野原できみとピクニック

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刊行日 2021/03/22 | 掲載終了日 2021/03/22

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内容紹介

裕福な家に生まれ進学校に通う優弥と、底辺校に通いながら家計のためアルバイトにいそしむ稀星。現代社会を映しだす2人の恋の行方は?


優弥はある日、繁華街で男子高生に絡まれていたところを、通りかかった稀星に助けられる。

裕福な家に生まれ、進学校に通う優弥と、底辺校に通いながら、家計を助けるためアルバイトにいそしむ稀星はお互いの違いにとまどいながらも、しだいに惹かれあっていく。

育ってきた環境が、まったくちがう2人が恋に落ちたら、見える世界はどう変わるのだろう。

2人の恋が現代日本を映しだす、格差社会のラブストーリー。

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スマホをとりだして、ラインを立ちあげ、短いメッセージを打つ。

    大好きだよ

向かいのホームに降りると、稀星が手を振っているのが見えた。

優弥はあわててスマホを指さす。

そのとき、くだりの電車が滑りこんできて、稀星の姿が見えなくなる。

電車が動きだすとすぐに、上り電車が入線してきた。

先ほど打ちこんだ文字が、既読に変わった。(本文より)

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裕福な家に生まれ進学校に通う優弥と、底辺校に通いながら家計のためアルバイトにいそしむ稀星。現代社会を映しだす2人の恋の行方は?


優弥はある日、繁華街で男子高生に絡まれていたところを、通りかかった稀星に助けられる。

裕福な家に生まれ、進学校に通う優弥と、底辺校に通いながら、家計を助けるためアルバイトにいそしむ稀星はお互いの違いにとまどいながらも、しだいに惹かれあっていく。

育ってきた環境が、まった...


出版社からの備考・コメント

【ご注意下さい】 ここに掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。

【ご注意下さい】 ここに掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。


おすすめコメント

【著者紹介】

著/濱野京子(はまのきょうこ)

熊本県に生まれ、東京で育つ。『フュージョン』で第2回JBBY賞、『トーキョー・クロスロード』で第25回坪田譲治文学賞を受賞。作品に『バンドガール!』『石を抱くエイリアン』『アギーの祈り』『with you』『この川のむこうに君がいる』などがある。


【著者紹介】

著/濱野京子(はまのきょうこ)

熊本県に生まれ、東京で育つ。『フュージョン』で第2回JBBY賞、『トーキョー・クロスロード』で第25回坪田譲治文学賞を受賞。作品に『バンドガール!』『石を抱くエイリアン』『アギーの祈り』『with you』『この川のむこうに君がいる』などがある。



出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784037273309
本体価格 ¥1,500 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

士農工商が廃されて華族もなくなり、身分の違いというものは肩書上なくなったけれど、
一億総中流が消えて格差が広がり、どの家に生まれるかが学びの保障にも影響を与えるようになっているのに、
恵まれている側はその意識が薄く、キツい立場の側は諦念を植え付けられている。
そんな日本の現状への気付きを当事者である若い世代に促す内容だけれどラブストーリーベースで読みやすい。

異国の恋人ができるとその国の言葉の習得が早くなるという話を聞くことがあるけれど、
相手を好きになると相手を知りたくなる。だから違いや壁があっても乗り越えて理解しようと努力する。
相手への思いが躊躇いをも超えて行動に突き動かす力を持つということがよく表れていると思う。

自分の生活圏内では駅のあちらとこちらで暮らしが違う、ということを体感したことはないのですが、
大阪神戸間のJR・阪急・阪神電車、それぞれ乗っている層が違う、という話を思い出しました。

すぐ近くにいるのにパラレルワールドに生きているかのような存在だというのは、
傍から見ると違和感を覚えるようにも思えますが、渦中にいると当然になってしまう様子が感じられ、
それってつまりは他者への無関心と繋がっているのだなと怖くもなりますが、
変化の一歩は誰かの好意からも生まれうるのだとも思わせてくれる、希望も見せてくれる本。

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裕福な家庭に育った者と、家計の心配をしなければいけない者。同じ時代に生まれ全く違う生活をしてきた彼ら。どちらが悪いとか、そういうことではない。育った環境というのは自分たちではどうしようもない。
人々の偏見、物事の価値観の違い、自分の当たり前が通用しないという事を、優弥と稀星の目を通して痛いほど突きつけられた。

けれど、違うからと諦めるのではなく想い合って理解しようとする努力で少しずつ分かり合える。格差社会の現実を知るいいきっかけにもなり、二人の交際を応援したい前向きな気持ちになる一冊です。

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当然交じり合わないものと決めつけていたものが交じり合った瞬間、
何かの形になった。予想を超えた形となった。
その形は丸なのか、四角なのか、歪んでいても、その形が正解。
高校生たちはまだ形が出来上がっていないけど、
形を形成し始めている。相互作用してその形が作られていく。
そんな物語を見ることが出来た。
大人では味わえない感覚、触覚。

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一見、恋する(しかも初恋?)2人の甘酸っぱいお話のようだけど、本人たちにはどうしようもない“格差”についてストレートに描かれている。
あちら側とこちら側、小さい頃はそんなに感じることなかった枠に囚われ、越えることが出来ない透明な壁を感じ、そんなもんだと諦めにも似た気持ちが漂っていたのに、“恋”という現象によって、相手を知りたい、理解したいと思い、それが周りを動かすパワーになる。
とても前向きで爽やかな作品です。

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中高一貫・S校に通う優弥と、底辺校・L校の稀星(きらら)。あるきっかけで知り合った。線路を挟んだ北と南で は環境が全く違う。2千円を高いと思わない高校生と、片やバイトをしなければならない高校生。分かり合えないと決めつけてはいけない。どこかで交わる時が来るはず!優弥と稀星の恋にキュンキュン😍若いっていいね〜。手を繋ぐ、口紅をつけた唇にドキドキする、あ〜あ〜…こっちがはずかしくなる😅優弥の母親が物分かりが良くて安心した。こんなYAもいいな(笑)

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私はどっちかというと中流家庭なので、この二人の間の立場って感じでしょうか。
いいとこの子供の優弥と、割と貧しい家庭の稀星。
日本は高校からどうしてもランキング社会になってしまうのは避けられないので、やはり私も普通の公立の普通科高校に通っていた時どこか商業・農業・工業高校に通っている人たちのことを見下していたところがあったかもしれません。中学までは同じ学校なのにも関わらず。
そんな格差社会、しかも裕福なところの進学校と落ちこぼれ底辺高校の子が手を取り合ってイベントを起こそうとするとき、とても胸が震えました。お互いどこか偏見があるものの少しずつ歩み寄ろうとする気持ち、すごくすごく良かったです。話が合わないなら、お互いをもっと知っていけばいい。希望の持てる本でした。

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