天、共に在り

アフガニスタン三十年の闘い

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刊行日 2013/10/26 | 掲載終了日 2022/12/15

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内容紹介

困っている人がいたら手を差し伸べる ――それは普通のことです。

1984年よりパキスタン、アフガニスタンで支援活動を続ける医師・中村哲。治療のために現地へ赴いた日本人の医者が、なぜ1600本もの井戸を掘り、25.5キロにもおよぶ用水路を拓くに至ったのか?「天」(自然)と「縁」(人間)をキーワードに、その数奇な半生をつづった著者初の自伝。

困っている人がいたら手を差し伸べる ――それは普通のことです。

1984年よりパキスタン、アフガニスタンで支援活動を続ける医師・中村哲。治療のために現地へ赴いた日本人の医者が、なぜ1600本もの井戸を掘り、25.5キロにもおよぶ用水路を拓くに至ったのか?「天」(自然)と「縁」(人間)をキーワードに、その数奇な半生をつづった著者初の自伝。


おすすめコメント

第1回 城山三郎賞受賞

第4回 梅棹忠夫 山と探検文学賞受賞

アフガニスタンでの30年にわたる活動の評価により

第61回 菊池寛賞受賞

第24回 福岡アジア文化賞大賞受賞

第1回 城山三郎賞受賞

第4回 梅棹忠夫 山と探検文学賞受賞

アフガニスタンでの30年にわたる活動の評価により

第61回 菊池寛賞受賞

第24回 福岡アジア文化賞大賞受賞


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784140816158
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 260

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NetGalley会員レビュー

人はここまで優しくなれるだろうか。自分のこととして取り組めるだろうか。
中村医師のアフガニスタンやパキスタンでの活動や、それに対する思いを知り自問している。
中村哲医師やペシャワール会の存在は知っていたが、どのような活動をしてきたのか詳しく知らなかったので手に取った。
ロシアのウクライナ侵攻で世界情勢に関心が高まっている。
それはとても大切なことだが、一方が振りかざす正義に目が眩んでいないだろうか。
911当時のことを思い返し、そのような思いになっている。
中国や台湾、北朝鮮との関わり。
日本の周辺もざわついているが、一方の正義を振りかざす状態になっていないだろうか。
誰もが望んでいる安らかな生活を実現するために本当に必要なものは何かを中村医師が教えてくれた。
今、日本人が読むべき一冊だと思う。

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以前から読みたいと思っていた本でした。

今までにもTV番組や新聞記事などで中村医師の活動は知っていましたが、幼少期の家庭や育った環境などのエピソードが後々の中村医師の人生に影響している点なども興味深かったです。
パキスタンやアフガニスタンの事業に関しては、海外での辛苦もあったはずなのに誇張などなく淡々と事実を書いていく。その文章に、まさに中村医師のまっすぐな姿勢を見た思いがしました。医師ご自身がキリスト教徒であり、本著の中にもキリスト教義を感じさせる文章があります。一般にはキリスト教とイスラム教はギクシャクとした複雑な関係です。しかし、本当に教義を理解し体現しているからこそ、イスラム圏であるアフダニスタンにおいて宗教という括りを取り払った人間同士の信頼関係を構築されたのだと感じました。
アフダニスタンを含めた外国も日本も不確かで先の見通しが立たないような昨今の政治情勢に不安を覚えますが、中村医師のような方がいると性善説を信じても良いのだという希望が持てます。

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本書は、中村哲と NPO ペシャワール会がアフガニスタンで行った国際貢献の歴史を、中村哲本人が語ったものです。

「外交の安倍」などと自認し、ネトウヨから祭り上げられていた安倍前首相を始めとし、過去50年以上の自民党政権 (自公連立政権) が行った国際貢献は、現地の人たちのためには全くならないばかりか、アメリカに隷従するだけで、国民の反対を押し切って自衛隊を海外派遣するなど、日本国憲法の前文に書かれた国際協調、国際貢献とは程遠い外交政策を行ってきました。
日本の過去の ODA に関しても、いわゆる「ひも付き」であり、日本企業に税金を還流させるための政策と批判され、中国の「一帯一路」政策と同じものと言えますが、2022年に入り、ますます「日本の国益を優先させる」方針が発表されました。

このような貢献は、現地の人々が求めているものとは異なり、現地の人々の支援とはなりえません。

もし、日本で真に国際貢献した人物を挙げるとすれば、紛争状態にあるアフガニスタンで砂漠を緑化することにより多くの農民が難民になることを防いだ本書の中村哲と、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で難民支援・復興支援に貢献した緒方貞子の2人を挙げることができるでしょう。

「テロとの戦い」という正義を主張し、アフガニスタンに10年以上駐留した米軍は、民間人に被害を与えるだけで、地元民からは嫌われている存在であり、アフガニスタンの平和にはまったく貢献できずに、撤退することになりました。
また、欧米の NPO は、アフガニスタンの国内情勢が悪化すれば、すぐに撤退し、良くなれば、都市部に集中的に押しかけて現地の物価を高騰させ、現地の人からは単なる「金づる」としか考えられていません。

これらの偽善性に比べ、状況が悪化しても、できる限り現地での貢献を継続し、現地の人たちのことを最優先に支援活動を行った中村哲と、それを年間3億円の寄付で支えたペシャワール会と日本人支援者、そして、現地で率先して灌漑施設の工事に協力した農民たち。
これらの人々の尽力なしでは、「砂漠の緑化」という偉業を達成することは不可能だったと思います。

農業国であったアフガニスタンに干ばつが遅い、農業ができなくなった原因は「地球温暖化」であると言われています。この本は、SDGs には分類されていませんが、地球温暖化、持続可能社会を考える上でも参考になる本だと思います。

最後に追記しておかなければならないことがあります。
アフガンの民間人に被害を与えていた米軍将校の中にも中村哲らの活動に親近感を持つ者がいたこと。
「米軍=敵」と単純に考えるのではなく、米軍の中にも心ある人間はいるのです。
そして、アフガンの農民のことを第一に考えていたからこそ、米軍が爆撃対象としていたにもかかわらず、住民の希望に応じて、イスラム教の礼拝堂である大モスクと教育施設であるマサドラの建設に協力したことです。
イスラム教はテロと結びつけて考えがちで、日本でも警察が監視対象にしたり、SNS で人種差別を受けたりしますが、アフガンの農民にとっては住民同士を結びつける心の拠り所であり、イスラム社会になくてはならない伝統文化でもあります。このことを理解し、建設に協力した支援こそ、真の国際支援と言えるのではないでしょうか。

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2006年6〜7月に放送された「アフガニスタン・命の水を求めて」(NHK)の番組テキストを加筆再編集。本書を貫く文章の格調の高さ。説得力、行動力、信念、静かに燃える心に圧倒される。アフガニスタンのにおける環境問題の重要性、今声高に主張されていることだ。警鐘はずっと前から鳴らされていたのだ。
2019年12月4日2019年12月4日、アフガニスタンの東部ナンガルハル州の州都ジャラーラーバードにおいて移動中に銃撃され死去。功績や現地の人にいかに愛され惜しまれたか、その理由は読めばすぐにわかる。この人は医師としてアフガニスタン入りしたのだよね?ということを読みながら問い直し、驚愕する。現地入りして主としてハンセン病患者の治療や環境整備に尽力。本書の大部分は治水工事という大事業の苦難の道のりだ。旱魃を克服しない限り未来はないとみてとるや、実行に移す。ふるさと福岡の山田堰からヒントを得たこと。
その地に立ち、見て、感じて、そして考える。彼が愛されたのは、人の中にまじり、人と共に生きたからだ。試行錯誤しながら前に進む。彼の言葉はあまりにも深く示唆に富む。凶弾にたおれた後に功績が世に知れ渡ったが、危険な地にいること、襲撃で仲間を失った経験についても描かれていて複雑な思いと共に哀悼を捧げる。たくさんの写真や、同じ場所を何年か後に撮影して成果がはっきりと見える。
そして今報道で伝えられている当地の現状。中村哲さんは天で何を思うだろう。。。

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