朔が満ちる

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刊行日 2021/07/07 | 掲載終了日 2021/08/31

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内容紹介

 かつて中学1年の時に僕は、斧で父に殴りかかって殺そうとしたことがあるーー

 心に傷を負い家族と離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。荒んだ生活の中で、看護師の千尋との出会いから、徐々に自身の過去に向き合おうとするーー

 著者畢竟の青春サスペンス。

 かつて中学1年の時に僕は、斧で父に殴りかかって殺そうとしたことがあるーー

 心に傷を負い家族と離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。荒んだ生活の中で、看護師の千尋との出会いから、徐々に自身の過去に向き合おうとするーー

 著者畢竟の青春サスペンス。


おすすめコメント

家族のかたちをテーマに書き続けている著者による、究極の問題作。親から受けた虐待が許せずに殺意を抱いた「虐待サバイバー」の彷徨を描く。

家族同士の緊張感あふれる激しい場面で見せるサスペンスの要素と同時に、「サバイバー」同士の青春恋愛小説、ロード・ノベルの要素も。


家族のかたちをテーマに書き続けている著者による、究極の問題作。親から受けた虐待が許せずに殺意を抱いた「虐待サバイバー」の彷徨を描く。

家族同士の緊張感あふれる激しい場面で見せるサスペンスの要素と同時に、「サバイバー」同士の青春恋愛小説、ロード・ノベルの要素も。



出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784022517678
本体価格 ¥1,600 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

冒頭から、ぐぐっと引き込まれる不穏なはじまり。
あ、夢か。でもほんとうに夢なのか。
ああ、なんかもう。

拭っても拭っても
心にへばりついた黒い靄のようなものに囚われる。

虐待、家庭内暴力

同じ匂いがすると彼等は言う。
あちら側とこちら側と線引きしてしまう。

距離を置かれ傷付いている彼らの言葉に
わかるはずもない私がまた傷付いてどうする。

自分のためにいつか許せと言うことは容易いけれど
許せなくてもいいと言えるのは
その傷を持った人にしかできないことかもしれない。

子供は
なにもかも選べない。
過去の事実は変えようがないけれど
未来は変えられると信じていたい。

窪美澄さんが描く「決別」と「再生」
受けてきた重さは違えど、
あの葛藤を思い出さずにはいられないと共に
すでにそれさえ遠くに感じるほど、離れて生きてきた時間の尊さを思う。

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壮絶な家庭内暴力を永らえたトラウマを抱えた一人の男が過去を見つめ直すサスペンス。最後に残るのは身体的な傷より、心の隅で見ないようにしていた“自分を救えただろう誰か”への怒りなのかもしれない。目に見える傷だけで加害者、被害者を決め付けるのはとても怖い事だと改めて感じされられた。“赦す”事だけが前に進む道ではなく、世の中には向き合わなくても良い事もある、と緩く諭してくれているようにも感じた。今一度、家族というものを深く考えさせられた。

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連鎖を断ち切る為の哀しき絆。
特殊な環境で育った横沢史也は、過去の秘密を抱えカメラマンのアシスタントとして生活していた。怪我をした史也は病院で看護師・梓と出会う。梓との出会いが胸に押し秘めていた過去と向き合うことになるのだが・・
同種の過去を持つ史也と梓の絆は、周囲からは理解され辛いが故に確固たる物としても描かれているようで痛々しい。乗り越えるために過去と向き合うのにもさらに痛みが伴い、さらに暗澹たる気持ちになるが、時の流れという加勢も加わりなんとか乗り越える姿にようやく一条の光を感じた。
また流動する家族の形、幸せの形、生き方、変化する家の姿と対称的に一瞬を切り取り固定する写真というものがけじめという楔のように使われているのが印象的だ。
不幸の連鎖を防ぐための区切りの意味を問う物語。

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父親からの虐待を受けていた史也は13歳の時に斧で殴り殺そうとする。母と妹を守るための覚悟の行為は母と親身になってくれた駐在さんとで隠蔽される。人との関わりを極力避け建築物のカメラマンとなるが心の傷は消えないまま。虐待サバイバーという言葉を初めて知る。虐待からは解放されてもその後のPTSDに悩み苦しむ史也。捨てられて養父母のもとで成長した梓と出会い、囚われていた過去が次第に溶けていき受容していく様に人に傷つけられた心は、人によって癒されるのだと思った。痛みを知る二人はきっと愛に溢れる親になるだろう。

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ショッキングなシーンからの導入でこれからどうなるのかと興味を持った。
心に傷を抱えた主人公の未来はどうなってしまうのだろうか。この怒りはどこへ持っていけばいいのだろう。
せめて物語の中だけでも幸せになれるといい。そう願いながら読む作品でした。

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