オール・ノット

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刊行日 2023/04/17 | 掲載終了日 2023/04/16

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内容紹介

楽しいだけのシスターフッドはもう終わり!

女同士、助け合わないといけないなんて、誰が決めた?
友達もいない、恋人もいない、将来の希望なんてもっとない。

貧困にあえぐ苦学生の真央が出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の生き残り・四葉。
「ちゃんとした人にはたった一回の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」
彼女に託された一つの宝石箱が、真央の人生を変えていく。

「この宝石箱をあなたにあげる」苦学生の真央がバイト先のスーパーマーケットで出会ったのは、何でも売れる嘘つきのおばさんだった。

ー・ー・ー・ー・ー・ー

著者・柚木麻子(ゆずき・あさこ)
1981年東京都生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。’15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。著書に「ランチのアッコちゃん」シリーズ、『伊藤くんA to E』『BUTTER』『らんたん』『ついでにジェントルメン』『とりあえずお湯わかせ』などがある。


楽しいだけのシスターフッドはもう終わり!

女同士、助け合わないといけないなんて、誰が決めた?
友達もいない、恋人もいない、将来の希望なんてもっとない。

貧困にあえぐ苦学生の真央が出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の生き残り・四葉。
「ちゃんとした人にはたった一回の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」
彼女に託された一つの宝石箱が、真央の人生を変えていく。

「この宝石箱をあなたにあげる」苦学生の真...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

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★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

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○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、...


おすすめコメント

すごい作品が生まれてしまいました。

柚木さんから毎月1章ずつ原稿をいただくたびに、わくわくして、泣いて、喜んで、何より続きが気になって。ここ数ヵ月、月末はいつも感情のジェットコースターでした。真央や四葉を含め、この中に出てくる女性は全員、不思議な魅力を持っているけれど、ダメなところが必ずある。でも、全部ダメってわけじゃない。いいところもダメなところも映し出す、キラキラした宝石箱みたいな一冊です。読んだあなたの心にも、きっと宝石が残りますように。

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すごい作品が生まれてしまいました。

柚木さんから毎月1章ずつ原稿をいただくたびに、わくわくして、泣いて、喜んで、何より続きが気になって。ここ数ヵ月、月末はいつも感情のジェットコースターでした。真央や四葉を含め、この中に出てくる女性は全員、不思議な魅力を持っているけれど、ダメなところが必ずある。でも、全部ダメってわけじゃない。いいところもダメなところも映し出す、キラキラした宝石箱みたいな一冊です。読ん...


販促プラン

読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!

著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。

発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなどNetGalley以外の外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。

★★★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

★★


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★★★★★

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恐れ入りますが<講談社 第五事...


出版情報

ISBN 9784065312193
本体価格 ¥1,650 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

デパートのバイトで働く女子大生の主人公は、勝手に商品をアレンジしている試食販売のおばさんと知り合う。
そこから物語は大河小説のような壮大なうねりへと突入していく。おばさんからもらったとあるものから、別のおばさんへとつながっていく。
2人は実は大の仲良しだったが、今は離れた関係になっている。
歴史の波に翻弄されている2人の女性の友情は、近づいたり離れたり、お互いを思い合う時もあれば、反発する時もある。2人はどこまでいっても2人でしかない。気持ちが一緒になったように思えても、根っこの部分は繋がっていないのだ。
「永遠に続く友情」「永遠の愛」なんてないんだというスカッとした割り切りが気持ちいい。
そして2人の関係に巻き込まれて翻弄される主人公という縦軸が生きている。最後の章では未来が描かれる。そこでこの主人公を設定した効果が生きてくる。
小説の醍醐味に満ちた一作。芳醇な大河小説だ。

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柚木麻子さんの作品はどのお話もテンポよく、大好きです。
このタイトルの「オール・ノット」とは?と気になっていたところ、
みつ婆が意味を説明してくれるところで、そうか!と目から鱗が落ちるようでした。
登場人物ひとりひとり、かなり個性的なタイプで、友人になりたくなるタイプではなく、
明るい成功物語ではないけれど、この人物のようにこうありたいと思うことが随所にあり、
それぞれがある面では魅力もあり、たくましく、なんとなくその後が気になるのです。
古き良き時代と、貧困世帯の現実と織り混ざった、ノンフィクションのようなフィクション。
登場する地名、書名、ジェンダー、ハラスメント、いろいろなことに思いを馳せつつ、
何よりも登場人物たちの行く末の幸せを願わずにはいられない物語です。

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何でも売れる試食販売員のおばさん、というだけでもキャッチーなキャラクターなのに、その正体は!と過去に迫る怒涛の展開に、不思議な気分でした。うん、嫌いじゃない。どの登場人物も一筋縄ではいかないところがあって、面白かったです。

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小説の中のシスターフッドにとてもかっこいい印象を受けました。
表紙はとてもかわいい仕上がりになるのですね。お会いするのがとても楽しみです。

その時々で、近くにいた女性と「女性同士の連携」をとっていきます。その一過性のようなさっぽりとした逞しさこそ本来のシスターフッドではないでしょうか。

もちろん時間が経っても大切な思い出で、大切な存在。
ただし必要以上にべったりしない。相手を困らせるような締め付けをしない。

その時々に目の前にいる人に助けられたり、助けたりする。

なんてかっこいい女性たちの生き様でしょう。
宝石のように、宝石箱のように、たしかに心に残るのです。

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「失敗は誰だってしていいもの。」
まさにこの言葉通り、出てくる女性たちが皆完璧ではなく、何かしら失敗しながら生きている。
友達関係も、仲良しだったり、離れていったりしながらも不思議と続いている。
四葉の自分の利益を求めず、相手に与える無償の愛。嘘つきオバサンの過去の回想…どこを切り取っても引き込まれました。

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面白かった。
主人公と不思議な魅力をもつ四葉さんの友情の物語かなと思って読んでいくと、四葉さんを含む山戸家の3代に渡る女性の物語、または山戸家にまつわる女性の物語だった。どの物語にも、踏みにじられ、その傷がなかったことにされてきた怒り、生まれ持った運や環境によって大きく左右され、なかなか自分の人生を自分のものとして舵取りできない現状への怒りが感じられた。
近々訪れるであろう日本の姿には、あまり希望が持てないが、物語のラストはなんだかほっとするような、くすりと笑ってしまうような温かさのある終わり方で、たくましさや生きる力を感じられた。

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柚木さんの名を知らしめた衝撃の「嘆きの美女」に次ぐターニングポイントになるであろう渾身の一作。横浜で栄枯盛衰の菓子店といえば、あれとあれかな、、など随所に散りばめられたヒントを追いながら読み進めていくと、一人の女性の悲運を書き上げた壮大な歴史がそこにはあった。最後まで純粋だった生粋のお嬢さま、四葉の人生を是非追体験してください。

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友情とひとくくりにするには難しい。人と人との繋がりってなんだろう。お金でも血でも情でもあるし、そうではないとも言える。見えるもの、見えないもの、消えるもの、消えないもの。考えらほどに難しい。自分と世界を繋いでいるものはなんだろう。

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「私はルールをとっぱらって、別の視点で何かを生み出すことが得意なんです。試食販売のアルバイトでは、カップスープを鮮魚や冷凍食品の売り場で売りました。寒いからみんな温かいスープの試食に手を出す。しかもアレンジして生クリームや牛乳で割って出したら、飛ぶように売れました」柚木さんが答えるインタビュー記事を読みました。四葉さんのルーツですね。
人と人の関係で大切なのは固い絆で結ばれるていなくてもいいし、緩くても一時的な関係でも、途切れ途切れでもいいんだと思わせてくれる作品でした。
「オールノット」の技法で作られた真珠のネックレスは、しっかり固く結んで、たとえ切れたとしても真珠がバラバラにならないそうですが、その対極の繋がりが四葉さんと真央なのかとも思えるし、今は繋がっていなくても、その繋がりを次の繋がりへと受け渡していくことができのも、四葉さんと真央の関係なのかとも感じました。

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四葉と関わる女性たちの生き様がリアルで、時に打算的にもなる生々しさにグイグイ引き込まれました。
凋落しても騙されても強かに生きる四葉の逞しさは特にかっこ良く、真央の人生に確かな爪痕を残しているのが印象的でした。その原動力が社会や国への怒りだったとしても、女性が生きて行くための強さが次世代に続いて行くところに少し希望が持てました。
緩やかに繋がりながらバラバラに切れてしまうことのないオール・ノットが、人間関係の象徴のようでもあり、人生そのもののようにも思えて、壮大なドラマを見終えたような満足感がありました。

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真珠を絶対に離れないようにつなぐネックレスの技法を人と人との関係に置き換えて考えると、どんなにつながっていても個々に自立していなければどこかが切れた瞬間一緒にダメになる、そんなことも示唆しているのではと思えた作品でした。
人との出会いは人生を変えるきっかけには十分ですが、良い方に変えられるかどうかはそれだけでは不十分だということも教えてくれます。
四葉さんは、たくさんの人の人生にわかち与えましたが、与えるだけでなく共有しなければ満たされない、そんな虚しさもあります。だからこそ、ラストの真央のこれからに希望も感じました。

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経験や知識、教養は何があっても誰にも奪われない。出てくる人はみな、何らかの瑕疵があったり、不自由を強いられる境遇だったり、巡り合わせの悪さだったりを抱えている。後から振り返って間違いだったと思えても、その経験が今の自分を作っている。四葉さんのココアを飲んでみたいなぁ。

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柚木さんらしい骨太な、けれども優しい作品。
いろいろな境遇の女性たちが環境にめげず、ゆるく繋がり影響を与え合って生きていく。
どんどん生きにくい世の中になっていく様もリアルで、それでも生きていかなければならない私達の最後の命綱は他者を想うそれぞれの気持ちなのかもしれない。
根っからのお嬢さん育ちの四葉さんの、どんなに環境が変わろうともぶれない姿勢がお見事!

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なんてこと・・・と、何度かつぶやきながら読んだ。
人に無償で与える、そのことは確かに素晴らしい。
でも与えられた方は人は、小さな卑屈さを持ってしまうのかもしれない。
与えることで狭まっていく人生にはらはらした。

美しい真珠の小さなつなぎ目、それで保たれているネックレス。
人と人とのつながりも、人生も小さなつなぎ目でなんとか続いているのだろうか。
だとしたら、最後に対等になった二人をつないでいた結び目は、どうなっていくのだろう。
先が読みたいと思った。

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オール・ノットとは真珠のネックレスのつなぎ方。
たとえ一つがきれても、全てばらばらにはならない。一つ一つが独立し輝きを放っている。
コロナ前、コロナ禍、コロナ後。そしてその後のまだ訪れていない時代を生きていく女性達の話。
どんな状況であろうと、自分をしっかりもって、生きていく。時にはよりそいながら。

はじめの四葉さんとの出会いは、「ランチのアッコちゃん」かとも思いましたが、そう単純ではありませんでした。
個性の強い女性達が自分らしくたくましく生きていきます。

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苦学生の真央が出会った試食販売員のおばさん四葉。四葉の不思議な魅力と何故か彼女から貰った宝石箱に、何者なんだろうと興味津々で読んでいました。真央が四葉の親友と出会ったことによって知る女性たちが皆個性的で、誰もが皆失敗しながら生きているのも魅力的でした。宝石箱の中にあったオールノットの真珠のネックレスが人を繋いでいき、最後の奇跡がとても嬉しかったです。私好みのとっても素敵なストーリーでした。

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苦学生の真央がバイト先で出会った試食販売のおばさん・四葉は、かつて複数のレストランを経営していた山戸家のお嬢さまだった。親しくなった四葉は失踪。四葉からもらったお仕立て券を持ち、テーラーを探すと、そこは四葉の昔話によく登場する、旧友ミャーコの家だった。真央はミャーコとつきあううち、山戸家の没落の過程や、ミャーコの交遊関係を知ることになる。成功譚ではない、シスターフッドの物語。

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読み終わった時、まるで長編映画を観たような気持ちになりました。
なんと言うスケールの大きな物語なんでしょう。
何人もの女性が出てきますが、誰を主人公と思うかはきっと人それぞれ。
誰の生き様に一番共感できたか、という点にかかってくるのだと思います。
読んでいて、ああ、この二人の関係は終わってしまったのか・・・と思ったら違う。
オール・ノット。
この物語に本当にピッタリのタイトルで、やられた!と脱帽です。

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苦学生の真央の生活がある出会いによって一変した。スーパーの試食販売員の四葉さんとの出会いによって。多くを諦めつつ日々をやりくりしていた生活がまるで魔法をかけられたかのように、潤い輝いていくのが読んでいて嬉しい。第二章、三章と後半部以降真央は人生の浮き沈みとともに年齢を重ねていくが、四葉さんの過去が気になり一気読み。女性からの搾取や学生の貧困問題など多くの社会問題を含んだ重く深いテーマの作品でもある。タイトルが読後も静かな感動と余韻を残します。

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スーパーマーケットでアルバイトをする苦学生の真央。ある日試食販売をする四葉と出会う。彼女が売ると商品は不思議と売れていく。四葉から生活の知恵などを学ぶうちに、彼女は横浜で没落したというた山戸家の一族だったことを真央は知る…

 山戸家三代の女性の人生とコロナ禍も挟んで、近未来の日本まで描かれた、幅広い社会問題にまで踏み込んだ小説でした。柚月さん、先月この小説をお描きになられました?と聞きたくなるほど今芸能界を騒がせていることも小説の中にはあります。

 題名のオールノットは全部ダメのall not ではなく、all knot という切れてもバラバラにならない真珠のネックレスの繋ぎ方からきています。四葉のお婆様のみつ婆の「all not も全部ダメってわけじゃないんだよ。なにごとも」という言葉が読み終えてから思い出されます。

 ホンモノを知る四葉さんは地味で、お人好しで、自信がないようで時には司令官のような顔をします。人に何もかも与えてしまう『幸福王子』のようだけれど、何かを捨てなければ何も入ってこないような濃厚な人生を覗き見したような気持ちになりました。

 余裕がなくて、色々と諦めている日本の若者たちに読んでもらいたい1冊でした。

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アッコちゃんシリーズ的な展開を予想していたので、意表を突かれました。
人生は甘くないが、辛いだけでもない。
近くにいる人の笑顔の裏には、深くて長い人生の大河がある。
人とは簡単には分かり合えないが、見えないところで通じ合うこともある。

オール・ノットの意味するところを考えた。
人と人とのつながりのことなのだろうが、
「離れてても一緒」というポジティブなものなのか、
「離れたくても離れられない」というしがらみ、恋慕、あるいは呪いなのか。

最終ページのその先に、主人公の明るい未来と、ひとつの再会が待っていますように。

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大学生の真央は金銭的に余裕のない生活を送っている。
分かり合える友人もいない中、スーパーのバイトで知りあった女性・四葉と交流を持っていく。

四葉はかつては栄華を極めた一山戸家の令嬢だった。
山戸家はなぜ凋落してしまったのか。
四葉のかつて友人との出会いから真央は四葉の人生を垣間見る。

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どう書いたものか、レビューを寝かせてしまった。

女子同士(とりわけ若い世代)の複雑な心情や友情、立ち位置などを描くことにかけて、柚木麻子さんのその力量たるや表現できないほどである。
もう、読みながら首を縦に振りつつうなるしかない。

この小説では、舞台が自分の育ったエリアでもあるのでより思い入れが深くなった。

かつて栄華を極めた山戸家と銘菓。
一代で築き上げたその頂は、あることをきっかけに脆くも崩れていく...。
波乱万丈の人生であっても常に信条を変えることなく生きていく四葉の姿に、喝を入れられたような感慨が残った。

バブル崩壊後の30年の中で生まれ育った真央のような世代には、夢を描くことも難しい人も多いだろう。
そういう世界にしてしまった大人たちに、四葉の姿はどのように映るのだろうか。

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