なりたいわたし

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刊行日 2022/10/07 | 掲載終了日 2022/10/07

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内容紹介

3年生になったあたりから、千愛(ちなる)はなんだかうまくいかない。だいすきな友だちの愛空(あいら)ちゃんからきらわれている気がするし、なかよし4人グループのなかで、まるでじぶんだけ、とうめい人間になっちゃったみたい…。学童クラブ「くれよん」を舞台に、女の子たちの友情と悩み、将来へのあこがれを描く、やさしくてちょっぴりほろにがい物語。

3年生になったあたりから、千愛(ちなる)はなんだかうまくいかない。だいすきな友だちの愛空(あいら)ちゃんからきらわれている気がするし、なかよし4人グループのなかで、まるでじぶんだけ、とうめい人間になっちゃったみたい…。学童クラブ「くれよん」を舞台に、女の子たちの友情と悩み、将来へのあこがれを描く、やさしくてちょっぴりほろにがい物語。


おすすめコメント

★野間児童文芸賞受賞作家・村上しいこ氏からのエール!「あと一歩ふみだしたい」小学生の背中をおす、あたたかな作品。

★おしゃれブランドから絵本まで、大人気のイラストレーター・北澤平祐氏による、かわいらしい装画!

★野間児童文芸賞受賞作家・村上しいこ氏からのエール!「あと一歩ふみだしたい」小学生の背中をおす、あたたかな作品。

★おしゃれブランドから絵本まで、大人気のイラストレーター・北澤平祐氏による、かわいらしい装画!


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784577050712
本体価格 ¥1,300 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

村上先生の作品は、関西弁の愉快なお話と、リアルな状況や会話で読み手の心をぐさぐさ刺すお話があると思いますが、本作は後者でした。
主人公・千愛は、自分の思いが上手に伝えらません。同じグループの子達の背中を追いかけてばかりいます。微妙に狂った会話・行動の歯車故に繰り出される、棘を含んだ言葉の数々。暴言を吐かれているわけではないのに心が痛い……。
そんな千愛も、三人が別々の選択をするのをきっかけに「なりたいわたし」を考えます。
三人とは別の人と遊ぶという選択で下級生の輪に入った時は「同級生の輪から弾き出されてしまった子が通る典型的ルートだ……」と思いましたが、そこでけんかの仲裁役を頼まれました。下級生や先生に背中をおされつつ仲裁役を引き受け、無事ごめんねまでたどりついた千愛(大人でもけっこう難しいのにすごい!)。自分が思っている以上に周りは自分のことを見ている・認めてくれていることに気付くきっかけになればいいなと思いました。
初読時は「同じグループの子、棘ありすぎ」と思いましたが、最終章を読んでから読み直すとだいぶ印象が変わりました。二度読みをおすすめしたい作品です。

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この作品を読みながら自分の子供時代はどうだったかと考えました。ここに出てなくる4人の少女達はそれぞれ性格も違うし目指している目標も違う。その中の1人千愛はやりたい事が自分にはまだない事に気付き自分はどうしたらいいのか考えはじめます。こんな難しい問題に気付く子供達に少々びっくりはしましたが、子供や大人、自分や友達、みんなには違う世界があってみんな違う。違っていいんだ、勇気を出して自分のためにに一歩前に進むこの気持ちが大切だと応援されてる気持ちになりました。自分が少女時代に出会いたかった作品ですね。児童書という枠にとらわれず誰にでも読んでもらいたいです。この作品を読んで気づいてない自分に気付くかも。

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村上しいこ作 北澤平祐絵『なりたいわたし』(フレーベル館)10/7/2022発売

みなさんは、小学生の時「なりたいわたし(=自分)」ってありましたか?仲の良い友達が「なりたいわたし」を見つけて、どんどんと成長していく中、その後ろばかりを追いかけてしまう。子供の頃の「成長」って自分の「なりたいわたし」を見つけてそれに向かって頑張って生きていくことのように思えるけど、「なりたいわたし」が見つからない子供はひたすら憧れの誰かの後ろを追いかけていくことで自分を保っているように思える。

村上しいこ作『なりたいわたし』の主人公 千愛(ちなる)は放課後、学童クラブ「くれよん」に通う小学3年生。そして、同じ学童クラブに通う保育園の時から一緒の愛空(あいら)はダンスが得意でファッションセンスも抜群。千愛はそんなかわいくて、かっこいいオーラをまとった愛空と友達でいられることが嬉しくて、愛空に嫌われたくない、認めてもらいたい、といつも愛空の顔色を伺うような行動に出てしまう。学童クラブには他にスポーツが得意な風翔(ふうか)と優しい麻央(まお)が一緒で、学校でも学童クラブでも仲良し4人組でいられることが千愛はとても嬉しかった。でも、4年生になろうとする時、3人は突然、4年生になったら、学童クラブをやめると言い出す。今まで4人で一緒にいることで安心感を覚えていた千夏は突然、3人から取り残されたような気持ちになる。そして千愛は思った。「わたしって、三人の、ずっと後ろをあるいてる」「そうしてずっと、おいかけている」と。

自分がどういうふうになりたいのか、を決めることは子供だけでなく、大人になっても難しいことのように思う。子供の時に「こうなりたい」と思っても大人になって「やっぱり違う」と思うことだってある。著者の村上しいこさんの登場人物を見る目線はとても優しく、読後はとても不思議な温かさに包まれる。

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北澤さんの素敵なイラストに惹かれて選書。
絵本かと思ったら児童書でした。
中学年向けかな。
児童館でいつも一緒の4人組。
自分に自信を持てない千愛は他の3人について行くのがやっと。
そうそう、児童館って高学年になるとやることも増えたりメンバーが変わったりして行く子が断然少なくなるんだよね。
3人だと1人がはみ出て身の置き場がない、のは現実世界でもよくあるパターンだけど、4人組でも起き得るんだなと。
読んでいて周りの子たち嫌な子だなとなったけれど、それぞれの立場があって読み終えてからだと印象がかなり変わる。
自分を認めてあげることは大人になってからも難しいことが多い。居場所を確保するのは大変だ。女の子なら尚更、かな。
好きなことや得意なこと、自分を知ること。人から必要とされることが人を強くする。
大人にも読んで欲しい本でした。

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千愛には大切な友達が3人いる。保育園のころから一緒。学童でも一緒。みんな素敵すぎてついていくので精一杯。それでも千愛は日々に満足していた…筈なのに、3年生になってからのクラス替えで自分と3人との間に亀裂が?いつまでも同じ関係ではいれないの?
厳密なきっかけは少し前からだけど、“未来”についてあかるくお喋りをする3人を目の当たりにして“自分”について考え出す千愛に切なさを感じながらも、控えめななかに同居するたおやかさも見え隠れして、見守りながら読みすすめる間ハラハラし通しでした。
周りからは小さな一歩に見えるかもしれなくても、自分をバージョンアップさせるためにエイヤッと大きな一歩を踏み出す千愛に清々しい眩しさを感じつつ、相手の良さだけではなく、自分の良さにも気づけるようになった女の子の素敵な作品でした。

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保育園の頃からの仲良し4人組は、今小3。学童クラブくれよんに通う。千愛以外の3人はやりたいこと、なりたいものがはっきりしたしっかり者。千愛だけが自分の目標がないまま。特に惹かれる愛空に自分を重ねてみても違和感だけが残る。自分を見つめ始める千愛の試行錯誤が、彼女を育て始める。まねじゃなく、自分らしくあろうとするところまでのギクシャクした仲間との空気と、トゲさえ感じることばに凹みもする。自信がない、取り柄がないと卑下する千愛だが、そんな彼女を周りはしっかりと見ている。
くれよんでの下級生からの信頼、いざこざのまとめ役、千愛の背中を押す出来事が気づきを促す。好きな友だちに憧れて、その子ばかりを見ていた時期がわたしにもあった。今ならわかる。その粘着質な視線はさぞ重たかっただろうと。
子どもの繊細さと逞しさが感じられる「なりたい」自分探し。子どもの頃に出会いたかったな、こういう物語に。

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まさに女子の友情ゴタゴタ。誰でも経験があって、共感できるはず。
仲間外れになっているような気がしたり、仲間外れをしちゃったり、どちらの立場にもなり得る、この時期をうまく描いている。
そして、誰もが何かしら不安を抱えていて、友だちや先生にキツイこと言っちゃったり。
裏に抱えたその子の気持ちも無視せずに拾ってあげたい。

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千愛ちゃんは、小学三年生。学童クラブの「くれよん」では、愛空ちゃん、風翔ちゃん、麻央ちゃんと、ずっと四人の仲良しグループだったと思っていたのに、最近なにかちがう感じです。学校でクラスも違ってしまった三年生からは、まっすぐに、仲良し四人組というには、微妙な距離感と違和感が生まれている。自分だけが少し違う位置にいるように感じてしまうのです。とくに、大好きな愛空ちゃんとは、ふとしたやり取りから、最近打ち解けた気持ちになれないでいるようでかなしい・・・
今までの自分。今までの友達との距離。今までの場所・・・そのどれもが自分の成長していく心のサイズにあわなくなっているのかもしれないですね。だけど、大好きだったお気に入りの服を捨てられないみたいな感じで、窮屈を無視してでも着続けていたい気もちににているのかも。・・・でも、それじゃいけないのも、本当は知ってる。
大人の皆さんそんな、心の変化に自分が戸惑ったこと覚えてますか?それをちゃんと覚えていて、「成長するとか言うけど、それは、かんたんなことじゃないし、そのためには、なにかを変えて、ちょうせんしないとね。つらいこともあるだろうけど」って思える、千愛のお父さんみたいな大人は少ないのでは。
「自分を自由にしてあげなくてはいけない」って千愛ちゃんが気づいたことにわたしも心が凛とします。自分の自由を縛ってるのは、実は自分。あれこれ言い訳をしては変化を恐れる臆病な自分。これは自分の嫌いな自分です。自分の嫌いな、ちっちゃくて弱い自分です。この子を心から追い出すんじゃなくて、大丈夫、あなたもホントはこっちへ行きたいんでしょ?って少し強くなった千愛ちゃんが、「ちっちゃい千愛ちゃん」の手を引いて羽ばたこうとしています。「なりたいわたし」になろうとしています。・・・どうも、愛空ちゃんも同じようですね。すこしずつ。みんなそれぞれのペースで、ちょっとだけ切なくて、つらい成長のみちを歩き始めていいるみたいです。
自分の知らなかった自分の良さ。自分の知らなかった自分の弱さ。これに気づいてきことも確かな成長なんですね。自分は弱いだめだと思っていた千愛ちゃんも、他のみんなはとっくに知ってた自分の良さに気づきます。
千愛ちゃんのお父さんや、いじめの経験を隠さないお母さん。素敵だと思います。ありがとうございました。

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最近、「なりたい自分」について考えることがあり、タイトルと可愛らしい淡いタッチの絵に惹かれて読み始めました。
 このお話には、自分で自分のことを決められず、周りに合わせてしまう女の子が登場します。小学生の頃の私に似ているなと思いながら読み進めました。
 相手を傷つけたくない、嫌われたくないという気持ちから、自分の思いを伝えられない歯がゆさが描かれています。大人の視点から読むと、「子どもたちは、大人に対してこんなこと思っているのか!」と新鮮な気持ちになれます。
 最後には、「なりたいわたし」を想像し、変わろうとする女の子とその友達との関係性が変化していく描写に涙してしまいました。読み終わる頃には、あの女の子のように前向きに生きてみようかなと思わせてくれる本です。何度も読み返したくなります。

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れいぞうこのなつやすみ などの絵本を書いた方か、と思い出す。
子供が小さい頃図書館で見つけるといつも色々借りてきていた。
学童保育。自分も幼い頃通い、自分の子供たちも通ったことがある。
放課後の時間を過ごす場所。いわゆる、小一の壁。もっと小さい頃は、親が仕事に出ていたり等の理由で一緒に居られない場合は、保育園で一日中過ごせる。小学校に上がった途端に、さあどうしよう、となるあれだ。学童保育は、必ず行かなくてはならない、という場所ではない。成長と共に子供自身が自分の時間を過ごせるようになり、やりたいことが広がってくる。世界がだんだんと保育園で保護下にある、という小さな子供とは変わってくる。
親は親でめちゃくちゃ大変な時期だが、子供の世界でもこんなにいろんなことがある。
「なりたい自分」厳しい言葉だ。
子供たちは屈託なく夢を語る。こんなことがしたい!という。
しかしそうは行かない子供たちもたくさんいるはず。やりたいことって何?と問われてストレートに答えられない子も多いだろう。
「どんな自分でありたいか」という問いは、実は子供だけでなく大人にとっても大きな問いかけだ。
空気を読み、友達との関係を維持し、毎日をトラブルなく過ごすことって相当な高等技術だ。

自分も幼かった頃があるのだが、こんなに複雑な心の動きをしていたものだったけか、と問い直した。

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