みやすく、私自身はとても共感できました。
が、残念ながら中学生が読むには、ちょっと不向きな内容と思われました。
特に育児に対して夫の理解が得られない前半部分。悪いお話ではないと思うのですが・・・。

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仕事をしている間、子供を千尋の所に預けている人がいます。子供を自分1人で育てられなくて千尋の所に預けている人がいます。千尋の民宿の噂を聞きつけてやってくる子連れの母親がいます。それぞれの事情があって、それぞれの生き方があって、それぞれの悩みがあるのです。

 子供は親が育てなくっちゃとか、いろんな子がいるから扱い方もいろいろなんだよと他人は言うけれど、どうしていいのか分らなくなっている親は大勢います。ひとりで悩んで、子供にあたってしまってゴメンと思いながらも、結局誰にも相談できなくて、ひとりで苦しんでしまう人たち。そんな人達が千尋に会うと、なぜか救われるような気持ちになるのです。

 完璧な人なんていないんだから、つらかったらつらいって誰かに言えばいいのよね。家族に言ってもわかってもらえないなら、別の人に言ってみればいい。どこかにわかってくれる人がきっといる。とにかく、ひとりで悩んじゃダメだよ。って気持ちになりました。

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神話は崩壊するとよいと思う。「家族」でも「親友」でも「恋人」でも「天使」でも。
フィクションに存在する「神話」は救いにもなるが、現実に「神話」を持ち込むから息苦しくなるのだと思う。

言葉は悪いけれど、胸糞悪い人がこの本にはバラバラ出てくる。でも現実にもそういう人はいるのだから仕方ない。そういう人たちと向き合わざるを得ないときに(可能な限り避けるのがいちばんだと個人的には思っているがそうもいかないこともあるのがこれまた現実なので)自分までもが胸糞悪い人間にならずにすむように行動している、この本の主人公のような在り方は一般社会(「ふつう」や「みんな」という言葉でくくりたがる人たち)の中では生きづらそうにも見えるけれど真っ当で、だから子どもに好かれるのかも。

ただ、そんな主人公たちにしろ、常に正しい選択ができているわけではないことにも触れているのが好感。大人がよかれと思うことが本当に子どもにとってよいかどうかはわからない。でも、よかれと願うこと自体は相手を思っていたら自然なことだろうし、間違わない人間なんていないから、せめて気付いた時点で真摯に向き合えるとよいと思う。

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