ラブカは静かに弓を持つ

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刊行日 2022/05/02 | 掲載終了日 2023/09/30

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内容紹介

第69回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 高等学校の部


【2023年本屋大賞第2位】

【第25回大藪春彦賞受賞】

【第6回未来屋小説大賞第1位】

【第44回吉川英治文学新人賞ノミネート】


武器はチェロ。

潜入先は音楽教室。

傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。

『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽小説”!

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。

ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。

目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。

橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。

師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……

スペシャルショートストーリー「音色と素性」ほか、コンテンツ盛りだくさんの特設サイトはこちら
https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/rabuka/

【著者略歴】

安壇 美緒 (あだん・みお)

1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2020年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行、書店員からの熱い支持を受けロングセラーとなる。


第69回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 高等学校の部


【2023年本屋大賞第2位】

【第25回大藪春彦賞受賞】

【第6回未来屋小説大賞第1位】

【第44回吉川英治文学新人賞ノミネート】


武器はチェロ。

潜入先は音楽教室。

傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。

『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽小説”!

少年時代...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784087717846
本体価格 ¥1,600 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

音楽のことなど1ミリもわからない私ですが、めちゃくちゃ良かったです!
読み終えてもう一度タイトルを確認すると、はじめはよくわからなかったタイトルが、とても身に染みるというかしっくりきました。素敵です。
音楽を通じて変わってゆく主人公と一緒に心が痛くなって、そして強くなってすっきりとした気持ちを味わえました。
浅葉先生の人間らしさというか、人間性もすごくいいですね。
スパイ物の作品はあまり読む機会がありまなく、もっと怖い感じを想像していました。でもこの作品はスパイを働いているという嫌なドキドキ感だけでなく、裏切りに心を痛めている切なさや人との繋がりのあたたかさが入り混じって、とても面白かったです!
素敵な作品をありがとうございました!

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スパイなのに段々チェロの練習にハマっていく主人公の心情描写が巧み!
タイトルからは想像しなかったストーリーだったけど、ちゃんと意味が通じていてスッキリ。
私もチェロ弾いてみたいな〜と思ったけど、絶対無理だろうからせめてチェロのコンサートを聴きに行きたい。

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ラブカって何?
先ずはページを開く前にそんなことを思った。
仕事上の潜伏操作を命じられ意図に反して、チェロに再び触れるようになった主人公の心の揺れが、そのまま私の動揺にすり変わっていくかのようでした。
気のいい仲間たちに、小さな嘘を積み重ねていく苦しさに、その先を想像して一体どうするつもりだろうとハラハラしたり、ヤキモキしたり。
正しさを証明する為に、嘘は許されるのか。
人を傷つけまいと思いながら、自分がそんな人であったと思われたくない心理描写が巧みで引き込まれていきました。

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「信頼」この言葉がこんなに重いものだと感じたのは始めてでした。そしてまた、主人公がその信頼をもとに自分の足で人生を選んで行くさまを、とても羨ましく読みました。
読後、タイトルを見返し、タイトルの合致にまた惹かれました。

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スパイ×音楽小説、なんてわくわくする響きなんでしょう。
音楽教室に通っていた経験もあるので、題材に引き込まれました。

嘘を嘘で塗り固めながらも自分のしていることが正しいのかと自問する主人公。
その"人間くささ"に安心させられ、祈るように最後のページを閉じました。
弓を持ったラブカに、その深海に、光が差しますように。

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暗い海の底で、光を求めながらも前に進む勇気を持てず孤独に身を潜めるラブカ。孤独でいいと思いながらも、光を求めるラブカ。そんな哀しみを含んだ繊細で美しい物語に、壮大でありつつ透き通るような透明な音楽の調べを乗せて綴られる物語に、私は心を抉られました。人が光を求めるとき、そこには人との繋がりが発生する。人と人とは信頼や絆があってこそ、互いに輝けるのだと思う。傷を癒やすのは時間の経過だけではない、そこにはささやかでも温かな人のぬくもりが必要になるはず。孤独と悲しみにうちのめされそうになっている今、私はこの物語に出会えたとに感謝したい。すばらしい物語でした。

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『金木犀とメテオラ』でデビュー。
その当時から表紙だけ何となく知っていて手に取れていなかった安壇さんの最新作。音楽が作品にかならず関わってくるような気がする。それに合わせて続くカタカナが最終的にどんな意味があるのかずっと考える。それがこの作家の楽しみ。

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学生の時何年か音楽の部活動をしていた頃を思い出しながら読みました。プロ奏者にレッスンをしてもらっていた事も思い出しながら懐かしい想いで満たされました。楽器こそ違えど音楽を奏でることで得られる体感は何物にも変え難いものがあります。
ジャンルは違ってもそういう経験をした事がある方にはとても響く内容なのではないかと思います。音楽を通じて抑圧されていた本来の自分が解放され同じ志を持つ人達との交流が様々なしがらみや経験を通して徐々に自分自身を取り戻していく。主人公の心の機微や人としての成長が丁寧かつ繊細に描かれています。

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あるトラウマを抱えた会社員・橘がそのトラウマにも関わる楽器に関わる潜入調査を行う・・・。
トラウマもあり周囲に壁を作りがちな主人公・橘が奏でるチェロの音はすこし硬く物悲しく聴こえてきます。そしてそれを溶かすかのような周囲に現れる人々。人の声に一番近いともいわれるチェロの音色が様々に橘に語り掛け、壁を溶かしていくような感覚さえ・・・。
孤独な仕事内容も重なり緊迫感さえ漂いますが、最後は大団円。
音楽業界の現状を突き付け直、音楽の力をまざまざと見せつける作品。

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もし著作権法の演奏権を侵害している証拠を掴むため、全日本音楽著作権連盟の職員が音楽教室への潜入調査を命じられたら…?その命を受けたのチェロに関する過去の苦い思い出から心を凍らせる橘。チェロが心の拠り所だった過去を思い出したり、師や周囲の人達との交流を積み重ねていけば、彼に葛藤が生じるのも必然の展開でしたが、いつの間にか育まれていた大切なものに対して、対照的な構図も絡めながら描かれるひとつのけじめが、とても不器用で愚直な彼らしくて印象に残る物語でした。

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発売前も発売後も話題沸騰ですね。
いつか男の子に生まれ変わったらチェリストになると決めています。重みと優しさがあって知的かっこいいチェロへの憧れです。なんだかかっこいい響きの「ラブカ」に、序盤の運命的で自然な主人公の登場はわたしのそんなイメージにぴたりときました。

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とても面白かったです。著作権問題について、音楽教室と著作権協会とそれぞれの視点がきちんと描かれながら、主人公と周りの人たちの関係性、暖かさ、先生の魅力、全てが交わって、「スパイ」の物語ではあるのですが、美しい音楽が流れ続けているような、静けさが物語にあるような気がしました。個人的に、昔やっていたピアノをもう一度習いに行ってみたいなと感じたり、音楽が好きな方にぜひ手にとっていただきたい一冊だと感じています。

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チェロにトラウマがあるにも関わらず、楽器経験をかわれてしまう主人公。音楽教室に2年というもの長い間、スパイ活動し続けるなんて、すごい設定…と思ったら、実際にありましたね、こんな話。でも主人公のトラウマや、教室の生徒さんたちとの交流、先生との信頼関係など、人間ドラマとしても面白い。主人公が本当はこれがやりたかった、と言えたところは感無量です。

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この日々の終わりが、どうやって訪れるのか、その時彼らとはどうなってしまうのか。気になってどんどん先へ先へ。
偽りの姿だからこそ、普段の自分とは違うことができたり、話せたこともあったのだと思う。だけど、自分のことを信頼してくれている人に嘘をつき続けるのはとても苦しい。
浅葉が口にした何気ない一言や、助言が橘の心を救うと同時に、罪悪感を植えつけていく。
偽りの姿で築いた信頼関係。その時が来たら壊れるのだとわかっているから、ずっと心が落ち着かないまま一気に読んだ。
今「何かおすすめの本ある?」と聞かれたら、この作品を1番におすすめします。

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スパイとして潜入調査という、文言に心惹かれて読みました。心に傷を抱えたまま、大人になった主人公が潜入先の音楽教室で、講師の先生をはじめ様々な人と出会い、音楽を通じて心の傷を治していく。とても、素敵なヒューマンストーリーでした。講師達と仲が深まるに連れて、騙している事への葛藤などとても、丁寧に描かれていて、惹き込まれました。読後は何か楽器を学びたいと思わせられる作品です。

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主人公の過去のトラウマや罪悪感を感じながらも、音楽教室に通うお話を読みながら、一緒に深海に潜っていくようでした。教室で出会った先生の言葉に少しずつ光をみつけ、最後は自分で行動決断する姿に涙が出ました。生きていればトラウマや後悔が少なからずある人生、自分次第でまた前を向けると教えられた作品です。とても心に刺さる作品、読ませていただき本当に良かったです。

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スパイ物?と聞いて今流行りのコミックのような話を想像していましたが不器用で真っ直ぐな青年の物語でした。
潜入先の教室に関わる人たちと少しずつ距離が縮んでいくにつれ最悪であろう別れの時を想像しては胸がギュッと締め付けられるようでしたが素敵なラストに涙が止まりませんでした。
途中驚くような展開もあり最初から最後まで余すところなく楽しめました!
またひとつ良い本に出会えて良かったです。

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評判通り面白かった。スパイ映画のラブカと樹の行為が重なり、ハラハラし、胸が痛くなる。すべてが明るみに出て、また深海に潜ろうとした樹を戻したのは仲間と音楽の力。生活から音楽を離してはいけないという思いが伝わって来た。
樹の気だるいイケメンぶりとチェロの演奏。映像化、熱望!その時は上司の塩坪をもっと悪役にして樹の幼少時代をもう少し掘り下げて欲しい。

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最初、スパイとあってミッションインポッシブル?007?現代の日本で?と思ってしましましたが、
深海に静かに潜んでいるラブカと同じように静かに潜みながらするスパイ活動をする主人公に、読み手である自分も思わず息を潜めて読みふけってしまいました。

学生時代、吹奏楽部で演奏していたころを思いましました。
その頃は著作権?なんて思ってたけれど大人になった今、社会の仕組みを理解して読んでみると感慨深い気持ちになります。

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とてもよかったです。
ミカサのモデルであろう大人の音楽教室でまさにチェロを習っている身でもあり、色々と興味深く読ませてもらいました。
楽器を演奏すること、音楽とともにあることの素晴らしさを描きつつ、やっぱり人は人と関わることによっていろいろなことに気づかされ、変わって行くことができるんだなーと感じさせてくれて、うれしい気持ちになりました。
チェロ仲間に早速オススメします!

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帯の”スパイ×音楽教室”という言葉に、どういうこと??と思って読んでみたけど・・・先が気になって気になって、ぐんぐん読めてしまった。スパイ行為をしているという主人公の罪悪感が、読んでいるこちらにもひしひしと伝わってきて、どうなるんだこれ、というかお願いどうにかなって・・・!と祈るように読み進めていた。
舞台が「音楽教室」ということもあって、音楽の表現がセリフや地の文で説明されるシーンが多々あるのだけど、そのどれもが素晴らしくて、音楽にあまり明るくない自分でも自然にイメージが沸くようで、とてもいい気分になるのが不思議だった。行間から音楽が聴こえてくるようだった。実際に読み終わった後はすごくチェロの音楽を聴きたくなったんだけど、読んでいる間はあまりそう思わなかった。十分に聴こえていたからだと思う。

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読み終えてからタイトルの意味に納得。著作権やチェロのこと、細かい所まできちんと調べた上で書いたんだろうなと。暗闇で静かにしている主人公が、潜入先で様々な人と交流をもちながら浮上していく様がよかった。とても読みやすい作品でした。

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『スパイ×音楽』
『武器はチェロ。潜入先は音楽教室』ーーー
最高に面白そうで、ずっと、注文して買って読まないと!と思っていたところ、こちらで見つけてしまいすぐにリクエストしました。

喜び勇んで一気読みしましたが、
今まで読んでいなかったことを後悔しました。

とにかく文章が美しいです。
文章の隅から隅まで、作家さんの知性というのか品性というのか、溢れ出ているような感じがしました。

主人公の橘が、自身のトラウマと複雑に絡み合っているチェロに向き合わなければいけなくなり、尚且つ人を騙しながら潜入調査をする葛藤は、こちらも本当に深海にいるような気持ちになり、息を止めるように読んでしまいます。

自分の中にある正義は信じながらも、気の合う師や仲間に出会い、再び音楽に触れて意図せず心が解されていくことで、ひとり苦しむ深海を生きるラブカ。
正論を振りかざせばそれは正義なのか?
主人公の心理描写が終始素晴らしかったです。

音楽の持つ圧倒的な力を感じました。
迷わず購入です。

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仕事での命令は人の傷を抉りつらい思いもさせるけれど、そこで得た経験は新しい自分へつながる扉にもなりうる。
読んでいると感情移入してしまい騙していることに苦しくなったり裏切りがバレることを思ってハラハラしたりするが、主人公にとって救いとなる素晴らしいエンディングだった。

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著作物という書店で取り扱う本とも関係してくるものが題材となっているので興味深く読みました。
主人公がなぜ楽器が弾けないのか?そこを隠しつつ、人の善性とはいったい?というところに深く踏み込んだ作品でした。
会社員という立場で考えると、社命は抗いがたいところがあります。厳密に騙しているといえるのか?という微妙な線を問いかけてくる展開がとても面白かったです。
この作品はその”微妙な境界線”を攻めてくるんですよね。
人としてなのか、それとも会社員としてなのか。
組織に属している人ほど、このジレンマに共感するのではないでしょうか。
考えさせられ、さらにヒューマンドラマとしてもサスペンスとしても面白い。
いろんな人に薦めたい1冊です。

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スパイと音楽と言う組み合わせに、どんな話なんだろう?と惹かれました。
作中に出てくる映画のようにハードなスパイものではなく、いち会社員の潜入調査ということで、身近に感じられます。主人公の橘の人付き合いが苦手なところやトラウマを抱えているところも、人間らしくてよかったです。
このスパイらしくないところがかえって疑念を抱かせることもなく、知らなかった者としては衝撃も大きかったでしょう。
橘の揺れ動く感情がしっかり伝わってきて苦しいくらいでしたが、個人的には浅葉のキャラクターがとても魅力的でした。特に怒りを爆殺させたシーンにこそ、信頼を感じました。イラストを拝見しましたがビジュアルも好みで、そこをもっと推したらキャラ文芸などが好きな方にも刺さりそうな感じがします。
私のように音楽をやっていない人でも楽しめるはずです。とても良い読後感で、たくさんの方に知ってほしい作品です。

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一度失った信頼を取り戻すことがどんなに難しいことか。
潜入先の音楽教室の仲間たちと橘の関係が壊れないことを祈りながらハラハラしながら読みました。
スパイというワードで勝手にミステリーかと思い読み始めましたが、音楽を通しての人との関わりが主に描かれていました。嘘で固められたスパイ・橘が良い仲間に恵まれていくほど、心がこちらまで苦しくなりました。
そして人物描写が秀逸で、登場人物たちの顔や仕草が想像しやすかったです。

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「蜜蜂と遠雷」と同じく、普段はあまり馴染みのないクラシック音楽の世界へと誘う一冊。潜入とか著作権とかはちょっとしたスパイスのようなもの。それよりもキーになるのはチェロの音色であり、ラブカだ。先生とチェロ仲間たちの描き方も素敵で、柄にもなく音楽をやってみたいと思ったりもした。いや~いい本だったな~

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久々に心が温かくなる物語を読みました。
主人公と講師との関係を軸に周囲の人たちの温かさ、心の再生の物語。
スパイ活動がいつばれるのかハラハラする部分もありながら、音楽が聴こえてきそうなコンサートの場面など、一つの物語からいくつもの要素が楽しめる小説でした。
ただ、主人公は何も悪くないのに不憫で仕方なかったです。
エピローグで救われました。

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過去の恐怖と結びついていたチェロと、思わぬ形て向き合うことになった主人公。通い始めた音楽教室と、そこで出会った人々に、少しずつ心を開いていく様子を、普通なら安心して見守ることができますが、この物語では、主人公が音楽や人々と深く関わるほど、それを危うく感じてしまい、ハラハラしました。音楽の楽しさを味わったり、著作権について考えさせられたり、人と人との結びつきを感じたり。1冊の中にいろいろ詰め込まれていますが、思考を働かせたり、感情を動かされたりが程よい感じの読書でした。作品の中に登場する楽曲もいくつか聴いてみましたが、チェロいい音色です。

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全日本音楽著作権連盟の橘は上司から密か音楽教室への潜入調査を命じらる。
音楽教室での曲使用について著作者への演奏権が発生することになったのだが、
それを音楽教室側が不当とし、裁判を起したためだった。
幼少期からチェロを習い、中学まで練習に励んでいた橘は、音楽教室のチェロ教室の生徒で入会し、
練習時に曲を使用する証拠集めをするというのが任務だった。
 全音連の橘は現在の職場での覇気のない仕事と苦手な上司でうんざりしていたが、
気の進まないまま潜入したチェロ教室では、意外にも今までにない指導者や仲間に恵まれ、再びチェロが弾ける楽しさに酔いしれるが、果たして調査の方は上手くいくのか?
橘は過去にチェロを習っていた頃ちょっとした事件にあったことが今もトラウマ化していること‥
チェロの仲間とに接することで自分を見つめ直したり、仲間への嘘や偽りに胸が苦しくなったり。
ラブカとは何か?今も橘のトラウマに怯える心の闇とは?
全てが繋がる時、絶妙なタイトルに納得した。
後半、予想しない意外な展開からのラストが待っており、とても楽しく一気に読めた。

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フィードバックしたつもりでしたが、されていなかった事に今更気がつきました。
図書館にいると著作権問題に対応します。
なかなか難しい問題に、音楽教室に潜入する主人公…
本当にこんな事があるとは思えませんが、ドキドキしながら読み進めました。
そして、主人公の心の葛藤。
表紙も綺麗でしたが、読後優しい気持ちになれた1冊でした。
著者の他の小説も読んでみたいです。

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面白くて後半は本当に一気読みでした!
音楽小説でもあり、スパイ小説でもあり。全著連の社員橘が、裁判に備えて音楽教室に潜入するという、言葉にして仕舞えば単純な話。でもそれが面白い!
音楽の描き方、主人公の気持ちの描写、周囲の人々との関係の描き方など、どれもが素敵で素晴らしかったです。

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音楽の著作権を取り扱う企業に勤める主人公が、音楽教室へスパイとして潜入する。と聞くと、「007」や「ミッションインポッシブル」のような頭がきれて、スマートなスパイをイメージしていましたが、この作品の主人公の橘は華やかな外見と裏腹に、人付き合いが苦手で不器用な性格で、派手な立ち回りがあるわけでもありません。
けれども、音楽教室での先生や仲間との出会いを通じて得た穏やかで満ち足りた生活、それはスパイとして生きることで初めて彼が手にしたもので、そんな日々を過ごせば過ごすほど、読んでいる私の緊張感は高まり、どうかこの日々が無事に続きますようにと祈らずにはいられませんでした。
「手を伸ばすべき現実はいつも、恐れの向こう側にある」という言葉は、橘の姿と共にこれから何度も思い出し、私を勇気づけてくれるものとなるように思います。
読んでいて、映像が浮かび上がるような作品で、映画を見たような気持ちになりました。

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偽りから言葉を重ねるたびに。
自分が伝えたい本心が、心の中で訴えかけている。
奏でられる音楽。響く言葉。
音楽が繋げる彼と彼の関係。
メロディとともに。
深く。深く。
静かに。
繋がってゆく。
素晴らしい演奏を聴いた後のようだ。
心にまだ音楽が流れている。
余韻に浸って。
まだ物語の世界にいたい。

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スパイ作品はハラハラドキドキしますね。
樹がスパイとバレてしまわないかハラハラしました。
チェロの曲も聴きたくなってくる。
とても読みやすくて、作品世界に入りやすかった。
著作権に関しては難しい線引きがあるのだなと勉強になりました。

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こんなスパイ小説があったのか。
銃撃戦もアクションもない、音楽教室というスパイとはかけ離れた設定ながらドキドキハラハラしながら読みました。
深い海の底から高く高く手を伸ばすように響くチェロの響きが聞こえて来るような気がしました。人を変える音楽、人生を変える出会いの奇跡を描いた作品です。

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人と人の関わりとは、信頼とは何なのか。
暗い海の底に沈んだように生きていた主人公の毎日が、チェロ教室に通う事で光が徐々に見えてくる。
過去のトラウマを引きずっている事で人との関わりや世界を信じられなくなった主人公がスパイと言う殻を破り自分の1歩を踏み出して行くまでの物語。

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少年時代に起こった事件のトラウマで人と上手く関われないまま大人になった主人公。
不器用で真面目な青年が音楽を通して人と関わり変わっていく様が美しい文章で描かれていく。
音楽×スパイという組み合わせも面白い。
読み終えた時に温かい気持ちになれる作品。

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著作権使用料についての裁判の為、勤務先から潜入調査を命じられた主人公。しかも少年時代に受けた心の傷によりトラウマとなったチェロを演奏しなければならない。なんと理不尽な事か。複雑な思いを抱えながら潜入した主人公ではあるが、通ううち、閉ざしていた演奏への情熱に戸惑いながらも揺さぶられていく過程が丁寧に描かれていました。

主人公に演奏を教える講師が、主人公の技量をかっているからこそ、主人公に対する遠慮のない内面の踏み込み方が、主人公を救いもしたし、葛藤もさせたのだろうと思う。

裏切られたと分かった後の他の生徒たちが意外にも冷静だった所が私は好きでした。
その分講師の熱い怒りが際立っている気がし、講師と主人公の信頼の密度からの深い悲しみに心が痛くなりました。

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ラブカってなんだろう。それが、本屋大賞ノミネート作品を見た時から気になっていました。読んでみて、それが深海魚であり作中のスパイ映画のダブルミーニングなのだな、とすとんと腑に落ちました。とても静謐で切なく癒されジワリと苦しくなる、読んでいると音楽の聞こえてくる素敵な物語でした。描写はされていませんが(私が見落としただけかもしれませんが)橘君はとても整った顔立ちなのでしょうね。映像で見てみたくもあります。この度は良いものを読ませていただきありがとうございました。

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まず不思議な雰囲気の表紙に心を惹かれました。そして「スパイ✖️音楽」って、え、どういうこと?この魚は?
音楽教室の著作権使用料。チェロに魅了された人達の繋がり、スパイ樹の過去、師弟の信頼と絆....。時に心をギュッと掴まれ、涙ぐみ、ハラハラ。YouTubeでチェロの演奏を流しながら、この世界にどっぷりはまってしまいました。

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読み終わって本を閉じ、あぁなんてやさしくて温かい世界なんだろうと感じた。胸の奥が熱くなった。
「信頼」とは、なんて大きくて温かい存在なんだろうか。見えないものなのに。
人は、ある出来事で心を閉ざすことがある。それがどんなきっかけであっても、人それぞれ何かあったりするのかもしれない。彼はある事件で心を閉ざし、心も身体も病んでいた。想像すればそれは計り知れない恐怖であり、今目の前の人でさえどう信じていいのか分からなくなるだろう。
そんな彼がスパイというどこか後ろめたい仕事をしつつも、そこで出会う人たちと、かつては親しんだ音楽との関わりで少しずつ少しずつ、彼自身の明るい道筋が開けていく様子が素敵だった。
やさしく、優雅な音楽の世界かと思えば、終盤からのハラハラする展開にはどうなるのかとドキドキした。
改めて自分と回りの人たちとの繋がりを大切にしたいと思う小説だった。

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凄く良かったです。会社の上司からの指示で音楽教室に潜入調査をすることになった橘。子供の頃の事件のトラウマで弾けなくなっていたチェロを仕方なく弾くことになり、その結果再びチェロに夢中になっていく。ずっと悩んでいた不眠や苦手だった人間関係も好転していき、その反面仲間を裏切っているという後ろめたさがあり、読んでいてほのぼのする気持ちと居たたまれない気持ちと複雑な心境でした。誰も悪くないのになあ。無性にチェロの演奏を聴いてみたくなりました。映像化して欲しいです。

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まるで本当に音が聴こえてくるような美しい表現で、心地よい読書体験でした。
主人公・橘の立場上、本音を言えないもどかしさもあるなか、不器用ながらに自分の本心に気づいていく過程がすごく好みでした。
音楽が好きな人、周囲との信頼を築きたい人、なかなか悩みを打ち明けられない人などにおすすめの一冊だと思いました。

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それは深海をたゆたう醜い魚なのだという。
ラブカは、あの日奪われた「僕」と、人々が抱える闇の象徴だったのか。
聴いたことのない音楽がずっと流れていた。
始めは悲しみと懺悔の青を纏っていた。戸惑いのグレー、喜びの黄、そして情熱の赤。
大切な人が増えるたびに色彩が揺れて滲んだ。
けれど、黒にはもうならない。
絶妙に溶け合いながら美しい色彩が咲き誇る。
再生、喪失――
それだけで終わらなかったことが、こんなにも嬉しい。
取り戻した”あなた”のことが愛しいと、こんなにも強く想う。

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師匠、仲間との深い信頼関係・絆に心を打たれました。スパイとして主人公が本当に欺いていたのは、潜入先ではなく自分の心だったのでは...。一度ぶっ壊してしまった(と思った)信頼関係や絆はチェロの音色と共にゆっくりとさらに強く再構築されていくのだと思います。読ませていただきまして、ありがとうございました。

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「ラブカ」「無伴奏チェロ組曲」を検索したのは私だけではないはず。
孤独にはいろいろある。皆それぞれの人生の中で決断やチャレンジをして、時に流されることもある。闘い方もいろいろだ。
メロディを奏で始めるその瞬間の息を止めるような静けさと人の心の温かさと不器用な優しさがいくつも重なっているような物語だった。

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スパイ×音楽と両方ともあまり興味のあるジャンルではなかったのですが、綺麗な表紙に惹かれて読みました。音楽について詳しくなくてもすらすら読み進められたので、詳しくないから…と言う理由で読まずにいる方には気にせず読んで!とぜひ勧めたいです。著作権の込み入った話等分かりやすく説明されていると思います。
個人的にはものすごく好きな主人公でした。過去のトラウマに苦しめられて生きてきた橘、それを乗り越えるために自分と向き合っていく過程に勇気づけられました。”スパイ”感のあるドキドキヒヤヒヤするシーンもあり、手に汗握る展開にページをひらく手がとまりません。
素敵な作品をありがとうございます。

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とてもおもしろかったです。

音楽教室に身分を偽り潜入する主人公、音楽教室の先生、
それぞれとても魅力的でした。
スパイときけばかっこよくきこえるけれど、
実際、今の日本でそれをやるということは……
こういうことなんだな……
ハラハラもするし、胸もいたむ、
でも、読後は、とてもあたたかい気持ちになれました。

おすすめです。

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読んでいる最中、無性にチェロの音色が聞きたくなった。
浅葉の奏でる「雨の日の迷路」はどんな旋律なんだろうと、想像を巡らせながらページをめくった。
スパイ行為から始まった関係で、築き上げた信頼が一度崩れてしまったものの、チェロ仲間と、そして何より唯一無二の浅葉という先生に出会えたことは、橘にとってかけがえのないもので、過去のトラウマからの脱却にもつながった。
普段、自宅と職場の往復で変わり映えのない毎日を送っている私も、なにか新しいことを始めてみようかなという気持ちになれた一冊です。
SNSを頻繁に利用することが当たり前な社会で生きる私たちが、今こそ手に取るべき作品だなと思いました。

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橘の胸の内がひしひしと伝わってきて、緊張で動悸が激しくなったり、嬉しさで視界が歪んだり、音楽に身体も心もたっぷりと満たされたり、とにかく橘に共感してしまった。
気になるのは、三船のその後。三船はどうするのだろう?三船は橘のように築き直すことはできるのだろうか?
そして、なんといってもチェロ。チェロの音色を聴きたくなるし、弾いてみたくなる。

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一気に読み終えました。
深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘樹が音楽教室への潜入調査を命じられ物語は加速する。
チェロ講師浅葉との交流が深まれば深まる程、樹の葛藤、苦悩が溢れ出して、思わず、苦しい‥と声に出して仕舞う程に感情移入してしまった。
浅葉先生が絶対的に魅力的で、故に、樹の心の波模様に強い人間ドラマを感じた。
演奏シーンを読んでいるとチェロの奏でる響きが聞こえてくる気がしました。

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なんだろう。どことなく荒削りな印象。文章かな、構成かな。でも面白かったので良いのです。良いお話でした。橘はちゃんと男らしくて。それで格好いいなんてズルいな。やっぱりこうゆう音楽小説を読んで思うことは、何か楽器が出来るって良いなぁ、ということ。一生の財産ですね。

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ずっと読みたいと思っていたのでリクエストして読ませていただいてありがたいです。
音楽が好きなので読む前から楽しみでしたが、始まりが重くどんな風に話は進むのだろうと思っていたが、案外読みやすくてあっという間に読了してしまった。余韻もよくていい音楽を聴いた後のような感じです。
何度も出てくるスパイ映画の主人公とこの小説の主人公が重なるのが辛くなりました。
主人公のトラウマや自分を閉ざしてる所など暗い雰囲気の内容でありながら、常に音楽があるからなのか流れるように進んでいくのと終わりが良いので、しばらくはとても心地よい余韻にひたれるような素敵な作品でした。

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主人公がチェロに救われのめり込んでいく様子に、音楽の素晴らしさを感じました。
先生や教室の仲間たちとの絆を守り続けられるよう祈っていたけど、チェロを愛する純粋な気持ちで繋がった関係だからこそ取り返しがつかなくて、辛かったです。
壊してしまったものは、誠意をもって根気よく再構築するしかないけど、やっぱり私だったらもう心を開けないかも。
登場人物それぞれの心情には納得で、この先また違う信頼を築けるかもしれないけど、読み終えたあとも浅葉先生のわだかまりを私も引きずってしまいました。

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逆戻しできない「時間」の中で、人は過ちを犯し、せっかく得た信頼を失い、後悔を残す。そうして絶望の深みに落ちていくのだ。この作品は、ある程度、誰にでもある日常の絶望感を見事に描いていると思います。そして、そこから立ち上がるための力を主人公に授けて、そこから私も大いに勇気をもらいました。

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上司の命令で音楽教室にスパイとして潜入することになった樹。小さい頃のトラウマで世の中を信じられない彼が変わっていく様子は、音楽の力なのか講師の浅葉の魅力なのか。最初から最後まで滑らかに読み進められた。

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個人的にチェロに焦点が当たっている時点で、読むのがすごく楽しみな作品だった。
音楽にトラウマを抱えていた主人公が徐々にのめり込んでいくシーンに胸が熱くなった。
私自身楽器経験者で学生時代吹奏楽をやっていたのですが、社会人になってからオーケストラへ転身した時に主人公に似たような高揚感をおぼえたので懐かしい気持ちになりながら作品を楽しみました。
何よりコロナ禍で音楽をお休みしていたのですが、主人公に感化され再チャレンジする勇気をもらった。
橘も少しずつ周りの信頼を取り戻していきながら楽しく音楽を続けて欲しいと願いながら本を閉じた。

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光の届かない深い海に生きる深海魚のように、他人との関わりを避けてひっそり生きる主人公、橘。
彼には幼い頃から抱えているトラウマがあり、どうしても人間関係に積極的になれない。
そんな橘に、会社が「スパイ活動」を持ちかけてくる。町の音楽教室に潜入し、生徒として音楽指導を受けることになったが……。

淡々とした印象の橘が、チェロを習い始めたことで少しずつ変わっていく。
彼を取り巻く人々も、少しずつ印象を変えていく。人はいくつになっても、変化する生き物なんだな、と思わされる。

物語の根底にずっと、チェロの深い音色が響いている。
足元を、頭上を、ゆらりと通り過ぎる深海魚の気配を感じる。
美しい音楽も、深海の魚の影も、すぐ傍まで引き寄せることができる。
これこそが読書の面白さだと思う。

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トラウマによる慢性的な不眠症を患う主人公は仕事の関係で音楽教室に潜入する。
講師の奏でるチェロの音色に心を奪われ、一度距離をおいたはずの楽器と真摯に向き合う様は静謐でありながら情熱的で少し切ない。
チェロにのめり込み、心地よい場所を得たのに、スパイとして過ごさなければならず、ままならない自分と音楽を純粋に楽しみたい自分の狭間に揺れ動く主人公の心情が、読んでいて苦しいほどに描かれていて、ハラハラし通しだったけど、孤独と向き合う主人公の心の深海にさしこむ光が柔らかなもので良かった。

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潜入の期間が終わりに近づくにつれて、葛藤する主人公の気持ちに胸が苦しくなりました。
チェロによって長年に渡って悩まされていたけれど、今度はそのチェロや周りの人々によって少しづつ回復していき、温かい気持ちになりました。

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小さい頃の経験から続けていたチェロを捨て淡々と大人になり、仕事上しかたなくまたチェロを習うことに。そこで出会った人との関わりが止まっていたと言ってもいい感情や時間を動かしていく。ほんとに長い間大事にしたい一冊です。
作中にも登場しタイトルにもなっているラブカ、気になって検索してみました。作品のイメージから想像していたもののはるか上をいった画像にびびりましたー。映画も気になります!

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諜報活動の緊張感もすごいのだが、心に傷を負った主人公がスパイとして潜入しながら音楽で癒され仲間に癒され、その葛藤する心理的変化にのめり込んだ。音楽による癒しと諜報活動の緊張感。"静"と"動"が絶妙なバランスで奏でられる本気で面白い一冊でした。

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音楽教室に潜入する青年、橘が主人公。
頑なだった橘の心が、音楽教室を通して、チェロと音楽でほぐれていけばいくほど、そのあと待ち受ける展開を想像して苦しくなる。
それでも、終盤に向けて、橘の心の変化がじんわりと感じられて、読後感はとてもよかった。
このじんわりとした読後感、まさに音楽による癒しのようで、そこもよかったです。

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「第69回青少年読書感想文全国コンクール 課題図書 高等学校の部 」ですが、
社会人にもぜひ読んでもらいたいです。
任務でチェロを習い始めたものの、講師との関係、その仲間たちとの関係は決して
命じられたからの関係ではなく、主人公自身が築いていったもの。
そこから生まれる信頼関係は本物であれば何があっても変わらず続くことを教えてもらえます。
社会人にこそ、その後の生き方を学べる一冊になるのでは?
頭の中にメロディが流れてくるような音楽描写。
こころを柔らかくしてくれる癒しの音楽をスパイ物に仕立てる想像力に乾杯!!

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読み始めから苦しかった。
風船が目の前にあって、徐々にふくらんでいくのを見なければならず、
いずれ爆発する、砕け散ってしまう、とわかっているのに目を背けられない。
そして、やっぱり風船は爆発し、主人公も周りの人間も粉々になる。
読んでいる方も胸が痛くてたまらない。
でも、細い光はあるのだ。
深海の底を照らす光は細いけれど、一人の人間を根本から揺るがし、変えてしまう力がある。
自分の中に住んでいるラブカはどうなのか、繰り返し考えることのなりそうだ。

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静と動、どちらも併せ持った作品。
主人公は過去の出来事が原因で問題をかかえているけれど、上司の命令で潜入することになったチェロ教室で出会った講師や生徒により、少しずつ改善されて解放されていく。
スパイという作品紹介の言葉に、どんなアクションやスリルがあるのかと思っていたが、ど派手な立ち回りとか拉致とかはなし。
でも確かにスリルはあった。
ハラハラドキドキ、緊張して手に汗握った。
全体通して静かな感じで進むのに、その緊張感とのメリハリがとても上手いなと思う。
オススメ間違いなし!

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「スパイ」もの、「音楽」もの、両方とも苦手分野でしたが
所属校に入れるどうか判断するためリクエストしました。
読み進めていくうちにどんどん作品にひきこまれ、ほぼ一気読み。
海深くまで到達しました。まだ深海に漂っています私。
音楽を通して、お互いの正義や信頼について
考えさせらせる作品でした。
絶対に購入します。

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スパイという任務を実行しながら、人との出会いや交わりから、チェロの音色から、主人公の凍った心が溶けていく姿が、読んでいる私の心も癒してくれました。
本から音を感じられるような、それは聴こえないのに不思議と感じることができる、とても静かで優しい一冊です。

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こんなに心が温かくなるスパイ小説ははじめてです。

主人公の橘君は、チェロにあるトラウマがあります。
しかし潜入捜査する音楽教室での人々との出会い、音楽・チェロとの再会により、主人公に様々な変化が・・・。
私にも学生時代のトラウマがあります。今でも何度も思い出します。
しかし、チェロと向き合う主人公の心境の変化とともに、私も暗い深海から抜け出せたような気持ちになりました。
本屋大賞ノミネートを通して、もっとたくさんの方に読んでほしい一冊です!

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とても面白かったです
音楽とスパイ小説
チェロの音を想像しながら読みました
潜入して得た情報を
全部暴露することは、チェロを優しく教えてくれて心を開いて楽しく過ごした2年間を
否定することになるのではないか?
そんな葛藤が痛いほどわかりました

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音楽もののスパイ小説、という前情報だけで読み始めたので、もっと命の危険などある感じなのかと思っていたら国内の産業スパイでちょっと肩透かし、と思ったものの、人との交わりが人を変えていく、その過程を丁寧に描き、状況設定ではなく心理描写でドキドキさせてくれる内容でした。
二子新地のレストラン、行きたくなります。

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橘や浅葉の心情が痛いほど伝わってきて刺さる。あまりにも気持ちが読み取れ、途中で読むのを諦めそうになったほど。任務を淡々とこなすように見える主人公だが、それでも抑えられない熱い思いが次第に見えてきて、最初と最後では橘の印象は大きく変わった。どんどん人間らしさが出てきて、浅葉を「恩師」と呼ぶ橘に微笑ましい気持ちになった。
任務のために音楽教室に通っているが、それ以上にチェロを弾くことを楽しんでいる橘を見ていると、任務でなければいいのに、と願ってしまった。「スパイ」と「講師」という壁を越えた二人の関係性をずっと見ていたいと思った。

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人は「義」よりも「情」が必要なときもあるんだと感じさせられた一冊です。爽やかな読後感に浸ることができました。

全日本音楽著作権連盟から、著作権使用料の訴訟の資料収集のために音楽教室へスパイとして潜入する話。仕事のストレスで心療内科にも通う橘は録音機を身に付けたままチェロを習いに行くが、講師の浅葉や仲間たちに惹かれていきます。
生きるために働くことは必要。でもその仕事が人生をむしばんだり、息抜きところがなかったりするのは救いが必要。そのことが改めて思わされました。そして、自分に音楽の教養があったらもっと深く読めたでしょうか。

2023年4月初め、読書感想文の課題図書に「本屋大賞」ノミネートが入っていて驚きました。それで注目していた読んだ本でした。

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チェロの音色が文字から聞こえてきて音楽を始めたくなるような本だった。トラウマだったチェロを通じて主人公が変わっていく。最初と最後の違いは必読だ。
スパイ活動が周りにバレたシーンは読んでいて心苦しかったけど主人公が救われて良かった。

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主人公の橘と音楽教室講師の浅葉先生との関係がすごく好きででした。
浅葉先生が選曲した曲、ラブカとは。
この曲が主題歌だった映画、ラブカの本当の意味。
このキーワードを考えながらドキドキしながら作品の中に引き込まれていきました。

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心に高い壁のある主人公がだんだん音楽仲間たちと打ち解けていく様子に心が温かくなりました。
後半はつらくて読み進めるのがしんどかったです。
好きなことに熱中することの大切さや恋愛とも友情とも少し違う大切な人との出会いがたまらなく好きで、最近読んだ本の中で1番良かったです。
本屋大賞は私は1位を押しました。
今年は課題図書にも選ばれているので当店でも大々的に展開したいと思っています。

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タイトルからは想像つかない物語。そしてチェロという親近感のない楽器と著作権が絡むミステリにあまりそそられなかったが、本屋大賞2位は侮れず。過去の傷に捉われしんどい日々を過ごす橘は上司から潜入スパイを命じられる。仕事と思いながらチェロ講師との間にできる信頼と絆に、自分の裏切り行為が耐え切れなくなる。音楽がここまで人を変え、救い、人生を彩るのかと驚くと共に羨ましくなる。そして言葉や文章で音楽の素晴らしさを表現できること、それを味わい楽しめることが嬉しい。

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音楽著作権という地味なテーマながら、音楽を習っている私にとっては真に迫るストーリーでした。特にテクニックだけではなく、曲を通して師匠の音楽観のようなものを生徒が受容し、同じものを共有する生徒同士が緩やかにつながっていく様子、音楽だけのゆるいつながりの心地よさがリアルに表現されていたと思います。作中の映画の原作が、読みたいので、期待しています。

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読み応えがありました。途中ドキドキしたり、ハラハラするシーンがありましたが、最後は、良いところに落ち着きよかった。知らない世界を見せてもらい、夢中で読んだ。主人公の複雑な胸のうちも、状況は違っても通じところがあり、読者を惹きつけるだろう。音楽業界を垣間見れる事も興味深い。高校生に勧めたい。

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潜入捜査なんてもっとドキドキハラハラするものかと思っていたけど、この作品は主人公がどんどんチェロにハマっていき、人間としても成長していく物語でした。
ただ、もしかしたら誰かが自分を裏切っているかも?と思うと怖くなりますね。
著作権や信頼についても考えさせられました。
チェロの演奏を聞いてみたくなりました。

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どうか壊れないでくれ。と思いながら読み、読み終えると心の中に音が響き続けたような感覚でした。
嘘を重ねて行くことは、現代では常識的な分人である自分を作っていくことに他ならない。けれども、どの分人も人間らしく、愛らしい。

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`著作権のところなど,中学生がどこまで読み込めるかなと思いましたが,それ以上に音楽が聞こえてきそうな,チェロを聴いてみたい,弾いてみたいと思えるような素敵な作品でした。高校の課題図書ですが,中学に入れてみようと思います。

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楽器を習ったことがある人なら味わったことのある気持ち、音が綺麗に響いた時の喜び、発表会で頭が真っ白になる感じ、演奏のことを全く覚えてないけど後から「今までで一番よかった」と褒められた時のやっぱり挑戦してよかったという嬉しさなど、色々な気持ちがよみがえってきました。そしてそんな喜びや達成感の中に、主人公のようなどうにもならない後ろめたさがあったら本当に辛いだろうと、深く共感してしまっていました。著作権についてもわかりやすく丁寧に扱っています。

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装丁の美しさとタイトルに惹かれて読み始めました。何かものすごい事件が起きるわけではありませんが、作家の派手では無い読みやすい筆致により、人を欺き続ける恐ろしさ、逆に人との関わりが人を変えていく優しさがじわじわと迫って来る素晴らしい作品でした。
読者が自ら感じる事を阻むような、押し付けがましい書き進め方では無いところがとても好きです。
所々に出て来る楽曲を検索して視聴しながら読み進めるとより一層作品に入り込めて楽しめました。

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