向日性植物

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刊行日 2022/07/21 | 掲載終了日 2022/07/21

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内容紹介

 台北の女子校に入学した1982年生まれの「私」は、先輩の小游と惹かれ合い、戸惑いながらも自らの性的指向に向き合い付き合うことに。小游には親の無理解で入院させられていた元恋人・小莫がいた。小莫が退院して復学してくると、小游の受験もあり二人は別れる。

 台湾大学に合格した小游と小莫は、大学近くのアパートで同棲を始める。一年後、「私」も台湾大学に合格するが、二人とは距離を取ってしまう。一方でレズビアン仲間とよく一緒に遊び大学生活を謳歌、恋人ができたり別れたりもした。

 大学を卒業した小游と小莫は渡米、アメリカの大学院へ。翌年卒業した「私」は台北で会社員になる。時は流れ数年後、小莫から国際電話で「心臓の手術をするため帰国する」と連絡が。小游も付き添って帰国したが、戸籍上赤の他人だったため病室に入れない。小莫の手術は失敗し、亡くなってしまう。告別式で親族からはじめて認められ、小莫の遺言どおり小游と「私」に遺骨が渡された。

 台湾で異例のベストセラーとなった新時代のレズビアン小説が、芥川賞作家・李琴峰の香り高い翻訳で登場!

 台北の女子校に入学した1982年生まれの「私」は、先輩の小游と惹かれ合い、戸惑いながらも自らの性的指向に向き合い付き合うことに。小游には親の無理解で入院させられていた元恋人・小莫がいた。小莫が退院して復学してくると、小游の受験もあり二人は別れる。

 台湾大学に合格した小游と小莫は、大学近くのアパートで同棲を始める。一年後、「私」も台湾大学に合格するが、二人とは距離を取ってしまう。一方でレズビア...


おすすめコメント

台湾発・新時代のレズビアン成長物語!

異例のベストセラーを『彼岸花が咲く島』で第165回芥川賞を受賞した李琴峰の美しい翻訳で刊行。

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出版情報

ISBN 9784334914783
本体価格 ¥0 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

回想なのに回想である事を
忘れさせれくれて
現在と過去が完成形の未来と
同時存在する世界が普遍性を持って
数多の感情を呼び込む。

不思議な気分にさせてくれる構成で
読後感もかなり良かった。

感動したと言う一言では語り尽くせない
良さが詰まっていた。

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文章がとても綺麗でいつまでも物語に浸っていられます。
彼女たちが過ごす情景があまりにも美しく儚くて、永遠に続いてくれ…!なんて思ってしまいました。
恋をしている心情、好きだからそこのもやもやが手に取るようにわかる描写も大好きです!
「人間が最も傷つけるのは結局、愛している人なのかもしれない。」この一文は特に共感できました。
恋愛中の言葉に出来ない感情がたくさん文章に散りばめられていて、作者の方も翻訳の方も天才だなと。
そして同性愛者であることの悩みや社会や家族との壁などが、リアルに描かれていて胸が締め付けられるようでした。
幸せな世界とつらい現実をふわふわと漂っているような読書体験でした。
でもかつての思い出がとても綺麗なので、読み終えた今心に残っているのは幸せな気持ちです。
素敵な作品をありがとうございました!

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台湾でベストセラーとなったレズビアン小説とのことが、李琴峰さんの翻訳で美しい言葉となり日本でも多くの人に届く本となるのだろう。
「私」の心の動きが詩的で叙情的で読んでいて心地よくて、時に刺さる言葉を反芻するように読んだ。「私」の成長と恋の行方、そしてこのまるで一本の舞台を見終わったような読後感を味わってほしい。
読み終わって、タイトルの「向日性植物」とはと考えああそいうことかと余韻に浸った。

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台湾の女子高等学校内の姉妹制度がきっかけで出会った主人公と先輩。初めは自身の指向に確信が持てなかった主人公だが、徐々に打ち解け、親密な関係になって行く。三角関係、大学受験、家族の不和と人生の進行の中で、詩的な言葉で紡がれる恋愛小説。

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台湾のLGBTQの文学を初めて読みました。
誰かを好きになるのに理由なんていらない。
恋愛対象が異性であると誰が決められるものか。
社会や家族に受け入れられない苦しみは、いかばかりであっただろう。
「今のレズビアンはもう自殺しない」という一言は過去どのような扱いをされていたか想像に難くない。
まだ恋を知らない若い彼女たちが人として惹かれ合い、少しの行き違いや躊躇いで距離をとってしまう。
ガラス細工のように繊細な心模様は、もどかしくも感じられた。
私たちは向日性のある生き物だ。なんとも叙情的で美しい表現。
ただ、自分の心に素直であればいい。
物語を読み終えてそう思いました。

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読んでいるあいだずっと胸がざわざわしていた。忘れかけている繊細な感情を思い出してしまったからだろうか。遠い遠い昔感じた切なくなる気持ちとか。「私」とともに高校時代から現在を辿るうちに、自分も高校生になり、大学生になり、働き、付き合ったり別れたり。そのあいだずっとひとりの人が胸の中に住んでいる感じ。わたしが「私」に重なって、読み終えた時はせつないけどしあわせな空気に包まれ、この感じが本を閉じて終わってしまうのが惜しかった。

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翻訳小説特有の、うまく日本語で表現できない雰囲気が少なくて読みやすかった。どうしてレズビアンの小説は儚いものが多いのだろうか……それを理解できるほど私には知識も経験もないのだろう。独特な雰囲気が少し私には合わなかったけど、好きな人は好きな話だろうなと思った。

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台湾の百合小説を李琴峰さんの翻訳で読める、という。これは読まないわけにはいかない。

1982年生まれの私の学生生活、憧れの先輩、恋と別れ。繊細な筆致によって、恋愛だけではなく高校生という少女から大人になるときの脆さや危うさを描いた作品。

好きな人の名前を呼ぶ、出会う、その一瞬の特別な、何もかもが新鮮で瑞々しさに溢れていたとき。読んでいて涙が出そうになりました。恋をするってこういうことだったな。

たぶん原文の味をちゃんと残していると思われる、李さんの翻訳も素晴らしいと感じました。ところどころ、日本語っぽくない語順になっているのが面白い。

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李琴峰さんの翻訳で、台湾の小説とあらば読まない理由がない。
「新時代のレズビアン小説」とあるが、それを意識せずとも読める恋愛小説。
憧れて、恋をして、声が聞きたい、顔が見たい、そしてそっと触れてみたい。
高校生の頃の初々しい恋の在りようを思い出します。小さな諍い、ぎこちない眼混ぜ、おずおずと近づいては離れる稚い恋。
少女が大人の女に近づいていく段階が脆さを含んだ心模様で描かれる。
回想の中の自分たちへの目線がぶれない、そこにリアルな真情を感じた。

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芥川賞作家として注目されている作家の翻訳として興味をもつ読者も多いと思う。#彼岸花が咲く島 最近では #生を祝う も衝撃的だった。
まだまだLGBTQという言葉だけが覚えなければいけない単語のように一人歩きしている感が否めない中、レズビアン小説、という名前をつけることになぜか違和感を感じる。
確かに女の子しか(ほとんど)出てこない。名前が同じ漢字なのに日本語と響きも違うので女性の名前と直感的にわからないという困難はある。
性別を特に意識することなく、心のひだひだを丁寧に描き出した、気持ちのよい小説だった。表紙も美しい。
台湾の小説はなかなかお目にかからない、貴重な機会。

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教室、台北の街の風景、少女たちの表情や仕草を思い浮かべながら読みました。映像をイメージさせる文章は翻訳の力でもあるのではと思います。
当時の台湾社会で同性愛者がどのように認識されていたか、それを踏まえて読むことで、少女たちの傷みに近づけるかな、と感じます。

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学生時代の出会いから始まる四人の恋と友情の話。女子校の姉妹制度が何とも蠱惑的だ。現実にあった出来事が創作の中に度々現れて、読み手を惹き付ける。淡々と時間が流れていきます。どんでん返しが好きな人には、おすすめしません。夏目漱石の「こころ」みたいなかんじがしました。

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最高の小説です。わたしの今年ナンバーワン翻訳文学になるでしょう。
文章のリズム、口当たりがとても良く、もちろん翻訳小説であるとは理解しつつも面白い作家さんに出会えたなあという思いでした。
作家と翻訳家のマリアージュ、おまけに顔面偏差値高めときました。この表紙にはずいぶん前からうっとりしていました。

同性愛って、否定こそしないけれどほんとうに何も分かってもいなかったのだと気がつきました。
確かにそんな場面でわたしはきっと悲しいだろう辛いだろうと良く伝わります。彼女たちの恋愛はわたしたちの異性愛と何も違わないのだと初めて本当に気がついた気がします。

後半の性的嗜好のために命を落としたのか?最近のレズビアンは自殺しない。のくだりがとてもぐっときます。
大切な人のためにはっきり言い切る姿勢。ぼかして尋ねられた単語をふたつばっさりと斬り返す姿。
わたしには友情なのか愛情なのか区別がつかなくなってしまいましたが、ともかくとても温かいものであり、本人たちだけのものです。

素晴らしい恋愛小説は読んでいる間に大切な人の顔を何度も思い浮かばせるものだと改めて思いました。
読み終わった後にその余韻でしぼらくひどく泣いてしまうような、そんな時差的で静かな感情になります。

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丁寧で詩的な言葉のセンスがとても良かった。同性愛。レズビアンについて書かれた作品です。高校時代の二人の出会いとか愛が発展していく様はとても心地よい。しかし、やっぱ、受験ですよね。恋の最大の邪魔者。そして、彼女の元の恋人との関係。この三人の複雑な関係性にはまいってしまった。前半の楽しさが帳消しにされていく。この問題は恋愛の時間は楽しいが、そこから生活の場になると大変になる。好きだった先輩と元の恋人がということになり、その人が死ぬのですが、残された彼女は微妙な立ち位置になるところが切ない。

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儚い……。詩的な文章と独特な雰囲気が自分にはあまり合わなかったけれど、それでも美しい物語だと思った。恋する人間の繊細で複雑な心がていねいに描かれている作品だった。誰もが自分の好きな人を好きだと堂々と言えて、それが受け入れられる世界であってほしい。

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