師弟百景

“技”をつないでいく職人という生き方

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刊行日 2023/03/01 | 掲載終了日 2023/11/22

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内容紹介

俺の背中を見て覚えろ……ではない

関係が紡ぐ16のライフストーリー。


若き弟子はいかにして職人の世界に飛び込み、

師匠はどのように“技術”と“伝統”を伝えたのか


【内容】

働き方が多様化している現在、「好きなことを極める」「会社員にはならずに生きる」という要素に魅力を感じて、「職人」という存在にいま改めて注目が集まっています。

また、職人の世界における「師弟関係」も、「親方の背中を見て覚えろ」から「背中も見せるが、口でも教える。理論も説いて教える」というように時代に即して変化してきているのです。

本書では、一子相伝でなく、血縁以外に門戸を開いている師匠と弟子の“リアル”な関係を、16組32名に取材し丹念に描き出していきます。

長年の作業で身に付けた確固たる思想や、引き継いでいくべき金言がそれぞれに存在し、日本美術や工芸に興味がある人はもちろん、「働くとは何か?」と考えている人にも訴えかける一冊となっています。


【本書で紹介している職人たち】

◆庭師

◆釜師

◆仏師 

◆染織家 

◆左官

◆刀匠

◆江戸切子職人

◆文化財修理装潢師

◆江戸小紋染職人

◆宮大工

◆江戸木版画彫師

◆洋傘職人

◆英国靴職人

◆硯職人

◆宮絵師

◆茅葺き職人


【著者プロフィール】

井上理津子(いのうえ・りつこ)

日本文藝家協会会員。1955年、奈良市生まれ。ライター。

大阪を拠点に人物ルポ、旅、酒場などをテーマに取材・執筆をつづけ、2010年に東京に移住。

『さいごの色街 飛田』(筑摩書房のちに新潮文庫)『葬送の仕事師たち』(新潮社)といった、現代社会における性や死をテーマに取り組んだノンフィクション作品を次々と発表し話題となる。

近著に『ぶらり大阪 味な店めぐり』(産業編集センター)『絶滅危惧個人商店』(筑摩書房)など。


俺の背中を見て覚えろ……ではない

関係が紡ぐ16のライフストーリー。


若き弟子はいかにして職人の世界に飛び込み、

師匠はどのように“技術”と“伝統”を伝えたのか


【内容】

働き方が多様化している現在、「好きなことを極める」「会社員にはならずに生きる」という要素に魅力を感じて、「職人」という存在にいま改めて注目が集まっています。

また、職人の世界における「師弟関係」も、「親方の背中を見て...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784777828258
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 216

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NetGalley会員レビュー

大変興味深い本でした。「一子相伝」ではなく広く門戸を開いて伝統的な技術を教えておられる「師」と、その弟子に焦点をあてて丁寧に取材されています。取材対象は(少なくとも私にとっては)あまり知る機会の多くない現場が多く、しかしとても奥深いお仕事ばかりで、まず取材対象の選定に感服しました。

そして、師弟という切り口がとても良いと感じました。それぞれのお仕事の扉ページと最終ページに師弟の写真がありますが、どれも非常に素敵です。

著者が真摯に取材されたことも対話の隅々から感じられ、読みやすく好感が持てる文章でした。難しい言葉やわかりにくいところにも配慮があり、写真にも適切なキャプションがあり、納得感がありました。

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職人と言えば寡黙で頑固、何年にもわたる長い修行、みたいなイメージがありましたが、現在はそうでもないようで。
もちろん「見て学べ」タイプの方もいらっしゃるけれど、丁寧に説明する方や、すぐに現場で経験を積ませる方もいるし、それらを組み合わせている方もいる。
後継者不足ということもあるんでしょうが、師匠と弟子という関係であると同時に、その伝統技法を守っていく同志でもあるんだろうなと感じました。
ただ、やはり師匠の方々は、様々な苦労の中一つの道を長年極められてきただけあって、飄々とした言葉の裏に重みを感じることもしばしばでした。
師匠もお弟子さんも、職人の道を選んだ理由は様々ですが、その道を選んだ方々の熱意やプライドをひしひしと感じたし、「これだ」というものに出会って、その道に邁進している姿は純粋にかっこいいなと思いました。
師匠と弟子の関係性がテーマなので仕方ないのかもしれませんが、欲を言えば、もう少しそれぞれの伝統工芸の技法そのものや、作業の様子を見てみたかったかな、とも思います。

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ひと昔は辛い仕事と言われていた農業だが、今はDXにより決して辛い仕事ではなくなってきた。一部では企業が経営に乗り出していたり、個人でも大規模に事業を展開している者もいる。またマーケットをグローバルに定め、甲府過活の産業化に成功している者もいる。
しかし伝統の道、職人の道はなかなかそうはいかない。ITによる合理化に適しなかったり、結局は職人の細かな作業の集積でしか成し得ない作業だったりするからだ。
しかしこの時代、あえて弟子として伝統の道に挑む若い人たちがいる。彼らは決してITやDXを否定しているわけではない。利用できるツールは利用するが、ベースとなっているのはあくまでも手技だ。継ぐことでしか得られない手技を、ある者は忠実に継承し、ある者はオリジナルのものへと昇華させる。
最大の使命は「途絶えさせない」こと。進化すればベターだが、現状維持でそのまま伝承できれば合格。それが伝統の世界だ。
この本を読んでいると、誰一人として現状維持で良しと考えている者がいないことに安心する。継いだ文化をさらに次のステージに高めていく。そんな使命感を確かに感じる。
章の頭には、師匠と弟子が対峙する写真が飾られている。そして共に正面を向いて並ぶ写真で締められる。この二枚の写真こそがこの本の本質だ。弟子は師匠に挑まなければならない。しかしいつの間にか、二人は同じ頂を向いていく。それこそが伝統の世界だ。

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職人の世界を師弟相伝という面から紹介する本、著者はノンフィクションライターの井上理津子、なかなか面白そうな世界を取材している人で本書も庭師、釜師、仏師、左官、刀匠、江戸切子職人、文化財修理装潢師・・・といった不思議な職業を紹介している。最後のものなぞ読めない、「そうこう」とは紙や絹を中心とする素材で構成された絵画や書跡といった美術工芸品を修理する意味だそう。ただ写真が多いのだが今回の電子書籍がそうだったのか不明だがカラーでなかった等不満があった。話を戻して本書に出てくる師弟たちの経歴が面白かった。特に立派な学歴がありながら無給の弟子入りを志願するのは勿論好きだからだろうが習得すれば特殊技能を身に着けることができるのだから賭ける意味を見出してのことだろう、なかなかできないことではあるが。

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あらゆる空間を自然の庭に変えるエキスパートをはじめ、職人の方達の仕事の美しさ、厳しさ、そして後継者との関係がわかる。
中学校での職業調べに一役買ってくれるうえ、
江戸切子、江戸小紋染なども掲載されているので、東京調べにも役立つお得な一冊。

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