ラッタくんとかみやまくん

小学四年生のラッタくんとかみやまくんの日々。月代わりで季節が動いていく。
ものすごく仲よしというわけではないふたりですが、ラッタくんから見たかみやまくんのいろんな面が、素直に描かれていきます。見開き２ページのショートマンガの体裁で、気取らずのんびりふたりの気持ちの動きを追っていきます。理解しきれない面、ほうそうか！と驚かされる面、好き嫌いがはっきりしていて、自分の好きなことは立て板に水で喋りまくるかみやまくん。自分とは違うかみやまくんを理解していく時間はまた自分を見つめる時間でもあるのです。子どもたちが他者を知っていく過程はこんなふうに、緩やかな時間をかけて認め合っていくのでしょう。シリーズ化してもいいなと思います。

絵を描くかみやまくん。秘密基地のかみやまくん、なわとびのかみやまくんとなぜかかみやまくんばかりに目がいってしまいます。
きっと、ラッタくんがかみやまくんを引き立てているのですね！

かみやまくんのモンスターノートのイラストがなんだかわからないけれどおかしかった。
マンガ以外にイラストもたっぷりと仕掛けられている1冊です。

「かみやまくんはちょっと変わってる」と言う僕もちょっと変わってる。みんな少しずつ違っているところがあるけれど、面白がられたり許されたりしながら受け入れられている。そんなふうに思わせてくれる本でした。

ほのぼのとした二人、手描きのコマ割り？に癒されるし、かみやまくんのモンスターノートが面白い。小学生って愛おしいなと思いました。

そして私も「にせ汽車」を聞いたことのある一人です。