光のとこにいてね

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刊行日 2022/11/02 | 掲載終了日 2023/03/15

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内容紹介

たった1人の、運命に出会った

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。

彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。

どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。

運命に導かれ、運命に引き裂かれる

ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語

たった1人の、運命に出会った

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。

彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。

どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女と...


出版情報

ISBN 9784163916187
本体価格 ¥1,800 (JPY)
ページ数 464

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とてつもない物語を読んでしまった。最初に感じたのは強烈な嫉妬。私も欲しい、この二人のような関係が。少女から大人へと成長していく過程で近づいたり離れたりする二人の距離。どちらも相手に願う。光のとこにいてね、と。

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こんなにも狂おしい程に好きな作品に出会ったのは久しぶりです。
2人で過ごしたほんのひと時の思い出を、大切に大切にあたためながら生きている2人。
この2人の関係性を一言で表すことはできません。友人や恋人とかではなくもっともっと神聖で尊い。他の誰かとは例え家族でも離れることが出来る。でも2人だけは離れる事ができないのです!!
最後の最後でなりふり構わずに結珠が果遠を追いかけた、それが全てです。
そして、このタイトルである「光のとこにいてね」。素晴らしすぎます。
今はまだ読み終わったばかりで興奮状態ですが、気持ちが落ち着いたらまた最初から読み返したいです。
どうかこれから先の未来、2人が光のとこにいてくれますように。
素敵な作品をありがとうございました!

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ドラマティックだった。読み出したら止まらない。ほぼ一気読みしてしまった。境遇の全く違うふたり。違うからこそ惹かれあう。お互い違う痛みを抱えながら、守られることを待ってはいない。相手の幸せを望み、守りたいと願うことでどんどん強くなって行く。きっちりとやられた相手にもやり返す。なんとも頼もしく爽快だ。最後の最後までドキドキさせられる展開は、さすが一穂ミチさんだ。人生は思いがけないことの連続だけどそれもまたよし。と思える作品だった。

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一穂ミチさん『光のとこにいてね』読んだ。素晴らしかった。友情とか恋愛とかいう言葉ではまったく語れない、二人だけにしかわからない信頼関係。それを丁寧に描きつつ、最後までどうなるかわからない展開で読ませていく。この続きを読みたい。いや、読みたくない。このラストが最高。

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二人の女の子の出会いと別れ、ピアノ曲パッセルベルのカノンの効果的な使われかた、そしてタイトルの意味など、印象的な作品です。読んでいる間、女の子達の気持ちと同調して、二人と共有できる時間を与えてくれました。

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違った形ではあるが、毒母に育てられた二人。二人の内面、人生、すごく考えさせられる
自分にかけている部分をお互いに
求め合うように成長していく展開
出会ってからその後四半世紀をかけた二人の3度にわたる出会いと別れ

ラストに向かうまでの流れも良かったと思う

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幼い頃に偶然出逢った、二人の女の子。
離れてはまた巡り合い、近づいたと思ったら遠ざかる。どうしようもなくお互いだけが特別で、いつまでも忘れられない。心のなかに彼女だけが入れる場所があって、他の誰もそこへは潜り込めない。

作中何度も形を変えて現れる「光」が印象的でした。
太陽。街灯。虹。セピア色の写真。灯台。
彼女たちにとって「光」はおそらくお互いの存在そのものなんだろう。
だからこそ、読後にタイトルが沁みます。

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素晴らしい作品でした。
愛とか恋とか友情とかなんて名前のつけられないふたりの関係性が苦しいほど愛おしく涙が止まりませんでした。
1、2章のまだ子どもだった頃のふたりは本人たちの気持ちなど関係なく何度も何度も離れてしまう。
でも大人になった最終章ではちゃんと自分の意思で行動して今までとらわれていたさまざまなことに納得のいく答えを見つけ出す。
間違いなく一穂ミチさんの新たな代表作ですね!

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母の拘りが強いため、「普通と違う」と周りから浮いてしまう果遠と、母が自分のことを嫌っていることを感じ、常に母の顔色を伺っている結珠。
そんな二人が7歳、15歳、29歳と出会っては別れ、再会する。
二人の再会は無邪気にハイタッチして喜ぶようなものではなく、喜びと同時にほの暗さを纏っている。
ついつい、二人のお互いへの気持ちは友情?恋愛感情?などその気持ちや関係に名前をつけて、型にはめたくなってしまうけど、そんなの飛び越えてしまうような話だった。
また、二人を支えるチサさんや藤野といった周りの人物も魅力的。みんな幸せでいてほしいと願わずにはいられない。
「光のとこにいてね」というタイトルが温かく優しく切なくて、この話にぴったりだと思った。

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ずっと息を止めていた・・・。
いや、そんなはずはないのに、止めていた気がした。
最後の文に届いたとき、ようやく息をゆっくり吐いた。
大きくなんて吐けなかった。

二人の想いで胸がいっぱいになり、息を吸い込めなかったのだろうと思う。
「自分が結珠ちゃんだったら、結珠ちゃんを好きになることができないから」という言葉があったが、
読み手のわたしは、この二人でなくてよかったと思った。
当人だったら、この二人を好きになることができないから。

読めてよかった。
大切な一冊になった。

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古びた団地で偏った母に縛られる少女と、裕福だけど無機質な母に怯える少女。抗えない運命に沈みながらも、僅かに重なった時の中で不器用な心を通わせていく秘めた物語。正反対の境遇や性格だからこそ偶然の一致を特別と思い込んでしまう幼さや、潔癖にも似た距離感を、460頁超えとは思えない柔らかさと繊細さで包んでいて心地好く読めた。
自分では選ばせてもらえなかった結珠と、選択肢すらなかった果遠、なんだかんだ二人とも大事な選択から逃げたい時に浮かべる理想郷の様なものにも感じ、少し綺麗過ぎる気もした。
『光のとこにいてね』というタイトルの温かみを作中で何度も色を変え味わえたのがとても良かった。

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正反対の環境で育った二人の少女。出会ったのも親の都合、引き離されるのも親の都合。幼い頃の、大切な思い出はどうしてあんなにも光のうちにあるのだろう。柔らかいところに触れていいのはお互いだけ。ずっと光のとこにいてほしい。その祈りの内側に、自分は存在しない。正反対な家庭でも母親の娘に対する影響力は絶大で、血縁との決別が必要だった。絶望の中で光はより増していく。「弱い方が捨てる」という台詞が印象的。一見弱そうに見える彼女の方が、実は強い。追い掛ける姿すらも光のうちにあるなら、二人の間に別れは必要ないのだろう。

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一穂先生の描く世界は本当に美しい。幸せとはいえない家族のなかで苦しむ少女たちの、互いを思いやる心が美しく、切なく、悲しい。互いを求めるも、すれ違って、すれ違って。大人になり、もう好きなようにできる状況でもすれ違ってしまいそうな2人に涙。でも、きっと幸福な未来となりましたよね。

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あんなにもキッパリ手を離したのに、なんでこんなに巡り合うのだろう。
「でも、結珠と果遠だから仕方ないよな」と思わせる、ある意味”赤い糸”で結ばれた2人の女性の物語。

「”運命の人”って、本当はもっと広い意味なんじゃないか?」。
そんな感想をこの小説を読み終えて持ちました。
何度もめぐり逢い、そして別れを繰り返してきた2人はどうなっていくのか。
余韻のあるラストが心の残りました。

この小説は子ども時代、高校時代、大人になってからと3つの時間が主に描かれています。
2人の出会いが「偶発的(子ども)→意図的(高校)→偶発的(大人)」、別れが「偶発的(子ども)→偶発的(高校)→?(ネタバレになるので割愛。大人)」とちょっとずつ変化していく構造が変奏曲のようで、巧みだなと思いました。

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出会いと別れを繰り返す果遠と結珠。人生の大事なところを共有してもがいている2人の物語は、読んでいて辛くなったり楽しくなったり、でもやっぱり結構辛かったです。心の支えとなっている、特殊な関係である2人が、少し羨ましくなりました。彼女たちが「光のとこに」いられますように。

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一穂ミチさんの作品を初めて読んだ。とても綺麗な文章が読みやすい。この話をどう受け止めたらいいのか正直わからない。だから何度も読み返したくなる。登場人物達の気持ちを心底知りたい気持ちになる、余韻の凄い物語。一穂さんの作品を他にも読んでみたくなりました。

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いわゆる毒親である母親を持つ2人の少女。家庭環境は違ってもお互いが相手を必要とし、何度離れ離れになっても、心の奥深いところで忘れずに大切に想っている。辛い時、離れていてもお互いが心の支えになっていて、それは他の誰にも代わる事ができない。友情でも恋愛でもないもっと深い絆で結ばれている2人が、出来ることなら周りの人たちも共に幸せでいて欲しいと思う。光のとこにいて欲しい。

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刊行当初よりお客さまからの在庫問い合わせが
多かった作品。

偶然出会った
家族関係に恵まれなかった子
家庭環境に恵まれなかった子
最初は 共依存のストーリーかと
思いきや そうではなく
2人の出逢いは必然だったんだ・・・
一穂さん いつもながらに作中に引き込むのが
巧い!

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結珠と果遠は、出会っては別れてを繰り返しながら、離れている間もそれぞれ自分の根本のところでお互いを大切に思っている、というのが再会してからの様子から伝わってくるようでした。結珠と藤野、果遠と水人や瀬々との関係性も危うさがありつつも愛情が感じられて良かったし、果遠と藤野の関係性をとても好ましく感じました。暴力とか、衝撃的な場面も少なくないのに、温かい気持ちで読み終えられました。それから、何かを形容する時の表現が素敵だなと思いました。

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境遇の違う女の子の交流の話。
共通点は、両方とも母親との関係が悪い、いわゆる毒親な家庭であること。
果遠はいわゆる「自然派ママ」で給食を食べることもできない、友達とお菓子を食べることもできない。そしてシングルマザーであまり裕福ではなく団地住まい。
結珠はいわゆる「お嬢様」で、しかし母親はあまり彼女のことを気にかけない。いうことを聞くロボットに育てている。
そんな二人が、幼少期、そして高校時代、大人になってと何回もドラマティックな出会いをする。この二人の関係は友達以上のなにかだけれど、「友達」ではない少しよそよそしさもある。

タイトルの「光のところにいてね」というのがすごく良かった。最初は日向のことを指していたけれど、だんだん光の意味合いが変わってきて、じーんとした。

またおばあちゃんになって再会できたらいいなと思う。

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直木賞候補、本屋大賞候補のかなりの話題作ということでリクエストいたしました。
一穂さんの作品は「ふったらどしゃぶり」を読んだことがあります。
情景描写が素敵な作家さんだと感じます。
今作、好きな方はとてつもなく好きなのだろうなと思います。

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読み始めてから一気に物語へのめり込み、400ページ越えを夢中で読み終えました。何て繊細で美しい物語なんだろう...。二人の心の揺れ動きを丁寧に掬いとるように紡がれた文章には、いつしか色彩や音色が加えられていくようでした。物語の余韻が残る中で、自分の心の中の本当に大切な気持ちについて思いが巡っています。読ませていただきましてありがとうございました。

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彼女たちの物語。
儚くも切なくも、想いは消えない。
少女たちは出会ってしまった。
かけがえのない彼女へ。
四半世紀を越えて、変わることのない想い。
彼女たちが抱く淡くも切ない想いが、美しい景色のようだ。
光のとこにいてね。
願うように。
祈るように。
彼女たちの未来に光がありますように。
心に静かに、深く残る物語でした。

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母に連れられ、7歳の結珠(ゆず)はある団地にいく。そこで母を待つ間、同い年の果遠(かのん)という少女に出会う。
結珠も果遠もそれぞれの母のことで抑圧を受けていて、それを誰にも言えない。
お互いが、理由は違えど、母との関係性に困難を抱えていることを察知し、気になって仕方ない。
突然は二人は会えなくなり、互いの消息の手かがりもなく月日が経つ。
16歳の高校入学時での突然の再会‥そして果遠の突然の引っ越しで、また別れてしまう。
31歳、またもや再会。それぞれ母から自立し、唯一の理解者の夫に支えられ何んとか暮らしいてるが、
果遠も結珠も 再開するたびに、結局は互いのことが 一番気になる大切な存在なんだ、と自覚。
果遠が結珠に幾度も願った「光のとこにいてね」という言葉の意味は?
その光は文中の色んな光として描かれる 太陽だったり、街の灯り、虹、灯台の灯り、色褪せた合成の写真など。
逆に 光の当たらない部分は陰りや暗黒が広がっていて、それぞれが苦しんできた人生そのものなのかもしれない。
7歳の少女から31歳の大人になる25年間の運命的な出会い別れを繰り返す壮大なストーリー。
彼女たちは、同じ方向を向いているわけではなくて、お互いだけを見ている(著者インタビュー記事より)
性別を超えたの運命的な美しい愛の物語に仕上がっている。
結珠と果遠のそれぞれの目線から緻密に描かれた心理描写は読者を虜にし、だれもが一気読みしてしまうことだろう。

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結珠も果遠も、母親から呪いをかけられていた。周りからは見えなくて虐待とは違うけれど、当事者だけがわかる呪い。
そんな2人がお互いの呪いが解ける間に、優しい人たちと出会って、傷ついたり傷つけられたりして、生きていくことって本当にひとりではできなくて必ず誰かと縁があるんだなあと思った。
三浦しをんの「ののはな通信」みたいに、交互に語り手が変わっていく進み方が、それぞれの心情がわかってよかった。

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果遠と結珠の、友情とも愛情とも言えない、名付けられない感情の機微の描写に圧倒された。
二度目、三度目の「光のとこにいてね」という果遠の言葉は、結珠の幸せを願って発せられたものではあったが、そこに自分の居場所を作ろうとはせず、一方的に別れを告げていた。
しかし、最期の「光のとこにいてね」の言葉の後は、結珠がなりふり構わず追いかけ、結珠にとっての「光のとこ」は果遠のいる場所なんだと全身で伝えたこと、そしてやっとふたりの安心できる居場所ができたような気がして、涙が止まらなかった。
大事な人と一緒に居られる時間は本当に尊いものだと改めて気づかせてくれました。

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友情や愛情という言葉で簡単に表現できない
お互いが必要不可欠な2人のお話で、
出会いと別れをカノンのように繰り返す2人がどういう結末になるのか、胸が苦しくなりながら読みました。2人や2人に関わる人たちの未来が明るいものであってくれるといいなと思いました。

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幼いころの、最初の出逢い。
それは真っ白なキャンパスに強烈な第一印象を残しながら描かれる。
そして、さらに重なる出逢いによって、油絵の具のように塗り重なっていくものだと思う。
しかし、一穂ミチが描き出す、二人の女性。
何度か別れを繰り返しながら再会を果たし、大切な存在が他の誰かに描き替えられることはない。
家族のしがらみに苦しみながらも、なんとか一緒にいたいと想うやるせなさは、
読者の心も痛くさせる。

自分の人生は、自身の意志によって、決められるべきだ。
でも、その選択によって、誰かが不幸になるのではと、躊躇うのが普通だ。
それでも願わずにはいられないのだろう。「光のとこにいてね」と。

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一穂先生の本は初めて拝読しました。登場人物が聡明で、読んでいて気持ちがよく、きっと先生もとても頭の良い方なんだろうと想像しました。物語の重点は最終章に置かれていると思うのですが、私がいちばん切なかったのは高校生のエピソードでした。二人もきっとあの時が一番幸せだったのではと思います。

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2人だけの小さい世界の壮大な愛の物語。身体の芯から痺れる小説でした。

 団地に住む美少女果遠。医者の娘だけれど常に母親の顔色をうかがっている結珠。
7歳、15歳、29歳での運命の出会い。全く別の世界で生きているのにどうしようもなくお互いに惹かれてしまう、それも一瞬で。

 果遠と結珠が交互で心情を語っていくのですが、その言葉が本当に美しい。彼女たちの状況は過酷です。2人共母親が毒親。子どもより、家族より、自分を優先する親との生活の中で唯一の光。

 「光のとこにいてね」この題名がどこから来たのかかなり早い段階でわかりますが、もっと深い意味があると読み進めるうちにわかります。
最後の最後までドキドキが続く一穂さんの作品。大好きな本が増えました。

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それぞれの環境も出会いも運命だった。
抗えない別れを繰り返しても再会できたのは、必然だった。
きっかけは結珠、引寄せたのは果遠。
2人だけの秘密を抱えた共犯のような関係から時を経て、車の両輪になるまでの描写が丁寧。
報われるとは限らない努力でも、やらなければ実らない。
そこまで執着できる存在があることに嫉妬します。

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「スモールワールズ」を読んだ時にも思いましたが、やっぱり凪良さんと似た空気を感じる。どちらも大好き。心理描写に心を抉られる。結珠と果遠、2人とも似たようなことを感じてて人間くさかったり、対になってたり、それがカノンの様に連なってくる感じ。上手いなぁ。タイトルも好きでした。

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この作品は毒親に育てられている果遠が古びた団地の片隅で運命の人、結珠に出会い物語が進んでいく。
流行りの毒親育ち設定、ありきたりな関係性を、丹念に、情緒豊かに、想像力が掻き立てられる唯一無二の説得力のある物語に見事に仕上げた。
こちらの感情の全てを出させて物語に誘う一穂ミチの圧倒的文章力が断トツに光る。
読み終えた時、とにかく誰かに話したくなる。感じた喜怒哀楽をとにかく誰かに伝えたくなるのだ。
また、タイトルのインパクトと言葉の深さ、回収エンドが秀逸だ。
合せ技一本、とでも言うべき美しい運命の本に出会えた。

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言葉では言い表せない二人の関係は、周りの人たちに寄って際立つ。凪良ゆうさんの『流浪の月』を思わせる、良くも悪くも二人の世界は、誰にも理解されないのでははなく、周りの人の優しさで成立しているように感じた。でもそれは、見方を変えると二人の我儘にもみえてしまうので、そうならないところに著者の言葉選びの上手さがある。一点だけ、瀬々ちゃんのことが心配になった。瀬々ちゃんと果遠ちゃん母子にも明るい未来があって欲しいと願うばかり。

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正反対な環境、性格の2人の少女。交わらない筈の人生が運命によって出会ってしまう。
どうしようもなく惹かれ合いながら出会いと別れを繰り返す2人。
何度も出てくるタイトルの「光のとこにいてね」が貴方だけは、、、という意味も含んでるようでせつない。
最後に2人がくだす決断には泣いてしまった。
一穂さんの代表作間違いなしです。

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愛情に飢えたまま育った2人にとって、お互いは希望の光のような存在。
でも、子供にとっては自分の置かれた環境がすべて。
どんなに大切なものでも、自分で守るのは難しい。
2人の、感情を行き来させられた喜びと、踏み込めない切なさとで、胸が締め付けられました。
奇跡的に巡り合うことができたのは、無力ななかで守れるものだけを必死に精一杯大切にしてきたから。
今度こそ、手放さないでいてほしいなぁ。。

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『光のとこにいてね』
ある団地で出会った生まれた場所も境遇も全然違う二人。彼女たちはなぜか惹かれ合って、お互い心に留めながら成長していく…一途な物語。
人生において本当に大切な心にずっといる人はいますか?何かを決断する時に、ふと心の中を過ぎる人。
身近な家族にだって隠しごとがある。でも、心の中には、すべてを知って貰いたい人がいる。
これが恋?愛?なんて言い表すのも違うような…素敵な物語だった。ずっとずっと余韻に浸っていたい…二人で光のとこにいてほしい。

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7歳で出会い、高校入学で再会しすぐに離れ、29歳で偶然(でもない?)同じ土地で暮らすことになる結珠(ゆず)と果遠(かのん)の出会いと別れ。
3つの場面の設定が効果的。親の庇護下にある子ども、自分の世界が広がる高校生、そして、大人になったとき。
ゆず弟の直に指摘されるまで全く思っていなかったから「えっ、そうなん?」状態でした。
わざわざ名付けることもないけど。
藤野と果遠、結珠の弟の直、兄の健人の互いの距離のとり方が感じよかった。

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第三章に入る頃にはもう没頭していました。呼応する二つの魂、絶妙なすれ違い、ずっと垂れ込める不穏な空気。この物語のカラクリに気づいた時、ワーっとなって、読了後もう一度丁寧に読み直そう、と思った作品なのでした。

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何度もの別れを経て、やっと自由な立ち位置で再会した二人を、なんとか、なんとか…と祈るような気持ちで読み進めました。
こんなふうに、性別や年齢、育った環境や今生きている環境なんて関係なく、本能で求め合える相手がいるって、とてもうらやましいなと思いました。

団地、鼻血、シロツメクサ、防犯ブザー…
物語の中での、時を越えての使われ方がとてもよかったです。
そして、タイトルの「光のとこにいてね」がとてもしっくりくる作品でした。
読み終わったその先に光があると感じられる、この終わり方がとても好きです。

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偶然出会ってしまった二人の少女、お互いの家庭や置かれた状況を知らないまま二人は別れ、そしてまた出会う。
”運命”という言葉がピッタリ当てはまる、そんなストーリーでした。
視点人物と語りはこの二人を順番に据えることで、物語は進んでいきます。
読者は二人の心情を知っているので、お互いの素性を知らない二人のやり取りに不穏な雰囲気を感じて楽しめました。
これはいわゆるガール・ミーツ・ガールのお話だと思いますが、そこらへんのぼかし方も面白かったです。
人と人のいろんな繋がり方、関わり合い方を読むことができる作品でした。

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承認ありがとうございます。
読み始めたら最後、先が気になってページを捲る手が止められなくなり、見事に寝不足になりました。
まさに運命という言葉が相応しい、手元にずっと置いておきたい作品になりました。
ラストは本当に胸が熱くなり、ドキドキとワクワクが止まらず、でも読み終わるのがもったいない色々な葛藤と戦いました笑
本当に素晴らしい作品でした。
ありがとうございました!!

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ほんの僅かな時間を共有しては別れ
また出逢いを繰り返す二人。
友情という名では、くくれない絆。
誰でもなく彼女でなければ
ならなかったお互いに。
今度こそ、平穏に一緒に歳を重ねて
いってほしいと願わずには
いられません。

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どんなに自分がつらい状況にいても、相手には「光のとこにいてね」と言える優しさが切なくて。
けれど、そう願える相手と出会えたことが、何よりも本人にとっての救いであり、幸せだったんだろうなと思ったり。
何度も切なくてやりきれない気持ちになったけど、最後きらきら光る光景が見られてよかったです。
前途洋々、とはとても言えないけど、たくさん苦しんできた分、これからは二人ともできるだけ光のとこにいて欲しい。

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2023年本屋大賞ノミネート作
エモい。小学生の口から発せられた「光のとこにいてね」は単に光の差す場所のことを指していたのでしょう
高校生さらに大人になって聞いた「光のとこにいてね」は人生の歩むべき道を指しているところが最高にエモい
親のような人間になりたくないと思っておきながら気が付けば親と同じ考え方をしていたというあたり読んでいて旨いなと感心
あと、主人公が二人交互に入れ替わりますが白詰草と羽根のマークで見分けがつきます(最初気づかなくてややこしかったので)
ラストシーンは映画のようで脳内で勝手にエンドロールが流れました

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ともに過ごした時間じゃなく、決定的な一言でもなく、何を置いていっても手に入れたい一番大切なもの。そんなものに出会うのは、果たして幸せだろうか。
「光のとこ」は、いつも果遠にとっては「自分のいない所」だった。最後の場面、「光のとこ」にいる結珠を、果遠はわくわくしながら見つめている。簡単には飲み込めない結末だと思う。でもそれこそが人生だとも思う。正しい正しくないという物差しではかれない。全部間違ってないんだと思えてしまった。その説得力にとてつもなく感動した。
生きているといろんな大事な人に出会い、その先に別れが必ず待っている。自分の歴史の中にいるもう二度と会わない人たち。その人たちのことを深く思った。

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出会って25年。彼女達の月日が強烈で鮮やかで心がヒリヒリする。
この2人しか居なかった、只それだけなのだろう。只それだけ…
出会いのあのシーンは映画の一場面のようにくっきりと私の頭に焼き付いている。
光のところにいてね、この言葉が愛おしくて、文字をそっと撫でてしまう。
愛おしい彼女たち、彼らもどうか幸せにと願ってやまない。

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この作品はお互いに強く惹かれ合う2人の女性の物語です。
小さい頃の出会いから、高校での再会と突然の別れ、そしてお互いに結婚してからの2度目の再会と四半世紀に渡る物語です。
タイトルの『光のとこにいてね』ということばは別れの時に言った言葉でしたが、結局2人で一緒にいるところが光のところなのかなと思い、2人の未来が気になる結末でした。

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出会って離れて、また出会って離れて、また出会って、、、また離れるんだろうなと分かっていながらも一緒に過ごしてほしいと願ってしまう。正反対な二人、不器用でもっとちゃんと言葉にしたらいいのに、と思ってしまいました。

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育った環境が違う2人の少女が、ちょっとした秘密の中出会う。ただ別れは突然のやってくる、さよならも言えないまま。
再びの出会いも又別れが待っていた。
もう忘れたと思っていた大人になった、かつて少女だった2人は再び出会い今度こそ一緒にいられるのか。

大人になりきれない人に育てられた子供の苦悩、初めて本心でいられる人との出会いと別れが、切なくどうにかしてあげたくなります。

お互いが「光のところにいて」欲しいと願い、私も願う。
細い糸を手繰り寄せるようにしてでも。

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自分にとって本当に大切にしたい人は誰なのかを考えさせられる1冊だなと感じました。
そして、自分が望む人生にしていくには何かを捨てていくことも必要なんだと改めて学べる物語でした。
最後、登場人物達がそれぞれ幸せな道を進んでいけるといいなと思いました。

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一穂ミチ先生の作品を初めて拝読しました。
タイトルにもなっていて各所に出てくる、「光のとこにいてね」という言葉。
二人が小学生、高校生、大人になっていき、それぞれの心情を知っているからこそ、この言葉に重みや愛、優しさが増していくのを感じました。
読了後、パッヘルベルのカノンを二人を思いながら聴きました。
まるで二人のこれまでを表しているようで胸が熱くなりました。

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特別な二人だけの関係を「恋愛」とか「親友」といった言葉でしかくくれないのはとても不自由なことだと、この本を読んでいて改めて感じた。それらの言葉に関係を押し込めてしまうことで壊れてしまうものが確かにある。その言葉では表現しきれない関係を、名付けることが消してしまう。そのくらい壊れやすいもののようでいて、この二人はしっかりつながっている。互いが思っているよりもずっと。だからこそ、離れてもまた巡り合う。だからきっと、この先も逃れられないのだろうと思う。頭で願っても、心が望んでいないから。
自分は得られない特別な関係を味わうことができるのも読書の魅力だなぁと感じさせてくれる1冊。

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親にあがらうことができない小さな女の子たち。

屋外で、定められた時間がどれだけあるかも分からないままに、自分たちなりの遊びで距離を縮めていく姿がとても健気だと思いました。
この出会いをしていて、互いの人生のキーパーソンにならずにいられるものかと感じます。

わたしも、お金の心配をせずに暮らしていけるようになりたいと歯を食いしばっています。
親や親世代を見ていて、富裕層を憎むような20代に育ちました。

少しのお金を手に入れたくらいではこのカリカリとした気持ちは克服できないと思います。
わたしもいつか、おおらかな心と財布を持つ事ができますようにと願っている張本人です。

本屋大賞ノミネートおめでとうございます。

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