不思議カフェ NEKOMIMI

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刊行日 2023/01/25 | 掲載終了日 2023/01/25

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内容紹介

あなたの、ささやかな生には意味がある。

毎日こつこつと働き、余暇には本を読み、紅茶を淹れて音楽を聴く。つつましく生きてきた律子に人生の終盤、ある奇跡が訪れる。

<彼女は善い魔法使いとなり、出会ったひとびとを救い、幸福にするための力を手に入れるのですが、それは世界の片隅で起きるひそかな物語、ほんとうに小さな魔法です。地球を救ったり、闇の力と戦ったり、そういう壮大な物語ではありません。時の狭間の中で忘れられてゆくような、忘れられてきたような、小さな祈りや命をひとつひとつ大切にすくい上げてゆく、そんな物語です>──著者あとがきより

人ならぬ身となり、黒猫メロディとともに空飛ぶ車に乗った律子は、旅先でいろんなひとや妖怪と出会ったり、時にはカフェを開いてお客様に料理やお茶をふるまったり……。2017年本屋大賞ノミネート作品『桜風堂ものがたり』や2018年同賞ノミネート作品『百貨の魔法』、そして「コンビニたそがれ堂」シリーズなど、ファンタジー小説の名手が贈る、ささやかな、小さな魔法の物語。

あなたの、ささやかな生には意味がある。

毎日こつこつと働き、余暇には本を読み、紅茶を淹れて音楽を聴く。つつましく生きてきた律子に人生の終盤、ある奇跡が訪れる。

<彼女は善い魔法使いとなり、出会ったひとびとを救い、幸福にするための力を手に入れるのですが、それは世界の片隅で起きるひそかな物語、ほんとうに小さな魔法です。地球を救ったり、闇の力と戦ったり、そういう壮大な物語ではありません。時の狭間の中で忘れら...


おすすめコメント

『レミーさんのひきだし』『王さまのお菓子』の人気イラストレーター・くらはしれいさんによる装画・挿絵も10点超掲載されています。作家×イラストレーターの豪華コラボを、どうぞお楽しみください。

『レミーさんのひきだし』『王さまのお菓子』の人気イラストレーター・くらはしれいさんによる装画・挿絵も10点超掲載されています。作家×イラストレーターの豪華コラボを、どうぞお楽しみください。


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784093866682
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 296

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NetGalley会員レビュー

50代の律子の年齢に近く、読書が好きで、ほっとしたいときにはミルクティを入れ、頭痛に悩まされる日々を送り、激しい頭痛と吐き気があるときは倒れた母を思い出し...
序章の律子の人生が語られるとき私自身と重なるところが多すぎて、これは私の物語だと思いながら読んでいました。
律子は人生においてなにか大きな出来事を成し遂げたわけでもない、ただこつこつ働いて、猫が大好きで緑を大切にし日々を丁寧に暮らしていた。
律子が人生の終盤にランプの魔神によって魔法使いとなる。
そこからとても優しい物語が始まりました。

律子が訪れる場所では忙しい時間の流れから解き放たれ、優しい日差しが射し込み、一章ごとにのんびりとした優しい時間が流れていました。そして村山先生の作品根底にいつも流れる平和への願いも描かれています。

懐かしい音楽を口ずさみながら、私のところにもあのカフェは訪れてくれるのではないだろうか。そのときはどんな食事をリクエストしようか。そんな思いが膨らむ読後感でした。

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読んでいる間、誰かにずっと抱きしめられているような気がしました。
時折くすっと笑ったり「あ、それ美味しそう」と喉を鳴らしたりしているのにも関わらず、どういう訳か読んでいる間、ずっと涙が止まらないのです。けど、それがひどく心地よかった。
娘が生まれてから元々涙もろかったのに拍車がかかった気がします。ただでさえ、村山早紀さんの作品を読むと大抵いつも泣くのです。ああ、良いなあ。善き魔法使いという響きが良い。律子さんが善き人だったから善き魔法使いになれたのだと、お会い出来たら伝えたいですね。
いま絵本が大好きな娘が大きくなったらこういう本も楽しんでほしい。不思議はきっとある、と考えることはとても素敵なことだと美味しいお茶とお菓子を食べながら笑いあえたらと思います。

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「世界はきっと、魔法で満たされているのだ。
見えないたくさんの優しい魔法に。」
 これは作品の最後近くに書かれた言葉ですが、作者の祈りでもあるのだろうと思います。そしてその祈りをかたどったものの一つが、この作品でしょう。
 ごくごく平凡に人生を送り、その人生が突然終わろうとしたときに主人公律子の前に現れた「魔法」。愛した猫たちや植物たちとともに新たな生を楽しくそして少しの寂しさとともに生きる律子と、出会う人々(そして人でないものたち)にささやかな幸せを喜びをもたらす魔法が、読者にも幸せを運んでくれます。

 ほぼ作者と同じ世代で、触れてきた物語やテレビ番組がかなりの部分重なり、主人公とも同年代のためか、主人公の感じ方に共感するところが多い作品でした。
 村山さんの作品を読むといつも感じるのは、あたたかさと寂しさです。
 世界にはたくさんの悪意や悲しさ、残酷な現実があります。しかし、優しさや善意も確かにあって、ささやかな思いが、人を救い、涙の中にも笑顔が生まれることがある。人々の愚行に憤り、他人の不幸に心を痛めながらも、その営み愛し見つめ続ける作家ならではの作品です。
 決して声高に叫ぶのではない静かな、しかし力強い祈りを感じます。
 
 今現在自分の将来や人間関係に悩んでいたり疲れている人、かつて魔法少女や不思議な冒険に憧れた、すべての少年少女だった人たちに。

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読み終わるのが勿体無いような気持ち。
ずっと物語の中を漂うように心地よく旅をしていたくなるような作品。

魔法の車に乗って旅をする魔法使い。
黄昏時に、ふっと現れカフェを開く
キッチンカーなのだ。
降り立った場所で織りなす不思議であたたかいお話。お伽話のような世界観。

日本昔話に出てくる、
もののけやあやかし、七夕やひな祭り、
お花見を楽しむような、日本の四季や文化を
スクリーンを通して一緒に観ているような
暖かく、優しい気持ちになるファンタジー。
そして 優しくかわいい猫達が繊細に描かれている。

忘れてはいけないのが、
ちょっと懐かしいかんじのする 
目にも美しい描写の食べ物の数々。
カフェで楽しめるお茶とクッキー以外にも
お花見弁当や 花が咲き誇るお庭でいただくご馳走など 五感で楽しめる読書でした。
美しい歌声や、ピアノの旋律も
文章から聞こえてくるようでした。
急いで一気読みするより、ゆっくりじっくり
味わうように文章を楽しんで欲しい
そんな作品に出会えました。

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なんて優しい物語なんだろう。

慎ましく生きてきた律子が、人生の転機にさしかかり、これからどう生きていこうと思いあぐねていた時、
いきなり死が訪れる。
それはとても悲しく、悔しいことなはずなのだけど、
この物語はそれで終わらない。

人が幸せになるために、魔女として生きる道を選んだ律子。
ファンタジーだ、夢物語だと思うかもしれない。
でも、災害や、疫病、戦争がなくなるどころか、終わる気配すらない今の時代にこそ、必要なのでないだろうか。

願わくば、律子の、出会う人、個々のことを思いやった料理が食べたい。
それだけで幸せな気持ちになれるような気がします。

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著者の作家生活30周年にわたって書かれた、雑誌掲載のお話をまとめたもの。
ほんわりとして、暖かな風が流れるような作品だけど、ちょっと寂しい。
それは、主人公の律子が、人ならぬものになってしまったからかもしれません。同じように人ならぬものになってしまったものや、妖たちと出逢いならが、それはそれで楽しく過ごしているようなのですが、やっぱりなんとなく、寂しさがありました。
そして、その寂しさがこの作品を彩っていて、宝物にしたいようなお話になっているように思いました。
静かな夜に読みたい1冊です。

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全ての人のための、優しい優しい夢のような物語。描かれている情景もとても綺麗で、いつかの自分の記憶の中の思い出を切り取ったかのような、懐かしくも少し切ない、ずっと浸っていたい世界でした。
誰かの幸せを祈りたい、見守ってたいという優しい主人公を見ていると、不思議と私にもその気持ちが伝染してきました。
そして私が生きているこの世界がまだまだ捨てたもんじゃないぞ!と、少し色付いて見えました。
「魔法も奇跡も、いつだって、この世界にはあるのだから。」
辛いときや悲しいときにこの言葉を思い出すと、元気と勇気が湧いてくる気がします。
そして主人公だけではなく登場人物たちもみんな優しくて、作品の至る所で涙が溢れました。悲しい涙ではなく、嬉しさ、喜び、感謝など、あったかい気持ちでいっぱいになっての涙です。こんなにあたたかく溢れる涙はなかなか経験したことがありません。
読んでいて幸せな気持ちにでいっぱいになりました。
世の中にはつらいことや悲しいこと、どうしようもないことがたくさんあります。
でも、少しでもみんなの幸せを祈って、平和を祈って毎日優しい気持ちで過ごしていたいなと思えるようになりました。
物語を読んで、こんなに優しい気持ちになって多幸感に溢れる作品ははじめてかもしれません。
1人でも多くの方に届くといいなと思います。本当に本当に素晴らしい作品をありがとうございました!発売されたらお守りにしたいです!

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律子とほぼほぼ同年代の私にはいろいろ刺さるのだ。今までの来し方を考えたり、先を思いやったり。

このまま働いていて普通に生活できるのか。
律子のように体調がおかしくなったらどうしようか。
今のコロナ禍はいつまで続くのか。
それこそ、遠くの戦争が余所事ではなくなるかもしれない。
いろんなことを思う年頃なのだ。

今のこの日常がより長く続きますように。
普段の生活の中でのささやかな幸せ、ちょっとした心遣い、そういうものを胸の奥に大事にできる人になれますように。

律子は早紀先生かもしれない。善い魔法使いとして、世界を見渡し物語を紡ぐ。

「きっと、ひとの祈りが神を育てるのです。」

先生の物語がみなにとって善き福音となりますように。

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魔法のランプの魔人の力で魔法使いになった律子が、黒猫のメロディとともに、空飛ぶ車に乗って気ままに旅をする。
旅先で出会うひとや、ひとならぬものとの出来事、ふるまう料理など、優しく温かいのだが、どこか哀愁が漂う。
単なる絵空事と言ってしまえばそれまでだが、その中に著者の想いや願いがぎっしり詰まっていた。
律子は魔法使いになって魔法を使うわけだが、周りの人の心を温かくするような小さな魔法なら、魔法使いにならずとも使える。
そういった小さな魔法が伝染し、この世知辛い世界を変えていけたらいいと思った。

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今までの村山早紀先生の作品と一味ちがい、先生や私と同世代の律子が主人公で、更に一人語りが中心なので、先生の今の感性を感じ取れる作品でした。また、戦争に対する考えなど、こちらも考えさせられる内容もあり、夢ある有意義な読書体験でした。

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50代って何かにチャレンジするのには遅すぎるの?
それとも、まだまだなんでもできるのだろうか。
主人公の独り言は、歳を重ねれば誰しも一度は感じたことがあるかもしれない。
人間としては死を迎えるけれど、魔法を使える身となり旅をする。
猫を傍らに美味しいものを作り、出会う人々の心を癒していくファンタジーなのに、少し切なく感じてくる。
生きているうちに…そんな思いが残るせいだろうか。
優しくて切なくて村山さんの世界の住人になって物語を楽しみました。

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村山先生は、優しくて暖かい気持ちを読者に届けてくれる、善き魔法使いなのかもしれません。
不思議の世界に迷い込むのではなく、主人公自らが不思議の世界を創り出し、優しい気持ちを広げていく。
ささやかな、でも奇跡のような物語でした。
また、魔法の世界は、子どもだけに開かれたものでは決してない。
こんなことが、本当に起こったのならとても素敵。でも起こりっこない。でも…もしかして…そんな気持ちを抱かせてくれます。

悲しいこと、ままならないこともあるけれど、誰かを幸せの魔法にかけることで自分も幸せになれることを、世界のどこかでいつも小さな魔法が起こっていることを大人になっても忘れないで、と優しくささやかれているような気持ちになりました。

主人公が心がけている丁寧な暮らしやアイテム、たくさんの猫たち、くらはしれい先生の挿画など、素敵なものが沢山詰まった作品です。

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自分が心地良くなるようにミルクティーと猫をこよなく愛する50代の女性に神さまはある使命を与えます。
それはやさしく穏やかな人だからこそできる行いで、彼女とメロディに出会ったひとたちはちょっとした変化が訪れていきます。

日々過ごす中で“うーん”とうなったと時に、おまじないのようにこの本を開いてみたいと思いました。

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村山早紀さんももうデビュー30年が過ぎてるのですね。時の経つのは早い、早い。「魔法使い」といえばイメージするのはお婆さんや若しくは女の子。しかし、この作品の主人公である善い魔法使いの律子さんは50台の独身の女性。きっと身近な方かもしかしたら著者ご本人をイメージされたのかもと思いながら後半は読みました。心暖まるファンタジー、こういった作品は癒されますね。

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気持ちのよい風が吹き抜けたあと、目を閉じて余韻に浸る。それから、ゆっくりと目を開けて、前を向いて歩きだす。そんな気持ちにさせてくれる物語。
優しい魔法使いの起こす奇跡にゆったりと身も心も委ね、昔懐かしいメロディ、山里の情景、舞い散る桜、お弁当の匂いに想いを馳せる。こんな幸せな回想があるだろうか。過去の美しい記憶よりも、将来への不安のほうに心を囚われるようになった年代にとっては特に。
体調や体型の変化に戸惑い、親の介護に疲れ、猫がいない孤独な晩年を想像して怯え、人生から彩りが消えていくと嘆く友人たちに、迷わずこの本を贈りたい。魔法の国の王女様の主題歌に心躍らせた世代。無彩色だった心がたちまち色づきはじめることだろう。

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このお話には魔法使いが出てくるけれど、大冒険が始まったり、悪者をやっつけたりする話ではない。縁のあった人の前に現れて、美味しい料理を作ってもてなしてくれる魔法。
特別に派手な魔法ではないけれど、ホッと一息つく時間をプレゼントしてくれるのは、何より素敵な魔法だと思う。そして、それは魔法使いでなくてもできること。
律子さんの優しい人柄が、人や人ならざるものたちの心を癒していく。そんな人に、私もなりたいと強く願う。

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大人のおとぎ話と言った感じ。なぜか懐かしい気持ちになりました。
本当に世の中がこんな魔法で満ちていればよいのに……と願わずにいられません。
わたしたちが気づいていないところで、不思議な力で、いろんな悲しみが悲しみから守られていてほしいと思うばかりです。

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最後まで読み終えて、作者が私と同年代だと分かった。あぁ、やっぱり、と。主人公の律子の年恰好といい、生き方に、とても親近感を覚えたから。平凡で小さな町の片隅にひっそりと暮らしていた律子に、不思議な事が起こり、魔法が使えるようになってしまう。でも、その代償は大きい。最初は地味な人生を真面目に暮らしている、どこかにいそうな目立たない女性。それが魔法の力で、ささやかな、でもとても素敵なお手伝いを、出会った人や、この世のものではない者達と関わりを持つ中で展開していくストーリー。
この世に起こる戦争や悲劇を、もしも神様がいるならば、どうしてそのまま見離されているのだろうか。今起こっている、ロシアによるウクライナ侵略が見え隠れする。なぜ、どうしてという疑問に答えは出ないのだけれど、律子は旅の仲間たちと共に、時を超えて、素敵な喫茶店の料理や楽しい会話で私たちをもてなしてくれるのだ。私の住む街にも来てくれたら嬉しいな。でも、まずは今の自分の人生を悔いなく精一杯生きていかなくちゃなと思わせる、素敵な物語だった。

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平凡で穏やかな人生を歩んできた律子は死ぬ間際、魔女となり猫と共に永い時を生きていくことを選ぶ。不思議な力を手に入れても、人を救う方法はささやかで優しい。そこがいい。店名も猫ちゃんも挿絵も可愛い。紅茶を飲みながら読みたい一冊。

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大好きな村山さんの待望の新作。
猫+魔女(魔法使い)+魔法という、村山作品には欠かせない要素が一体となり、そこにペーソスと優しさをプラスしたなんとも素敵な作品だった。カバーデザインもイラストも素晴らしかった。
ただ、序章を読むのはつらかった。もちろん、この章がなければ後の章に繋がらないから、絶対に必要なことはわかっている。それでも、「なぜ?」と問わずにいられない。後の章にはもっと悲しい話もある。
あとがきにもあるが、そうした理不尽さがあふれた現在に、ほっと息を吐ける作品となっていた。

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心が暖かくなる物語でした。心が震えて涙して、優しい風を感じて微笑むみたいな。食べ物の描写がとても丁寧で美味しそうでした。猫好きで、昔ながらの児童文学の厳しくも優しい世界が好きな方におすすめです。私は刺さりました。ぜひ購入したいと思います。良い物語に出逢わせていただいてありがとうございました。

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とても心が温かくなるファンタジーの世界
自分のことをちっぽけな存在だと思っているけど
人の為に何かしてあげたいと思っている
そんな主人公と自分との共通点を見つけながら
暖かいミルクティーをこの主人公と一緒に飲みたくなるようなお話でした。

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温かくて優しい作品でした。
まさにカフェで至福のひと時を味わいながらまったりと読み耽りたい一冊。

動物と話してみたい。
空飛ぶ車に乗ってみたい。
魔法の力で思う存分楽しみたい。
幼いころに誰もが一度は憧れた魔法使い。
命と引き換えに主人公律子が手に入れた魔法の力で些細な出来事の小さな
幸せをワクワクしながら読ませていただきました。

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不思議カフェNEKOMIMI/村山早紀 小学館

-メルヘンたっぷりの、とっても温かで不思議な物語ー

ごくごく平凡でもある街で穏やかにつつましく生きてきた、
猫好きで独り身の50代の律子が亡くなる時に奇跡が起こる。
偶然買っていたランプにペルシャ猫の魔神が宿っていて
魔法を使えるあやかしの者としての第2の人生を与えられる。
愛猫と一緒に魔法の力で出した空飛ぶ車と旅に出る。
あやかしの者となったことで、普段は人間からは見えなくなるが、
逆にこれまで見えていなかったような生を受けた
魂が宿った人形や、律子と同じような存在になった人と
出会う事になる。
目的の無い穏やかな旅だが、空飛ぶ車をカフェにして
お客様を招いたり、困りごとを助けたりして
生前は消極的でできなかった人助けをしていくことで、
律子の第2の人生も実りあるものになっていく

ファンタジーな話だったが、世の中にはもっと希望やワクワクが満ち溢れている
ことを感じさせてくれた一冊。
素敵な物語をありがとうございます。

#フタバ図書 #読了 #NetGalleyJP

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この世界には私たちが知らないところでやさしい奇跡がいくつも起きているのかもしれない。そんなふうに思いながら、夢の中にいるような不思議な心地よさを感じることができました。寂しく悲しい出来事も幸せへと導かれていくのは、きっと真っすぐな心を持つものたちへのご褒美。やさしい魔法が起こす奇跡の時間が流れる物語を読んでとてもあたたかい気持ちになりました。

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唐突に終焉を迎えた50代の独り身女性に降ってわいた優しい奇跡。与えられた魔法と愛猫の力を借りて、大きな宇宙の小さな星にささやかな幸せのバトンを繋ぐファンタジー。
タイトルと序盤の印象から煌めく魔法物語が繰り広げられると思ったら、魔法は背を押す勇気の御守りの様なもので、実際に人の心を動かすのは誰もが持っている思い遣り。魔法が魅せてくれる空飛ぶ車や美味しい料理にも惹かれたけれど、垣根を越えて支え合う者たちがつくりだす「幸せの循環」に癒された。
限りある人生も続いている限りは「遅すぎる」という事はない。未だ傷付ける事をやめない世界への平和を願うメッセージが詰まった作品。

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カフェ×猫×魔法という魅惑のコラボ作品。

主人公律子さんは、仕事をしながら日々の暮らしを丁寧に過ごしていた50代未婚女性。まさか自分が魔法の力を持ち旅することになろうとは…善き魔女となり空飛ぶキッチンカーを操る律子さんの同乗者は、思い出の猫たちや大切に育てていた植物たち。旅先で人や妖と出会い、ささやかな魔法をかけていく。優しさの魔法は、ここかしこにあったのだと気付き、さらに広がっていくのだろう。

ひな祭りや七夕などの日本の伝統行事、都市伝説や妖たち、子どもの頃を懐かしく思い出すようなフワッとした心地よさがある。

著者の作品を読む度に感じるのは、文字が背景となり情景となる美しさ。律子さんが作り出す料理の数々や音楽など、目でも耳でも楽しめてしまう。しかし、優しい物語の陰には、哀しさも見え隠れする。社会が抱える様々な問題(病い、戦争、孤独死、不景気etc.)があるけれど、優しさの魔法は著者の願いであり祈りのように思う。

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私も、こんなカフェに出逢いたい!
魔法が出てくるお話ですが
決して荒唐無稽な話ではなく
本当にすぐ側にある小さな小さな
不思議。
とっても、とっても素敵なお話で
大げさかもしれませんが
人間を、明日を信じて生きていける
背中を押してくれる作品です!
出てくるお料理が、美味しそうで
お腹が空いてしまいますが😁
出てくる魔神も、ネコちゃんも
可愛いくて大満足です!

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あたたかい物語に涙しました。「特別なことはない」と思っている少し身近な主人公が、そこからみんなのために、と思いつつ自分も楽しんで過ごしている様子は読んでいてこちらも楽しくなります。ささくれだった心をなめらかにしてくれる村山さんの小説がとても好きなので、ありがたいなあと思いながら読んでいました。素敵な物語をありがとうございます。

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桜風堂シリーズで知った作家さん。
あのお話もところどころに、フワフワポカポカ感があったがこちらのお話は初めからそのフワフワポカポカ感満載の
超甘々のお話でした。
旅の相棒が猫ちゃんというのも、村山早紀三らしく楽しく読まさせて頂きました。

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コツコツ働き、大好きな紅茶を飲みながら本を読む。そんなささやかな日常を生きてきた50代女性に突然死が訪れる。
でも魔法をかけてもらい永遠に生きることを選ぶ。
黒猫とともにあちこちを旅し、出会った人たちにほんの少しだけ幸せを与える。
何も大きなことは起こらないけれど、読んでる間ずっと柔らかい毛布に包まれてるようだった。

私はこの著者は初読みでしたが、他の作品も読んでみたいと思いました。

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最初から最後まで嫌な気持ちになることのない、優しい気持ちになれるお話。

子どもが喜ぶ魔法の話は多々あれど、珍しく大人が楽しめる魔法のお話にうっとり。

律子さんの人徳で始まった物語だと思うし、いつまでも幸せに旅を続けて欲しい

と思わずにはいられません。

願わくば夢でいいから律子さんのお茶会によばれたいなんて思ってしまうくらい素敵でした!

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ごく短期間、猫を飼っていた。猫は猫で好きにやっていたが、帰宅すると玄関で迎えてくれた。
待っていてくれる存在は、それが何であれ人の力になる。
この物語は、それに近い。
見えないけれど見守られている。そう信じられるだけで、心が守られる。善い方向に背中を押してもらえる。

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村山早紀先生が描く、おとなのためのファンタジー小説です。
律子は50代・独身・ひとり暮らしの女性。そんな彼女はひどい頭痛持ちで、痛みが限界に達した時に藁にも縋る思いで頼ったのはかつて占い師のおばあさんにもらった真鍮のランプですが、実はそれは・・・というとだいたい想像がついてしまうかもしれませんが、それは読んでみてのお楽しみです。
長めの序章は、当然ですが物語全ての始まりで、律子がどう生きてきたか、どう生きようとしていたかが語られていますが、実は衝撃的な内容でもあります。なぜなら律子が<善い魔法使い>になる経緯が描かれていますが、それがあまりにも究極の選択で、しかも突然提示されるからです。自分が律子の立場になったら、どちらを選べばいいのかわかりません。ただ、律子の選択が誤っていたとは思わないし、それを応援したいと思いました。あんな素敵な<相棒>がいるなら、きっと寂しくないと思います。
人気(ひとけ)のない河原や、閉鎖されてしまった学校の校庭や、苔むした橋のそばにある瀟洒な神社の近くに、見慣れないキャンピングカー(のような車)が止まっていたら、それは「不思議カフェNEKOMIMI」かもしれません。もし見つけたら、そっと声をかけてみたいです。美味しい紅茶や香ばしいクッキーをいただきながら、律子や<メロディ>と楽しい時間を過ごしたいです。

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50代の律子。毎日を大事に丁寧に生きてきた彼女が魔神の手によって人ならざるもの・魔法使いになる。ひっそりと訪れる人を幸せにする。そんな願いがこもった不思議カフェNEKOMIMI。猫と魔法とやさしい時間をどうぞ。

・やさしい文章とあたたかな想いに何度も涙腺を刺激された。
・魔法を気の利いたお手伝さんと表現する村山さんが好き。
・女雛に魂が宿る話は村山さんの過去の作品に出てた気がする?
・「小公女」は私も好きだなぁ。いつの間にか出来てる温かい料理。「ふしぎなかぎばあさん」みたいな感じの。

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頭痛がする時は、「お気に入りのキーマン紅茶を小さなミルクパンで、汲みたての水と美味しい牛乳でふわりと煮出して、お砂糖も入れて甘くして。」
 そんなささやかでつつましい、手を掛けたという意味では贅沢な生活をひとりでおくっている律子さん。彼女は、誰かのために願う思いが叶うとしたら、自分や身近な人ではなく、通りすがりの誰かのために祈りたいと思う人。そんな彼女だからこそ、魔法のランプの精にも愛されたのだろう。
 ランプの精の力で魔法が使えるようになった律子さんが、素敵なキッチンカーで旅をして、様々な人の人生に触れ、美味しいものを振る舞う、そんな物語。

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優しい文章が心地よく、律子さんとほぼ同世代なので共感しながら読みました。
ちょっと昔を思い出す情景。
そこに魔法使いという不思議な要素が加わった優しい物語ですが、生と死が絡み考えさせられる場面も。
自分の人生特にこれといって自慢できることはないけれど、平凡だけど幸せなこともたくさんある。
律子さんのように目に見えない小さな魔法が使われているのかもしれないと思うとちょっと楽しくなります。

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謙虚に慎ましく生きてきた主人公の律子さん。
物語の冒頭から悲しい出来事が起こる。
その後に起こる不思議な奇跡で律子さんは魔法使いになる。と書くとなんだか壮大な物語が始まりそうだけど、この本の中にはただただゆったりとした優しい空気が流れている。

黒猫のメロディと一緒にキッチンカーで旅をしてささやかな魔法を使い、人を幸せにする。そんな生活を覗き見させてもらってるみたい。
読み終わるのがもったいないな。温かい紅茶が飲みたくなります。

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気まぐれな猫の魔神、善き魔法使い、喋る黒猫、空飛ぶ車。聞くだけでどうしてこんなにも、心ときめくのでしょう。小さい頃、遠い世界のお話として空想したすてきなお姫様とやさしい魔神の冒険が、身近で、いま生きている現実のものとして目の前に現れた、そんな気がしました。
人が減り思い出と姿を変えていく町や、そこに埋もれてしまう平凡な人生。その寂しさや切なさ、それでも丁寧に生きようとする気持ちは覚えがあるものだからこそ、もしかすると善き魔法使いの律子さんとすれちがったことがあるかもしれない、本当はこの頭上を青い車が悠々と飛んで行っているのかもしれない、という幼い期待を抱かずにはいられません。昔は確かに親しんでいた小さいもの、かわいらしいもの、すてきなものへの憧れが、現実的になりすぎた心をふわっと温かくしてくれる。世界はきっと自分が思うより優しくて、そして自分も律子さんのように善く生きようと思える。本当に素敵な作品でした。

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わたし的には序章を読むのが少しツラかったけど、そのあとの物語は最高に心温まる、素敵なお話でした。
なんて素敵な世界観だろう。とても優しい気持ちになれる、浮世離れしたかのような時間を過ごせた気がします。
律子さん、素敵な女性。魔法使いが様になってました。
こんな心優しい人にわたしもなりたいと思いました。

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魔神猫に不思議な力を与えられた律子が空飛ぶ車で旅したり、妖怪や神様と会ったりする少しほんわかしたお話でした。

あとがきに書かれていたようにゆっくりと読む事でこの作品の雰囲気に浸れたりという楽しみ方が良いなぁ…と。

個人的には第二章の「花のもとにて」が好みでした。小さかった頃に感じてた不思議な世界を大人になって改めて体験し、さらにそこからの発展を期待させるあたり。

とはいえ実際に花子さんや人体模型を前にしたら汚れた心の私は怯んでしまう気もします…苦笑

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知り合いの占い師から譲り受けたランプからあらわれた猫の魔神から与えられた魔力によって、人ならぬ存在になり、黒猫のメロディとともに気の向くままに旅をする律子が、縁あって出会うひとや不思議な存在に、小さな(でも、未来への大きな活力になる)幸せの魔法を贈る物語。
『ひとの子が思うより、世界はずっと優しいものだから』
猫の魔神がつぶやくこの言葉が、村山さんの作品にはいつも溢れている気がします。読みすすめるほどに沁みわたる心地よさと平和への祈りがたくさん詰まった作品でした。

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なんともやさしく温かい物語に、心がほどけていきました。50代の律子の最期の時、現れたランプの猫魔神によって、誰かを幸せにするために善き魔法使いとして生まれ変わる。愛猫とともに空飛ぶキッチンカーで、行きたいところはどこへでも。必要な人が訪れてくるカフェを開いたりする。そこで出会う人、妖、ともに律子に少しだけ救われる奇跡が起きる。慎ましく生きてきた律子の転生は、ささやかな励ましであったり、心を込めたもてなしであったりする。おいしい季節の料理。心地よいテーブルセッティング。自分らしくいるためのシンプルできれいな装い。人生は躓きも停滞もある。取り戻せない過去に立ち止まるより、ひとときの安寧に安らぐことがあってもいい。
律子の周りには、音、光、香り、色が止まり、わたしの感受性も刺激されました。

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心がふわっと軽くなるお話でした。冒頭50ページで律子さんがひとの子として生きては行けないと知った時号泣しました。でもひとならぬものとなった律子さんがひとの子の時には出来なかったことを実現していく様がとても幸せそうで印象に残りました。村山早紀さんのお話を読むと人に優しくしたいと思ったり、誰かの幸せを願ったりします。もしかしたらこんな気持ちにさせてくれるのは村山さんの魔法なのかもしれません。意外と小さな魔法って身の回りのどこにでもあるのかもしれないと感じました。

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