ぼくたちはまだ出逢っていない

この作品は、現在アーカイブされています。

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。

出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。

1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのEメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2022/10/05 | 掲載終了日 2022/09/30

ぜひ次のハッシュタグを付けてSNS等へご投稿ください:#ぼくたちはまだ出逢っていない #NetGalleyJP


内容紹介

イギリス人の父親と日本人の母親を持つ中3の陸は、バスケ部の豪大から何かと絡まれ、暴力を受けている。

一方、母親の再婚を機に岡山から京都に引っ越してきた中2の美雨は、学校にも、家にも、居場所がなく、京都の町をさまよい歩いては時間をつぶす毎日。いつものようにさまよい歩いていたとき、ショーウインドウに飾られた器が月明かりに一瞬きらめくのを見た美雨は、その美しさに心奪われる。そのときの胸の高鳴りが、美雨を思わぬところに誘っていく……。

それぞれに自分のアイデンティティを探すなかで辿り着く、「漆」がつなぐ陸と美雨、ふたりの出逢い。

京都を舞台に、伝統工芸の「漆」「金継ぎ」を扱いながら、子どもたちを取り巻く社会問題をも描いた青春小説。

***************

【目次】

1.おれって、何者?
2.あたしって、自意識過剰?
3.「バス」
4.骨董屋
5.十円ハゲ
6.「月光」
7.蛇の木
8.大也
9.「バス」2
10.漆芸修復師
11.傷跡
12.ペイン、ペイン、ゴー アウェイ
13.傷だらけの木
14.出会い
15.なんか、おれ。負けてる気がする
16.マグカップ
17.勉強するのはなんのため?
18.合格祝い
19.いさかい
20.ありのまま
21.ホームパーティー
22.つなぐ
23.萌芽更新

イギリス人の父親と日本人の母親を持つ中3の陸は、バスケ部の豪大から何かと絡まれ、暴力を受けている。

一方、母親の再婚を機に岡山から京都に引っ越してきた中2の美雨は、学校にも、家にも、居場所がなく、京都の町をさまよい歩いては時間をつぶす毎日。いつものようにさまよい歩いていたとき、ショーウインドウに飾られた器が月明かりに一瞬きらめくのを見た美雨は、その美しさに心奪われる。そのときの胸の高鳴りが、美雨...


出版社からの備考・コメント

※ 校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますので、ご了承ください。

※ 校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますので、ご了承ください。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784591174999
本体価格 ¥1,400 (JPY)

閲覧オプション

NetGalley Shelf App (PDF)
ダウンロード (PDF)

NetGalley会員レビュー

陶磁器の傷あとを修復する金継ぎと、傷ついた人の心や、新たな人間関係の結び付きが重ね合わされていました。修復された傷の美しさに価値を見出だした日本人の感性を素晴らしいと思います。人は生きている限り何らかの傷を負うもの。だから、何かに苦しんでいる人が、この物語の登場人物のように自分で乗り越えたり、誰かに癒されたりしながら、自分の傷を、美しく誇れるものだと思ってくれたらいいなと思います。

このレビューは参考になりましたか?

表紙のイラストが素敵。バスの中から物憂げに遠くを見つめる少女、バスを待っているどこか切ない表情の金髪の少年、そしてバスの中で静かに本を読んでいる少年。バスという共通のキーワードを持つ三人が、金色の線で分けられている。タイトルと表紙を見て一体どんな物語なのだろうとワクワクさせられる。
美羽も陸も最初は息苦しそうで、小さな世界でもがいている二人をハラハラしながら見ていたが、二人が少しずつ色々な世界に気づきイキイキとしていく様子に嬉しくなる。
傷ついた人の心まで修復してしまう金継ぎ、その在り方がとても美しい。
美羽と陸、樹の物語が重なっていく様子はまるで「呼び継ぎ」のようで、金継ぎと登場人物たちが美しく共鳴している、そんな作品だった。
大好きな作品がまた増えてしまった。

このレビューは参考になりましたか?

いじめに悩むミックスルーツの陸、そんな陸の心の拠り所である樹、母の再婚によりできた新たな「家族」に居場所を見つけられない美雨。
それぞれがそれぞれの形の傷を持つ「ぼくたち」を繋ぐのは『金継ぎ』でした。

最近でこそ、オシャレでサステナブルな趣味としてスポットが当たることも増えてきましたが、やはりまだまだ渋いイメージのある「金継ぎ」。
そこに中学生を掛け合わせるという、なかなかに特殊な角度から切り込んだ作品でしたが、伝統工芸の奥深さに爽やかさと甘酸っぱさが薫る良作だと思います。振り返れば首を違えるほど思春期が遠のいた大人には、そこに一滴の寂寥感も加わってしまうほどに「可能性」というものの眩しさも感じました。

壊れたカケラを繋ぎ、修復した傷に美を見出す日本独自の精神を、人と人、自分自身に照らし合わせる構図も、児童書としてかなり効果的な表現で、子どもたちの胸に刺さりやすそう。
金継ぎというものの存在を理解して表紙を見ると、なるほどと思わせるデザインになっていて素敵です。

何年か前に国際平和デーの式典で、国連事務総長が日本の金継ぎを引き合いに出し、世界で起こる紛争による亀裂を埋めるためにその理念を用いようと言っていました。そんな風にも表現できる伝統技巧を日本人として誇る気持ちも育ってほしい。

ルビしっかりめで、ストーリーや文章は小学校高学年からイケるかなと感じますが、実物の金継ぎ作品を見たことのない子は想像だけでは実像に結びつきづらいかも。個人持ちのタブレットで調べさせてもおもしろそうです。

天平堂も衣川さんも実在のモデルがあるようで、漆のことや後継者問題と一緒に、中学生にはその辺まで興味を派生させてほしいと思います。

このレビューは参考になりましたか?

繋がりのなかったそれぞれ心に悩みを持つ3人の中学生が、漆、金継ぎを通して出会い、本当の自分を出せる間柄になっていくストーリー、良かったです。
漆の木のことや金継ぎの仕方、また京都の町並みなどにも興味は広がっていきます。実在の人物や場所に発想を得られているのを知り、余計興味深かったです。
「〜時が来たら出会うべき人に出会って、出会うべきものに出会う。それまではとにかく動きまわること。〜」という所が心に残り、それを心に留め、進んでいきたいと思いました。

このレビューは参考になりましたか?

中学2年生と3年生の主人公たちが、金継ぎと漆を通じて自分の抱えている悩みと向き合っていくお話。気持ちが丁寧に描かれていて共感できたし、主人公たちが成長していく前向きな展開で読後感が爽やかでした。金継ぎって、金色以外もあるんだ、とか新しく知ることがたくさんあり、読み終わったら実際に作品を見れるところを探してみよう、と金継ぎそのものにも興味が湧きました。勤務先の中学校に入れたいと思います。表紙も、生徒たちが好きそうな雰囲気です。

このレビューは参考になりましたか?

読み始めたらあっとゆうまに話に引き込まれ読み終えることが出来ました。

いじめ・SDGS・進路・仕事・家庭問題 いろいろな角度から読むことの出来るお話でした。
主人公達の同年代の生徒達も共感できる内容なので
ぜひ購入して読んでもらいたいと思います。
ありがとうございました。

このレビューは参考になりましたか?

何とも愛おしい物語と出会えました。
それぞれに悩みを抱える美雨と陸。出会う前の二人は、家族からの愛情を感じつつも、個々に抱えた悩みが解消される筈もなく、苦しい思いを秘めながら日常生活を送っていたが…。
金継ぎというテーマが、修復という伝統技術の魅力を伝えるだけでなく、どこかよそよそしかった再婚家庭の絆構築の象徴として使われているのも良かったです

このレビューは参考になりましたか?

さまざまな事情を抱えた中学生三人が、前を向くためのきらめきを見つける物語。とても読み応えがあって、京都に行きたくなりました。金継ぎの、傷を生かして生まれ直す技術にも憧れます。とてもおもしろい、味わい深い物語でした。出会えてよかった。ありがとうございます。

このレビューは参考になりましたか?

いじめ、友情、家族、傷と再生。さまざまなキーワードが物語を繋ぐ。それもまた「金継ぎ」を意味するようで興味深い。壊れたもの、傷ついたものが放つのは、決して喪失や消滅のイメージだけではない。連れ子同士の再婚で京都に引っ越した美雨の居場所のなさ。理不尽ないじめで消耗する陸。陸が頼る樹にもまた悩みはある。こなれた京都弁が小気味良く響き、中2、中3という多感な時代を、迷いながら歩く彼らの真面目さが愛おしい。漆の特性と金継ぎの伝統技術のみごとさに魅せられていく美雨に感化され、陸も漆に嵌っていく。ばらばらだったものが繋がっていく不思議に可能性や夢を託すこと。未来は待っている。爽やかな青春物語でした。

このレビューは参考になりましたか?

縄文の昔からあり、国宝の仏閣神社などでも修復に使われていりという日本の金継ぎ。それに出会った中学生の美雨と陸。それぞれが色んな家族の形だったり、学校で「自分は何をしたいのか」「自分って一体…」、ヒラエルキーの中で悩んでいた。平安堂で出会う人々から「出会うべき人や物に出会える」事を教えてもらい、飾らずともありのままの自分でいい事に気づく。そのためにやるべきことは!I‘ll always be there for you(いつだって、おれはそばにいる)。10代に自信や勇気をくれる1冊✨すごーく良かった。あとがきより、「平安堂」は京都にあるそうです。

このレビューは参考になりましたか?