新基礎情報学

機械をこえる生命

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刊行日 2021/06/20 | 掲載終了日 2021/06/26

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内容紹介

反ホモ・デウスのために

トランス・ヒューマニズムとデータ至上主義の誤謬を証し、ディストピアを回避する方途を理論的に探る、第3次AIブームを背景に、マルクス・ガブリエル「新実在論」・郡司ペギオ幸夫「天然知能」等、最新知見をふまえて更新された〈基礎情報学〉の決定版。多様な人間/生命が息づく未来に向けた西垣情報学理論の集大成。


序論 反ホモ・デウスのために


復活したトランス・ヒューマニズムの亡霊

AIをめぐる難題と混乱

二つのパラダイムそしてネオ・サイバネティクス

基礎情報学から見た“人間=機械〝複合系〟


第Ⅰ部 基礎情報学にいたるアプローチ―情報と意味創出

第1章 ネオ・サイバネティクスの誕生

第2章 ネオ・サイバネティクスの展開


第Ⅱ部 基礎情報学の核心―生命にもとづく情報学

第3章 APSからHACSへ

第4章 新実在論と生命哲学


第Ⅲ部 人間のための情報技術―AIという衝撃

第5章 AIの論理と誘惑

第6章 データ至上主義からの脱出

反ホモ・デウスのために

トランス・ヒューマニズムとデータ至上主義の誤謬を証し、ディストピアを回避する方途を理論的に探る、第3次AIブームを背景に、マルクス・ガブリエル「新実在論」・郡司ペギオ幸夫「天然知能」等、最新知見をふまえて更新された〈基礎情報学〉の決定版。多様な人間/生命が息づく未来に向けた西垣情報学理論の集大成。


序論 反ホモ・デウスのために


復活したトランス・ヒューマニズムの亡霊 ...


おすすめコメント

基礎情報学を提唱した目的は、情報やコミュニケーションの基礎として知られるクロード・シャノンの理論があまりに機械的な記号処理に偏していることにあった。コンピュータによるデータ処理やデータ通信に関しては、シャノンの定義にもとづく定量的議論で十分であろう。ゆえに、旧来の情報学である情報科学/情報通信工学における情報とは、シャノン理論を前提とするものだった。

 しかし、情報とは本来、機械的/形式的に処理される記号だけでなく、図書館情報学が分類するように、記号の担う「意味」をふくむものである。とりわけ従来注目されてきたのは、新聞やテレビ、ラジオなどマスメディアのもたらす情報であり、その意味作用が「情報社会」という言葉で表されてきた。情報社会に関する議論は以前から、ジャーナリズム論/メディア論など社会情報学系である。

 だが、21世紀のインターネット時代になり、デジタル情報とアナログ情報とをデータとして統合的にあつかうマルチメディア技術が発達するとともに、この断絶は大きな問題をはらむことになった。今や、意味をもつ多様な情報処理をコンピュータがおこない、テレビやラジオの番組もインターネットで配信されていく。「ヴァーチャル社会」「ネット社会」といった言葉は、この変化を象徴している。アカデミズムの世界でも、情報について文理融合のアプローチが求められるようになった。2000年に東京大学で発足した大学院情報学環・学際情報学府はその典型例と言える。設立当初からこれに参画した筆者の研究室では、こうして、文系と理系にまたがる基礎情報学の構築がめざされたのである。

いっそう顕著な展開を見せはじめたのは、2010年代後半に入ってからのことだ。AI(人工知能)はコンピュータが発明された世紀半ばから研究されていたが︑実用技術としては幾度も挫折をくりかえしてきた︒それが、ハード/ソフトの能力向上や機械学習技術の発達によって、実用化の段階を迎えつつある。そこでは、人間とロボットが会話したり、AIが外国語の翻訳をしてくれたりする。だが︑はたして、部の識者が予告するように、二〜三十年の後にシンギュラリティ(技術的特異点)が到来し、人間より賢いAIがわれわれの雇用を奪ってしまうのであろうか。AIを活用できるエリートをのぞき、大半の人間は無用者階級におちぶれてしまうのであろうか。基礎情報学は、そのような問いに答えるものだ。

基礎情報学を提唱した目的は、情報やコミュニケーションの基礎として知られるクロード・シャノンの理論があまりに機械的な記号処理に偏していることにあった。コンピュータによるデータ処理やデータ通信に関しては、シャノンの定義にもとづく定量的議論で十分であろう。ゆえに、旧来の情報学である情報科学/情報通信工学における情報とは、シャノン理論を前提とするものだった。

 しかし、情報とは本来、機械的/形式的に処理...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784757103993
本体価格 ¥2,500 (JPY)

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