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内容紹介
愛する家族を喪った者たちの絶望が希望に変わる日
愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。
平和だった家族は崩壊した。
それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。
だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。
その日から心に仄かな灯が生まれた。
3人の孤独な魂が寄り添う時間のなかで、それぞれの絶望が希望に変わり、夫婦は再生の路に立ち、少年は未来に向かって歩みはじめる。
「人は少しずつよくなるしかない、少しずつ幸せになるしかないんだ……」
第1回京都文学賞受賞作家であり、NHK『雲霧仁左衛門』など、映画やドラマで絶大な影響力を誇るベテラン脚本家が、人間の業、そしてどん底から這い上がる人の強さと家族の絆を感動的に描く。
愛する家族を喪った者たちの絶望が希望に変わる日
愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。
平和だった家族は崩壊した。
それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。
だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。
その日から心に仄かな灯が生まれた。
3人の孤独な魂が寄り添う時間のなかで、それぞれ...
内容紹介
愛する家族を喪った者たちの絶望が希望に変わる日
愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。
平和だった家族は崩壊した。
それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。
だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。
その日から心に仄かな灯が生まれた。
3人の孤独な魂が寄り添う時間のなかで、それぞれの絶望が希望に変わり、夫婦は再生の路に立ち、少年は未来に向かって歩みはじめる。
「人は少しずつよくなるしかない、少しずつ幸せになるしかないんだ……」
第1回京都文学賞受賞作家であり、NHK『雲霧仁左衛門』など、映画やドラマで絶大な影響力を誇るベテラン脚本家が、人間の業、そしてどん底から這い上がる人の強さと家族の絆を感動的に描く。
おすすめコメント
文字を見ただけで情景が目に浮かぶ、少し読み進めるだけで文字だけの世界にいる人間がいきいきと走り回り、目の前にいるかのように 話りかけてくる……。そんな文章を書けるける書き手がごく稀にいる。この場合、作家、ライター、編集者といった肩書は関係ない。そんな書き手はプロでも多くはないからだ。
『春を待つ』を書いた松下隆一さんは間違いなくそんな稀な書き手の一人だ。松下さんの紡いだ文章は、読む人の頭の中で確実に鮮明な映像になる。
それは松下さんの本業が脚本家だからだと私は思っている。世界的名作映画『羅生門』や『雨月物語』に携わった元大映京都撮影所の出身のスタッフたちから、カツドウヤ魂を叩き込まれた経歴は伊逹ではない。松下さんの書いた文章は、読むそばから映像化されるので、読む方からすればページをめくる手が止まらなくなる。たとえそれが人間の負の部分を描いた作品でもだ。
じつは松下さんとは、ビジネス誌の取材や経営者の自伝などの仕事を一緒にすることもたびたびあった。そのときに思うのは、松下さんがその人のことを書くときに最も知りたがるのは、その人の内面にあるもの、表面的な取材ではなかなか見えてこないものにあるということだ。あえてその人が語りたがらない部分を聞き出して書き、あるいは推察して行間にさりげなく挟みこむ。人間観察があまりに鋭くて怖くなるほどだ。
考えてみれば年月を超えて残っている文学も映画もみな人間の内側をえぐり出している。中にはあえて目を向けることにためらいがちなものもある。しかしそれをいかに説ませるかが書き手の腕というものだろう。
『春を待つ』という作品は燦燦とした明るい物話ではない。むしろ崩壊した家族、絶望の中で必死に生きている人の物語だ。しかし決して暗くはない。春のやわらかな光がひと筋さしているような物話だ。私は本当の意味で明るいというのはこのような物話だと思う。
絶望から人はどう希望を見出すのか、どう一歩を踏み出すのか、救われるというのはどういうことなのか…。さまざまなことをこの物詔は教えてくれる。
私は、『春を待つ』は令和を代表する文学作品だと自信をもっていえる。
まずは1ページだけ読んでいただきたい。その労力だけで最後まで目が離せなくなるだろうから。
編集担当 佐藤義行
文字を見ただけで情景が目に浮かぶ、少し読み進めるだけで文字だけの世界にいる人間がいきいきと走り回り、目の前にいるかのように 話りかけてくる……。そんな文章を書けるける書き手がごく稀にいる。この場合、作家、ライター、編集者といった肩書は関係ない。そんな書き手はプロでも多くはないからだ。
『春を待つ』を書いた松下隆一さんは間違いなくそんな稀な書き手の一人だ。松下さんの紡いだ文章は、読む人の頭の中で確...
おすすめコメント
文字を見ただけで情景が目に浮かぶ、少し読み進めるだけで文字だけの世界にいる人間がいきいきと走り回り、目の前にいるかのように 話りかけてくる……。そんな文章を書けるける書き手がごく稀にいる。この場合、作家、ライター、編集者といった肩書は関係ない。そんな書き手はプロでも多くはないからだ。
『春を待つ』を書いた松下隆一さんは間違いなくそんな稀な書き手の一人だ。松下さんの紡いだ文章は、読む人の頭の中で確実に鮮明な映像になる。
それは松下さんの本業が脚本家だからだと私は思っている。世界的名作映画『羅生門』や『雨月物語』に携わった元大映京都撮影所の出身のスタッフたちから、カツドウヤ魂を叩き込まれた経歴は伊逹ではない。松下さんの書いた文章は、読むそばから映像化されるので、読む方からすればページをめくる手が止まらなくなる。たとえそれが人間の負の部分を描いた作品でもだ。
じつは松下さんとは、ビジネス誌の取材や経営者の自伝などの仕事を一緒にすることもたびたびあった。そのときに思うのは、松下さんがその人のことを書くときに最も知りたがるのは、その人の内面にあるもの、表面的な取材ではなかなか見えてこないものにあるということだ。あえてその人が語りたがらない部分を聞き出して書き、あるいは推察して行間にさりげなく挟みこむ。人間観察があまりに鋭くて怖くなるほどだ。
考えてみれば年月を超えて残っている文学も映画もみな人間の内側をえぐり出している。中にはあえて目を向けることにためらいがちなものもある。しかしそれをいかに説ませるかが書き手の腕というものだろう。
『春を待つ』という作品は燦燦とした明るい物話ではない。むしろ崩壊した家族、絶望の中で必死に生きている人の物語だ。しかし決して暗くはない。春のやわらかな光がひと筋さしているような物話だ。私は本当の意味で明るいというのはこのような物話だと思う。
絶望から人はどう希望を見出すのか、どう一歩を踏み出すのか、救われるというのはどういうことなのか…。さまざまなことをこの物詔は教えてくれる。
私は、『春を待つ』は令和を代表する文学作品だと自信をもっていえる。
まずは1ページだけ読んでいただきたい。その労力だけで最後まで目が離せなくなるだろうから。
編集担当 佐藤義行
販促プラン
★『春を待つ』レビュー投稿者全員プレゼント★
本作品にレビューをご投稿いただいた方に紙版書籍『春を待つ』プレゼント!
レビュー投稿締切:2021年3月20日まで
締切後、NetGalley登録メールアドレスへプレゼントの送付先等の確認メールをお送りいたします。
※数に限りがございます。受付終了となった場合は、こちらで、改めて記載いたします。
※発送の都合上、国内在住の方が対象となります。
※NetGalley登録メールアドレスを出版社に開示設定されている方が対象となります。
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※Net...
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レビュー投稿締切:2021年3月20日まで
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784569848112 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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閲覧オプション
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NetGalley会員レビュー

私のおすすめ度
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一気に読みました。水俣病については教科書的な知識しかなく、原発については、つい先日、生まれ故郷に住めずに異郷の地で生活している人たちもこのコロナ禍で二重に辛い思いをしているのだなと思いを馳せていたところでした。この話の中ではパンデミックと表現されていました。時が経てばそういった括りで語られることになるのかもしれません。当事者の辛さ、企業や政治家の欺瞞など社会的な要素もありながら、中心はなんといっても子どもを事故で亡くした元夫婦であり、義父の虐待から逃れてきた子どもとの不思議な出会いです。辛い時は声をあげよう。誰かを救うことで救われることだってあるんだから、ちゃんと人を頼っていいんだ。いろんな想いが押し寄せてきて泣けました。 |
私のおすすめ度
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私のおすすめ度
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タイトルにある「春」示唆しているのは季節なのか、それとも明るい未来のことなのか。そんなことを思いながら読み進めました。 コロナ禍で苦しんでいる私たちですが、世の中には、メディアでは年に一度思い出したかのように取り上げるだけになってしまっている公害病や震災など、第三者が過去にしてしまっていることが苦しんでいる方が大勢いるのもまた事実だと気が付かされました。 家族のこれからの在り方を模索して、劇的にではないけれど徐々に歩んでいく姿がよかったです。こんな時代ではなくとも後世まで読み継がれて欲しいそんな一冊でした。 |
私のおすすめ度
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ページ数が少ないのであっという間に読み終えられる本ですが、内容は深く考えさせられました。 自分自身は独身で子供もいませんが、大切な子供を失って苦しんでいる人がいる一方で、何の罪もない子供が虐待に遭っている理不尽さ。この物語ではそういう人達が出会って、お互い支え合って自分自身の人生を立て直していき、私も頑張って生きていこうと思わされました。 |
私のおすすめ度
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私のおすすめ度
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人の心の再生は時に常識とはかけ離れたきっかけから始まるのかもしれない。 大人が踏み出せない一歩を、小さな子供がきっかけを作りスモールステップながらも、同じ階段を上がり出していく。 この家族が幸せになることを祈らずにはいられない読了感に満ちています。 |
私のおすすめ度
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映画「万引き家族」を思い出しました。 水俣病、一人息子の事故死、東日本大震災、児童虐待、と暗い要素が多い作品ですが、最後は明るく終わるところに救いがあります。「万引き家族」のような濃密なリアルはなく、終わり方も非現実的だと思いますが、これはこれでよいのかもしれません。 著者はいかにも脚本家らしく、せりふのみのページもありました。ちょっと重松清のような雰囲気もあり、今後も注目していきたい作家さんです。 |
私のおすすめ度
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水俣病の両親を介護しているのに、その病気のために周りから差別された子供時代を過ごしてきた光永。幼い子どもを亡くして、その責任に押しつぶされ続けている佳苗。震災で父親を亡くし、母と再婚した父と3人暮らしだったのだけど、母もなくなって継父に虐待されていた健介。それぞれが苦しさを抱えて生きてきました。 そんな3人が一緒に食事し、生活を共にするうちに、不思議な情が生まれてきたのです。バラバラな3人だったはずなのに、家族としてのぬくもりを感じるようになり、この生活がずっとは続けられないのはわかっているけれど、このままでいたいという気持ちが湧いてきたのです。 偽りの家族なのに、お互いを必要としているのがわかるから、このままウソをつき続けられないかと悩むのは切ないですね。このままでは誘拐になってしまうかもしれないし、かといって健介を家に帰したらどんな目に遭うかわからないって、八方ふさがりじゃないですか。こんな時、誰に助けを求めればいいのでしょうか。 どうしていいのか分からない3人のことを思うと、切なくて仕方ないのです。 |
私のおすすめ度
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私のおすすめ度
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最愛の息子を亡くし光を見失ってしまった元夫婦の前に現れた健介という少年 彼もまた毎日を必死に耐えて生きていた この3人が過ごした数日で厚かった雲が少しずつ溶かされて暖かな光を感じるまでのストーリー 水俣病という公害病により様々な苦労を強いられ傷ついたまま社会から置き去りにされてきた光永 置き去りに…という言葉は本当にその通りだと思う 病気、事故、災害、一時は心を寄せてくれる世間も数日の間に当事者たちを置き去りにしてしまう 置き去りにされたこの人たちが起き上がり暖かい春を迎えようとする場面にとても安堵した 新型肺炎感染で世界中が困難な今、誰もが「春を待つ」気持ちでいると思う また置き去りにされる人々がいるかもしれないが、どうか暖かい場所に行けるような巡り合わせがある事を祈りたいと思う |
私のおすすめ度
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震災、人災による生と死、親と子、夫婦の埋まることのない心の傷。読めば読むほど胸がしめつけられていく。そんな中で偶然めぐりあった1人の少年。その境遇にも辛く悲しい気持ちになるが、少年の強さと優しさに何度も目頭が熱くなった。生きる気力を失いかけた2人の大人。救世主となった少年。一度壊れてしまった心の繋がりと新たな繋がりに、それぞれの未来が明るいものになることを願わずにはいられない。しばらくは、切なさとあたたかさの余韻が心の中に残り続けそうです。 |
私のおすすめ度
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私のおすすめ度
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「普通の家族」と言われれば、 誰もがみんな、どこにでもいるような 父、母、子どもたちのあたたかい 家族を思い浮かべると思う。 でも、普通の家族に見えていても 実はその当人たちにしかわからない たくさんの問題がある。 "試練とは我が身に降りかからなければ対岸の火事であり、忘れ去られるものだとあらためて実感した。" 他人事なら、放っておいてほしい。 あなたの一時の感情でしたことで 「普通の家族」として生きていた家族が 壊れてしまうこともあるんです。 そんなことを考えさせられた。 |
私のおすすめ度
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『春を待つ』著者の松下さんは作家で脚本家らしい。8歳の息子を亡くした夫婦は離婚はしたが、息子の納骨を終えられずにいた。2、3日一緒に旅?をするつもりだった、虐待を受けている11歳の健介と過ごすうちに、夫婦はお互いを知ることができ、健介もこれからの道を歩む事になる。夫の光永は新潟水俣病の父と母を亡くしていた。夫婦が健介を通して見た過去と未来は、それぞれの「春」であったに違いない。重松清さんのような作風。人によっては泣ける、そんな一冊。良かった。 |
私のおすすめ度
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私のおすすめ度
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幼い息子が予期せぬ死を遂げてからわたしの全ては終わった。息子の命日を前に別れた妻のところへ未だ納められなかった骨箱を持っていく途中、その少年に出会った。 私たち元夫婦の生きる力となった少年の今度は生きる力に私たちはなりたいと思った。 公害を避けられなかった夫婦の元に生まれた主人公の生まれてからとこれまが苦難の連続でそれでも負けずに生き抜く姿に自身のちっぽけな不運は霞む。 現実にも沢山の困難を乗り越えそこにいる人たちのことを思いやる。 こんなになにもかもが豊かになっても、みんなに与えられてはいない、負の渦から抜け出せない人がいることの矛盾が辛い。 虐げられた中でも人への優しさを忘れない少年にグッときてしまった。 |
私のおすすめ度
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私のおすすめ度
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これは、心に欠落を抱えた3人の物語だ。新潟市に住む光永は、両親を新潟水俣病で亡くし、8歳の息子を交通事故で無くしている。それが原因で妻・佳苗とも離婚し、彼女は会津にある実家に住んでいた。亡くなった息子の啓太の納骨をするために会津にやってくる。その途中、飯盛山で菅原健介という少年と出会った。彼は実の母親が死に、義父からはネグレクトと虐待を受けていた。最初は成り行きで、佳苗・健介と暮らし始めた光永だったが、だんだん彼の心の中で健介の比重が大きくなっていく。それは佳苗も同様だった。 佳苗といっしょ暮らすと言う光永。そして健介は施設に入ることになったという。ここから三人の再生の物語が始まる。そんな余韻を残したラストに、読者は思わず涙するだろう。 |
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「人は少しずつよくなるいかない、少しずつ幸せになるしかないんだ……」 幸せとはなんだろう? それを考えました。 一気に読んでしまい、少しもったいないことをしてしまったと思いました。 もう一度、今度はゆっくり読みたいです。 「幸せ」についていろいろ考えましたが、『春を待つ』のような現実もあるかもしれないと思い、 そして、それとは逆に裏技でも使ったかのように、お金を稼ぎ裕福な生活をおくり、それが「幸せ」だと言う。 そんな現実もあると思いました。 不公平ですが、そういうもんだ! と言えます。 ただ、私たちには、世の中で知っておくべきことが多くあるのだと感じました。 『春を待つ』を読み、悲しい、切ないと感情的になることもいいですし、自分の生活に重ねて考えるのもいいでしょう。 読むタイミングによって違った読み方ができると思いました。 繰り返し読みたいですね。 |
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ISBN | 9784569848112 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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一気に読みました。水俣病については教科書的な知識しかなく、原発については、つい先日、生まれ故郷に住めずに異郷の地で生活している人たちもこのコロナ禍で二重に辛い思いをしているのだなと思いを馳せていたところでした。この話の中ではパンデミックと表現されていました。時が経てばそういった括りで語られることになるのかもしれません。当事者の辛さ、企業や政治家の欺瞞など社会的な要素もありながら、中心はなんといっても子どもを事故で亡くした元夫婦であり、義父の虐待から逃れてきた子どもとの不思議な出会いです。辛い時は声をあげよう。誰かを救うことで救われることだってあるんだから、ちゃんと人を頼っていいんだ。いろんな想いが押し寄せてきて泣けました。 |
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タイトルにある「春」示唆しているのは季節なのか、それとも明るい未来のことなのか。そんなことを思いながら読み進めました。 コロナ禍で苦しんでいる私たちですが、世の中には、メディアでは年に一度思い出したかのように取り上げるだけになってしまっている公害病や震災など、第三者が過去にしてしまっていることが苦しんでいる方が大勢いるのもまた事実だと気が付かされました。 家族のこれからの在り方を模索して、劇的にではないけれど徐々に歩んでいく姿がよかったです。こんな時代ではなくとも後世まで読み継がれて欲しいそんな一冊でした。 |
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ページ数が少ないのであっという間に読み終えられる本ですが、内容は深く考えさせられました。 自分自身は独身で子供もいませんが、大切な子供を失って苦しんでいる人がいる一方で、何の罪もない子供が虐待に遭っている理不尽さ。この物語ではそういう人達が出会って、お互い支え合って自分自身の人生を立て直していき、私も頑張って生きていこうと思わされました。 |
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人の心の再生は時に常識とはかけ離れたきっかけから始まるのかもしれない。 大人が踏み出せない一歩を、小さな子供がきっかけを作りスモールステップながらも、同じ階段を上がり出していく。 この家族が幸せになることを祈らずにはいられない読了感に満ちています。 |
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映画「万引き家族」を思い出しました。 水俣病、一人息子の事故死、東日本大震災、児童虐待、と暗い要素が多い作品ですが、最後は明るく終わるところに救いがあります。「万引き家族」のような濃密なリアルはなく、終わり方も非現実的だと思いますが、これはこれでよいのかもしれません。 著者はいかにも脚本家らしく、せりふのみのページもありました。ちょっと重松清のような雰囲気もあり、今後も注目していきたい作家さんです。 |
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水俣病の両親を介護しているのに、その病気のために周りから差別された子供時代を過ごしてきた光永。幼い子どもを亡くして、その責任に押しつぶされ続けている佳苗。震災で父親を亡くし、母と再婚した父と3人暮らしだったのだけど、母もなくなって継父に虐待されていた健介。それぞれが苦しさを抱えて生きてきました。 そんな3人が一緒に食事し、生活を共にするうちに、不思議な情が生まれてきたのです。バラバラな3人だったはずなのに、家族としてのぬくもりを感じるようになり、この生活がずっとは続けられないのはわかっているけれど、このままでいたいという気持ちが湧いてきたのです。 偽りの家族なのに、お互いを必要としているのがわかるから、このままウソをつき続けられないかと悩むのは切ないですね。このままでは誘拐になってしまうかもしれないし、かといって健介を家に帰したらどんな目に遭うかわからないって、八方ふさがりじゃないですか。こんな時、誰に助けを求めればいいのでしょうか。 どうしていいのか分からない3人のことを思うと、切なくて仕方ないのです。 |
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最愛の息子を亡くし光を見失ってしまった元夫婦の前に現れた健介という少年 彼もまた毎日を必死に耐えて生きていた この3人が過ごした数日で厚かった雲が少しずつ溶かされて暖かな光を感じるまでのストーリー 水俣病という公害病により様々な苦労を強いられ傷ついたまま社会から置き去りにされてきた光永 置き去りに…という言葉は本当にその通りだと思う 病気、事故、災害、一時は心を寄せてくれる世間も数日の間に当事者たちを置き去りにしてしまう 置き去りにされたこの人たちが起き上がり暖かい春を迎えようとする場面にとても安堵した 新型肺炎感染で世界中が困難な今、誰もが「春を待つ」気持ちでいると思う また置き去りにされる人々がいるかもしれないが、どうか暖かい場所に行けるような巡り合わせがある事を祈りたいと思う |
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震災、人災による生と死、親と子、夫婦の埋まることのない心の傷。読めば読むほど胸がしめつけられていく。そんな中で偶然めぐりあった1人の少年。その境遇にも辛く悲しい気持ちになるが、少年の強さと優しさに何度も目頭が熱くなった。生きる気力を失いかけた2人の大人。救世主となった少年。一度壊れてしまった心の繋がりと新たな繋がりに、それぞれの未来が明るいものになることを願わずにはいられない。しばらくは、切なさとあたたかさの余韻が心の中に残り続けそうです。 |
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「普通の家族」と言われれば、 誰もがみんな、どこにでもいるような 父、母、子どもたちのあたたかい 家族を思い浮かべると思う。 でも、普通の家族に見えていても 実はその当人たちにしかわからない たくさんの問題がある。 "試練とは我が身に降りかからなければ対岸の火事であり、忘れ去られるものだとあらためて実感した。" 他人事なら、放っておいてほしい。 あなたの一時の感情でしたことで 「普通の家族」として生きていた家族が 壊れてしまうこともあるんです。 そんなことを考えさせられた。 |
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『春を待つ』著者の松下さんは作家で脚本家らしい。8歳の息子を亡くした夫婦は離婚はしたが、息子の納骨を終えられずにいた。2、3日一緒に旅?をするつもりだった、虐待を受けている11歳の健介と過ごすうちに、夫婦はお互いを知ることができ、健介もこれからの道を歩む事になる。夫の光永は新潟水俣病の父と母を亡くしていた。夫婦が健介を通して見た過去と未来は、それぞれの「春」であったに違いない。重松清さんのような作風。人によっては泣ける、そんな一冊。良かった。 |
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幼い息子が予期せぬ死を遂げてからわたしの全ては終わった。息子の命日を前に別れた妻のところへ未だ納められなかった骨箱を持っていく途中、その少年に出会った。 私たち元夫婦の生きる力となった少年の今度は生きる力に私たちはなりたいと思った。 公害を避けられなかった夫婦の元に生まれた主人公の生まれてからとこれまが苦難の連続でそれでも負けずに生き抜く姿に自身のちっぽけな不運は霞む。 現実にも沢山の困難を乗り越えそこにいる人たちのことを思いやる。 こんなになにもかもが豊かになっても、みんなに与えられてはいない、負の渦から抜け出せない人がいることの矛盾が辛い。 虐げられた中でも人への優しさを忘れない少年にグッときてしまった。 |
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これは、心に欠落を抱えた3人の物語だ。新潟市に住む光永は、両親を新潟水俣病で亡くし、8歳の息子を交通事故で無くしている。それが原因で妻・佳苗とも離婚し、彼女は会津にある実家に住んでいた。亡くなった息子の啓太の納骨をするために会津にやってくる。その途中、飯盛山で菅原健介という少年と出会った。彼は実の母親が死に、義父からはネグレクトと虐待を受けていた。最初は成り行きで、佳苗・健介と暮らし始めた光永だったが、だんだん彼の心の中で健介の比重が大きくなっていく。それは佳苗も同様だった。 佳苗といっしょ暮らすと言う光永。そして健介は施設に入ることになったという。ここから三人の再生の物語が始まる。そんな余韻を残したラストに、読者は思わず涙するだろう。 |
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「人は少しずつよくなるいかない、少しずつ幸せになるしかないんだ……」 幸せとはなんだろう? それを考えました。 一気に読んでしまい、少しもったいないことをしてしまったと思いました。 もう一度、今度はゆっくり読みたいです。 「幸せ」についていろいろ考えましたが、『春を待つ』のような現実もあるかもしれないと思い、 そして、それとは逆に裏技でも使ったかのように、お金を稼ぎ裕福な生活をおくり、それが「幸せ」だと言う。 そんな現実もあると思いました。 不公平ですが、そういうもんだ! と言えます。 ただ、私たちには、世の中で知っておくべきことが多くあるのだと感じました。 『春を待つ』を読み、悲しい、切ないと感情的になることもいいですし、自分の生活に重ねて考えるのもいいでしょう。 読むタイミングによって違った読み方ができると思いました。 繰り返し読みたいですね。 |
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