せんそうがおわるまで、あと2分
ジャック・ゴールドステイン
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刊行日 2023/04/14 | 掲載終了日 2023/04/14

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内容紹介
ジムとジュールズは、同じ日に同じ村で生まれた幼なじみ。ジムはジュールより2分早く生まれ、いつも速く、強く生きてきた。
第一次世界大戦がヨーロッパで勃発すると、ジムとジュールズは3万人のカナダ人と共に戦場に入隊することになる。
戦場は壮大で輝かしいものではなく、泥まみれで野蛮なものだった。ここでもジムが先陣を切る。ジュールズはいつも2分遅れで、訓練に遅れ、船に乗り遅れ、栄誉の代わりに雑用を言い渡される。1918年11月11日、ジムとジュールズは最後の戦いに駆り出され……
出版社からの備考・コメント
本書籍は刊行前のものです。内容・仕様等に変更がございます。ご了承ください。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784772615280 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
ページ数 | 64 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー

表紙見返しの赤いポピーを見た時、ああ、きっと死んでしまうんだなと暗澹たる気持ちになった。
反戦の象徴であり、戦死した兵士たちを偲ぶものであることは知っていても、その先に悲惨な戦闘があり、無残な死を遂げた幾多の人々がいることを思えば、心はトーンダウンする。
ましてや今まさに戦火の元にいる人々と重なり、いたたまれない気持ちになる。
ジムとジュール。生まれてから死がふたりを分かつまで、2分の差がついて回る。終戦は約束されていたのに、11時の線引きがジムに死をもたらした。戦争は人の心を歪ませる。みんな止めたいと思っているのに、命令から逃れられなくさせる。どうか、安らかに。そして、本気で反戦を掲げる勇気をみんなで!

あと2分がわける明暗。日本も、ポツダム宣言受託を決めた直後に戦争が終わったわけではなく、戦争が終わることが決まった後にも亡くなった人がいるし、殺した人もいるだろう。でもそれは、戦争を始めた人たちではない。戦争を始める人と、巻き込まれる人。その人数の比にくらくらしてしまうけれど、そこで頭を抱えるだけでなく、戦争の愚かさを戦争を知らない世代の子たちに伝え、戦争を起こさない世の中をつないでいかなくてはいけないという思いを強めました。
戦場でいくら武勲を立てても、平和な世の中で平和に暮らすことができなければその人の人生を壊してしまう。かわいらしいイラストと優しい色使いでそんな現実をまっすぐに伝えてくれるので、惨い事実までは知る準備ができていない子にも手渡しやすい。

ジュールとジムは同じ場所で同じ日の2分違いで生まれた仲良し。いつも一緒だったので、戦争が始まったら一緒に兵隊になりました。でも、戦争は2人が思っていたようなものではなくて…。2分というキーワードと、作者のあとがきが響きました。ぜひここまで読んでほしいと思います。

学校図書館関係者です。2023年度の選書に際して、最初に加えたい本です。
戦争を直接体験していない私たちが思い浮かべる「戦争」は、大切な人が亡くなった日、空襲の日や原爆投下の日など、開戦後の「その時」を想起しがちです。そっと近づいてきて、「その時」にはもう取り返しつかない状態になる。残された人々の悔恨も、何もかもが取り返しがつかない。被爆者語り部の方や伝承者の方から伺ったことや、祖父母から聞いた話などに、どこか重なる物語でした。

2 minutes to midnightというIron Maidenの曲を青春時代よく聞いた。
イギリスやカナダ、フランスなどでは戦争のイメージはWW1やWW2。
それ以前の中世の戦争よりも、本や音楽などでもいまだに影響が強い。
2分前というのが、もう手遅れになるかどうかの境目であって、
ジムとジュールにおいても、2分前と後で人生の優劣ですら消し飛ぶ。
憧れの人を惜しんだり、悔やんだりは、大事な人でいないからなおさら、
生きていたら、もっと違う人生だと断言できるからこそ、
いない人生の重さも見えてくる。自分にとって何かの2分前って何だろう。
いまからでも遅れているけれど、助かっている可能性があることって、
何かあるだろうかって考えさせられる本です。

カナダがイギリスの自治領だったことも第一次世界大戦に駆り出されたことも知らずにいました。話し合いで戦争を終わらせることができるなら最初から戦争なんてしなければいいのに。決めたなら11時を待たずにすぐに終わらせたら良かったのに。人々を死に追いやり残された人の心にも傷を残す戦争が無くならないのはなぜでしょう。力づくで奪いたい、まだ今でもそんな原始的な思想を持った国があることが悲しいです。

なんていうか、こういうタイミングって非情にもあるんだよね。どんな立場の人にも、どんな気質の人にも、戦争という重荷は降ってきて、個人的な何かが理由でもなく、ただただ理不尽に命や身体や心や未来を奪っていく。

【せんそうがおわるまで、あと2分】
#theeleventhhour #ジャックゴールドスティン
戦争が終わるまであと2分。
二人の仲良しがカナダで生まれ、一緒に育ってきました。
ジムとジュールです。
何をするのも二人は一緒でした。
しかし、ジムは優秀で、ジュールはいつも2分遅れていました。
ある日、戦争にいくことになりました。
読んで、戦争の怖さがすごく感じられる本でした。
日本語版で読みましたが、かなり内容がよかったです。
映画になりそうな壮大なスケールでした!!
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#せんそうがおわるまであと2分
#時計屋
#netgalleyjp
#netgalley
#読書
#絵本

お話の舞台は第一次世界大戦。「なんだ、昔の話じゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、過去の「戦争」も「戦争」であり、今こそ平和とされる国に住んでいる私たちが戦争に巻き込まれない為にも歴史を学び、過去の戦争で亡くなった人、大事な人を亡くした人、生き残った人々の気持ちに寄り添う物語を読む時だと思いました。この絵本を大人である私も子どもたちと一緒にページをめくり、フランスでドイツ兵と戦うことを強いられたカナダ人のジムとジュールについて語り合い、そして「平和」を願い祈り続けます。

(ネットギャリーで読みました)
タイトルの「2分」というのを見て、見事なドラマなんだろうなと読み始めたのですが…。「終戦が11時と決まった」という場面を見て胸騒ぎがして、読み終わってからはしばらく声が出ませんでした。
たくさんの子どもたちに読んでほしいです。戦争ものというとどうしてもかまえてしまいますが、ほんわかした感じの絵ですし、前半のほのぼのとした2人の様子を見たらどんどん読み進んでいくと思います。それがだんだんと…となり、戦場の過酷な現実が目の前に広がるようになる。でも絵は生々しさはありながらもリアル過ぎずという感じで、絶妙な描き方だと感じました。
カナダに住む2人がイギリス軍として戦っていますが、これが他人事で済まない状況に今の日本があると考えるのはおかしいだろうか、ということも頭に浮かびました。

人はなぜ戦争をするのか。
始めることよりも終わらせる方が難しいのに。
決着がついても、傷跡が消えることはありません。
時間を巻き戻すこともできません。
何も無かったことにはできません。
私たちはもっともっと考えるべきです。

第一次世界大戦で亡くなったある兵士の物語、
双子で生まれ平和の中で育っていましたが、戦争が勃発し祖国のために兵士となります。
想像とは違い、つらい、悲しい戦場、終戦2分前に明暗を分ける悲劇が待っています。
戦争のない時代に生まれた私はウクライナ戦争が対岸の火事と思える事もあります。
穏やかなグラフィックは戦争の愚かさ、悲惨さを見事に表現、改めて、平和の願を
感じました。

いまの世界情勢だからこそ、こどもたちに読んでほしい絵本。戦争は華々しく勇猛なものではなく、ただただしんどくて汚くて辛いものだということ。兵士じゃなく国に残った人たちも大変だということ。少しの差で生き残るか死んでしまうかが変わってくること。そして生き残った人も決して残りの人生を楽しくは生きられないこと。優しく軽いタッチの絵で読みやすいなかに、大切なことが描かれていると思います。