自閉症のぼくは書くことで息をする

14歳、ナチュラリストの日記

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刊行日 2022/07/12 | 掲載終了日 2023/01/30

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内容紹介

17カ国で出版決定!

自閉症ゆえに何も書けないと言われた14歳の少年が綴った、

まばゆい北アイルランドの四季、そして動植物たちとの1年間

「自閉症のぼくは、みんなより世界を強く感じられるらしい。

世界はぼくにとって色とりどりの炎のようで、ひたすら美しい。

ぼくはただ、ぼくの世界の感じ方を知ってほしかった。

世界がどんなふうにぼくを揺さぶるのか、知ってほしかったんだ」

――ダーラ・マカナルティ

ダーラ・マカナルティは、執筆当時14歳、自閉症の若きナチュラリスト。同じく自閉症の家族とともに、北アイルランドの自然を文字どおり全身全霊で体感していく。庭のえさ箱に集まる愛らしい小鳥たち。夜空に輝く星くずのような昆虫の群れ。滑空する猛禽類は雄大で美しく、樹齢300年の大木は果てしなく崇高だ。

教師から「自閉症ゆえに文章が書けない」と言われたこともあったが、「自閉症ゆえにみんなより世界を強く感じられる」というダーラ独自のまなざしは、小さな命のきらめきから、大自然のパノラマまでを鮮やかにとらえ、彼自身の世界の見え方・感じ方を私たちに体感させてくれる。

本書は、ウェインライト賞をはじめ複数の文学賞を史上最年少で受賞。また、ダーラは英国鳥類保護協会から最も権威ある賞(RSPBメダル)も史上最年少で授与されている。

プロローグ

用語解説

謝辞

訳者あとがき

17カ国で出版決定!

自閉症ゆえに何も書けないと言われた14歳の少年が綴った、

まばゆい北アイルランドの四季、そして動植物たちとの1年間

「自閉症のぼくは、みんなより世界を強く感じられるらしい。

世界はぼくにとって色とりどりの炎のようで、ひたすら美しい。

ぼくはただ、ぼくの世界の感じ方を知ってほしかった。

世界がどんなふうにぼくを揺さぶるのか、知ってほしかったんだ」

――ダーラ・マカナルティ...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784777829064
本体価格 ¥1,600 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

北アイルランドに住む著者ダーナ・マカルティは14歳。家族と共に自閉症で、先生からは文章なんか書けないとさえ言われていたが、自然に囲まれ、ナチュラルラリストとして美しい季節の移り変わりを、日記形式で豊かに表現する。

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自閉症という個性を持つ14歳が語る日々の出来事。自閉症の人を含め感性が溢れすぎてしまう人にとって、思いや考えを書き出すという行為は、自分の頭の中を整理するのにとても有効なのだろう。そしてこの著者によって書き出されたこの世界は、とてもキラキラだった。豊かな感性を持った人の目を通して見る自然は、こんなにも情報に溢れているのか、と驚かされる。植物も動物も世界に対してたくさんのことを語りかけていて、この著者はそれを感じとることができる。そういう人にとって、たしかに学校という場所は閉鎖的で、美しい何かを探すことが難しいところなのかもしれない。その人に合う場所というのは、人それぞれ。生き物それぞれ。これからも自然と共に生き、その中で見えた風景を私たちに教えてほしい。

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心の赴くまま綴られた素直な感情は、まるで芸術品のように染み渡り、やがて我々の心に静かなさざ波を立てていく。彼にとって理解し難くて過敏すぎる世の中は、愛する猛禽類や自然との共生でバランスが取れているのだろう。彼ならではの視点で表現される全てが精緻で繊細で、だからこそ多くの人々の共感を得たのだろう。

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じっくり腰を据えて読んでいくと、そのみごとな文章に驚いてしまう。
生き生きとしていて、そして繊細で細やか。色彩感もあって、みごととしかいいようがなかったです。
作家さんについての情報が、もっとあればよかったかなあ。
他の本との違いはやっぱりそこだし、そこをしっかりと理解して読みたかったかも。
もちろん、そんなことは関係ないんだけど、もっともっとのめり込めたかもしれない。
写真ももっとあればなあ。開高健の本みたいになるといいなあ。
もう一回、読み返したくなりました。
ありがとうございました!

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深い理解のある自然を其の儘記述し
名著からの引用を沢山頭に浮かぶ読書量
と言語も自然の一部かの様に紡がれる日記。
強力な問題意識で政治観も携え
心理面も晒す勇気を持つ
非の打ち所がなく
とても感銘を受けた一冊。
アイルランド語の用語の勉強にもなりました。

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自閉症の少年がどのような言葉を綴るのかと興味を持ち読んでみた。

14歳の少年が五感を使い、瑞々しい言葉でアイルランドの四季を描いている。
視点が定まらず、興味があちこちに移る。でもダーラの感じる光や色までも伝わってきて、私の頭の中にも彼が見ている景色が広がるようだった。

6月8日の日記に「自閉症にみえない」と責められる、とある。
こんな素敵な文章が綴れる、彼が自閉症なのかな?私も疑問を持ってしまった。しかしこの日の日記を読み私が間違っていたと痛感した。
自閉症者と見せまいとする気持ちを知り、この日の日記はとても印象的だった。

14歳といえば子どもとしてではなく、大人として扱われたい年頃だろう。そんな大人へと成長しようとしている素直な感情もとても良かった。

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ダーラ14歳の一年を綴った日記。北アイルランドに住む自閉症の少年が、どんなに自然を愛し、自分らしく在るべく心を広げ、時にその自然の現状について心を痛め、憤り、やりきれなくなるかを書き綴る。
学校を始め、人の中での居辛さ、ジャッジされいじめられることの恐怖にも触れる。
ナチュラリストとして外に発信することで、少しずつ自分がしたいこと、今すべきことを見出していくダーラのことばは底光りする。
環境から受け取るメッセージを鋭く分析できるダーラの明晰な心眼をそこここに感じ、静かな感動を覚えました。

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まず、世界の解像度の違いに驚かされます。もちろん生活環境の違いもあるけれど、様々な生物や植物の姿を見分け、声を聞き分け、匂いを感じとり、そこから季節まで感じ取れる感受性になまくらな使い方しかしていない自分の五感を情けなく思いながら、1度だけ行った北アイルランドの情景を思い起こしながら、少しでも自分もその姿を感じ取りたいと思いながら読み進めました。コンクリートの隙間の緑しかふれることのない自分にとって、束の間の森林浴になった気がします。
「違い」に苦しむ姿に心を痛めつつ、違いで人を判断する側の問題点をこそ感じさせられました。

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北アイルランド。
ブログを書き始めた時の少年は、12歳。
春夏秋冬、に分けて、まさに日記、の形で日々の率直な思いがつづられている。
彼が感じたこと、はまず自然の中で見たもの聞いたもの感じたこと、たくさんの鳥、動物たち、木や花・・・
予備知識なしの読者は、この少年が知っている鳥や動物や植物の名前の多さ、知識の深さに驚くだろう。そして描写なしには、彼が自閉症だとは気づかないだろう。
ブログの段階から多くの読者を惹きつけ、今や有名人となったダーラの日本への紹介。

冒頭にはこんな文がある。

ぼくら、僕たち(自閉症の人たち)、という言葉で、自分の感覚や、日々の困難にも時折触れる。自然に触れる。学校や生活では相当大変なこともあっただろう。そして家族も自閉症だという。

多くの人に励ましを与えるだろう。


<腰をすえてこの日記をつけはじめるまえに、ぼくはオンラインのブログも書いていた。
かなりたくさんの人が楽しんでくれて、何度となく本を書いたほうがいいと言ってもらえた。
それはそれこそ本当にすごいことで、だって、まえにある先生から両親はこう通告されていたか
ら。「息子さんは読解力テストがちゃんとできるようにはならないし、ましてや1パラグラフ
だって紡げはしませんよ」。それがこのとおり。 ぼくの声は火山みたいにわき返っていて、書
いているうちにこのもやもやと情熱が一気に世界へと爆発したっておかしくない。
ぼくたち家族は血でつながっているだけじゃなく、全員が自閉症で、パパだけちがう――こ
こではパパがはみ出し者で、自然の世界はもちろん人間の世界の謎を分解するときに頼りにす
る人でもあるというわけだ。全員そろえば、ぼくらは風変わりでカオスな一団になる。しかも
けっこう手強い、どうやらね。 ぼくらはカワウソみたいに仲よく、身を寄せあいながら、世界
を進んでいく>

The Diary of a Young Naturalist
Dara McAnulty

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何も文章を書けないと思われていた14歳の子が書いた日記は自然の美しさに世界の素晴らしさで溢れています。
時折顔を覗かせる自閉症スペクトラムとしての苦悩。気をつけて読まねば気がつかないほど控えめに解決方法や考え方が書かれていて、それは非常に文学的と言えると思います。
四季とは日本特有のものと教わった気がしますがどこか遠い国で暮らす彼のもとへも自然のギフトが届いているようで、思っていたより世界はひとつなのだなと思いました。

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うちにも自閉スペクトラムの子が2人おり、内容に興味を持って読んでみました。自然にたいする感じ方や描写がとても綺麗で、日々こんな風に感じながら、こんな風に世界をみているのかと、とても面白く読ませて頂きました。

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自閉症スペクトラム障害を持つ若きナチュラリストのダーラが、14歳の一年間に起きた事柄を日記形式で綴っている。

文章が詩的というか、散文的で、とても読みづらかった。
ただ、それが、彼の持ち味なのであろうということもわかる。
(著者あとがきでは、編集者に「ぼくの文章をそのままの形で出版してくれてありがとう」と謝辞を述べている)
彼の魂が感じたままを、書き起こしているようだった。
彼の自然に対する愛と尊敬の念、その自然をないがしろにする人間(大人)への怒りといったものが、理路整然とは全く対極の文章で語られて、その文章から、上っ面だけの文章では感じられない、心の叫びを感じた。

自閉症スペクトラム障害を持つ人が、人込みをどのように感じるのか、といったことを本人の言葉で綴られているのも興味深かった。
自然破壊への啓蒙もさることながら、自閉症スペクトラム障害への理解にもつながる本だと思う。

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