7.5グラムの奇跡

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刊行日 2021/10/05 | 掲載終了日 2021/10/04

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内容紹介

『線は、僕を描く』で本屋大賞第3位。砥上裕將が描いた新作の主人公は、視能訓練士。じんわりと涙がにじむ最高の読後感!

国家試験に合格し、視能訓練士の資格を手にしたにもかかわらず、野宮恭一の就職先は決まらなかった。
後がない状態で面接を受けたのは、北見眼科医院という街の小さな眼科医院。
人の良い院長に拾われた恭一は、凄腕の視能訓練士・広瀬真織、マッチョな男性看護師・剛田剣、カメラが趣味の女性看護師・丘本真衣らと、視機能を守るために働きはじめる。
精緻な機能を持つ「目」を巡る、心温まる連作短編集。

『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作でブランチBOOK大賞2019受賞、2020年本屋大賞第3位に選出された作者のデビュー後第1作。


『線は、僕を描く』で本屋大賞第3位。砥上裕將が描いた新作の主人公は、視能訓練士。じんわりと涙がにじむ最高の読後感!

国家試験に合格し、視能訓練士の資格を手にしたにもかかわらず、野宮恭一の就職先は決まらなかった。
後がない状態で面接を受けたのは、北見眼科医院という街の小さな眼科医院。
人の良い院長に拾われた恭一は、凄腕の視能訓練士・広瀬真織、マッチョな男性看護師・剛田剣、カメラが趣味の女性看護師・丘本真衣...


出版社からの備考・コメント

◆弊社では、一緒に作品と著者を応援していただける方からのリクエストを求めております。
リクエストいただきましたみなさまのプロフィールや、過去にご投稿いただきましたレビュー、フィードバック率を参考に承認しております。

そのため、下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
ご理解のほど、宜しくお願いいたします。


○お名前・所属などに詳細な記載がなく、プロフィールにてお人柄が伺えない方

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○フィードバック率の低い状態が長く続く方

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販促プラン

発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

★★★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

★★

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★★


出版情報

ISBN 9784065246238
本体価格 ¥1,550 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

視能訓練士という仕事を初めて知りました。視野を表す言葉が豊かで、想像力をかき立てられます。不器用だけれども、ピュアな青年の、成長の物語は、優しさに溢れていました。著者の文章から伝わる透明感や、優しい世界に触れ、読むだけで心が浄化されそうです。

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仕事や人に誠実に優しく向き合う姿に心があたたかくなりました。
優しく見守って励ましてくれるような物語でした。
見えるという奇跡を蔑ろにせず、私も常に人を思いやれるような優しい視線で物事を見ていきたいと思いました。
他人に寄り添うことは難しいかもしれませんが、それでも自分のできる精一杯で優しくありたい。

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なんて清らかで美しい表現の数々。紡がれる言葉から溢れ出る色彩・音・あたたかさや揺れ動く気持ちの機微など、小説の世界を五感の全てで感じながら、"見える"ということの奇跡と有り難さを噛みしめた。
 眼科で働く新米視能訓練士の青年が、患者さんたちを見つめ、向き合い、心を通わせながら、院長や先輩スタッフ、時に患者さんからも励まされ成長していく物語。
 作者が生み出す主人公の、静謐で誠実な青年像は、読む者の心に常に一本の清流を通す。
 また、視能訓練士という職業を知る上でも読み応えがあり、今後眼科にかかる際に、この小説を思い出して感涙してしまいそうな予感…。タイトルの意味が、読み終えた後、効いてくる、心洗われる1冊。

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視能訓練士の資格を取り、小さな北見眼科に就職した野宮くん。うまくいかない事もあるけれど、個性的な先輩に教えられながら成長する。
それぞれの7.5グラムは何を見ているだろうか。人によって見え方、見えている物は違うけれど、ここに来た人の気持ちに寄り添えば、今まで見えなかったものが見えて来るのだと感じた。
彼はさらに「誰かの光を守り、幸福な瞬間を生み出すという行為そのものに、仕える」視能訓練士として、今日も誰にも気付かれない奇跡を見ているかも知れない。

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『線は、僕を描く』で水墨画の世界に魅せられ、新作楽しみにしていました。

「目」はとても繊細で一度傷ついたら元には戻らない!とコンタクトレンズを初めて購入した学生時代に知って、それ以来気をつけて使用してきたけど、

…うん、奥深い世界です。

はじめはちょっと頼りなくて心配になってしまう野宮くんだけど、

「己惚れては駄目だけれど、まったく自信を持っていないというのもプロとしては良くないことだよ」

自信と疑いのバランスをとるために、毎日の経験を積み重ねていく。

砥上さんの世界は温かくて優しくて心地いい。

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タイトルに惹きつけられて、リクエストしました。視能訓練士野宮くんを、主人公にした全5話の、ほろ苦いところもあるけど心に響き、よし!前を向いて歩こうなと思ってしまう物語です。「夜の虹」が特に、哀しみと希望が入り混じっていて泣けました。

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緑内障、加齢黄斑変性、心因性視覚障害など、様々な眼の病気が描かれ、光を失うということの恐怖を身近に感じ、同時に、今見えているという奇跡をあまりにも蔑ろにしていた自分を恥じた。
野宮くんの成長ぶり、彼の優しさ、そして、病を持ちながら前向きに歩いていく患者たちの姿に力強さを覚える。玉置さん、門村さん、木村くん、みんなが野宮くんと関わり、野宮くんも彼らと関わることでそれぞれがいい方向に変化していく過程が清々しくて眩しい。
7.5グラムの小さな宇宙は、人の人生をも左右するとてつもなく大きな存在であることを、今目の前にある光が大きなギフトであり、失うと取り返せない奇跡であることを爽やかな想いと共に噛み締めた読後でした。

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前作「線は、僕を描く」がデビュー作とは思えない作品で、新作をとても楽しみに待っていました。

読み終えるのがもったいと久しぶりに感じた一冊です。



「たった一つのことを選べれば、なにかになれるかもしれない」
と瞳を見つめることが好きな野宮は
視能訓練士に。
真っ直ぐ患者さんの瞳を見つめる野宮。瞳を通してが患者さんの感情を細かに捉え、こちらにも痛いほど伝わって来ます。
繊細で透明感のある描写で優しい読後感です。


視能訓練士という職業について知ることが出来たと同時に、今見えているという奇跡にも感謝しました。

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あまり要領が良くなく、自分に自信を持つことが出来ない日々を過ごしていた新米視能訓練士の野宮くん。眼科医院の院長や先輩、同僚に支えてもらいながら、一人一人の患者さんに寄り添い、真摯に向き合うことを続けていくうちに、患者さんの瞳の奥に光と輝きを取り戻し、次第に視能訓練士としての自分に自信もつけていく。登場人物たちの気持ちが繊細に描かれていて、涙なしでは読めない。7.5グラムの小さな奇跡の塊は、とても繊細な器官で、視力を失ったら回復することが出来ない危険性を秘めている。視能訓練士というあまりよく知られていない職業にフォーカスを当て、目が見えることの奇跡を改めて教えてもらった。眼科を受診したことがなくても、わかりやすく丁寧な描写のおかげで、取り残されることなく読み進めることが出来る。野宮くんの成長譚であるとともに、読者に人生を見つめ直すきっかけをくれる一冊でもある。穏やかで心地よい読後感。まだ心の奥にじんわりと温もりが残っている。

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白内障、緑内障、網膜剥離など様々な目の病気で眼科にお世話になるわけですが、目というのはとてもデリケートな器官なので、その検査はとても難しいのです。新人視能訓練士の野宮くんは、なかなか自分の技術に自信が持てずにいます。

 目の機能が下がっているのか?でも検査結果はそんなに悪くない。ということは、他の要因があるのかもしれないという患者さんが何人も登場します。 心の問題が身体に出るというのは、最近よく話題になっていますが、視力が落ちるという症状もあるのだということを初めて知りました。

 患者さんたちとの良い関係を築くということが大事なんだよと教えてくれる先輩方、そして、それに少しずつ応えていく野宮くん。患者さんたちも、ちょっとしたところで力になってくれることもあって、こういういい関係を築ける医療機関っていいなぁと思いました。

 喫茶ブルーバードに青い鳥の新しい写真が飾られるようになるのかなぁ?続編を期待しちゃいます。

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とても心が温かく優しい気持ちになれる一冊でした。
美しく、優しい文章を書かれる方ですね。
視能訓練士として働きはじめた野宮くんが、
患者さん、先生、先輩、同僚と接する事でどう成長していくのかを見守りながら読みました。
私の娘も今まさに、視能訓練士を目指して勉強しています。脳や身体のしくみ、介護ヘルパーの資格など多岐にわたる勉強が必要となり、日々頑張っています。
野宮くんのような、患者にそっと寄り添い
眼だけではなく心のケアまでできる、視能訓練士になって欲しいと思いました。

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視能訓練士、初めて耳にした職業。
眼科と皮膚科はすぐ命に関わらないというイメージがあって、内科でも同様の薬を出してくれるので行かないことも多いけれど、専門性が高く初めから行っておけば良かった、とも思うのがこの診療科だったりもする。
自分にも7.5グラムの器官がある。眼科に行ったときに何を見られているか分からなかったけれど、自分の中にもこういった景色が見えているんだろうか。
不器用な人ほど慎重で、自分で気が付かないうちに花を咲かせていることが多い。
野宮くんの成長を親のような気持ちで読ませて頂きました。

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野宮君が視能訓練士を目指した理由が良かった。不器用だからこそ、そういう視点で職業を決めるというのが野宮君らしいし、意識していなかったけど、自分が今の仕事を目指したのもどこかそういう気持ちがあったのかもしれないということに気づき、感慨深い思いです。人と人の関わりや、当たり前にあることの尊さが伝わってくる物語でした。

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メフィスト賞を受賞された前作『線は、僕を描く』は久しぶりにエンターテイメントではなく淡々とした文章に引き込まれる魅力のある作品だっただけに著者の次作を楽しみにしていました。水墨画という著者の住む世界から医療の世界という、まるで世界の異なる舞台の作品でしたが前作同様主人公に感情移入してしまうほどの魅力ある作品です。次作ではどんな世界を魅せてくれるのか今から楽しみです。ありがとうございました。

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✎感想✎
視能訓練士の名前、仕事内容を今回初めて知りました。
主人公が、徐々に成長していく姿にホッとしている自分がいました。まだまだ新人だけど、患者に向き合い、患者の心の声も聞こうとしているのが作中からも強く伝わってきて、私が視能訓練士と関わる事があったとき、主人公のような方に出会いたいなと思いました。
同時に「見える」事は決して当たり前ではないんだなということも改めて認識させてくれた作品でした。今、こうして見えていることに感謝して日々を過ごしていきたいと思わせてくれました。砥上様、ありがとうございます。

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この眼科はきっと私の町にもあるのだ、野宮くん達は、患者さん達は架空の人ではないのだ。
前作でも主人公の青年は誠実なひとでしたが、今作“視能訓練士”の野宮くんもやはりそう。砥上さんが筆で滑らかに柔らかに描いていくような美しく丁寧な言葉で綴られる、人と人の目の物語。
最初はあまりに自身がなく頼りげなさそうな佇まいの野宮くんが、話が進む事に成長してゆくのが、絵が完成してゆくようにも見えて心地よかった。
私自身が今のとこ眼科にお世話になった経験がほぼないのですが、それゆえ尚更に知らないこと(そもそも視能訓練士に馴染みがなかった)ばかりで新鮮な読書体験となりました。

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前作でも感じたことですが、砥上さんの書く言葉は、
胸を鷲掴みにされるように、ぐぐーっと心に響いてきます。
視能訓練士というテーマにも、興味がわきました。

不器用な主人公だからこそ・・・というような、彼の気づきや、考え方、想い。
少し切なくて、優しくて、あたたかい。
読了後、大きく息を吐くような物語です。

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訥々とした語りぶりに主人公野宮の誠実さが滲む。眼科を舞台に、視能訓練士の仕事、眼病、検査機器や検査方法など専門的な用語が出てくるが、全部はわからないなりに、わたしも数ヶ月おきに目の検診でする検査のあれだろうなと思う場面に臨場感を感じたりする。
見えるということのありがたさ、日々本を思い切り読めることの幸せを噛みしめる。読むことを取り上げられたら、わたしは確実に生きている実感を失うだろうから。
野宮が目の病気や不具合を抱える患者さんたちに真摯に向き合い、ひとつひとつ仕事を覚えていく過程が成長と繋がっているのが嬉しい。不器用さは、経験を重ね、患者に寄り添うことや推理めいた想像力を働かせることで克服できる。
目は心の窓とも言われるように、メンタルとも深く関わっている。患者の今の状況に至った原因や理由を心を砕いて考えることがだんだんプロとしての力をつけさせてくれた。
光さす双眸の美しさを信じる野宮は、この仕事の醍醐味を知ったと言えるだろう。

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主人公の視能訓練士の野宮君が不器用ながらも真っ直ぐ患者さんと向き合う姿や寄り添い方が凄く素敵だなーと思った。
そして、人や人生に対しての向き合い方や仕事に対する姿勢だったり改めて考えるきっかけになった1冊です。
北見眼科医院で働いている人達は優しい人達ばかりで読んでいて心が温かくなり優しくて温かい世界に心が染みました。

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不器用でも丁寧に生きる姿がとてもいい。がむしゃらでも必死でもない、なんとも言えないその姿勢。与えられた仕事と向き合い、ただただ丁寧に。仕事にも人に対しても、その姿勢を崩さない主人公がとても好ましい。この静けさ、一作目に通じるものは確かにある。

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視能訓練士ー瞳の中の光と視野の島を捉える仕事、少し要領が悪い野宮恭一は眼科医院で視能訓練士として働きだす。有能な先輩、優しい同僚に囲まれて成長していく。眼は奇跡であり、失うことによってそれが奇跡であったことに気が付くことを教えてくれました。1作目で著者さんの長所だと感じた「迷いを書き切る」がよく出ていた作品だと思いました。登場人物が逡巡してるシーンを丁寧に書き切る。読み手が「寄り添いたい」と思う人がそこに現れる。『線は、僕を描く』と同様に、目前に絵画が次々と展開されるような筆致は健在。水墨画家の著者さんが今作もペンで人を描き出します。

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主人公の野宮が、不器用だからめざした という視能訓練士という仕事。やっと就職できた北見眼科での人々との出会い。人格者の医院長や先輩仲間、苦悩を抱えた患者たちから、新人の野宮が学び成長する姿を、とても自然な、砥上さんの研ぎ澄まされた感性で精緻な筆致だけれど、自然な流れで描れた文章は前作からの期待通りだった。

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前作『線は、僕を描く』がとても感動的で美しい話だったので、砥上裕將の新作というだけで楽しみな気持ちになりましたが、本作へのリクエストはそれ以上に個人的な関心によるものです。

自分は幼少の頃から視力に問題を抱えていました。左目は1.5ありまともに見えたのですが、右目の焦点がなかなか合わないという症状です。左右差があることで将来的に斜視や頭痛の原因になることを避けるために、幼稚園~小学校前半は見える方の左目に眼帯をし、見えない右目にメガネをかけて生活をしていました。結果として「右目だけ」の状態であれば、焦点を合わせるまで時間を要するものの1.0程度は見えるようにはなったのです。

ただ自分がいわゆる両眼視ができない、ということに気づいたのは大学時代に3Dの映画を観に行った時でした。本来画面から浮き上がって出てくるはずのものが、自分には見えない。普通の人はただ左右に視力差がないだけではなくて、左と右の両目で見たものを掛け合わせて立体的に観ているんだということをその時になって初めて知ったのです。あと、撮った証明写真の顔がなぜかいつも傾いている理由も。

傍目にはまともに生活しているように見えます。健康診断では視力としては出ているので健診には引っかかりません。両目で測る免許更新も問題ありません。でも、なんとなく周りと見えている世界が違うのではないか、それっていったいホントはどういうことなのか、もしまともに見えるのなら世界はどう観えるのか、この違いを丁寧に理解してくれる人はいるのだろうか、そんな漠然とした不安を抱えていた自分が、各エピソードごとに訪れる患者の方々とどうしようもなく重なる想いで読み進めていきました。

視能訓練士の方には実際にお世話になったことがあります。社会人になりパソコン仕事が増えていく中で、今度は見えていた左目の視力が落ち始めました。こちらは矯正で補えるものだったので、改めて左目矯正用のメガネを作るために訪れた上野の眼鏡店にその方はいらっしゃいました。だいぶ年配の方でしたが、丁寧に経緯を聞いてくださり、眼の検査をしてくださいました。両眼視という言葉を始めて耳にしたのはこの時です。また、左右に視力差があるだけではなく、実際に眼の焦点がそれぞれどれだけずれているのか、ということを機器を使って示してくれたのもこの方です。作中の視能訓練士である野宮さんに触れた患者さんたちが安堵し心を開いていく過程は、決してフィクションではないと思っています。「見えるということは、この世で、最もありふれた奇跡」であると同時に「見えることって、見えない」のです。誰とも共有できない目の不安に寄り添ってくれる視能訓練士という職業を砥上裕將が描いてくれたことは本当に嬉しい。本作を通して7.5グラムの奇跡の存在をより多くの人が知ることで、これから悩むかもしれない人たちの助けになるでしょうし、読んだ方が悩む誰かの助けになってくれるかもしれない、そう感じます。

上野の眼鏡店、それほど繁盛しているようでもなく、コンタクトレンズの買い増しもネットや量販店ではなくそちらで極力買うようにしていたのですが、コロナ禍の影響でしょうか、いつの間にか閉店されていました。決して眼の見え方がよくなったわけではないのですが、あの時自分がどれだけ助けられたのか、改めて視能訓練士の方にお伝えすることができたらな、と思いました。

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視能訓練士の主人公が、医師や先輩、患者との関わりを通して成長していく物語。
目が見えるということは当たり前ではなくて、どれだけ奇跡的なことなのかを実感する。
あらゆる可能性を思い描きながら、目の前の患者を見つめて真摯に向き合う、視能訓練士という仕事の尊さや大切さを思う。
読み終えた後、目の前にある奇跡を大切にしようと思えるような作品。

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自分にいまいち自信は持てないけど、ハッとする程まっすぐで、“瞳”への興味関心がたかい
野宮君は視能訓練士として働き始めたばかりです。そんな野宮君の1年が連作短編で綴られています。
不器用だけど実直な野宮君が、患者さんたちに真摯に対応している姿を通して、日常では深く考えず、あまり気にしていない“見る”という行為の神秘を感じます。
砥上さんが描くとそれは優しくきらめいて、当たり前が奇跡の積み重ねだったんだと気づかせてくれます。
読後、いつもより柔らかな気持ちにみたされてました。まさに、読むデトックスのようでした。

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いつも格安眼鏡店しか行かないので、彼らもこの資格を持っているのかと業界を知りたくなった。何度作っても頭の痛くなるメガネばかり。次は眼科へ行こうと思った。かなり高額らしいし、本の中のような素晴らしい技師さんがどれほどいるのかは不安だが。
新しい分野に光を当てた良い作品だと思う。見ることは生きることと言っても過言ではないので。わたしにとって。

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眼科という、コンタクト愛用者とは切っても切れない場所のお話。医療系の話はあまたあるが、眼下にフォーカスされた作品はあまり読んだことがない。作中では、なんとなく知っていた目の病気のことや、やったことのある検査法を丁寧にわかりやすく説明してあり、伝えたいという気持ちを感じた。

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瞳を見るのが好きな野宮恭一は、北見眼科医院に視機能訓練士として働き始める。
不器用ながらも真っ直ぐな恭一は、医院で働く魅力的なスタッフと視機能を守る為に日々奮闘する。
患者さんとの出会いから、数値を正確に測ること以外に大切なものを学んでいく。
やがて測定結果の裏に隠された様々な病気や要因に気付けるようになり、視機能訓練士として成長していく。
当たり前のことのように思える普通に見えることの奇跡を改めて噛み締めた。
“誰かの瞳の中に見ていた光は、僕の生き方を照らす光そのものだった”実感のこもった印象的な言葉。

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視能訓練士という職業を初めて知った。知らなかった世界を知る事が出来るのは読書の素晴らしさの一つだと思う。タイトルの7.5グラムとは瞳の重量。そんなにあるのかという思いと、未だ解明されきれていないメカニズムや『見る』という奇跡を考えるとそんなに軽いのかという思いが湧いてくる。普段の生活で意識しないほど当たり前の見るという行為。この作品で見えなくなる怖さも感じた。心因性のものがあるのも初めて知った。心を健やかににする事と見る事は関係している。物質的に見るだけではなく未来をも捉える光が宿る瞳。素敵な作品だった。

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「線は僕を描く」で強烈な印象を残してくれた砥上さんの第2作目の主人公は視能訓練士。眼科で検査を行う国家資格をもった医療技術者とのことで、名前として知らなくても眼科へ行けば必ずお世話になる方だ。病院を訪れる個々の患者の物語である各章も、それぞれとても読み応えがあったが、連作として新人の主人公がたくさんの経験を経て成長していく物語にもなっていてとても良かった。最終話は患者の少年に対しても主人公に対しても熱いものをこらえながらの読了となった。
本を読む私たちにとって、目が見えにくくなるというのはとても恐ろしいこと。今回何度かでてきた治らない、薬で進行を鈍くするしかないという「緑内障」の恐ろしさに身が竦む。物が見えるということは当たり前のことではない。これはまさしく奇跡なのだ。

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新米視能訓練士の野宮くんは、自分の行う検査に自信が持てない。カラコンをはずせない女性、緑内障を受け入れられない会社員、ぶどう膜炎を患った木村くん。眼科には、さまざまな原因で目に疾患のある人たちがやって来る。彼らに接しながら、野宮くんは成長していく。
『見える、ということは、この世でもっともありふれた奇跡なのだ』7.5グラムの眼球を大切に生きていかなければいけない。読み応えのある作品でした。

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目の病気の話し。検査技師のお仕事小説。緑内障という病気は治らない。悪化するのをできるだけ遅らせるという話しを聞いて、あらためて目が見えることの大切さを実感した。カラコンを入れる女の子。心因性の視力低下。目の病気も色々とあることに気づく。真摯に病気と向き合う技師の姿を通して目が見えることの大切さを知った。いい小説。ただ、普通に良い小説。感動とかはなかった。

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水墨画についての本が印象的だったこのかたの二冊目。作者紹介に、水墨画家と書いてあるのが新鮮だが、今回もお仕事小説といわれるようなものになるのでしょうか。資格訓練士として働く主人公が眼科のクリニックで出会うさまざまな人間と彼らが抱える目の病気を軸として、病気だけではなく、普段気づかなかった、気づきにくい、大事なことを拾い上げようとする試み。

ここで目の病気に関して語られる、怖い、という感覚実はよくわかるのです。
ものすごくわかるといってもいい。
会社の定期検診、健康診断、至極一般的なやつ、毎年受けるもの、に、本当に「なんとなく」「気まぐれに」これやってみてもいいかな、とチェックを入れたのが、眼底撮影。
結果緑内障と診断されました。自覚がない病なので。むしろ自覚があったらもうそこは視野欠損が進んでいるということで。それからずっと目薬です。ここで書かれていること、患者の気持ちはよくわかります。この病に関しては。何がいけなかったのですか、原因はなんですか、生活する上で注意することはありますか、としつこく食い下がった記憶がありますが、いや、別に、あなたが何かしたからこうなわけではなく(原因はわからないのかもしれません)ひたすら目薬で進行を抑えるしかないのです。これはとても怖い話です。失った視野はもう戻らないので、これ以上悪くしないようにしましょう。目薬をさしましょう(それだけなので治療は楽。手術でこれからなんか新しい治療法とか発見されないかなとかは思っていますが)眼科に行くたびにいつも少し怖いです。あの光が舞いちるドームの中で、光が見えたらボタンを押す視野検査。見えていないだろうなここ、光ってるはずだろうな多分、と感じることは、実はとても怖い。慣れたけれど。

体験があったので、つい細かいことを書いてしまいましたが、優しいお話です。でも目の病気を本当に抱えている人は身に積まされてしまうかもしれません。あまり知られていない職業で、自分も眼科でその人たちと言葉を交わすことは必要最低限なので、いつもありがとう、という気持ちになります。

いわゆるエッセンシャルワーカーという職種になると思うので、いつも不特定多数多数の患者さんと接する方々、直接コロナ患者を治療される方でなくても、ここ何年かはとても大変だともまた思います。自分を労わりながらお仕事なさってくださいとしか言えません。


著者紹介
1984年福岡県生まれ。水墨画家。『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作で2019年ブランチBOOK 大賞受賞。2020年本屋大賞第3位に選出された。

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普段手にしているものに対して、私たちはなんと無頓着でいることか。大抵、失なって初めてその重要性を実感することになる。
 加齢により、または病気で視力を失う可能性は誰でも持っている。明日は我が身であると実感。目を労わるようにしないとね。
 視能検査技師に焦点を当てたところも珍しく感じたが、業界物 (?)は知らない世界を見せてくれるところが興味深い。決して器用ではない主人公が、丁寧に人間関係を積み上げていく点に好感度を覚えた。

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