図書館がくれた宝物
ケイト・アルバス作/櫛田理絵訳
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刊行日 2023/07/31 | 掲載終了日 未設定
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内容紹介
第70回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 小学校高学年の部
1940年、第二次世界大戦下のロンドン。
12歳のウィリアム、11歳のエドマンド、9歳のアンナのきょうだいは、
親がわりだったおばあちゃんが亡くなり、
家族は3人きりになってしまった。
3人に必要なのは、保護者となる「後見人」。
後見人がいなければ、遺産に手をつけることもできない。
そこでおばあちゃんの弁護士が提案したのは、
3人で学童疎開に参加すること。
ロンドンにいるより安全だし、
ひょっとしたら、3人をずっと家に置いてくれる家族が
見つかるかもしれない……。
疎開先の厳しい日々、3人にとって、
村の図書館だけが救いだった……。
ロンドンから疎開した本の好きな3人きょうだいの、
心あたたまる物語。
2021年ニューヨーク公共図書館ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤー
おすすめコメント
英米で絶賛!
ロンドンから疎開した、本の好きな3人きょうだいの、心あたたまる物語!
英米で絶賛!
ロンドンから疎開した、本の好きな3人きょうだいの、心あたたまる物語!
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784198656652 |
本体価格 | ¥1,900 (JPY) |
ページ数 | 384 |
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NetGalley会員レビュー
第2次世界大戦中、ロンドンに住んでいた兄妹3人は、疎開することになる。
3人に割り当てられた家族は、別に悪い人たちではない。多分、みんな生きていくのに必死なだけ。そういう時代でもある。
そんな中、図書館を見つけた3人。ロンドンからもそれぞれ迷いながら本を持ってきたくらい、本好きな兄妹。彼らにとって、そこはちょっとした安らぎの場所になっていく。そして、場所だけではなく、そこで働く司書のノラも、3人の良い理解者に。
物語のラストで戦争はまだ終わっていないけど、この先どうなるかなんてわからないけど、それでも子どもたち3人の未来が少しでも明るくなって良かったと思う。
兄妹と関わる大人の描かれ方が、ストーリーが進むにつれ、微妙に変化していくのも面白い。
特に、カー先生。本当はユーモアのある人なんじゃないだろうか?
戦争は、大人にも子どもにも、同じように悲しみをもたらす。それは戦勝国でも、敗戦国でも関係なく。疎開した3人の兄妹が、そこで見つけた幸せが続くことを願わずにはいられない。
文中に出てくる、沢山の文学作品がまた、物語を豊かにしてくれる。知っていても知らなくても、その作品を読みたくなる。
表紙の図書館の窓から覗くカラフルな背表紙に誘われて、この本を読んでみたくなりました。
第二次大戦下のロンドン。裕福だけど身寄りをなくした3人の兄弟が、疎開先で後見人を探すことに。
私もホームステイをした経験がありますが、知らない土地で知らない人たちと暮らすのは緊張の連続です。そんな時、図書館で読んだことのある本を見つけると、知り合いに再会したような気持ちになります。ましてや本のことを話せる司書さんがいれば、入り浸ってしまうこと間違いありません。
戦争は大人が決めたことなのに、犠牲を強いられるのは子供です。図書館で、巻末リストにある本を子供達が安心して読める世界にするのは、私たち大人の手に委ねられていることを改めて実感しました。
とても読みやすい物語でした。図書館に、主人公達の希望があるところもよかったです。
全体的に悲しい出来事が続きますが、主人公達はそれに負けずに何とか兄妹力を合わせて前を向いて進みます。
読書好きな児童であれば、主人公達と同じくらいの年齢から、読みながら主人公達と一緒にドキドキハラハラし、時には怒り、悲しみ、喜べると思います。
日本の子ども達は、自国の第二次大戦時のようすについて授業で学んでいますが、外国の国でも日本と同様に、このようにして学童疎開が行われ、日本とのやり方の違いや、その時の子ども達の様子がどうであったかを思うきっかけになるという意味でも、良い本だと思いました。
両親亡き後ウィリアム、エドマンド、アンナの3人兄妹は唯一の肉親の祖母まで亡くした。ここまででも十分に気の毒な境遇なのに、更に後見人がいない。戦時下において、子どもだけで田舎に疎開。里親とその子どもたちとうまくいかず、救いのない状況の中、希望の光は、図書館だった。今でも名作として読まれる作品がこのころによく読まれていた作品として次々と登場する。辛いとき、本の中のエピソードを心の拠り所として読み過ごす場面には胸が震えた。全体に戦況の厳しさや生活の貧しさが描かれ暗い陰を落としているが、兄妹の団結やけなげさに心救われる。図書館で得た宝物とは本のことと思っていた。しかし兄妹はそれ以上のものを手に入れたのだ。
第二次世界大戦下における、イギリスの子どもたちの物語。学校図書館において、児童に手渡す戦争文学は日本の話が多くなるが、あの当時、同じような状況下にいた子どもが世界中にいたことを知るきっかけにもなりそうだ。
個人的には、子ども時代の読書を思い出すような、懐かしい気持ちで読み進めていった。食事、衣服、生活の描写にイギリス(欧米)の文化を感じ、憧れていた気持ちが蘇ってきた。
図書館が、本が、戦時下の3人の兄妹達の心の支えとなった。本には力がある。今もきっと。そう思わせてくれる一冊だった。
やさしい表紙イラストに惹かれましたが、
イラストの通りやさしく温かい気持ちになれるお話しでした。
そしてどんなにつらいことがあっても本が力になってくれること、
本の力を信じさせてくれる本でした。
でもそのためには身近な場所に図書館があって、
そこを自由に使えることを知っていて(もしくは知る機会があって)、
必要な時には必要な本を手渡してくれる人がいること、
というのが大事なのだということも伝えてくれていると思いました。
効率、とか、コスパ/タイパという言葉の陰にかき消されかねない、
図書館と司書の存在意義を静かに訴える作品でもあると思いました。
第二次世界大戦時のイギリスを舞台に、疎開先での困難を助け合って乗り越え生活していく3人の兄弟の姿が健気で、ラストまで一気読みでした。子どもの幸せを願わずにはいられません。話の中で読まれていた本も、知らなかった本があるのでぜひ読んでみようと思います。
きょうだいが途中も離れ離れにならなくて良かったけど。良かったけども!
ウィリアムが大した年の差じゃないのに、健気に弟妹の世話をしていて、ずっと気になっていた。ミュラーさんがそこに最初から気づいてくれていて、あなたが背負うべきものじゃないと伝えてくれて本当に良かった。つらい時代にも読書は心を支えてくれる。グリフィスさん一家が本を破ることに一切抵抗がないのが象徴的だった。