檸檬先生

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刊行日 2021/05/24 | 掲載終了日 2021/05/23

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内容紹介

第15回小説現代長編新人賞受賞作。

小説現代長編新人賞、史上最年少受賞!
十八歳の作家が放つ、鮮烈なデビュー作。


世界が、色づいている。

私立小中一貫校に通う小学三年生の私は、音や数字に色が見えたりする「共感覚」を持ち、クラスメイトから蔑まれていた。ある日、唯一心安らげる場所である音楽室で中学三年生の少女と出会う。檸檬色に映る彼女もまた孤独な共感覚者であった

第15回小説現代長編新人賞受賞作。

小説現代長編新人賞、史上最年少受賞!
十八歳の作家が放つ、鮮烈なデビュー作。


世界が、色づいている。

私立小中一貫校に通う小学三年生の私は、音や数字に色が見えたりする「共感覚」を持ち、クラスメイトから蔑まれていた。ある日、唯一心安らげる場所である音楽室で中学三年生の少女と出会う。檸檬色に映る彼女もまた孤独な共感覚者であった


出版社からの備考・コメント

※校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。

※校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
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おすすめコメント

数字に色が見えたりする「共感覚」が作品のモチーフで、ページを捲るごとに、鮮やかな色彩が目前に広がっていきます。高校生とは思えない筆力に、何度も心を打たれました。本作品でしか味わえない四季折々を感じ取っていただければ嬉しいです。
――担当編集より

★---------★---------★

読み終わりましたら、適したメディアやお持ちのSNSに
ハッシュタグ:#檸檬先生をつけてレビューを投稿いただき、ぜひ多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく存じます。

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数字に色が見えたりする「共感覚」が作品のモチーフで、ページを捲るごとに、鮮やかな色彩が目前に広がっていきます。高校生とは思えない筆力に、何度も心を打たれました。本作品でしか味わえない四季折々を感じ取っていただければ嬉しいです。
――担当編集より

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読み終わりましたら、適したメディアやお持ちのSNSに
ハッシュタグ:#檸檬先生をつけてレビューを投稿いただき、ぜひ...


販促プラン

★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

★★

★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

★★


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784065228296
本体価格 ¥1,350 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

主人公のもつ共感覚で見る世界、これを文で表現する力がすごいです。文字で読む文章のあちこちに、色が散りばめられていました。主人公は初め、目に見える世界しか知らず、共感覚も知らず、共有してくれる人も伝える言葉も持たず、孤独でした。檸檬先生との出会いによって、それまでの孤独で暴力的だった世界にも美しさがあり、それを学んで、表現して、強く大きく成長していく姿に感動します。主人公目線で物語が進んでいく分、檸檬先生の存在が衝撃でした。

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小説現代新人賞受賞作品。いかにも高校生らしいフレッシュな表現もあれば、青い果実のように硬い表現もある。読みやすいかと言われると決して読み心地の良い作品ではないが、なぜか爽やかに、しかし重く印象に残る作品だった。
主人公は「共感覚」を持つ小学生。音が色に感じられ、数字にも色を感じる。そんな特別なギフトのある男の子が、同じく「共感覚」を持つ檸檬色に見える中学生の先輩と出会い、2人が共に一つの作品作りに挑む。
この小説をプロモートするために、オリジナルの楽曲を使ったPVが作られている。今時の宣伝方法であり、この小説にぴったりのプロモーション方法だと思う。
SNSの時代にいかに共感を生むか、メディアはみんな模索している。

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誰からも理解されなかった小学三年生の少年が、音楽室でピアノを弾く中学三年生の先輩=檸檬先生に出会い、自分が共感覚の持ち主であること、彼女もまたそうであることを知る。孤独だった二人を分かちがたく結びつける数々のものたちが、色彩で溢れる少年の視界を通して瑞々しく描写され、読んでいる間ずっと鮮やかな水の奔流に巻き込まれているかのようだった。夏の章のスイカを食べる場面に心奪われる。出会いの春、夢の夏、理想の秋、死の冬。巡る四季の中で少年と檸檬先生が紡いできたそばにいる時間は美しく、だからこそ結末が胸に痛い。相似ではなく対比だったのだと気づいたときにはすべてが終わっていた。檸檬先生自身の物語は断片的にしか語られないが、心情は手に取るように理解しうる。その匙加減がなんとも巧い。忘れられない物語になった。

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どんなに優れた才能でも、人と違うといって差別されてしまう。それも無知からくるもので、その違いがわかれば受け入れてもらえる。少年は、檸檬先生のお陰で、自分の才能がどういうものか、またその才能とどう向き合って生きていけばいいのか教えてもらい、またそのお陰で世の中に受け入れてもらえるようになるのに、それを教えてくれた先生は、少年から離れ、世の中と折り合えなくなる。ようやく初めて見つけた自分だけのものがそうでなくなった時の寂しさは、耐え難いものなのだろうと思った。

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小学3年生の僕(文中の語りは私)と中三の「檸檬先生」との出会いと別れ。
瑞々しい文体、飾り気のない檸檬先生の話しぶり、学校行事を軸に進む物語の展開、
冒頭を読むと、悲しい結末が待っていると分かるのですが、光と色彩の渦のが見えるような鮮やさと二人が置かれた状況の孤立との対比が見事な作品でした。
生き辛さ系の作品がこのところ多数出ていますが、この作品には他の作品にない新鮮さを感じました。おそらく、教訓や格言めいたものや道徳的な側面の押しつけないからだと思います。とてもよいと思います。

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私には見えない世界を生きる2人。生きている世界も、感覚も、みんな違う。個性のはずなのに周囲の偏見に息苦しさを感じてしまう。孤独だった。そして似ていた。まるで引き寄せられたような檸檬先生と少年の出会いは、移りゆく季節の中で、少年のヒリつくような痛みをやわらかく鮮やかな時に変えていく。少年の視界に飛び込む彩りに、檸檬先生のまぶしさに心を引きこまれる。それなのに苦しくてたまらない。心の叫び、儚さ、すれ違いのまま残された残酷な沈黙が胸に突き刺さり、心がかき乱されて、とても痛い。

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色にとけこんだ少年と、色に殺された先生。この対比が素敵でした。見えないだけできっと世界は色にあふれていて、それが丁寧に描かれていたのが素晴らしかったです。
梶井基次郎の『檸檬』で「その檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。」という一文がありますが、檸檬先生の檸檬色は、少年のごちゃごちゃした色彩世界を先生が吸収したということだったのでしょうか……

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どのページも、美しくて、冷たく、いとおしいのにおぞましくて怖くてたまらなかった。
檸檬先生が手足を自由に伸ばし、大きな声で笑えば笑うほど、彼女の絶望の大きさが感じられて胸が苦しくなりました。
人よりよく見える眼、世界の奥底まで見通せてしまうことは本当に苦しいことです。
生き延びて、大人になりすっかり視力も落ちた鈍感な自分に安心してしまった。子どもの頃の心のままじゃとてもくぐり抜けられなかった。
そんな感覚を思い出してしまいました。

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『共感覚』というちょっと聞き慣れないものを持つ2人の物語。『共感覚』を持つが故に生きづらい2人。でも生きていて辛いのには他にも理由がありように読んでいて思えた。1人は自分の持つ感覚と上手く付き合える様になり、周りからの理解もある程度得られる。1人は折り合いをつけたくても周囲の環境や自己の性についての葛藤もあり生きづらいまま。何とも悲しい物語。色の表現がとても美しく、目の前に音楽と色が見えてくるような文章が素晴らしい。

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衝撃的なプロローグ。
これは衝撃的なラストへの過程だったのか。
色々なものが色に見えてしまう共感覚。
共感覚が故に人と違い周りから拒絶、廃絶される二人。
その世界から救ってくれたのが、檸檬先生だった。
好きという淡い思いは、同志とか慕うという思いだったのかも。
先生は、共感覚に加えLGBT、トランスジェンダーだったと思われる。
抜け出せない苦悩から、少年だけでも救い出したかったのではないか。
そして離れた。
結局苦悩からは逃れられず・・・・・。
大人になった少年の苦悩と命の叫び。
どうにもならない虚しさ。

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共感覚、聞いたこともあるしどんなものかも知っているつもりだけれど、その共感覚者の見え方などは凡人の私にはまったくわからない。音で気持ち悪くなったり、色づいて見えたり、それは生きづらいのかもしれないけれど素敵な世界でもあると思う。

中3、お嬢様の檸檬先生と父親が放蕩していてお母さんが昼も夜も頑張って働き私立の学校に通う少年。
境遇は全く違うけれど、二人とも共感覚者ということで生きづらさを抱える少年は檸檬先生によってうまく生きていく術を学ぶ。二人で作ったシンコペーティッドクロックの絵、私も実物で見てみたいと思いました。

最後、強烈なトラウマを与えたな、檸檬先生と思いました。このラストは少年にとってほんとうに辛い。

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鮮やかな色が広がる物語でした。
瑞々しくて痛々しくて、
すごく刺さる青春小説。
共感覚、マイノリティ、とても考えさせられます。「想像が難しいもの」をここまでうまく表現できる作者の凄さに驚き。これで18歳とは……。
一気読みしてしまいました。

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私立小学校の三年の主人公は人や物の性質が、色や音に聞こえたりして、不調をきたし、友達とうまく合わせられず、いじめられている。ある時、音楽室で中3の生徒に出会う。彼女は小3の主人公と同じ「共感覚」の持ち主だと分かり、檸檬色を纏った『レモン先生』と呼んでいる。孤立する教室から抜け出して、2人で学園祭の創作を始め作品を完成させる。繊細で純粋で、壊れてしまいそうな2人の世界観は檸檬先生の死をもって、主人公は自立し、現実の世界で少しずつ生きられる希望が生まれる。18歳の作者の飾らない表現だけど、繊細で脆く研ぎすまされた感覚が、とても新鮮で瑞々しい。我が図書室にも即購入した期待の作品。

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