千に染める古の色

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刊行日 2022/09/22 | 掲載終了日 2022/09/15

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内容紹介

時は平安。

右大臣、藤原実資(ふじわらのさねすけ)の娘、千古(ちふる)は13歳。

裳着(もぎ:成人の儀式)が近いので姫らしくするべきと、外出をとめられて退屈している。
そんなある時、自分で着物を染めてみたくなった千古は、屋敷の外にこっそり出て行き…。

大事に守られて育ってきた姫君が、「自立」を意識する成長の物語。



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【著者プロフィール】

久保田 香里(くぼた かおり)
岐阜県生まれ。『青き竜の伝説』(岩崎書店)で第3回ジュニア冒険小説大賞を受賞しデビュー。『氷石』(くもん出版)で第38回児童文芸新人賞受賞。『きつねの橋』(偕成社)で第67回産経児童出版文化賞JR賞受賞。ほかに『駅鈴』『もえぎ草子』(くもん出版)、『きつねの橋巻の二 うたう鬼』(偕成社)などがある。長野県在住。


紫昏 たう(しぐれ たう)
富山県生まれ。イラストレーター。和風の少女をメインに、アナログで制作している。

時は平安。

右大臣、藤原実資(ふじわらのさねすけ)の娘、千古(ちふる)は13歳。

裳着(もぎ:成人の儀式)が近いので姫らしくするべきと、外出をとめられて退屈している。
そんなある時、自分で着物を染めてみたくなった千古は、屋敷の外にこっそり出て行き…。

大事に守られて育ってきた姫君が、「自立」を意識する成長の物語。



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出版社からの備考・コメント

※校了前のデータを元に作成しております。実際の刊行物とは異なる場合がございます。

この作品の閲覧は、書店関係者さま、図書館関係者さま、教育関係者さまからのリクエストに限らせて頂きます。ご了承ください。

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おすすめコメント

日本人が作り上げてきた文化の中でとりわけユニークなもののひとつであると言われている、

平安時代に生まれた配色法「重色目(かさねいろめ)」をテーマに、

歴史物語を、時代背景をしっかり組み込みながら魅力的に描く、久保田香里さんが描きます。

日本人が作り上げてきた文化の中でとりわけユニークなもののひとつであると言われている、

平安時代に生まれた配色法「重色目(かさねいろめ)」をテーマに、

歴史物語を、時代背景をしっかり組み込みながら魅力的に描く、久保田香里さんが描きます。


販促プラン

恐れ入りますが、この作品の閲覧は、書店関係者さま、図書館関係者さま、教育関係者さまに限らせて頂いております。ご了承ください。

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784752010227
本体価格 ¥1,400 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

平安時代の名家の姫が、裳着を迎えるにあたって準備された衣装と、ひとりの少女の言葉から、染色に興味を持ち、経験を経て成長する物語でした。当時のしきたりや背景にも軽く触れられていて、無理なく読めました。物語が襲の色になぞらえて進行されるのも、姫のはつ恋の顛末にも趣があって素敵でした。最後、源氏物語とかぐや姫の場面を模した仮装の様子を思い浮かべてため息が出ました。2024年の大河ドラマは紫式部が主人公なので、源氏物語や装束や襲などの資料などでテーマ展示をしたいと思います。

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主人公は平安時代に実在した藤原実資の娘、千古。読んでいると、平安時代の優雅な王朝文化の世界が目に浮かぶ。目次では、「襲の色目」の名前と配色を学ぶことができ、イラストは絵巻物のように美しい。「襲の色目」というのは、衣類の布の表裏の色の重ね方を楽しんだり、色の襲ね方を楽しむ平安時代の配色法なんだそう。作中でたっぷりその美しさと楽しみ方を千古たちが披露してくれている。千古もただのお姫様ではなく、10代の等身大の女の子。恋に憧れ、自分の将来について一生懸命向き合っている。映像で見てみたいくらい色鮮やかな作品。

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とても素敵な物語でした。目次にかさねの色目が掲載されていて、表紙も登場人物紹介も美しかったです。
平安時代、藤原道長の時代、右大臣を務めた藤原実資の娘、千古が主人公。
各章には、それぞれかさねの色について、物語の中に組み込まれていて、知らず知らすに当時の着物の趣ある様子を読んで想像できるようになっています。
平安時代の姫君たちの運命をそのまま受け入れるのではなく、自分で知ってきめて、生きていきたいと望む千古と、彼女と周囲の人物たちが日常的に接する布、色、染めについての知識が、良い具合に混ざり合って、物語としての面白さを深めていると感じました。
カテゴリが児童書/YA読物となっていますが、大人が読んでも十分楽しめる作品です。
そして、この作品を読む前に、源氏物語やその他の古典を、少なからず読んだり勉強したりしていて良かったとおもいました。
(古典を読んでいなくても知らなくても、楽しめる作品ですが、知っていたことでより楽しく読めたと実感しています)

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望めば何でも叶う当代随一の姫が、でもそれは全部、誰かが用意してくれたものばかりだと気づき、自分で動き始める物語。
姫が興味をもって動き始めたのは、染色。糸が染まる様も、襲の色目も、姫には新鮮なことばかり。染めの様子から、その草木が中に隠している色があらわれることや、その色そのものをそのままの色で受け入れることに、自分の境遇を重ねて成長していく。
思うようにならない人の気持ちにも触れ、周りの人の誠実さに気づいていく姫が、かわいく、平安の雅な雰囲気も楽しい。

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大人になる儀式・裳着のため、自由にならない身の上に不便と不満を抱える千古。
何もかもが手に入る立場のはずなのに、これっぽっちも実感できない。周りから期待される枠からはみ出さないようにする少し窮屈な日々だったが、あるきっかけで、着物の配色や染色に興味をもち、好奇心の赴くまま知識を吸収し、最大の味方・小鈴とともに行動するが…。
千古の立場が、最初に感じていたよりかなり“やんごとない”方らしく、少々想像力を総動員ですが、自分の足で立って歩こうとする千古の姿が可愛らしいうえに眩しくて、色々と考えながらも最大限“らしく”生きていこうとする姿勢がとても好ましかったです。

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貴族でもない限り、この時代さまざまな色の布地を見ることは叶わなかったし、襲の色目を実際に目にすることがかなう人も限られていたということをふまえる(絹だからこその発色の美しさと艶をたのしめるのは限られた身分だけですよね)と、この主人公をかなり上位の貴族の娘という立ち位置にしたこと、そして『源氏物語』が世に出ている時代にしたこと、という設定が絶妙だなぁと思いました。源氏物語を習い始めてから読むと、どちらの情景もより浮かびやすくなるし、こちらを先に読むと源氏物語が読みたくなるし、ということで読者対象も広く楽しめそうです。そして説明としても役立つ冒頭カラーの挿画がまた素敵。
たまたま「染色の始まりはどんなものだったのか」「枝などの、見た目と違う色が取れるものはどのようにして染料として使われるようになったのか」という話をしたあとに読んだのでより興味深かったです。

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久保田香里さんは、「千古」という平安の少女を描くことで、今の世の中に、かつて、この国がどれだけ素敵な感性を持って、こころを豊かに作り上げ、愛おしんできたか・・・それを、見事に、荘厳にみせてくれました。
登場する小鈴、上総、と言った少女。そして右近、経任。この時代の身分社会を重くではなく、あっさりと明るく生きる姿で描いているのに爽やかな感動を覚えます。
「襲」「廂」「女童」「御簾」「裳着」・・・千古の時代に馴染む頃には、ゆったりとした時の流れに、自らが、たおやかな平安人になって、巻物を広げるような気分。「さて、これから、どうなるのかしら・・・?」
思えば、最近の私は知らず知らず本を読むのにも、心が 少し ” 焦っていた ” ことに気づきました。
時は平安といえ、やはり大人になろうとする時期の少女の不安と期待は時を越えてぐっと胸に染み入ってきます。
あかねや花野を通じ染を知り、だんだんに『自分に、どんな色が隠れているのか』、それをどうしても知りたいとおもうようになる千古。ただ与えられてきたものに、関わっていこうとする千古。自分の新たな心に出会います。
久保田香里さんのていねいに襲たことのはで紡ぎ上げた物語。その、ことのはひとひら、ひとひらは、時に鮮やかで、時にかすかです。七色のひかりのような透明感のあることのはが、サラサラと舞い降りて、かさなりあい、その一時一時に、時々の美しさがうつろってゆきます。読み終えた今、” ひかり ” のことのは らしく、静かに重なり合って、やがて透明になり、わたしを穏やかにつつんでくれています。まほろばに帰れました。ありがとうございます。

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平安の右大臣の娘、千古は十三才。
成人の儀式、喪着を間近に控えた彼女は屋敷から出る事も出来ず退屈していた。ある時、装束や布が仕舞われているのに気付き、物語の再現を試みる。
美しい衣の襲色目が拡がり、あっという間に平安時代に引き込まれてしまった。贅を尽くした衣装で源氏や竹取の物語を現していくときめき。その一方でこの年頃ならではの淡い恋心や好奇心、心を支える『好き』との出会いを描いていて好ましい。染めに使う染料や雅な薫香の合間に、うっすらほのかに百合の香り、女同士の友情の強さが挟まれていたのが令和ならではと思った。

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平安朝の貴族の娘、千古は十三歳。もうすぐ女性としての成人の儀式・裳着を迎える予定だが、まだ自分がおとなになるという実感がわかない。
ある日、新しい衣装のために染め上げられた美しい布を見ていた千古は染色に興味を持ち、お付きの小鈴とともに部屋を抜け出し、職人のもとへ。そこで見た染色の繊細さ、不思議さが千古の心を引きつける。
貴族の娘として身に付けてきた教養とはまったく違う世界に触れ、心を広げていく千古。新しい知識、初めての感情、あらためて見えてきた自分の生活。それらを通してひとつの決意を口にする千古が清々しい成長物語でした。
文中に出てくる色や襲にもわくわくしました。それらにちなんだ章タイトルや扉の絵も素敵です。

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染色を、とても魅力的に語る物語。
縦糸と横糸の色を変えることで、光の当たり具合で色に変化をつけたり、生地を色々な色で染め上げるため知恵、一針一針衣にし仕立てる工程、移動手段が牛車というのも含めて、ものすごく時間の流れが緩慢で、癒されました。
平安貴族の華やかな衣装に込められた素材の色、色の組み合わせへのこだわり、センス等にも触れることができ、興味深かったです。できれば色見本を傍らに置きよみすすめたかった!
あれだけじっくり色を吟味し、染色し、衣を仕立てていたら、愛着も沸くだろうし、ファストファッショによる環境汚染が問題視されている現代社会との対比という面でも、なかなか考えさせられました。

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華やかさを競う女房たちや、和紙の取合せに心を砕いて文を贈る殿方、平安の世は日本の美を育んだ時代だと思う。主人公の千古は裳着も間近の姫君。染色の技を目にしてから、色に興味を持つ。源氏物語に出てくる衣裳を女童達と再現した遊びは、今で言うところのコスプレだろうか。色が溢れて絢爛たる王朝絵巻を見るようだ。窮屈な中にも自分の意志を持つ少女に、現代の子ども達も共感できるだろう。色の事典を傍らに置いて読めば、もっとイメージがふくらみそう。

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千古が心持ちの綺麗な姫さまで良かった。右近と小鈴の姉妹も、父母も優しい人たちに囲まれていてホンワカする。恵まれてる千古は染師にはなれないだろうけど、身につけるものに興味を持ち、職人や製造過程を知ることで保護することも出来るはず。この姫さまなら、ほのかな失恋にもへこたれないだろう。

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