失格でもいいじゃないの 太宰治の罪と愛

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刊行日 2023/02/07 | 掲載終了日 2023/02/06

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内容紹介

「生れて、すみません」「家庭の幸福は諸悪の本(もと)」……

盗作、薬物中毒、心中事件を繰り返し、最後は妻子を残し愛人と38歳で入水心中を遂げた作家は、今なお多くの読者を惹きつけてやまない。

三島由紀夫に毛嫌いされ、檀一雄を激怒させたが、弱者に寄り添う独特な視線、退嬰的自堕落なあり方は、弱々しくしか生きられない私たちに寄り添う強い力を放つ。

〈誰もが輝かしい成果を上げ勝者になることを望む時代であるからこそ、「低い輝きのない生活」をする人物たちを描いた太宰作品を読むことの意義は今日むしろ大きくなっている(著者)〉
――ダメ人間・太宰治の魅力と愛に触れる、感動の評論。


【本書の内容】
序 章 ふたつの失格
第一章 言語的異性装趣味 女生徒の見た世界
第二章 人間失格と人間宣言 太宰治と天皇
第三章 戦後作家のサバイバル 太宰と三島
終 章 私的太宰治論あるいはすこし長いあとがき
ほんとうのおわりに

主要参考文献
初出一覧


カバー写真解説】(表4はNetGalleyでは未掲載です)
表カバー1 1946年、銀座のバー・ルパンにて(撮影・林忠彦)
表カバー4 「叔母の言ふ」
   〈お前はきりやうがわるいから 愛嬌だけでもよくなさい
    お前はからだが弱いから 心だけでもよくなさい
    お前は嘘がうまいから おこなひだけでも よくなさい〉


著者・千葉一幹 (ちば かずみき)
1961年生まれ。大東文化大学教授。文芸評論家。東京大学文学部仏文科卒、同大学院比較文学比較文化修士課程修了、博士課程中退。群像新人文学賞受賞。島田謹二記念学藝賞受賞。
著書に、『賢治を探せ』『クリニック・クリティック 私批評宣言』『『銀河鉄道の夜』しあわせさがし』『宮沢賢治 すべてのさいはひをかけてねがう』『現代文学は「震災の傷」を癒やせるか 3 ・11の衝撃とメランコリー』『コンテクストの読み方 コロナ時代の人文学』など。共編著に、『名作はこのように始まる 1』(芳川泰久共編著) 『名作は隠れている』(千石英世共編)『日本文学の見取り図』(千葉一幹編著)などがある。


「生れて、すみません」「家庭の幸福は諸悪の本(もと)」……

盗作、薬物中毒、心中事件を繰り返し、最後は妻子を残し愛人と38歳で入水心中を遂げた作家は、今なお多くの読者を惹きつけてやまない。

三島由紀夫に毛嫌いされ、檀一雄を激怒させたが、弱者に寄り添う独特な視線、退嬰的自堕落なあり方は、弱々しくしか生きられない私たちに寄り添う強い力を放つ。

〈誰もが輝かしい成果を上げ勝者になることを望む時代で...


出版社からの備考・コメント

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出版情報

ISBN 9784065282113
本体価格 ¥1,700 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

内容に惹かれてリクエスとしました。
太宰治は好きな作家で、若いときに著作はほぼ読んでいます。
この作品で、太宰の人生を通して作品を眺めたり、作品の内容を深く掘り下げたりする視点をもてたことは、
とても新鮮でした。
知ればしるほど、しょうもない人だなと思う一方、やはり嫌いにはなれない魅力をもった人なんだと再認識しました。人間は、それでもいいのでしょうね。という気持ちです。他人だからかな(笑)。
また、三島由紀夫にも興味がありましたので、その詳細な記述もわくわくして読みました。
この部分もとても面白かったです。
本書で獲得した新しい視点をもって、太宰の生きた年齢を超えた今、また太宰作品を再読したい気持です。
すべての太宰ファン、三島ファンにおすすめします。

とても熱量を感じる作品だと思います。
貴重な原稿をありがとうございました。

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私が『人間失格』を初めて読んだのは高校生だった。
初めて読んだときその引きずり込まれるような暗さに心が沈んだ。
その暗さが恋しくなり何度も読み返している。その魅力が知りたくてリクエストした。

太宰の「女」に対して思い、特に読者としての「女」に求めたものという評論が興味深かった。
三島由紀夫についても語られ、太宰と三島の二人について知らなかったことばかりで、そうなんだと思いながら読み進めた。

ただ、P88の「人間」と「人間でないもの」で記述される事件に関する線引きに関しては、私はそうは思っていないので圧倒的少数派なのだろう。でも何をもって自分のなかの「人間でないもの」の線引きをしているのかを考えてみたいと思った。

太宰は「人間失格」その「失格」する者にに寄り添う作品だという。なるほど、寄り添ってくれるから私はこんなにも心ひかれるのかと納得した。太宰も三島も数えるほどしか読んだことがないので、これを機会にいろんな作品に触れていきたい。

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内容紹介を見て、文豪たちのエピソードが載ってるのかと思って読んでみようと思ったのだが、実際に読んでみると、太宰治作品の評論書であった。
もう一度内容紹介を最後まで読んでみると、ちゃんと「ダメ人間・太宰治の魅力と愛に触れる、感動の評論」と書いてあった。
私が太宰治を嫌いだからかもしれないが、感動はしなかった。
しかし、どうして多くの人を魅了するのか、その理由はわかったような気がする。

女性に対して、戦前戦後の天皇陛下の在り方に対して、太宰がどう考えていたかなど、多岐にわたった考察をとても興味深く読んだ。
第三章では、これは三島由紀夫の評論だっただろうかと思うほど、太宰の比較対象物として三島を掘り下げており、三島由紀夫が好きな人も楽しめると思う。

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私自身も中高と太宰の作品を読み続けていた。人間への絶対的信頼を描きながら、それに反するような自分の存在に対する不安、それをごまかすようにふるまう道化への共感があったと思う。本書では緻密な作品の解釈と、戦中戦後を生きた作家の苦悩に時代的考察を加えて太宰の作品を再考している。例示に使った世界の出来事も興味深く読めた。筆者が語る様に、太宰が作品の元にした女性たちの日記と太宰の作品を比べた時には明らかに違いが認められる。それは文章表現技巧の秀逸さであるとともに何を表現するかという彼自身の「生きる」姿勢であったのだと感じられた。おそらくそれは誰もが知る御伽草子をもとに書いた作品にも通づることなのではないかと思う。筆者がこの時期に改めて太宰に向かい合われたように、これからも愛され続けられる作家であることは間違いないだろう。

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