おしえてジェンダー！　「女の子だから」のない世界へ

「女の子だから」という呪いを解くために一人ひとりが学び、声をあげ、まわりの社会がそれを理解し応援する必要がある。

ジェンダーギャップ指数120位とヘルジャパンとも評される日本。

オンラインハラスメント、児童婚、デートDVなど被害にあったとき、声をあげる権利を行使するため知ってほしい。

女の子向けの本です。よくある思い込みをまとめた内容で、漫画を挟みながら読みやすい構成です。

できれば、女の子以外も登場して、みんなでおかしいと気付くような展開が良いと思います。
この表紙では、学校図書館で展開する場合、ジェンダー平等・・・という感じに持っていきづらいです。

女子校に通っていて一人っ子や女きょうだいしかいなかったりすると中高生まではそれほど「女の子だから」を気にしないで暮らせている子が多いかもしれないけれど、そんな日本がどうしてジェンダーギャップ指数が低迷しているのか、教育の順位は低くないことになっているけれど、それって本当なのかなど、中高生のうちから意識してほしいことがマンガも取り交ぜてわかりやすくまとめられている。
児童婚は日本にはないけれど、婚姻年齢が男女一緒になったのはつい最近だし、離婚後に再婚できるまでの期間は未だに男女一緒ではない（ようやく来年から女性だけにあった再婚禁止期間が廃止される予定ですが）ことなど、いまの当事者にならないうちはほとんど知らないのではないだろうか。
この本を通して、当事者としてのジェンダーの課題も、自分は恵まれた環境のお蔭で関わらずに済んでいるジェンダーの課題も、同じくらい「ジブンゴト」として捉えるきっかけにしてほしい。

これは男女問わず読んでもらいたい！
女の子だからという固定概念で育てられてきた私たちと、それをなんとか脱却させるべく親として頑張ってきたつもり。
それらが文章と漫画になっている。

ただ読んでいて色々な感情が湧き出してきてしまう。あの時こんな目にあった、あの時はこんなことを感じた。
そしてそれは今も続いている部分もある。

きちんと声をあげていこう、きっと共感してくれる人はたくさんいるはず、という思いを後押ししてくれる本だ。

日本の、世界の女の子たちのおかれるジェンダー不平等な状況が、わかり易く描かれた一冊。

図書館では児童書に分類されると思うが、中高生男女だけでなく、何が不平等なのか、ピンとこない大人にも是非読んで欲しい。

期せずして
明日6/23〜29は、男女共同参画週間。
そして残念なことに、2023年のジェンダーギャップ指数は146か国中、日本は過去最低の125位。