ワトソン力

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刊行日 2020/09/17 | 掲載終了日 2020/09/17

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内容紹介

雪で閉ざされたペンションで起きた殺人事件。死体が横たわる絨毯には、血で十字架が描かれていた……。偶然その場に居合わせた警視庁捜査一課の刑事、和戸宋志はその捜査にあたることとなる。ところが、彼はすでに感じていた。自分のもつ特別な力が発揮されるであろことを。それは、「事件現場にいる者たちの推理力を高める力」、和戸自身が「ワトソン力」と命名した力である。果たして犯人は誰か? そして赤い十字架の意味するものは? 

和戸刑事の不思議な力が7つの事件を解決に導く。

ミステリ界の手練れによる連作短編シリーズがスタート! 

雪で閉ざされたペンションで起きた殺人事件。死体が横たわる絨毯には、血で十字架が描かれていた……。偶然その場に居合わせた警視庁捜査一課の刑事、和戸宋志はその捜査にあたることとなる。ところが、彼はすでに感じていた。自分のもつ特別な力が発揮されるであろことを。それは、「事件現場にいる者たちの推理力を高める力」、和戸自身が「ワトソン力」と命名した力である。果たして犯人は誰か? そして赤い十字架の意味するも...


おすすめコメント

『アリバイ崩し承ります』の大山誠一郎最新作!

自分の半径20メートル以内にいる人間の推理力を高めてしまう「ワトソン力(りょく)」を持つ和戸。

(和戸以外で)繰り広げられる超推理合戦!

本格ミステリ好きを唸らせる、傑作連作短編集です!

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初回指定承ります!

★8月31日まで★

光文社書籍販売部・荒井(☎03-5395-8112)までご連絡下さい。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784334913656
本体価格 ¥0 (JPY)

NetGalley会員レビュー

ワトソン力って、何?!
これだけでも、気になって気になって読みたくなりますね。
クローズドサークルをテーマにした連作短編ミステリー。
様々な場所、内容もバリエーション豊か。
ワトソン力を持っている和戸の周りが推理力がupする訳で、和戸自身が推理を働かせる探偵ではない。
普通なら、探偵がいて、犯人は誰か?!っていうのが気になる訳ですが、この『ワトソン力』の場合は、犯人のみならず、謎を解く探偵役が誰になるかも、気になるところ。
推理合戦も見物です。
とても楽しいミステリーでした。

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主人公和戸宋志は、警視庁捜査一課第三係の捜査員。
彼の能力は、謎が発生すると、自分以外の周囲の人間の推理力を高めること。この能力により第三係の検挙率はなんと十割となる。和戸自身はこの能力を密かに「ワトソン力」と名付けていた。

ある日、和戸は見知らぬ場所で目が覚める。どうやら誘拐されたらしい。誰が、何のために?犯人を探るためにこれまでの7つの事件を振り返る。

雪で閉ざされたペンション、暗闇の中、バスの中、孤島……読み応えのある7つの事件。
ワトソン力により、推理合戦が始まるのがとても楽しい!
ミステリの楽しさが凝縮された短編集。
(おそらくあるであろう)続編も楽しみ。

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9月17日発売予定の大山誠一郎著『ワトソン力』読み終わりましたのでご紹介します。

ある不思議な力を持った警察官の主人公。主人公が拉致、監禁される。犯人は誰か、、、恨みによるものか、、、監禁された部屋で主人公は過去に解決した7つの事件を思いだし推理する。

事件に関係する図も所々に描かれているのでイメージもしやすく読みやすく楽しめました。7つの事件を推理しながら読み進めていくので推理好きには堪らない一冊になっております。
ラストの終わりの文章を読んだ時「もしかしてシリーズ化する?」と想像してしまいました。私はシリーズ化を希望するほど楽しめた一冊になりました。

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ワトソン力とは?と読み出したら、不思議な魅力に引き込まれた。

そんな荒唐無稽な⁉︎という展開から、なるほど、と思うものまで、小さな伏線も張り巡らされていて、そこを読み落としたりすると悔しいこと限りなく。
しかもその上に更に謎解きが待っているという。

主人公和戸氏の不思議な力はら読んでいる私には効かなかったので、いきいきと推理を始める登場人物達が羨ましくもあり、登場人物の性格が愛すべきキャラが多いのでまた、読んでいて楽しい。

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捜査一課の刑事・和戸に「ワトソン力」。そのネーミングから面白いです。緻密に練られた数々の「クローズド・サークル」で起こる殺人事件を、現場に居合わせた人たちが次々と推理してゆく過程が非常に面白い!主人公・和戸の「ワトソン力」のすさまじい威力。ワトソン力恐るべしです。

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警視庁捜査一課の和戸宋士は、周りの人たちの推理力を高める特殊能力「ワトソン力」の持ち主。その力は半径20m程の球内に及ぶ。
地下室に監禁された状態から物語は始まる。
犯人は、過去の事件でワトソン力によって高められた推理力で事件を解決した人物。
事件の回想が始まる。
ワトソン力によって高められた人々の見事な推理力。
本人には、その力が及ばず、推理できないのが悲しい。
しかし、監禁犯はちゃんと突き止めた。
数々の事件で推理力は高まっているのではないか。
最後は意外なオチ。
本当の探偵になる❓
楽しめました。😊

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「謎は主人公以外が解決」表紙のこの1行に俄然興味が湧き読み始めたら、これがもうとんでもなく面白い! 主人公は警視庁捜査一課の刑事、和戸宋志。彼が居合わせた殺人現場では、彼以外の人たちの推理力が高まって、捜査員たちが着く前に事件を解決してしまう。それを「ワトソン力」と呼ぶ和戸本人は、人の推理にハッとしたり感心したりで、警察官なのにその他人事ぶりにも笑える。推理を披露し合うこと中心に淡々と話が進み、事件の驚きや重大さをすっ飛ばしているのにも唖然。そして章の間を縫う最終話の仕立てが秀逸。全てが初体験!

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主人公である和戸刑事の存在によって特殊な力が働き、その場にいる人たちがすぐれた推理を繰り広げるという「ワトソン力」。その力で、刑事でも探偵でもない市井の人々が事件を解決する、新しい魅力を備えた推理小説です。

それぞれの事件がユニークなだけではなく、事件ごとに繰り広げられる推理も鋭いだけではありません。間違ったり見当違いのところに注目したり、非常に魅力的でした。なんといっても、探偵役は市井の人々なのです。ハラハラしながら読んでいくと意外な真相にたどり着くのが爽快で、クセになりそうです。

続編を読めるのが今からとても楽しみです!

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面白かった!ワトソン力笑笑。眠りの小五郎に時計の音声吹き替えで事件を解決するコナンかと思いきや、本人は一切推理せず。一話完結の最終回に本人推理の名場面。続編を匂わせる美女とのタッグ。クー、たまりませんなー。エンタメ感がハンパない。

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ワトソン力とは、捜査一課の和戸宋士が何らかの謎に直面すると、彼の周りにいる人間の推理力が飛躍的に向上するという、特殊な力のことである。と聞くと、何やら馬鹿馬鹿しくも思えるが、素人たちが推理することに違和感無く物語を進めることが出来る上、様々な視点から繰り出される推理のそこかしこに真相へのヒントを仕込むことも出来るという、実にアイデアものの設定だ。マイベストは、推理する者たちの掛け合いが真相を導き出す、その様が作中最もロジカルだと感じた「探偵台本」。軽めの語り口でテンポも良く、大山パズラーを存分に楽しめる。

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解決するのは“主人公以外”の人物!?というなんともユニークな設定‼主人公の和戸は、周囲にいる人の推理力を飛躍的に向上させる『ワトソン力』という不思議な力があるけれど、それは自分には作用しないので、事件を解決するのはいつもワトソン力を受けた周囲の人間なのだ!

その場に居合わせる人たちが次々と推理を披露するも、その推理は必ずしも正解ではないのが面白い(笑)
なるほど…と思えたり、突拍子もないものだったり。一人が推理したものを別の誰かが否定し新たな推理を披露する、そんな推理合戦がとても楽しい。

ユニークな発想とトリックで楽しく読める新感覚の推理小説です!

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「ワトソン力(りょく)」って、何? 気になるタイトル。
「謎は主人公以外が解決」って、どういこと? ますます、気になる。
目立った手柄もないのに、警視庁捜査一課に所属する和戸宋志。それは「ワトソン力」を持っているから! 
和戸は黙っていても、そこにいるだけで、そばにいる人々の推理力をアップ! 
何ともユニークな設定だが、用意された事件と謎解きは本格的。
なんだか、すぐに2時間ドラマになりそうな気がする。 #NetGalleyJP

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ワトソン力!結構面白かったです。
特殊能力を持つ和戸の近くにいると周りの人が十二分に力を発揮し事件解決してしまう。
推理も二転三転し解決につながる。なかなかのエンタメ感もありよかったです。
ワトソンを使うなんて・・・なかなかすごいですね!

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近くにいる人々の推理力を飛躍的に向上させる体質〈ワトソン力〉を活かして刑事として同僚をサポートしている和戸君だが、ある日何者かに拉致され監禁されてしまう。非番の時に関わった事件の関係者の中に犯人がいると当たりを付けた和戸君は、これまでに遭遇した七つの事件を一つずつ回想していく。切れ味鋭い短編が並ぶミステリ連作集だ。〈ワトソン力〉が発揮されることによって関係者たちが推理をし始める展開は、余詰めの手助けになっていて楽しめる上に、多重解決になっていておもしろい。雪のペンションに嵐の孤島といったオーソドックスな場所から飛行中の旅客機やバスジャックに遭ったバスの中まで、舞台設定がバラエティー豊かで「次はどこだろう?」と胸が高鳴った。どんなにシリアスな状況でも関係者たちが口を開き推理合戦をしていく様子はどこかユーモア溢れていて読みやすい。失われた脚本の続きに書かれていた殺人事件の解決編を推理で突き止める第六話「探偵台本」が特におもしろかった。和戸君のキャラクターは親しみやすく、続編があるなら読んでみたくなった。

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ワトソン力という設定が面白過ぎる。そして、そのワトソン力を遺憾なく発揮した7つの事件プラス1。まさに推理合戦の短編集だが、この稀有な設定のおかげでス披露される推理の論理性が際立っているように見える。リアリティは感じないがパズルとして非常に秀逸であり、この手のものが好きな人間には堪えられないハイレベルの展開であった。幾何学的な美しさを持った推理ばかりであり読んでいて非常に楽しかった。

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まだ何もわからないうちから、事件に巻き込まれたり回想にはいったり…。
急展開なテンポに戸惑いつつも、するすると世界観に引き込まれて、最後には心地よく感じられるほど。

ワトソン力によって登場人物たちが推理を披露しあうシーンでは、自分もその場にいるかのような臨場感とワクワク感がある。

また主人公和十の目線が終始冷静というか、他人事というか。過剰な人間ドラマがないぶん、謎解きを思いっきり楽しめる一冊。

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いまいちパッとしない主人公だけど、事件が起こると周りにいる人の推理能力が冴えわたる『ワトソン力』とはビックリ。
面白い!
私もその力をあやかりたい・・・
と思ったけど、そもそもそんな事件に遭遇したくない笑

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大山誠一郎さんのミステリをいつも楽しみにしています。
『ワトソン力』ではその場のだれもかれもが推理をはじめ、そのシチュエーション自体がユーモラス。
説得力やリアルさには欠けるけれど、推理の楽しさを存分に味わえます。
大山誠一郎さんがそのセンスを遊びに使うとこうなった、みたいな感じでしょうか。

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ワトソン力(りょく)という言葉から、なんとなくシャーロック・ホームズの助手であるワトソンとの関連を思い浮かべるかもしれませんが、まさにその通り!
シャーロック・ホームズといえば世界的に有名な探偵であり、並外れた推理力を駆使して犯人を追い詰めていきます。その傍らで捜査の手助けをしているのがワトソン。
本作では、そのワトソンが不思議な力でホームズの推理力を上げていると設定し、そのような「周りにいる人間の推理力を上げる力」を「ワトソン力(りょく)」としています。
多少「んんっ??」と感じないこともないですが、妙な説得力もあるのでよしとしましょう。

推理小説の代表的な形というのは、名探偵のような人が数少ない証拠を集めて、ビシッと犯人を言い当てる、というものでしょう。それはそれで爽快感もあり、魅力的なキャラクターも確立されるので、読者も楽しみやすいかもしれません。
ですが、この作品は名探偵という存在を捨てました。
主人公は、自分の操作能力はほぼ皆無だが「ワトソン力」を持っている和戸宗志。自分の能力に気付いた和戸は、警視庁に就職し、多くの事件に挑む。
挑む?
違うな、参加する、だな。
作中でも、和戸は事件中に特に何もしていません。事件の概要を整理したり、状況を把握したりすることはありますが、事件を解決しようと積極的に動くことはありません。
事件を解決するのは、和戸の周りにいる人です。
通常、推理というのは、一人の人が現地で痕跡や証拠を集めて、少しづつ事件解決への筋道を築き上げて、最終的に決定的な証拠を見つけて犯人を特定するものです。
ところが、本作は事件が起きた現場に「たまたま居合わせた人」が、和戸のワトソン力によって推理力を向上させられた結果、推理に推理を重ねあい、結果的に解決までもっていってしまうという、なんとも力業が素晴らしい内容となっています。
これね、推理小説を読む際に読者がやってきたことを疑似的に作中に入れているような気がします。
推理小説なんだから、当然読者も自分なりの推理を頭の中で展開しながら読んでいると思うのです。
その推理って、名探偵のような推理にはならないとは思うのですが、推理自体が楽しいからアレコレと考えてしまう。
そのアレコレのような内容の推理を、作中の登場人物たちが繰り広げてくれるのです。
ある事件に関して、Aという人が自分の推理を披露すれば、Bという人がその推理の穴を指摘したうえで自分の推理を披露する。するとCがAの推理の穴を補完したうえで自分の推理を披露する。
推理のミルフィーユですね。
この積み重ねによって、最終的に犯人を指摘するに至る、というなかなか珍しい形です。

ちょっとだけ気になったのは、都合が良すぎるかな?というところでした。
ワトソン力という設定があるとはいえ、素人が次から次へと推理を展開できるものかな、という違和感はあるし、そこに犯人がいれば犯人もワトソン力を駆使して推理を攪乱しようとするんじゃないかな。
とはいえ、これまでにない設定での推理小説は純粋に楽しめました。
ラストで続編を匂わせていましたし、また読んでみたいですね。

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まず「ワトソン力」って発想が、面白い。これだけ色々な推理を聞いていれば本人の推理力も上がりそうなものだけど、それがまったくないっていうのも笑える。
解決の瞬間まで、犯人だけじゃなく探偵が誰になるかもわからないのは新しいなと思った。1話に1人はいる、よくもまあそんな突拍子のないことを!とか、そんな無茶苦茶な!みたいなポンコツ探偵の推理が一番楽しかったです。一応筋は通ってるというのがまたなんとも……

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主人公は、警視庁捜査一課の刑事・和戸。彼には『ワトソン力』という特殊な力がある。ワトソン力とは、一定の距離にいる人間の推理力を飛躍的に向上させるというもの。何ともユニークな設定。実際に読んでみると『なるほどねぇ』と納得。7つの短編は大山誠一郎らしい謎解きで溢れていて、読み応えある内容。この『ワトソン力』、自分も欲しいかと問われたら、要らないと答えたくなる位持ち主には何の得にならないようなところも良い。和戸以外の人の手柄となってしまうが、刑事としては地域の安全に密かに貢献しているのだろう。

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そばにいる人間の推理力を飛躍的に向上させる能力(ワトソン力)を持つ和戸刑事。彼がそれを発揮すると周りの人間が推理合戦を始める。プロローグで監禁されてしまった和戸が、振り返る形で7つの事件が描かれるのだが、クローズドサークル、暗闇、台本の続き、バスジャックと言ったワクワクする設定に読んでる私の頬は緩みっぱなし。或る時はあらぬ方向へ向かいながらも推理合戦により真相にたどり着く道筋がとても綺麗でさすが大山さん、と感嘆する。プロローグからインタールードを経てエピローグへと至る監禁事件の結末まで完璧。面白かった。

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とても面白かったです!ミステリにありがちな「現場に居合わせただけの素人が次々推理を展開する」というトンデモ展開をむちゃくちゃ綺麗に理由づけしてあって感動しました!
短編連作の後で全事件を振り返るような仕掛けもあり、最後までとても面白く読めました。続編にとても期待します。

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「ワトソン役」という言葉はある。しかし「ワトソン力」....ワトソンのちから、とは?
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズがシリーズとして成功したのには、ひとえに「ワトソンの力」が大きい。読者の目線に立ち、読者の持つであろう疑問を素直に口にし、自らの推理も披露しながらホームズの活躍を記録していく。まさにワトソン(役)はホームズ(探偵)の推理力を高める働きをしているのだ。
本書では主人公和戸が、その不思議な力で周りの人びとをホームズ(もどき)に変えていき、最後に一人の真のシャーロック・ホームズを生み出す。一つの事件が見る角度・視点や状況・立場によっていくつにも解釈されるという推理(探偵)小説の基本的な面白さも教えてくれる。
物語は和戸が誘拐監禁されるところから始まる。そして誰が誘拐犯なのかを、過去に解決した7つの事件を振り返ることで推理していく。体裁は短編集だが、7つの事件が最初の誘拐監禁事件の犯人にたどり着くヒントを与えてくれるという、二度美味しい本なのだ。
#ワトソン力 #NetGalleyJP

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自分の半径20メートル内にいる人の推理力をアップさせる力「ワトソン力」を持つ和戸が遭遇した事件で、関係者が推理合戦を始める連作短編。力を持つ和戸自身は残念ながら推理が得意になる訳でもない。設定が面白く、推理好きな人にはオススメのストーリーでした。

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ただ単にクローズドサークルの短編を楽しめるだけではない。ワトソン力と命名した不思議な能力のおかげで、自ら謎解きをしないのに事件を解決させてしまう主人公。なぜかいつも真相に辿り着くのは、偶然出会った周りの人々。犯人にまで推理させてしまうこの能力が素晴らしく面白い。おっとりと、どこかとぼけた感じの主人公のキャラもこの作品を魅力的なものにしていると思う。たとえ解決するのが誰であろうと彼のおかげであるのは間違いない。ラストの提案を受けて続編につながるのだろうか?

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誰が謎を解くのかわからない!だって主人公は「ワトソン」だから!
もう設定だけでワクワクします。
読者は、自分で謎を解く楽しみだけでなく、登場人物たちが推理合戦を繰り広げるのを楽しみ、誰が真犯人で、誰がホームズになるのか?までを楽しむ。
これぞミステリのフルコース。贅沢に楽しませていただきました!

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周囲の人の推理力を飛躍的にアップさせる『ワトソン力』を持つ和戸。ある日、何者かに拉致監禁される。犯人は一体誰なのかを考えながら、彼がこれまでにプライベートで巻き込まれた事件をひとつずつ思い出していると…という連作短編。どの事件も、周りの人間が推理合戦を繰り広げながら犯人を特定していく。読み手もその場で参加しているみたいに楽しめるし、テンポの良い会話とロジカルな謎解きで最後まで飽きない。続編期待!

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