エーリッヒ・ケストナー こわれた時代

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刊行日 2022/03/28 | 掲載終了日 2022/04/03

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内容紹介

児童文学作家として知られるケストナーの生涯を、本人の言葉の引用などを通して描いた伝記。


母の期待に応え、優等生ぶりを発揮した子ども時代。作家、詩人、ジャーナリストなど多方面で文筆活動をこなし、精力的に活躍した二十代。一転、ナチ政権下で執筆を禁じられ、命の危険にさらされながらも生きのびた第二次世界大戦。そして、戦後は、ドイツ・ペンクラブ会長として活躍し、平和を訴えつづけた。

本書はまた、母親との強い絆、出生の秘密、恋人との関係など、プライベートもつまびらかにする。

運命に翻弄されながら時代を見つめ、人はどう生きるべきかを問いつづけたケストナーの人生にせまる。

ドイツ児童文学賞受賞作。『ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家』(1999年刊行)の新訳。

児童文学作家として知られるケストナーの生涯を、本人の言葉の引用などを通して描いた伝記。


母の期待に応え、優等生ぶりを発揮した子ども時代。作家、詩人、ジャーナリストなど多方面で文筆活動をこなし、精力的に活躍した二十代。一転、ナチ政権下で執筆を禁じられ、命の危険にさらされながらも生きのびた第二次世界大戦。そして、戦後は、ドイツ・ペンクラブ会長として活躍し、平和を訴えつづけた。

本書はまた、母親との強い...


出版社からの備考・コメント

【ご注意下さい】 ここに掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。

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おすすめコメント

【著者紹介】

著者 クラウス・コルドン(1943~)

ドイツのベルリン生まれ。旧東ドイツの東ベルリンで育つ。大学で経済学を学び、貿易商としてアフリカやアジア(特にインド)をよく訪れた。1972年、亡命を試みて失敗し、拘留される。73年に西ドイツ政府によって釈放され、その後、西ベルリンに移住。1977年、作家としてデビューし、児童書やYA作品を数多く手がける。本書でドイツ児童文学賞を受賞。代表作に『ベルリン1919 赤い水兵』『ベルリン1933 壁を背にして』『ベルリン1945 はじめての春』の〈ベルリン3部作〉(岩波書店)などがある。


訳者 ガンツェンミュラー文子(1943~)

千葉県生まれ。ドイツ語・ドイツ文学を学び、1972年ドイツに渡る。ミュンヒェン国際児童図書館に25年間勤務し、言語部門専門員として日本・韓国・中国・台湾などアジア圏の児童書を広く収集・分析。また、日本の児童書を紹介する展示の企画や講演などを行う。日本の児童詩のドイツ語訳も手がけ、日独の架け橋として活躍している。

【著者紹介】

著者 クラウス・コルドン(1943~)

ドイツのベルリン生まれ。旧東ドイツの東ベルリンで育つ。大学で経済学を学び、貿易商としてアフリカやアジア(特にインド)をよく訪れた。1972年、亡命を試みて失敗し、拘留される。73年に西ドイツ政府によって釈放され、その後、西ベルリンに移住。1977年、作家としてデビューし、児童書やYA作品を数多く手がける。本書でドイツ児童文学賞を受賞。代表作...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784038142505
本体価格 ¥2,500 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

エーリッヒ・ケストナーと言えば「飛ぶ教室」をはじめとする児童文学者という認識しかもっていなかったのですが、実は詩人であり、劇作家であり、児童向け以外の作品も多く残した作家だということを、この本を読んで初めて知りました。

 そして何よりも驚いたのは、ナチスがドイツ社会を支配し、多くの文学作品が発行禁止や焚書された時代に、ケストナーの作品も「エミールと探偵たち」などを除いたほとんどの作品が発行禁止になっていたということです。そんな政府のやり方に異論を唱えたケストナーは「反政府主義者」というレッテルを貼られ、作家としての活動が全くできなくなっただけでなく、国内の移動すらままならない状態だったのです。

 友人たちは国外へ逃れることを勧めましたが、ケストナーは自分の国であるドイツに住み続けることを決断し、終戦の日までその決意はまったく揺るぎませんでした。とはいえ、戦火の中で彼が生き残れたのは、単に運が良かっただけというわけではありません。友人たちが密告者や空襲から彼を守ってくれたおかげなのです。

 戦時中の暮らしは、文章を読んでいるだけでも息苦しくなってきます。防空壕や地下室へ避難している間も、遠くに住む両親の安否を心配しているところは、現在のウクライナの人たちの状況を想像してしまいます。どうして戦争なんかしなければいけないんだ!戦争をやりたがっているのは国の上の方の人たちだけで、一般の国民はそんなものを望んでなどいない!という思いが伝わってきました。

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ケストナーがナチスドイツに睨まれ、焚書対象作家となり、映画の撮影に紛れてなんとか亡命した、という話は知っていましたが、このように詳細な伝記は読んだことがありませんでした。詩人としての活躍、実の父親の話、ナチスドイツとのやりとり…。子供たちに、子供時代をきちんと生きろ、疑え、自分で考えろと繰り返し伝えた作家の人生はかくも厳しいものであったのかと思い知りました。そして、恐ろしいのは、彼の生きた時代と、今の時代が似ているように感じられること…。この時代に、子供たちとケストナーの物語をつなげることは、図書館員としての大きな使命なのではないかと強く思います。読んでよかった。ありがとうございました。

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読み終えてしばらく頭から離れなかったベルリン三部作。その著者のクラウス・コルドン×ケストナー。もう読まないわけにはいかない組み合わせ!なぜ、ケストナーは亡命しなかったのか、どうやってナチス政権下で生き延びることができたのか、生い立ちから戦後の活動まで、ケストナーの一生が描かれた評伝の新訳です。まず、注釈が多いのですが、該当のページ内、またはすぐ後のページで注釈を読むことができるつくりになっていたので、とても読みやすかったです。普段は注釈が巻末や章末にあって、いちいちそのページに行って、また本文に戻るのが面倒になってしまい、読み飛ばしてしまうのですが、本書はすべての注釈について目を通し、”一冊まるまる読みきった”、という充実感を味わいました。

ケストナーは児童向けの作品でしか読んだことがなく、本書で初めて彼の詩に触れましたが、簡潔で思いのこもった言葉に惹きつけられました。『エーミールと探偵たち』の「話はぜんぜんはじまらない」というユーモアたっぷりの長い前書きに代表されるようなくだけた感じの文章だけでなく、風刺を含む詩やエピグラムにケストナーの本当の凄さが見えるような気がして、詩集も読んでみたくなりました。

子どもたちに繰り返し、賢く、勇気を持って正しいと思う行動をすることを呼びかけていたケストナー自身の、プライベートな家族や女性たちとの関係についてのエピソードには、作品から受ける印象とは異なる意外な内容も含まれていましたが、人が完璧ではないことや、好むと好まざるに関わらず、人の思想に時代が少なからず反映されることを自分でわかっていたから、自分のいる時代で何は起こっているのかを目撃し続けようとしたのではないか、作品世界では子どもたちにあるべき正しい姿をメッセージとして送り続けていたのではいないかと思いました。

この本は一度読んで終わり、ということではなく、注釈も多く年譜もあってわかりやすいので、その時代についての資料として今後も手元に置いて開くと思います。今回、深緑野分著『ベルリンは晴れているか』と時を同じくして読んでいましたが、主人公のアウグステが『エーミールと探偵たち』を愛読書にしていたからこそ、あの結末だったと、より深く作品に寄り添って読むことができたのではないかと思います。

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児童文学作家として知られるケストナー。 ケストナーの「エーミールと探偵たち」が、深緑野分先生の「ベルリンは晴れているか」に出てきてそのケストナーがどのような人生を歩んだのか知りたくて読んでみた。
両親との関係や恋人、妻との関係などプライベートな部分まで描かれていた。
一番印象に残ったのは、ナチス政権下においけるケストナーの行動だった。時代の目撃者となるたるために執筆が禁止されてもドイツに残った。その当時を振り返り語るケストナーの言葉がとても胸に刺さった。ケストナーが目撃し、残した言葉や詩は、平和を願う今という時代だからこそ深く考えさせられた。

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