あれは子どものための歌

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刊行日 2022/01/27 | 掲載終了日 2022/01/25

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内容紹介

八年ぶりに因縁のある旅人と再会した料理人の話、飢饉に苦しむ国を救った商人の話、不思議なナイフで自らの〝影〞を切り離した男の話。一見関係が無さそうな三つのエピソードが並行して語られ、終盤でひとつになるとき、驚愕の真相が浮かび上がる! 大胆な仕掛けと巧みに張り巡らされた伏線で、本格ミステリの謎解きを紡いだ、第七回ミステリーズ!新人賞佳作「商人(あきんど)の空誓文(からせいもん)」。

どんな賭けにも負けない力を得た少女、あらゆる傷を跡形なく消し去る名医……。この世の理に背く力に人生を狂わされる者たちの五つの物語と、その背後で進行する、国の存亡に関わる陰謀。架空の異国を舞台に、本格ミステリの興趣を巧みに織り込んだ、異色のミステリ連作集。


●桜庭一樹氏(選評より)──「読後は、世界と人間に対してのちいさな発見を得た。これこそ、物語を読む醍醐味だ」

八年ぶりに因縁のある旅人と再会した料理人の話、飢饉に苦しむ国を救った商人の話、不思議なナイフで自らの〝影〞を切り離した男の話。一見関係が無さそうな三つのエピソードが並行して語られ、終盤でひとつになるとき、驚愕の真相が浮かび上がる! 大胆な仕掛けと巧みに張り巡らされた伏線で、本格ミステリの謎解きを紡いだ、第七回ミステリーズ!新人賞佳作「商人(あきんど)の空誓文(からせいもん)」。

どんな賭けにも負...


おすすめコメント

2010年度の第7回ミステリーズ!新人賞は、美輪和音「強欲な羊」が受賞作、『盤上の夜』の宮内悠介や『コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎』の笛吹太郎の作品が最終候補に残るという激戦の年。その際、明神しじまは本書に収録された「商人の空誓文」が評価され、深緑野分「オーブランの少女」と同時佳作入選となりました。その期待の著者が12年を費やし、腕に縒りをかけて紡ぎ出した、異色の連作ミステリがいよいよ登場。新世代の語り部が紡ぐ、謎と面白さに満ちた極上の物語をお届けします!

2010年度の第7回ミステリーズ!新人賞は、美輪和音「強欲な羊」が受賞作、『盤上の夜』の宮内悠介や『コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎』の笛吹太郎の作品が最終候補に残るという激戦の年。その際、明神しじまは本書に収録された「商人の空誓文」が評価され、深緑野分「オーブランの少女」と同時佳作入選となりました。その期待の著者が12年を費やし、腕に縒りをかけて紡ぎ出した、異色の連作ミステリがいよいよ...


出版情報

発行形態 その他
ISBN 9784488020156
本体価格 ¥2 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

不思議なタイトルと、謎めいたイラストが印象的な表紙に惹かれ読んで見ました。
第一章で、なんの関係も無さそうな三つの話が平行して語られ、まさかそんな真実につながるのかと驚き、この不思議な世界に引き込まれました。
人の叶わない願いと、この世の理に背く願いを叶えるワジ。この両者の欲望が五つの話となり語られています。
ワジがまるで人魚姫に出てくる魔女のような、エデンの園で知恵の実を食べるように唆した蛇のようにも感じました。
人の願いが美しくも儚いものにも感じましたし、ただの醜い欲求にも思えました。
綺麗に張られた伏線に驚き、また最初の章を読み返しました。
美しくて、不思議なミステリーの世界、とても面白かったです。

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ちょっと不気味な異国のお話。連作短編集。最後には登場人物たちがそれぞれに幸福になれそうではあったけど、読んでいる途中は、これからどうなるのだろうとの不安と、若干のわくわく感で落ち着かなかった。早く先を読みたくて、でも読み終えてしまうのがもったいないお話でした。
個人的には、「人魚姫」のモチーフが流れているのかなと感じました。自分の大事なものと引き換えに、“この世の理に背く願い“を叶えてもらうのですが、その代償がとても大きくて、その大きな代償を払ってでも叶えたい願いは切ないものでもありました。
安心して読めるお話ではありませんが、登場人物は誰も皆、魅力的です。
ゲラながら、思わず最初から読み返してしまう作品でした。
出版が楽しみです。

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これは御伽噺のようなミステリーですね!まずは素敵なタイトルに惹かれました。
読みはじめは並行して進むストーリーに頭の中がはてなマークになりつつも、不思議と物語の中に引き込まれていき、登場人物たちが鮮明になっていきました。
魔女のような不思議な存在のワジ。そのワジから度々出てくる不思議アイテム。読んでいて引き込まれないわけがありません。
ひとつひとつがバラバラのお話のようで、でも最後まで読むと全てが繋がる!
すごい!全部回収した!とびっくり嬉しくなりました。
大人の御伽噺だなと思いました。楽しい時間をありがとうございました!

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タイトルと表紙に惹かれました。読み始めてすぐにファンタジックな童話のような語りと世界に引き込まれます。
大切なものと引き換えにこの世の理に背く願いを叶える謎の女・ワジと、彼女と契約をして願いを叶えた哀しき人達の物語。最初はそれぞれ独立した話かと思って読んでいたのですが。実は一続きに繋がっている、それも最初に語られた物語が物語の鍵となるような重要なもので・・・物語の構成がお見事です。後半はミステリー要素も楽しめました。謎の女・ワジとはいったい何者なのか?また彼女が活躍(?)する物語が読めるかもしれませんね。楽しみです。

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ファンタジーでありミステリである、異色の連作短編集。ファンタジーな世界観と、連作の中で少しづつ明かされてゆく謎。途中で止めることができない妖しい魅力があります。影法師、美しい何かと引き換えに叶えられる願い事、ナイフ、番犬、詩人、片足の兵隊…どこかアンデルセンを感じさせるイメージに鮮やかに彩られつつ、次から次へと読者の予想は裏切られ、思いもしなかった結末へとたどり着きます。活字の中から、ものがたりの力が浮かび上がってくるような作品であったと思います。ありがとうございました。あと、丹地陽子さん、大ファンです!

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様々な物語のなかに小さな謎が交じり、最後に交差する物語の運びが素晴らしい。影を切り取られた話や、賭けに勝つしかできなくなった少女の話など様々な話が混ざる群像劇のようだと感じました。
キドウやフェイのキャラもよく、久々にキャラ萌えしました。
登場人物が多く、さらに前の話に出てきたキャラが次の話に出てきたりするので、なかなか人物整理がしにくく感じましたが、一話一話はドキドキさせられる話の展開でよかったです。

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子供の頃に読んだことのある、おとぎ話のような作品でした。いうなれば「大人のおとぎ話」かな。子供っぽい話ではないけれど、ファンタジー感は壮大で子供時代に読んだときのような感覚がよみがえってきた作品でした。
『人魚姫』のような雰囲気の話もあり、懐かしさもプラスされて読めたので良かったです。
ファンタジーのみではなくミステリでもあるので、作品内にミステリ要素の付箋がちょこちょこ出てきますのでそれを見つけて読んでみるのも楽しめると思います。
連作集ですが、それぞれの話で気になった所など覚えておくとそれが重要な付箋の可能性があります。…ちなみに私は付箋回収うまくいかず、読み終わったあと再度確認して「おー!!」となっていました。

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幻想的で不思議な雰囲気を纏った物語たち。昔話のようなおとぎ話のようなそんな空気でお話は進む。朝の日差しよりも夜の月明かりや星空を思わせる。この世の様々なものをそっと包み込んで閉じ込めた小さな世界のように不思議な時間が広がる。

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ファンタジーとミステリーが融合したような独特の世界観で、二度読み必至の連作短編集。有形無形の代価と引き換えにこの世の理に背く願いを叶えるワジによって、人生を翻弄されていく登場人物たち。一つ一つの話が独立しているのかと思いきや、少しずつ重なっていき、次第に伏線が回収され、隠されていた真相が明らかになっていく。予想もしなかった結末に驚き、読んだ後また最初から読みたくなる。今まで読んだことのない世界観でとても面白く、不思議な魅力あふれる作品。

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ファンタジーにしてもミステリーにしてもコストパフォーマンスが良く書かれているから何を書いてもネタバレになりそうなので、この本は初見はあらすじ以外の余計な情報は入れずに文章のひとつひとつに気を配って読むことが一番楽しめると思います。

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ファンタジー×ミステリーでかなり楽しめる。連作短編形式になっていてとても読み易く、作品の世界に入りやすい。『この世の理に背く願いを叶える者』との契約と道具、そして見返りが何ともワクワクする。主軸となる3人の登場人物達も魅力的だ。平和を愛する嘘吐きの美男子、ダークヒーロー的な男は謎多き人物で少しずつその実態が明かされてゆくのも面白い。そして赤髪の料理人…彼については少し影が薄い感じもする。人の願いとは様々で、どんな対価を払っても叶えたいものがあるとは、欲望恐るべし。その弱味に付け入る者もまた恐るべし。

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異国のおとぎ話のような読み心地。一話目の「商人の空誓文」では一見関係が無さそうな三つのエピソードが並行して語られ、最初は戸惑うものの、終盤で繋がり真相を知ることに。その後も少しずつ登場人物がリンクする話が続き、ラストで壮大な一つの物語の全貌が見える。伏線回収も気持ちよく、しっかりミステリしていて面白い。読み進めるほどに独特の世界観が心地良く、キャラにも愛着がわく。これはきちんと手元に置いて、何度も読みたくなる。また楽しみな作家さんが登場した。

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短編が連なり、一つの話になっている。最初はただの登場人物だったのが読み進めていくうちにその人間性がわかってくるような、登場人物たちのバックボーンの語り方がうまく、惹き込まれる。最後までどんな話か分からず、ずっとワクワクしながら読むことができた。また、短編だからこそ、一話一話読み終わった後に満足感があり、また次も読みたい!という気持ちにさせてくれた。
ファンタジーといえばそうだが、ミステリーともいえる。子どもにもお勧めしたいし、大人にも読んでほしい。ここ最近で一番の満足感があった。

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何かを代償に魔女と契約した人々の人間ドラマと国々の存亡といった異世界ファンタジーの要素を背景に置き、前景で謎解きをやっている変わった連作短編ミステリ。
異世界設定はあまり描き込まれておらずさらっとしてて、ミステリ部分もあまりトリッキーではなく、キャラクターもライト文芸的に親しみやすくサクッと読める。
ただその分全ての要素が薄味な印象がある。ファンタジーをメインにするかミステリをメインにするか、あるいは国々の興亡物語という大きな話をメインにするか魔女絡みの個人的な人間ドラマをメインにするか、もうちょっとマトを絞った方が魅力が出たかもしれない。
また登場人物の行動や時代のうねりによって物語が動くのではなく、物語の進行のための物語、設定のための設定、謎解きを作るための構成の中に人物や設定や物語を押し込んでいるような印象がある。
魔女の契約絡みの小さな人間ドラマがいちばん面白かったし魅力を感じたので、もし続きがあるならそこにマトを絞ったものが読みたいと思った。

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ファンタジー?と思いきや、どうも趣が違う。読み始めたら一気に。これだけ緻密な物語なのに、みょうじんしじま、さん、に聴き覚えがなく、過去作がない。作家略歴、を見て驚く。引用(2010年に短編「商人の空誓文」で第7回ミステリーズ!新人賞佳作(選考委員:桜庭一樹、辻真先、貫井徳郎)を深緑野分の「オーブランの少女」とともに受賞(この回の受賞作は、美輪和音の「強欲な羊」)。デビュー当時、早稲田大学人間科学部に在学。大学在学中、ワセダミステリクラブに所属[2]。2022年、初の単行本『あれは子どものための歌』を刊行)
この作品の一部である原点の短編を学生の時に認められ、それから実に12年後に大きく膨らませて作品化し、書籍化されたものらしい。ほとんど作家さんのデータもなくミステリアスな存在。
「この世の理(ことわり)に背く願いを叶える者」という表現がそもそも独特で面白い。ミステリに分類されているが自分はそうは捉えずにものがたりとして楽しめた。事件の謎を解く、というより、人間の心の動きや行動を微細に分析して、なるほど、と思わせる仕掛けが随所にある、が全体として短編をつなぐ大きな物語としての完成度はなかなかのものだった。今後が楽しみです。

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最初の短編で展開される寓話風の3つの話が、次々と紡ぎだされる3つの短編を経てきれいに一つに収束していく様は、まるでジグソーパズルのようで気持ちが良かった。これほどの伏線が無理なくきれいに回収されていくのは、それだけで読む価値がある。さらにファンタジーっぽい設定が様々な道具立てを無理なく読ませる前提になっており登場人物のキャラクターを際立たせているのは、作者の筆力の高さをうかがわせる。連作として際立っているが、一つ一つの短編も、それぞれに趣向が凝らされていて読み応えがある。ドキドキしながら次々と展開していく話を読んでいる時間は、正に至福の時であったように思う。

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ミステリーなのか、ファンタジー小説なのか、そこがわからないし、細々していて内容がほうぼうに散らかってたイメージ。ワジという魔法使いに能力を与えられた人たちが災いをもたらし、それを収束し謎解きをするという感じ。全体と短い短編があり、いくつかの流れが最終的に全体に収縮していくのだが、個別では楽しめても全体では今いちだった。とにかくややっこしい。

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戦争によって財を築いたクロア商会。戦争が嫌いで父親が成してきたことを恥じている息子のフェイと、巡り巡ってその商会に雇われた武器商人のカルマ。戦争を起こそうとする側と、回避させようとする側の駆け引き。そこに人の望みを叶えるワジが介入して、話は複雑に絡まり合ってくる。

人ならぬ者ワジと、彼女が関わることで人生が変わってしまった人々の物語。
登場人物の名前の響きもあり、スラブ系のおとぎ話を連想させるお話。

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翻訳本かな?と思うほどの不思議な世界観の本。
どことなく、チュニジアとかアルジェリアとかの北アラブのあたりで空想しながら(とは言え行ったことないけれど)読みました。
何かを代償に願いをかなえるワジ。どんな賭けにも勝つことができる代わりに声を失ってしまうエミリアの話、「あれは子どものための歌」が私は好きでした。ミステリーで、ファンタジックで、ちょっとどこかノスタルジックなお話でした。

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8年ぶりにある旅人と再会した料理人。二人は過去の飢饉に苦しむ国を救った商人の思い出話をし、また不思議なナイフで自らの影を切り落とした男の話をする。少し不思議なちょっと奇妙な味のする一話目の「商人の空誓文」を皮切りにストーリーは時を経て、人物を少しずつ重ねて連作短編の形で進む。一つ一つの話をきちんと落としながら、5つ目の「諸刃の剣」ですべての話が伏線として緻密に組み上げられたことに気づき、読後大きく息をつく。全てが収束し納得した後、直後に一ページめに戻り丸々一冊再読してしまった。久しぶりにすぐに何度か読み返したいと思う本に出会った。

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関係なさそうな話が続いたのかと思ったら、全てがつながってきて驚きました。ミステリーの連作短編集というよりは、不思議なおとぎ話。人間の業や欲を、ファンタジーで楽しく読ませてくれます。最後まで読んでから改めて、読み返しました。

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この世界ゆえに成立する推理の数々が心地よい。最終話の展開も僕の好みど真ん中で胸熱。探偵役を中心にキャラクターもそれぞれ魅力的……とはいえ、この設定についてはまだ使い潰してはいないと思うので、続編も希望しています。

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