この夏の星を見る
辻村深月
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刊行日 2023/06/30 | 掲載終了日 2024/02/19
ハッシュタグ:#この夏の星を見る #NetGalleyJP
内容紹介
《この物語は、あなたの宝物になる。
著者渾身の新たな代表作 》
亜紗(あさ)は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。 27 人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から 距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
星の光に、涙があふれる。
コロナ禍でままならない思いをした
すべての人に贈る感動作!
おすすめコメント
「この星」3つの注目ポイント
※「この星」は本書の通称です
1.コロナ禍
『この夏の星を見る』の物語は2020年春、新型コロナウイルス流行によってイベントや部活動が制限されていた時期から幕を開ける。未知の感染症だからこその不安や葛藤、行き違いの中で少年少女はどんな風景を見るのか。
2.天体望遠鏡
作中では17 世紀後半に発明された筒のない「空気望遠鏡」、高さを変えずに横から覗き込むことができる「ナスミス式望遠鏡」など様々な望遠鏡が登場。亜紗たちは自作の望遠鏡作りに挑む。
3.スターキャッチコンテスト
自作の天体望遠鏡で星を見る活動。制限時間内にどれだけ多くの星を見つけられたか(キャッチできたか)を競う。日本各地に散らばった中高生たちは、スターキャッチコンテストを通じて、さらに大きな目標を捉えるが――。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784041132166 |
本体価格 | ¥1,900 (JPY) |
ページ数 | 488 |
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NetGalley会員レビュー
コロナ禍での生活、我慢ばかりで悔しい気持ちや悲しい気持ち、やり場の無いどうしようもないモヤモヤ。たくさんの気持ちを抱えながらも、そんな世の中ならではの出会いや発見に心が元気になっていく学生達の姿が、心に焼き付いて離れません。
スターキャッチコンテストの開催が決まって、手作りの望遠鏡を作ることになって、遠くの学生達と繋がっていく。その時々のみんなの気持ちが私の中にも、ぱあっと目の前が開けたかのようにワクワクと伝わってきました。登場人物はたくさんいるのに、とにかく心理描写が繊細で一人一人の気持ちが流れ込んできました。成長していく姿もすごくよかったです!
みんなで星をつかまえた時、そしてラスト、私も心の奥底から熱いものが込み上げてきて、気付いたら涙が溢れていました。
コロナ禍の中にも、キラキラして眩しい青春を見た気がします!
私自身もコロナ禍直前に引っ越して、全く友人に会えない時期がありました。今もまだ遠くの友人には会えていません。
でも、宇宙に比べたら全然近い!そう思うと希望が湧いてきて、前向きな気持ちになりました。
学生も大人も、いろんな人に読んでもらいたい作品だと思います!!前向きな、元気な気持ちになること間違いなしです!
素敵な作品をありがとうございました!
2020年のコロナ禍で、茨城、東京、五島の中学生、高校生が星を通して繋がっていく物語。
読んでいて、何度も胸が締めつけられたり、熱くなったりしました。
コロナが落ち着いたら本番の青春がやってくるわけじゃない。
コロナであってもなくても、中学生時代、高校生時代は本当にその時しかない。
そのことをよく理解し、子ども達と同じように悔しい思いや怒りも抱えながら、絶妙な距離感で、「してあげてる」感を見せない綿引先生を始めとする大人達がかっこよかったです。
そして何より、男の子と女の子の恋愛ではないつながりも、恋愛関係も、先輩、後輩の関係も、好きなことでみんなが一つになっていく感じも、全部青春で、私が胸が熱くなって何度も泣いたのは、「コロナで普通の学生生活が失われてかわいそう」だからじゃなくて、このみんなの青春に心がギュッとなったからだと思います。
コロナ禍で学校生活を送ってきたすべての中高生達に、「ここにあなた達の本があるよ!」って言いたいです。
とてもとても大好きな作品でした。
2020年、先が見えず誰もが不安と焦りを抱えて過ごしてきたコロナ禍。
学校行事や大会などが中止になり、制限が多い学校生活を送る中高生の物語。
コロナによって友達とぎくしゃくしてしまったり、思うように部活動ができなかったり・・・。
その当時学生でなかった私も、登場人物たちと一緒になって苦しんで読み進めていました。
しかし、スターキャッチコンテストを通して、それぞれの場所で暮らす学生たちが繋がっていき、
自分たちの手で青春を作っていく姿に胸が震えました。
そしてその学生たちを支える、大人たちの内に秘めた想いや熱意にも感動しました。
『違う場所にいても、空は一つだから星は見られる』
中々会えずにいる遠方に住む親友に想いを馳せながら、今日も空を見上げようと思います。
学生さんをはじめ、コロナ禍を乗り越えてきたすべての人に読んでほしい一冊です。
コロナで大人はもちろん子ども達の生活にも様々な影響がでたのは知っていたが、ひとりひとりの心の傷までは思いが至らなかった。知ってはいたけれど、わかってはいなかったのだ。浦川先生の「しばらくはそれでいい、なんてことはない」の言葉が胸に刺さった。
離れた場所でも同じ景色は見える。空を見上げよう。少しだけ前を向こう。このメッセージをたくさんの人に伝えたい。
いつかコロナの脅威を完全に忘れる時が来ても、この作品を読めば私はコロナ禍を感情ごと思い出すことができるだろう。
自身が一番共感したのは晴菜先輩の言葉であった。コロナのバカと何度思ったか。自分の卒業旅行もそうだが、文化祭などの行事がなくなっていく母校の後輩たちや見知らぬ学生たちにどれほどの心を裂いたか。彼らの会話、言葉が学生時代にコロナ禍にあった私にはよく刺さった。
今を生きている大勢がコロナ禍とその制限を知っている。また、視点も3視点はあるため、どの年代の方でも誰かに共感してこの物語を読み進めることができると思う。
コロナ禍で生活が一変した中高生を中心としたお話。突然、どんどん“普通”がなくなる日々への不安や、それでも、自分達が“今ここに居る”ことを表現したいガッツのある姿勢が、とても読みやすかったし、作品にのめりこむような感じはあったのに、ずっと下手な息継ぎを何度もしているよう苦しさが伴っていて、まだ自分のなかではコロナは終わってない気持ちが強いのも影響していたのかも。
違う場所にいても、空は同じだと思えたり、ずっと、何があっても変わらないものの象徴のようだった星も、実は移り変わっていく真実を知ったり、読めば読むほど天体への興味関心がどんどん刺激されて、登場人物たちと一緒に天を仰いでいるような気持ちにまでなります。
『絶対に、できてほしい。これ以上、私たちから何も奪わないでって感じ』の言葉には涙し、
最終章のえー!そうなだったのぉー!の読み終わった人だけの連発サプライズには驚きが渋滞しました。〆の『この夏の星に向けて、皆が、今、空を見上げる。』の言葉が胸にしみます。
間違いなく自分の中での、今年の上位作品。
『この夏の星を見る』というタイトルからも、物語の流れからも「この夏」がクライマックスなんだろうなと思って読んでいたら(そして、実際、「この夏」がひとつのクライマックスなのですが)、読み手の勝手な予想を覆して、どこまでも広がる宇宙のようにぐんぐんとちから強く前に進んでいく物語と登場人物たちに感動しました。
舞台はコロナ禍の真っ只中。登場人物の多くは中高生ですが、制限だらけの彼らの日常は同じコロナを体験した人なら誰でも容易に想像できます。だからこそ、そのなかでできることを模索し、新たな世界を切り開いていく彼らの姿には励まされるし、共感を覚えます。そして、ちょっと羨ましかったりもします。
作中には、青春群像劇らしい出会いや別れ、友情や軋轢、挫折などいろいろな要素が盛り込まれています。そのなかでいちばん強く感じたのは「可能性」でした。どんな状況下にあっても、あきらめない心があればなんだってできる。好きだという気持ちがあれば、いつか人は宇宙にだって行ける。そんな人間の持つ可能性を感じさせてくれる作品でした。
読みながら、個人的な記憶も甦りました。登場人物たちが校舎の屋上で夜空に天体望遠鏡を向ける場面、文字を追う自分の目に過ぎったのは、小学生のときに年上の従兄弟が天体望遠鏡で見せてくれた月のクレーターと土星でした。
もう一度、今度は自分で天体望遠鏡を買って、月と土星が見たくなりました。
辻村先生、よい作品をありがとうございます。
高校生の頃、天文部の幽霊部員でした。あの頃活動していたらこういう青春が送れたのかもしれないと思うと、この本を読んで本当に高校生の私も天体観測ができたような気になりました。
ところどころ、沁み入るシーンやセリフがあって、電車の中で読んでいたのにどうしようもなく泣けてきて大変でした
コロナ禍で規制だらけの日々に燻っていた学生たちを繋いだ、どこまでも広がる一つの空と無数の星。「しばらく」っていつまでだろう?積み上がる不確かと不安に押し潰されそうになりながらも、リモートを活用し可能性を広げていく青春長編小説。
自作の望遠鏡で、制限時間内に星を捉えるスターキャッチコンテスト。完全に畑違いの題材(理系)で少し目が滑る所もあったけど、自作の望遠鏡を使用する意味や、高さを変えずに使える望遠鏡など、深い思い遣りに心打たれた。
コロナ禍で奪われた普通の学生生活、コロナ禍が与えた特別な出会い、かけがえのない青春を支える先生たちの温かさが印象的。外野に振り回される事なく、選択力と決断力を磨いていく作品。
高校の部活動の指導員をしているので、コロナ禍での学校生活の制限の多さや息苦しさが痛いほど伝わってきました。
1年目、感染者や関係者への差別も、今なら、あの時は酷かったねと語ることができますが、当時の理不尽な差別を生む心情は醜く、人の本性が露わにされましたね。子どもたちが直面したら尚更辛かったことでしょう。
そんな感染症の3年間でも、世界を広げ、出会う機会のなかった人たちとの交流を生んだことが救いでした。
自分が通っている学校が全てではない、日本のどこかで、世界のどこかで、子どもたちがそのように感じてくれたらいいですね。
「私の今は、今しかない。」
我慢の連続、当たり前にできていたことが当たり前で無くなるコロナ禍。亜沙や真宙たち高校生や中学生が、やるせなく、葛藤している場面は心が苦しい。それでもその瞬間を無駄にしないように今出来ることに全力を尽くす、その姿勢にとても感動しました。
誰もが共感できる物語。たくさんの人に読んでほしい一冊です。
天文部が動き出す
ダメだもう感動して序盤から涙が出てくる
感動は目に見えてるものばかりではなく
静かな力が合わさった時大きなものなんだなと感じました
とても心打たれ少し読んでは涙を堪える急がず大切に読みました
1歩踏み出せば世界が広がる
コロナで身動きが取れない分ネットの力をかり
彼ら彼女ら、学生の向上心の力て素晴らしい
空は繋がっているんだな
私も参加したい
コロナ禍、いろいろなことが制限された学生生活。いろいろな行事が中止になったり部活で活動できなかったり、今まで通りの生活を送れない不満ややるせなさ、怒りなどの感情がとてもリアルに描かれていて、胸に迫りました。
そしてそこからオンラインでスターキャッチコンテストをやろうと学校同士で繋がっていく様子にとても胸が躍りました。この制限の多い中でどうにか楽しんでやろうとする子どもたちが生き生きしていて、最後は電車の中で読んでいて涙を抑えるのが大変でした。
大人の決め事に従うしかないけれど、いろいろな事情を抱えた子どもたちがその中で自分が楽しめるように努力していく、その過程がとても素敵でした。
青春。コロナ禍でも、こうして文明の力を活用しながら繋がりを作っていくのは若者のパワーならでは。それに、空も繋がっている。開けた空間の中で、ただ星を見るだけではなく、天体望遠鏡まで自分たちで作るというところも面白い。
2020年春、コロナ禍での少年少女たちの生活も変わってしまった。
「このままでは夏を迎え撃てません」
でも、コロナ禍だからこその出会いも絆も生まれた物語。
第一章のはじまりから胸がギュッと痛くなりました。学生たちが楽しみにしていたイベントが、日常が失われていく状況。大人の世界も未知のウイルスに翻弄されて進んでいく分断。
茨城、東京、五島で暮らす中高生が望遠鏡を作る、空を見上げることでの繋がりを中心に子どもたちの心境の変化、世の中の変化が書かれています。
どうしてこうも辻村さんは子どもたちの気持ちを言語化できるのでしょうか。
私の印象では5㍉位離れたところから書かれている感じ。だからほんの3年前、遠い3年前、決して元には戻らない今を思いながら涙してしまいました。
辻村さんの『かがみの孤城』は私の勤務先の小学校で書架に並ぶ時間は短いです。並べばすぐに借りられるから。そしてほとんどの児童たちが「良かったです」と感想を言ってくれます。
この本もそんな1冊になりますように。なるべく多くの人たちと出会えますように。
コロナ禍の記憶がまだ新しい、いまのうちに読んで欲しい物語。
コロナのせいで何かを諦めたり、悔しい思いをした人はそれこそ星の数ほどいたことでしょう。
自分が学生のときの思い出といえば、部活や修学旅行のことばかり。その活動が制限されたなか、何が出来るか考える。スターキャッチコンテストのようなイベントができたなら、きっと一生忘れられないだろうと思いました。
最後に、生徒たちを見守る先生方!!
素敵すぎます!
2020年の春、コロナ禍による休校や緊急事態宣言で世間が自粛ムードの中、不安や葛藤を抱えながらも、ある中高生たちが゛今゛を諦めないために行動を起こす。
あの日、あの時、仕方ないからと何かを諦めたり、失ったり、悔しい思いをした皆に読んでほしい物語です。
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綿引先生の「コロナがあったから失われ、でも、コロナがあったから出会えたこともある。どちらが良かったのかなんて葛藤をあの子たちが持たなきゃならないことがもどかしい。本当だったら、経験は経験で、出会いは出会いのまま、何も考えずに飛び込んでいけたはずなのに、そうじゃなかったことが。」というセリフ。
「コロナ禍で大変なことも沢山あったけど、そうでなければ得られないものもあったね」と、前向きに自分を納得させた人も多いと思います。
でも、この「本当だったら、経験は経験で、出会いは出会いのまま、"何も考えずに"飛び込んでいけたはずなのに」という部分がなんとも言えずグッときました。
青春と呼ばれる学生時代を、思春期と呼ばれる多感な時期を、コロナ禍によって生まれた見えない圧力に押し潰されてしまった人も居たに違いない。
そう考えるとたまらない気持ちになりました。
星のようにちりばめられた生徒たちの想いが、一気に集まり大きく広がる、星空のような作品だった。
コロナで閉塞され行動制限された中で、さまざま土地に暮らす生徒たちの様子が丁寧に描かれている。
読んでいて、そうそう、そうなんだよね、と頷く場面が何度もあった。
星に対する情熱で引き寄せられるように集まっていく生徒たち、そして魅力的な大人たち。
読んでいて、応援せずにはいられなくなる。
星に対する知識や星を見る方法など、星のことを知らない人にも手を差し伸べてくれる。
今を過ごしているこどもたちに手渡したい一冊だと思う。
どの生徒も非常に思慮深い『この夏の星を見る』という小説では、様々な思考が見て取れます。
さらに、そうしたややこしくも達観した生徒たちを、ほとんど手出しせずに信じて見つめる大人・部活動顧問たちの存在もまた非常に大きく熱い存在となっています。
発売まもなく『この夏の星を見る』を読む読者は、まだコロナウィルスが完全に収束した世界を知りません。
発現当初の驚きからは解放されているものの、まだどうしたらいいかわからないことが山ほどある。
そんな現状で読んでみたら、あなたはどのような気持ちになるでしょうか。
きっとこの先、歴史ひとつが重なるごとに読まれ方の解釈が変わってくる。
『この夏の星を見る』はそんな小説となることでしょう。
背景がまさにここ数年のことを書かれていて、
コロナ禍の中高生たちの葛藤が
すごく伝わってくる作品でした。
コロナで奪われたものはたくさんあると思う。
だけどそんな中でも得ることができたもの…
そこに焦点を当てているのが素敵だった✨
オンラインで一緒に星を見る。
気分の高揚や感動がこっちにも伝わってきて
あぁ、少しでも楽しいことがあって
よかったなぁ…って思えた☺️
今まで当たり前に友だちとできていたこと。
それができなくなった悔しさ。
きっと学生たちにはいろんな我慢や苦労があったんだろうな…。
これからまた戻っていくといいな😞✨
そして、それを支える先生たち…。
同職なのでこちらにも共感できて。
子どもの可能性を影でそっと支えられる存在。
素敵でした💓
コロナの話なのにほっこりするところがいっぱいで、
さすがの辻村さんでした☺️
コロナ禍で様々な制限を受けて辛い思いをしていたのは大人だけではない。子どもたちならではの我慢や苦痛など辛いことが沢山あったんですよね。友達に会えなかったり大会が中止になったり情報として知ってはいたけれど、可哀想に思ってもそれにどう対応してきたのかまで考えていませんでした。それぞれがいろいろな思いを持つ中で手作りの望遠鏡で星を見るという事をリモートで会ったこともない離れた地域の中高生たちが共に行う。制限がある中で考えて行動する彼らのコロナ禍だからこその経験が青春していてとても良かったです。
感染関係者への差別、離婚や家庭の事情での転校など、コロナ禍では実際にあっただろうな…と感じさせる様々な出来事にも直面しながら、そんな中で行われる「スターキャッチコンテスト」に向けて取り組む中で育まれてゆく彼らのかけがえのない絆がとても素敵な物語になっていたと思いました。
今までに経験したことのない閉塞感があったコロナ禍
学校も部活も全てが中止になり
大人も子供も疑心暗鬼になるなか
動きだした子供たち
失われた年にならないようにサポートする大人たち
最初は緊張したオンラインが遠く離れた人達を繋いでいく
皆の頭上には同じ星空が瞬いている。
普通の中学生と高校生
普通がこんなに愛おしいと再確認させてくれた。
自分たちで作った望遠鏡で見上げる星空は達成感が溢れて消えない記憶になりますね。
これからは私も夜空を見上げて星を見つけよう。
それだけで遠い人達と繋がっていける
辻村深月さんが書く青春小説の中でもこの作品はとても好きです
コロナ禍の中で今何かできること、自分たちが楽しめることを探して、心を通わせ叶えていく
いろんな方法で好きなことを通して繋がって、輪を広げていく
できないからもうやめたではなくて、じゃあ何だったらできるだろうと考え挑戦していく4つの学校の中高生たち
あーまだまだ未来はあるぞと力をもらい、大人の私たちができることを彼らにも伝え、支えていかないと!と勇気をもらいました
いろんな経験を通して光り輝く彼らに大きな幸があることを
この作品を通して元気になる人が増えることを願います
何度か、感極まって泣きそうになった場面がありました。
新型コロナウイルスのパンデミックで、子供たちが一番犠牲になってしまったのではないかなと思っています。
学校にも行けない、勉強も満足にできない。世界中ほぼみんな同じ状況ですが、若いうちの2年間はとても大きいと思います。修学旅行に行けなくなる、部活もできない。青春台無し。
しかし、この本を読んで、コロナ禍だからこそできたこともあったのではと思いなおしました。
スターキャッチコンテストはとても面白いなと思いましたし、全国の中高生とオンラインでつながることに関してこれまで以上に門戸が開放されたのではと思います。スターキャッチコンテストは日本だけのことですが、オンラインなら全世界の人たちとつながることができるので、コロナでオンラインの可能性はかなり広がったと思います。
夏休み電話相談は一時帰国するのがいつも夏なのでたまに聞きますがとても面白いと思います。
その電話でつながった子供と先生の話はなんだかちょっと素敵でした。男の子が一人しかいない学校も、逆に東京だったら私立がありすぎてこんなこともあり得るのかな!と驚きました。
辻村深月さんの本はとても好きで、少しずつ集めていますが、こちらも文庫になったら買いたいなあと思いました。
この夏の星を見る/辻村深月
- コロナ禍の、胸につかえた想いが全部吐き出され救われる、熱い感動の物語 -
コロナ禍で、修学旅行も流れ、天文部の部活動にも制限が入り
活動自粛に紋々とする茨木の高校二年生、亜紗
公立学校なのに、クラスで男子が一人だけのショックに立ち直れない
東京の中学一年生、真宙
旅館の娘で、他県の客からコロナを持ち込むんじゃないかと親友から距離をおかれ、
やりきれない想いを抱える長崎、五島列島の高校三年生、円華
コロナ禍で中止になった、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」
それを離れた場所同士で繋がって開催できないか。
中学生高校生が、顧問の協力も得ながら、茨木・東京・長崎と繋がっていく。そして・・・
コロナの犠牲者、不遇の世代、そんな風に思いたくないし言われたくない!
今年は仕方ないと早々に諦める大人達を、中学生高校生たちの熱意が動かしていく
テーマが素晴らしいと思いました。
加えて、想像していた努力が実を結ぶクライマックスの感動の後に、
もう一つそれを越える感動が二段階で押し寄せてきたのは最高でした。
大人にも、学生にも読んで欲しい。これはコロナ禍の想いを確実に変えてくれる1冊です。
素敵な物語をありがとうございます。
#フタバ図書 #読了 #NetGalleyJP
コロナ禍で子ども達が学校生活に不自由を強いられたあの頃、我が家の子ども達に直接、思っていることや感じた気持ちを聞いたことはなかったけれど、最後のインターハイが中止になって尻すぼみに引退となってしまった部活の無念さや、中学卒業間近の日々や高校入学直後の数ヶ月を自宅で過ごさなければならない退屈さは、見ているだけでもヒシヒシと感じていた。だからこそ、この本で描かれた学生達の必死とも言える懸命さや、爆発的な衝動、何かを掴み取ろうとする力強さがとてもリアルに感じられ、心から応援し、一緒に喜び、清々しい気持ちになった。
あの時出来なかったことが出来るようになった今だからこそ、彼らの輝きが尊く、今がありがたいと感じる。
これは、たくさんの中高生におすすめしたい。
コロナ禍で学生生活を送った誰もが共感するだろう。失ったあるいは奪われたものはあっても得たものもある。そんな言葉が出ること自体、教師や親は複雑な気持ちになる。何故自分達だけがから、それを経験とし、新たな発見や出会いに結び付けていく様に若者の底力を感じ、こちらが励まされる。星や宇宙に目を向けることは、時間の価値を改めて考えることにも繋がる。辻村さんはいいテーマを見つけたなあ。若い世代の子たちのこの経験が活きる社会になりますように。
私は高校時代、天文部に所属していました。辻村深月さんは他の作品でも、本当によく取材をされて小説を書いていらっしゃるなと思わされます。今回も、そう感じずにはいられませんでした。
コロナ禍の三つの学校の物語がそれぞれで進みます。「繋がるのかな」と思っていたら、やはり一つになっていきます。それぞれの天文に関する活動を読んでいると、実際に私が学生時代を過ごした天文部の「空気感」を、思い起こさせるくらいリアルに描いていると思いました。
時に少ない部員。上下関係が厳しい訳ではなく、自分たちでつくりだす和気あいあいとした雰囲気。顧問の先生が練習の指示を出す訳ではない独特の緩さ。その中にも「天文部」「理科部」として胸を張れる活動を自分たちで提案すること。
私たちの天文部時代は、コロナやリモートでの他校との活動はありませんでした。しかし、「文化部の爽やかな青春」は変わりません。登場人物はさまざまなことを心に抱えています。それでも「スターキャッチコンテスト」という目標に向けたひたむきな努力や協力。「文化部の爽やかな青春」をありありと描いたこの小説、今回も辻村深月さんには最高の読後感を体感させられました。
何でもないシーンでも涙が込み上げました。
制限だらけの中でなんとかできることを模索し、葛藤する学生たちの姿に胸が熱くなりました。
今思うともっと何かやりようがあったのではと思うこともありますが、2020年当初は誰しもどうしたら良いのかわからなかった。貴重なイベントの中止、マスク生活で友達の顔もよく知らない、それまではなかったような差別。
この物語の登場人物たちのようにあの頃の学生たちが、何かしら思い出を作れていますようにと切に思いました。
大人の目線から見ると、どうしてもコロナ禍で制限された時間は、
「失われた時間」「損をしている時間」と感じてしまい、
自分より若い世代、特に学生さんに対しても、同じ見方を押しつけがち。
でも彼ら彼女らにとっては、それこそがかけがえのないリアルであり、
決して「かわいそうな学生時代」ではなく、
精いっぱい生きている豊かな時間なのだ、ということを思い知らされました。
ひとりひとりの心のひだ・揺れが丁寧に描かれているのがいい。
同級生女子が仲良しの先輩と仲良くなっているのを知って、
最初は「俺の先輩なのに」と女子に対してむかついていたのが、
いつの間にか、その女子のことが気になって…といった心の動きも、とてもリアル。
コロナ禍の記憶が急速に薄れつつあるいま、この三年間で大切な学生生活をおくらざるをえなかった中高生たちがいたことを忘れたくないと思った。中高生たちを見守る大人の視線にもぐっときました。辻村さんらしい、すばらしい作品。
2020年、covid-19は世界を変えた。
この出来事を作家たちはさまざまな角度から作品にした。
医師から見たもの、女性からみたもの、そして学生から見たもの。
今までの日常が否定され、苦しい時間を過ごした。
しかし、人はたくましい。できることを考え、工夫し、行動しようとする。
オンラインで人はつながれる。星を見ることで人はつながれる。
コロナがなければできなかった体験。でも、コロナでよかったとは思えない。
そんな気持ちが痛いほどわかる。