木挽町のあだ討ち

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刊行日 2023/01/18 | 掲載終了日 2023/06/19

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内容紹介

「ああ…あの仇討ちを見たかって。ええ、見ましたよ。」

ある雪の降る夜、芝居小屋のそばで美しい若衆によるみごとな仇討ちが成し遂げられた。

父の仇を討ち取り、首を高くかかげる勇姿は、多くの人に目撃され木挽町の語り草となる。

二年後。芝居小屋には仇討ちの詳細を訊ねて回る、一人の侍の姿が。

殺陣師、衣装係、小道具職人、筋書、木戸芸者――。

仇討ちを目撃した人々が語る「木挽町のあだ討ち」の顛末、そして真相とは……。

『女人入眼』が話題になった永井紗耶子さんがおくる新しい時代小説!

「時代小説、なかなか読まない…」という方も間違いなく楽しめます。ぜひご一読ください!

「ああ…あの仇討ちを見たかって。ええ、見ましたよ。」

ある雪の降る夜、芝居小屋のそばで美しい若衆によるみごとな仇討ちが成し遂げられた。

父の仇を討ち取り、首を高くかかげる勇姿は、多くの人に目撃され木挽町の語り草となる。

二年後。芝居小屋には仇討ちの詳細を訊ねて回る、一人の侍の姿が。

殺陣師、衣装係、小道具職人、筋書、木戸芸者――。

仇討ちを目撃した人々が語る「木挽町のあだ討ち」の顛末、...


おすすめコメント

社内・社外問わず「面白い」との声が続々届いています!

ミステリ仕立ての趣向に芝居町の矜持が浮び上がる。 読後、背筋がのびる気分になった。 なんとも気持ちのいい小説だ。

――劇団☆新感線 座付作家・脚本家 中島かずきさん


ラストに訪れる感情は読み始める前に1ミリも想像もしていなかった驚きと感動でした!読む前の私のように「時代小説はニガテ」と思い込みで手を伸ばさ ないのはもったいない!新潮社の次の勝負作は迷うことなくこの一冊です!

―――プロモーション部 秋山優

あの夜にいったい何があったのか…。「あの日の仇討ちをこの目で見た」という登場人物たちの語りは小気味よく、 思わずページをめくる手が止まりませんでした。人情に寄り添いながら お上の欺瞞に深く切り込む本書は、今を生きる人にこそ忘れて欲しくない「想い」 が詰まっています!  

 ――プロモーション部・郡司裕子


様々な境遇の、1日をなんとか生きている人たちが登場します。読み終えたとき、私はレディー・ガガの”Born This Way”の歌詞を思い出しました。厳しくてあたたかくて、おもしろい。こんな形で人間賛歌を描ける永井さんに尊敬の念を 覚えます。時代小説のBorn This Way、ぜひ読んでみてください。

――出版部 川上祥子


社内・社外問わず「面白い」との声が続々届いています!

ミステリ仕立ての趣向に芝居町の矜持が浮び上がる。読後、背筋がのびる気分になった。なんとも気持ちのいい小説だ。

――劇団☆新感線 座付作家・脚本家 中島かずきさん


ラストに訪れる感情は読み始める前に1ミリも想像もしていなかった驚きと感動でした!読む前の私のように「時代小説はニガテ」と思い込みで手を伸ばさないのはもったいない!新潮社の次の勝負作は迷う...


販促プラン

11月中に読んで販促素材にアップロードされている注文書をFAXでくださった書店さんには初回希望を承ります。

また、応援していただける書店様には特別拡材も用意中!
パブリシティなども頑張って仕込んでいます。

ぜひともご一読ください。どうぞ宜しくお願い致します!

11月中に読んで販促素材にアップロードされている注文書をFAXでくださった書店さんには初回希望を承ります。

また、応援していただける書店様には特別拡材も用意中!
パブリシティなども頑張って仕込んでいます。

ぜひともご一読ください。どうぞ宜しくお願い致します!


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784103520238
本体価格 ¥1,800 (JPY)
ページ数 272

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

123頁の
「型で覚える芝居は性に合ってたんだみたいだ」
という文末表現が少し気になりました。

『女人入眼』で初めて知った永井紗耶子先生の新作とのことで、リクエストさせていただきましたが、さっそく承認いただきありがとうございました。

巷で評判の仇討ちの顛末が、6人の人物の口から角度を変えて語られるというお話で、読むほどに仇討ちそのものの経緯や背景が徐々に明らかになるのが面白いうえ、語り手6人の来し方、生き様もそれぞれにとてもドラマチックで胸に沁みました。

章(段)ごとに区切りが付くので、隙間時間に一章ずつ楽しんでいましたが、読み進むにつれてどんどん前の章との繋がりが効いて面白くなるので、途中でやめられなくなり、時間を作って一気読みすればよかったと思いました。

語り聞かせということで、ほぼ口語で書かれているので、普段時代小説を読まないという人でも語り部や読み聞かせのように楽しめると思います。

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これは時代小説という先入観を持たずに、ぜひ読んでみてと言いたいです。

ワケありな面々の人情に支えられて成し遂げた!?仇打ち。
それは凄惨ですが、まるで芝居の一場面のような完璧な仇打ち。

登場人物ひとりひとりの境遇を知ると、もし自分が仇打ちをした人物なら
仇打ち後も国へ帰らずに芝居小屋の人びとと一緒に
生きてゆきたいと思ってしまうほど、それぞれが愛おしくなりました。

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『女人入眼』の母娘の姿が心に残り、新作を読んでみたくてリクエストした。

木挽町の仇討ちの詳細を聞いて回る一人の男。
一幕ごとに鮮明になっていく仇討ちの顛末。少しずつ明かされていく様子がミステリー要素もあり読んでいてとても楽しい。
雪の降る夜の仇討ちの顛末をぜひ歴史小説を読みなれていない人にもおすすめしたい。
軽妙な語り口でとても読みやすく面白かったです。

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なるほどねぇ、みんなのおかげで住むところも、仕事も世話してもらって、剣の修行もしていたんだねぇ。みんなの愛があったから、あだ討ちができたんだねぇ。みんなつらい過去があったからこそ、若者を親身になって助けてくれたんだね。

 という話だと思っていたら、それだけじゃなかったんだねぇ。最後に明かされた秘密には泣かされちゃいましたよ。ありがとう、木挽町のみなさん。

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「木挽町の仇討」を目撃した人の話を元に仇討の真相に迫る時代小説。

読み進めるうちに、菊之助の人柄や苦悩が浮かんできて辛くなりましたが、
最終章で仇討の真相が明かされ、菊之助の本当の仇討を成し遂げることが
出来て安堵しました。

それぞれの章で語り手の来し方も丁寧に描かれており、文章も語り口調
なので、まるでお芝居を観ているような感覚で楽しめました。

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時代小説をふだんあまり読まない私ですが、するすると最後まで一気読みでした。〈木挽町の仇討ち〉の真相は?というミステリ的要素の物語の軸に、各章の人物の人情モノが重なって物語が厚くなる、なる!本当に面白い時代小説をありがとうございました。私のようにふだんミステリ小説が多い読者にもおすすめです!

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リズム感のある語りが読みやすかったです。仇討ちを目撃した人たちが話すのは、詳細な現場と彼らの過去。仇討ちとそれらはなにか関係があるのか?つい『藪の中』のようなことになるのかと穿った見方で読み進めて、あのラスト。面白い。

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観衆の中、雪夜に舞う麗しの若衆が遂げた仇討ち。物々しいタイトルに反して幻想的な情景から始まったかと思うと、ひょうきんな木戸芸者のプロ語りはさすがに口が巧く、一章から読む手が止まらない。仇討ちの目撃者に訊いて回る人物の目的も、事の顛末もなかなかに見えてこない中でも、壮絶な人生をお芝居の様に魅せる目撃者達の語り口が、時代小説の堅苦しいイメージを打破した新感覚の時代ミステリー。
衝撃のラストは言うまでもなく、全ての章にドラマが詰め込まれていて、感情が忙しくなること間違いなし!
最高でした!!

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『「お三津が言うほど、御侍様の世は一筋縄では行きますまい。しかし、まずは御身を大切に。腹を満たして笑うこと。それでも割り切れぬ恨みつらみもありましょうが、そいつは仏にお任せするのも、手前どもの処世術というもので」(p76)』どこかで読んだような馴染みのあるような、いや、えらく斬新なような、浪花節に弱い爺さまが好みの人情噺の数々、連作短編に永井沙耶子さんの掌の上を筋斗雲で飛び回った、いや、転げ回された気分になる #Netgalley 読書、感涙ものでした。

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森田座の皆さんの腹芸達者なこと!そして皆さん、なんて温かい人たちなんだろう。菊之助の人となりも周囲の人間に好かれ、可愛がらずにはいられない健気さも、作兵衛の誠実さも、一大事に音信不通の金治を頼るお妙の心意気も、みな清々しい。途中までは色んな出自のワケアリなバックボーンを垣間見せるのかなと思ったけど、最終章で気持ち良く裏切られた。

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ある仇討ちから物語は始まり、仇討ちを見た人々の証言を集めて物語は進んでいきます。

仇討ちを証言した人達は『人情』と『割り切れない事も受け止めて生きている強さ』を併せ持ち、その強さを持つ人々だからこその結末なのかなと感じました。

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泰平の江戸。仇討の場合は予め届出、成し遂げた後も報告する。成し遂げられない場合は国元にも帰る事は出来ない。そんな縛りの中での『木挽町のあだ討ち』。5人の証人と仇討を成した本人の一人称で語られる真相とそれぞれの過去や思い。最後にどのように絡んでくるのかと楽しみながら読んだ。どんな立場の人にも辛い過去や悲しい別れがあり、武士でなくとも一生懸命に生きている。『忠義』は武士だけのものでは無い。そんな人達の『情』に『粋』を感じる。とっても読みやすく、時代小説はあまり…という人にもお勧め出来る作品。

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仇討ちを目撃した芝居小屋の殺陣師、衣装係、小道具職人、
筋書、木戸芸者たちが語る顛末が語り口調で描かれていて、調子がよくて読みやすい。
第六幕で明かされる真相には驚いたが、心地よい終わり方だった。
歌舞伎の演目も多数取り上げられていて、
歌舞伎、文楽人形浄瑠璃好きには堪らない一冊でした。

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軽快な文章に引き込まれ一気に読んだ。途中で自分の中にある仮説が生まれたが、物語のクライマックスはそれ以上に感動するものだった。人間最後は同じく骨になるだけ。それなら、自分らしくまっすぐに生きよう。そして出会った人たちを大切にしよう。そう思わせてくれた一冊だった。

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ある若衆が成し遂げた仇討ちと目撃した芝居小屋で働く人たちの人生。

芝居小屋で働く人それぞれに生きてきた軌跡があり、その人を形作り、それぞれの立場で仇討ちに関わってくる。ページが進むにつれ、謎が少しずつ解き明かされ臨場感が増していき、さらに仇討ちだけではなく彼らの人生そのものも身近に感じられました。

各章が「~の段」とされていて、語りが始まると同時に幕が上がり、語りが終わると幕が下りる、そんな読み心地で舞台のように楽しめました。

私自身、時代小説や歴史小説に触れる機会は少ないのですが本作品はとても読みやすかったので、普段は現代小説をメインに読むような方にもお勧めです。

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時代劇×ミステリー×人情劇。
ぐいぐい引き込まれるとはこのこと。面白かった!
まるで歌舞伎の舞台のような艶やかな仇討ち。物語はここから二年後、この仇討ちの詳細を聞いて回る侍に目撃者の6人が語るかたちですすんでいきます。語り口はまるで講釈師のよう。
 悪所と呼ばれる芝居町に住む人々が背負ってきた人生が何とも‥時代と運命に翻弄されてたどり着いた芝居小屋には身分も関係なく、血の通った人たちがいました。是非とも舞台仕立ての映像で観たいものです。

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芝居小屋の仇討ちが成し遂げられた。二年後、一人の侍が芝居小屋に仇討ちの詳細を訊ねてくる。芝居に携わる人々によりわらしべ長者のように順繰りに目撃証言がなされる。なぜ事件が起こったのか、その真相が徐々にわかってっくる。殺陣師、衣装係、小道具職人、筋書、木戸芸者など彼らのドラマも語られ、連作短編のような趣もある。ドラマにもできそう。

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雪舞う夜に成し遂げられたある仇討ち。齢僅か十五の菊之助が父の仇を討ち取った。のちに木挽町の仇討ちとして語り草になるその真相を2年も経ってから探るものが現れた。森田座の面々の語りの流るるが如くの口上にぐいと掴まれる。六幕の芝居仕立てで、6人が事の顛末を具に語るうちに、相通じる思いが浮き彫りにされる。皆脛に傷持つ身であるからこそ、菊之助の本心を掬い取り、いちばん生きやすいようにと慮ってくれるのだ。
よく練られた話で、芝居小屋の各人の仕事を実に濃やかに描きつつ、人生の機微を匂わせる。
真相は思いもよらぬ形で現出する。ああそうだったのかと膝を打ちたくなる出来で、皆が演じきった芝居に胸を衝かれた。

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真の仇は誰なのか。
父上を殺した仇を追って芝居小屋に来た菊之助。仇を見つけて仇討ちを成って国元に帰った。
ところで、何年が経って誰かが芝居小屋に来て‘木挽町の仇討ち’について聞き回る。その人は誰で、何の為にその事を聞くのか。

誰かを探すためにあの人が暮らした場所に来て周りの人たちにあれこれ訪ねることは他の作品にもよく見られる。話手の性格、職業によって雰囲気が違うのは当たり前だが、それがこの物語をもっと情を感じさせてくれると思う。そして話し手の過去の話も聞かせてくれるが、それがまた面白い。作品の中で吸い込まれて思わず涙が流れた事もあった。

久しぶりに本を読みながら胸が暖かくなった。

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繰り返し語られる見事な仇討ち。何度も語られるにも関わらず、飽きることなくなにゆえなにゆえとページをめくった。一幕ごとに語り手が変わり、それぞれの視点から仇討ちの様子に加えて身の上話をつむぎ出す。市井の人々の生きざまがこれまた面白い。
一人一人の生きざまが導く結末に驚き胸が熱くなった。

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芝居小屋のそばで仇討ちが成し遂げられた。雪降る中、父の仇をとったのは美しい若衆。その仇討ちを見守っていた人々へ詳細をたずねまわる謎の武士。執拗に二年前の仇討ちの件を、目撃者たちの来し方を語らせる真の目的とはなんなのか。
詳しい背景が徐々に明かされていく様はミステリーを読んでいるかのようで、運命に翻弄され押し潰されそうなのに懸命に悩み続ける菊之助の愚直な姿があまりにも魅力的で、読んでいるこちら側も木挽町の人々と同じような心持ちになってました。
普段は時代小説は読まないんだよね…、という人にほど読んでほしいし、ラストで『あだ』の字が平仮名で表記されている意味を知った時の、あの爽快感を是非とも味わってほしい!

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清新な若侍が博徒となったかっての使用人を切った仇討ち事件。 単なる仇討ちかと思われたが、そこには思いがけない真実が隠されていた。
真の仇の仇を取るための苦悩と、芝居小屋の住人達の人情溢れるカラクリがあった。 惹き込まれて一気読み。

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ある仇討ち事件が芝居小屋の近くで発生した。二年後。芝居小屋には仇討ちの詳細を訊ねて回る、一人の侍の姿が。殺陣師、衣装係、小道具職人、筋書、木戸芸者――。仇討ちを目撃した人々が語る「木挽町のあだ討ち」の顛末、そして真相とは……というミステリーなのですが、それよりもこの探偵ならぬ話しを聞きに来た侍が目撃者たちの過去を聞く、その生々しい生きざまにこそ、この物語の魅力が凝縮されていると思う。文章のテンポも良く魅力的。とにかく面白かった。その一言に尽きる。久しぶりに時代小説をむさぶるように読みふけりました。

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文化12年睦月、雪の舞う木挽町森田座で6尺ほどもある大男でかつての下男を父の仇として討ち取ったのはまだ前髪の16の青年。
「殺したくて殺すのではない。武士としての義のためなのです」

武士であることの義とは。
あだ討ちの意味とは。

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次々と語られていくかの者の姿、読めば読むほど驚きが生まれてくる
歴史小説?その枠にはまりきらない物語
読んでみて初めて分かるこの面白さに、これからどんどん広まり、きっとまた一人と囚われてしまうだろう

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木挽町、現在の歌舞伎座周辺。文化12年。五つ戌の刻。
白い雪に散る鮮血。白装束の上に羽織った赤い打掛。手に討ち取った首を手にして去る後ろ姿。白と赤で成る場面が鮮烈に目の裏に残り続ける。
仇討をその場で見た者らをたずねあるき、そのたびに飽くることなく幾度も繰り返される仇討の場面。そのたびに仇討は違う方向から光をあてられ、鮮やかに色をおびてゆく。同時に、そこにいた語り手そのもの、木挽町にいきる者の姿を映し出す。舞台は芝居小屋。
次は誰が語り継ぐのだろう、と場面が変わるのが楽しみになる。その趣向にはすぐにきづくのだが、全体の構成にはとても驚かされた。終わりに近づくまで想像の外だった。

宣伝文どおり、時代物を読み慣れていなくてもしずかに豊かに、謎もはらんで、心地よくよめる。お見事でした。
読ませていただき、ありがとうございました。

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いいねえ、この本。筋書きもさりながら語り口調がとてもいい。芝居のような気持ちいいリズムに引き込まれそのまま最後まで夢中になって読んでしまった。遊郭と芝居町。ここでは侍も町人も区別なく、日常の倫理やしきたりから解放される。この悪所だからこそ果たせたあだ討ちである。

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芝居小屋が立つ木挽町である雪の夜、父を殺めた下男の首を掲げ仇討ちを決めた若武士がいた。2年後、一人の武士がその仇討ちを目撃した者達を訪れ話を聞く。仇討ちにはルールがある。役所に届け、遂行されるまで郷里には戻れず、衆目の前で行われるべし。その縛りに苦悩する若武士を芝居者達が一計を講じ救わんとする。時代小説でありながら練られたミステリで徐々に明らかになる仇討ちの真相に引き込まれる。人は狭い世界で生き、多くの人と触れ合うことで新たな気づきを得る。心を通わせるのに身分は関係ない。ラストは気持ちよい着地。

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これはいい!
父親の仇を討つ若衆と悪所と呼ばれる芝居小屋の面々。出自も年齢も生き方も色々だけど、人情がサイコーに熱い。歌舞伎の世界も垣間見れた上、ストーリー自体も芝居仕立てで、ミステリー要素もあった驚愕の真相は...?
「よっ、木挽町!」
お見事でした。

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時代小説や歴史小説は大好きですが、永井紗耶子さんの本は初めて読みました。
本当に読んでよかった!

武士として生きるしかなかった菊之助
立派に仇討ちを成し遂げた、その裏に隠された人間模様が見事に描かれていて
本をめくる毎に読むスピードが加速しました。
最後は思ってもみなかった展開・・・
どっぷりとその世界に浸かっていたので、現実世界に戻るのに時間を要しました。
所属校でも是非おすすめしたいです。

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ある雪の夜、芝居小屋のすぐそばで、若衆・菊之助による仇討ちが果たされる。白装束を真っ赤な血しぶきに染め、血まみれの首を掲げ…。話は二年後に菊之助の縁者が事の仔細を知りたいと当時菊之助に関わった人たちを訪ね、彼らから話を聞く、という形で進む。芝居小屋に関係する人々、ひとりひとりが大きなものを背負ってそこにいた。そして少しずつ明らかになる菊之助自身…ふっと気づいたのは物語も半分過ぎたころ。ああ!そうか!なんて見事な!あれもこれもが繋がって、彼らの思いを受け止めた時は涙が出そうだった。思いを表現する言葉が見つからないほど、いい本に出会えた。読めてよかった。

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場面の切り替え方が秀逸で物語に入り込みながら読了しました。
1章毎のストーリーだけでも十分楽しめる内容なのに、繋がりが見えてきたらどんどん物語の壮大さに気付かされて一つの舞台を見終わったかのような感覚に包まれました。
時代小説に苦手意識がある方も読める内容ですし、ミステリ作品の要素も感じられ幅広い層に支持される作品だと思います。
永井さんは前回直木賞候補になった時から注目している作家さんなので、今後書かれるものもとても楽しみです。

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時代小説はちょっと…なんて言わないで
読まないなんてもったいない。
気持ちがカラッと良い気分になりますよ。

江戸の時代、悪所といわれた芝居小屋界隈。
父親の仇討ちを成す為に元服もまだの少年が芝居小屋へと現れる。
しかしこの少年、仇討ちへの気持ちが揺れて悩みに悩んでる。
そんな少年を芝居小屋の者達が世話を焼き、見事仇討ち成功とあいなる。

本筋は2年後になり、少年の世話をやいていた芝居小屋の者達へ当日の仇討ちと、それぞれの生い立ち来し方の話しを聞く。
なぜに悪所と呼ばれる所に行きついたのか…

江戸の時代は直ぐ隣には死があり、また人情もある。
辛い過去も乗り越えるタフさは周りの人から教え、支えてもらっているからだ。
さぁ最後の最後、それは良かったと手をたたく。
とても気持ちの良いお話でした。

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永井紗耶子さんは「女人入眼」以来2冊目。

木挽町で起こったあだ討ちを目撃者の証言から真相に迫る物語。

時代小説でよくある設定だなと思って読み進めていたら、、、最終章で明らかになる予想外の真相にお見事!となります。
最近読んだ時代小説ではNo.1の面白さでした。

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あだ討ちが終わった後から始まるあだ討ち話というのはいったいどのようなものになるのか?構成の妙がひかる作品だ。芝居小屋で働く5人の視点で語られるあだ討ちの模様と、彼らのそれまでの来し方を語ることで、物語に複層的な厚みを持たせていく手法なのだと思って読んでいた。なので、一章一章それぞれの生きざまが江戸時代のヒエラルキーや制度というものから逸脱することで、諸々のくびきから解き放たれ、自分の居場所を見つけ出していく芝居小屋の面々を描くことがメインで、あだ討ちはそのためのきっかけでしかないのだろうと思っていた。最終章を読んで芝居小屋の面々の生きざまのその先があったことに驚くとともに、なんとも気持ちの良い読後感に見舞われた。細部に至るまで計算しつくされた構成と伏線に酔いしれ、再度読み返してみた。時代小説であることすらも必要な要素であったのかと思い至り構成力の高さに驚愕した。新潮社の勝負作ということに素直に首肯できる傑作である。

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木挽町で行われた仇討ち。その仇討ちを目撃した人達からの証言によって、真相が次第に明らかになっていく。各章でそれぞれの目撃者の話がインタビューのような形で展開されていくのだが、ミステリーと人情噺が融合したような話がテンポよく進み、最後まで目が離せず心をわしづかみにされた。時代小説が苦手な方でも楽しめること間違いなし!!目撃者達の人生も併せて語られるので、それぞれがどんな思いで仇討ちを目の当たりにしたのかも理解できて、最後には涙が止まらなかった。最近面白いと思った時代小説を聞かれたら、迷わずこの作品を推します!!

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関係者6人の証言からなるあだ討ちの真相。5人目の段になると、違和感に気づかされ最後の6人目で明らかになる。
とはいえ、5人目の時点であらかた予想がついてしまうため、終章での驚きはない。森田座の面々と仇敵作兵衛、菊之助ら一世一代の大芝居は如何にして成ったのか?後味はスッキリしているが、各段の語り手に自身の背景を語らせた意図は何かが後日談からもつかみかねた。

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一本筋の通った青年があだ討ちをしたという事実。
章を読み進めるごとに筋なんて通っていない、青年が迷い、苦しんでいたことが浮き彫りになっていく。
それを見守り助ける人々の苦労が青年を救い導いていたなんて粋だなぁ。
ふだんあまり時代小説は読まないのですがとても読みやすくて清々しく読後感も良かったです。

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発売からしばらくたって、売れ行きもいいしネットでタイトルを見かけることが多いので気になってリクエストしました。許可をいただきありがとうございました。そして、すごく面白かったです!こんなにいい気持ちになる小説は本当に久しぶりに読みました、もっと売れて欲しい。それに一人一人の語り口に個性が出ていて、知らない人の声を聞いているような気持ちで読んでいました。登場人物全員の人生が過酷だったからこそ、一人の純粋な青年を助けてあげたくなる、その気持ちが痛いほど伝わりました。

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