Lの運動靴

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刊行日 2022/05/25 | 掲載終了日 2022/06/04

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内容紹介

主人公の美術修復家の元に持ち込まれた、1987年に持ち主を失った、片方だけの運動靴。

「L」とは誰なのか? 運動靴の「欠けら」を修復する行為にどのような意味があるのか? 個人の「消せない記憶」とは? 

人が生き、死して残す「物体」に、そしてその「修復」に、果たしてどのような意味があるのか? 

主人公の視点を通して、静謐な時間の中で語られる「物質」と「記憶」をめぐる物語。


参考:作品のモデル「L」について

《李韓烈(イ・ハンニョル):1987年6月9日、延世大学で開かれたデモの最中、警官が発射した催涙弾に頭を打たれ、約1カ月間生死をさまよい、20歳で亡くなった。大統領直接選挙制を引き出した韓国民主運動の象徴的な存在。「L」が登場する映画作品にカン・ドンウォン監督「1987、ある闘いの真実」(2017)がある》

主人公の美術修復家の元に持ち込まれた、1987年に持ち主を失った、片方だけの運動靴。

「L」とは誰なのか? 運動靴の「欠けら」を修復する行為にどのような意味があるのか? 個人の「消せない記憶」とは? 

人が生き、死して残す「物体」に、そしてその「修復」に、果たしてどのような意味があるのか? 

主人公の視点を通して、静謐な時間の中で語られる「物質」と「記憶」をめぐる物語。


参考:作品のモデル「L」について

《...


出版社からの備考・コメント

作者のキム・スムは「L」の運動靴を修復したという美術修復家に取材。
綿密に修復のプロセスを辿り、さまざまな美術作品の修復のエピソードも魅力。

本書で語られる主なアーティストと美術作品
マーク・クイン《セルフ(Self)》/マルセル・デュシャン《触ってください(Prière de Toucher)》/ピエロ・マンゾーニ《芸術家の糞》/ルイーズ・ブルジョワ/ヨーゼフ・ボイス《死んだウサギに絵を説明する方法》/レンブラント《夜警》/コンスタンティン・ブランクーシ《眠れるミューズ》/レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》/ロダン《接吻》/フェリックス・ゴンザレス=トレス《無題――パーフェクト・ラバーズ》/ダニエル・スポエリ《ハンガリーの食事》

作者のキム・スムは「L」の運動靴を修復したという美術修復家に取材。
綿密に修復のプロセスを辿り、さまざまな美術作品の修復のエピソードも魅力。

本書で語られる主なアーティストと美術作品
マーク・クイン《セルフ(Self)》/マルセル・デュシャン《触ってください(Prière de Toucher)》/ピエロ・マンゾーニ《芸術家の糞》/ルイーズ・ブルジョワ/ヨーゼフ・ボイス《死んだウサギに絵を説明する方法》...


おすすめコメント

作者のキム・スムは韓国で最も活躍している小説家の一人。現代文学賞、大山文学賞、李箱文学賞などを受賞しています。

日本語訳作品はこれまで三一書房『ひとり』が知られていましたが、弊社のこの『Lの運動靴』に続いて、

他社さんからもキム・スムの別の長編が準備されていると聞いています。

つまり、今年、KーBOOKのジャンルでは、キム・スムがトレンドになること間違いなし!

ぜひこの機会にご一読いただき、魅力あふれるキム・スムの文学世界をご堪能ください。


作者のキム・スムは韓国で最も活躍している小説家の一人。現代文学賞、大山文学賞、李箱文学賞などを受賞しています。

日本語訳作品はこれまで三一書房『ひとり』が知られていましたが、弊社のこの『Lの運動靴』に続いて、

他社さんからもキム・スムの別の長編が準備されていると聞いています。

つまり、今年、KーBOOKのジャンルでは、キム・スムがトレンドになること間違いなし!

ぜひこの機会にご一読いただき、魅力あふれるキ...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784908184345
本体価格 ¥1,800 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

美術修復家のもとに持ち込まれた片方だけの運動靴。
その持ち主はL。Lとは誰なのか。Lの靴を修復する意味とは何なのか。

運動靴という物質的要素なのに、Lの運動靴には意味があった。
主人公の美術修復家の心の動きに合わせ、様々な美術品の修復のエピソードも記される。
そしてそのエピソードとともに、明かされていないLの運動靴の物質としての形が徐々に頭のなかで形成されていくようだった。特に印象に残ったのはプランクーシの「眠れるミューズ」が出てくる箇所。Lの運動靴が物質的な意味合いよりも、記録物としての意味合いのほうが強いということが感じられた。

あとがきで、Lのモデルになった方をはじめて知った。
Lが生きた歴史をどう記録していくか、記憶していくかということを、繊細に物語を通して描かれていた。

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美術修復家の静かな語りの中に滲む熱を感じる。ボロボロのまま放置されていた片方だけのLの運動靴の修復をしながら、息詰まる緊張の中で私が感じ続ける諸々のこと。モノである靴が発する内包された時間と、過去の事実。韓国の近代史に楔を刺す事件が晒され、Lが韓国の民主化運動のシンボルとなった経緯が浮き彫りにされる。1987年、20歳で亡くなったLの民主化への希求は、あの時代の同じ空気を吸った者たちの熱気と同じ地平にある。大量生産され、多数の人間が履き、同じ場所を踏んだ運動靴。それは、その時代を生きた人々の歴史そのものだ。修復作業をしながら私が聞き取る消せない記憶の声は、掬い上げ今一度人々の前に差し出される。物質の意味を超えた時代のアイコンとして。キム・スム、わたしにとって要注目の作家となりました。ありがとうございました。

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なぜLの運動靴を修復するのに、こんなに逡巡するのか。保存状態に問題がありこのままでは朽ちてしまうなら、修復して保存した方が良いに決まっているではないか。修復家の迷いが最初は理解できませんでした。
 靴紐の話の段階でようやく理解し、そういう考え方をするのかと膝を打ちました。"Lを超えてはいけない。Lを飲み込んではいけない" なるほど、これは真剣勝負になるわけだ。知らない世界を知ることができる、興味深い一冊でした。

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