ダーウィンの呪い

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刊行日 2023/11/14 | 掲載終了日 2023/11/21

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内容紹介

人類が魅入られた

進化論の「迷宮」に

ようこそ

第71回毎日出版文化賞受賞で注目の書き手による
サイエンスミステリーの傑作。

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◆絶賛の声が続々と!

「ダーウィンの名のもと、メビウスの輪のように善はいつのまにか悪になる。この恐ろしき呪いを解くための必読書」
―――中江有里氏(女優)

「おそるべき知識・考察・文章の力で読ませる、現代人のための憑きもの落としの書。見境なく人に勧めたくなりました」
―――吉川浩満氏(文筆家)

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読み始めたら止まらない
知的興奮の一冊!

ダーウィンが独創した「進化論」は、科学に革命を起こした一方で、3つの「呪い」を生み出した。
●「進歩せよ」を意味する〝進化〟→(進化の呪い)。
●「生き残りたければ、努力して闘いに勝て」を意味する〝生存闘争と適者生存→(闘争の呪い)
●「この規範は人間社会も支配する自然の法則だから、不満を言ったり逆らったりしても無駄だ」を意味する「彼のダーウィンが言っている」→(ダーウィンの呪い)

本来、ダーウィンが提唱した「進化」は、中立的で方向性のない概念であったが、彼の主張を曲解した後継者たちが「3つの呪い」に囚われ、取り返しが付かない「過ち」を犯していった。私たち現代人にも密かに浸透する進化論の「呪い」の謎に迫る!

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◆本書の主な内容◆

第一章 進化と進歩(進化に方向性はあるのか/自然選択で「人間らしさ」は生まれるのか …etc)

第二章 美しい推論と醜い(妥協がもたらした深刻な弊害/明治時代に輸入された「適者生存」 …etc)

第三章 灰色人(ベストセラーではなかった『種の起源』/サイエンスライターが広げた「進化論」 …etc)

第四章 強い者ではなく助け合う者(フェイクニュース/進化を進歩に変える試み …etc)

第五章 実験の進化学(現代進化学の体系を作ったドブジャンスキー …etc)

第六章 われても末に(生物学史に残る大論争/未来を先取りしすぎた男 …etc)

第七章 人類の輝かしい進歩(ヒトラーの専属医師が遺した言葉/天才統計学者が継承した優生学/科学を捻じ曲げたピアソン …etc)

第八章 人間改良(階級的立場からの決めつけ/天才統計学者が書いた「怪文書」 …etc)

第九章 やさしい科学(人種隔離政策と博物館の意外な関係/「民族浄化の科学」 …etc)

第十章 悪魔の目覚め(自己家畜化する人間/優生思想で滅びたスパルタ …etc)

第十一章 自由と正義のパラドクス(目的はどこにあるのか/崇高な理念とおぞましい差別 …etc)

第十二章 無限の姿(現代のトランスヒューマニズム/ゲノム改変の誘惑 …etc)

人類が魅入られた

進化論の「迷宮」に

ようこそ

第71回毎日出版文化賞受賞で注目の書き手による
サイエンスミステリーの傑作。

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◆絶賛の声が続々と!

「ダーウィンの名のもと、メビウスの輪のように善はいつのまにか悪になる。この恐ろしき呪いを解くための必読書」
―――中江有里氏(女優)

「おそるべき知識・考察・文章の力で読ませる、現代人のための憑きもの落としの書。見境なく...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

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★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

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○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、...


おすすめコメント


◆ 編集担当者より◆
◆本書刊行までのエピソード◆

第71回毎日出版文化賞を受賞した『歌うカタツムリ』を読んだのは、いまから5年前の2017年冬。
最初は、よくある昆虫好きの科学者によるエッセイかと思いましたが、まったくの見当違いでした。

読み進めていくと、巻き貝の研究をモチーフにした、進化論が織りなす壮大な叙事詩に一気に引き込まれ、ページを捲る手が止まりません。
科学者たちの激しい学術論争が、あたかもカタツムリの螺旋のように「攻守」が入れ替わり、次第に「真理」に近づいていく。圧倒的な知識と見事な構成力と筆力に裏打ちされた紛れもない傑作でした。

 惚れ込んだ私は、すぐさま新作の執筆を依頼しました。千葉さんとのお仕事は今回で2作目になります。
本作は、天才ダーウィンが独創した「進化論」が、後継者によっていつしか変質し、優生学や人種差別を生み出した挙げ句に、ホロコーストという取り返しのつかない「過ち」に繋がっていく過程を描きます。

ゴルトン、ピアソン、フィッシャー、スペンサーら、天才科学者たちが次々に「進路論の呪い」に取り付かれていく様は戦慄を覚えます。私たちとて無縁ではありません。知らず知らずのうちに、我々も「ダーウィンの呪い」をかけられているのです。
知的好奇心を刺激するサイエンスミステリーの傑作をご堪能ください!



◆ 編集担当者より◆
◆本書刊行までのエピソード◆

第71回毎日出版文化賞を受賞した『歌うカタツムリ』を読んだのは、いまから5年前の2017年冬。
最初は、よくある昆虫好きの科学者によるエッセイかと思いましたが、まったくの見当違いでした。

読み進めていくと、巻き貝の研究をモチーフにした、進化論が織りなす壮大な叙事詩に一気に引き込まれ、ページを捲る手が止まりません。
科学者たちの激しい学術論争が、あたかもカタ...


販促プラン


読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。

※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 出版営業局>まで直接お問合せをお願いいたします。       

★★


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※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
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出版情報

ISBN 9784065336915
本体価格 ¥1,200 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

適者生存、自然淘汰などの脅迫的なメッセージをダーウィンの呪いと定義し、それを解きほぐそうとした試み。

優性思想のその考え方はすでにギリシャ時代にはあったという。


社会階級と出生についてのダーウィンをはじめとする長い議論は片方の当事者である女性の著名人の名前がひとりも出てこないところがまさに呪い。

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私たちの生活に浸透している「ダーウィンの呪い」
そんな「呪い」がかけられているはずはないと否定する人もいるかもしれない。そう否定する気持ちを持った人はぜひ〈はじめに〉を読んでほしい。日常的にその呪いである「進化」や「適者生存」といった言葉を目にしているのかとまず驚く。
その呪いの本質に迫っていくと、もっと知りたい!というい知的好奇心が刺激されとても面白かった。

そもそもダーウィンは『種の起源』で「進化」という用語を使っていない、という第一章は始まる。ダーウィンが用いたのは「進化」ではなく「変化」という表現だ。しかしなぜダーウィンといえば「進化」という言葉が思い浮かぶのか?その答えを知るうちに「進化」という言葉の「呪い」の本質が少しずつ見えてくる。

私がこの本で一番興味を持ったのは 第四章・強いものではなく助け合う者の章である。そこには遺伝子について述べられているがトロッコ問題の道徳的判断にオキシトシン受容体遺伝子の多型が関与するという研究があるということだ。道徳的な問題としてだけ捉え考えていたが、全てこの考えを受容とした訳ではないがこういう研究もあるのかと興味深かった。

ギリシャ時代からあった優生思想。その思想は歴史の過ちを何度も繰り返し、いつか復活の時を待っている。
優生学とその基礎となったの進化学。その優生学が支持されてきた思想を知るうちに怒りすら覚える。しかしそれは他国のことだけでなく日本においても1948年から1996年まで優生保護法が制定されおり、今でも悲しみを訴える人たちの存在を忘れてはならない。

「進化」という言葉の危うさ、そして日常に溢れる「呪い」
なぜ私たちは「呪い」がかけられたのか。ダーウィンから始まり、進化学を唱えた人たちの思想を学んだ。そしてその学びの先にある人間の「善」と「悪」という問題を考え続けていきたい。それが歴史的な過ちを繰り返さないための一つの鍵となるのではないだろうか。

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ダーウィンの前知識を全く持たないまま読み始めましたが、とても読みやすく拝読させていただきました。
歴史のなかでの成功も負の遺産も、すべてがいまの進化に繋がっている。進化の事実に善悪はない。負の遺産も、結果をしっかりと受け止めてそれを修正可能な仕組みを見出していく、今後の政治にも科学にも未来において大事なキーワードが盛りだくさんな一冊でした。

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素晴らしい本、新書(講談社現代新書)だが結構、高度な内容、科学的という意味ではブルーバックス並みだがテーマは現代新書らしく普遍的。最初は「進化論」というより著者(千葉聡)の用語?では「進化学」の歴史と思っていたら後半は「優生学」。つまりタイトルは正しい。さらに科学論、哲学ともいえる。うまく説明できない(私は科学に弱い)のだが乏しい理解では「進化論」が「進化学」になれない理由、「再現性」がないので論者によって勝手な解釈が可能、場合によっては危険という話。

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ダーウィンといえば進化論、進化論といえば適者生存、弱いものは滅びて強いものが残るってやつだよね。
そういう思い込みを「呪い」として徹底的に分析する本。
本当はダーウィンはどう考えていたのか、それがどういう経緯で誤解されるようになっていったのか、とても詳細に解きほぐしていく。科学史の力作。

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ダーウィンが多様な種がどのように生まれたのかを考察した「種の起源」で説いた進化論が、優生学やヨーロッパ人種を頂点とする人種差別の理論に利用されていき、優生政策やホロコーストにまでその理論根拠になっていく様を描いている。

進化を意味する英語の evolution という語は元来「内側に巻き込んでおいたものを外側に展開する」ことを意味しているようで、ダーウィンも初版ではこの言葉を使っていなかったようである。(今西錦司先生は種の起源は原著で読めと宣われている)自然科学と社会科学がまだ十分に分化していなかったダーウィンの時代、「種の起源」は自然科学のみではなく、社会、政治、思想といった分野に演繹されていく。進化は進歩、適者生存は生存競争に置き換えられ、自らの主張の根拠に「ダーウィン曰く」が使われるようになる。

進化論はもともと創造論のアンチテーゼとして述べられたものだと思うが、発表された「種の起源」は思想・政治的には人種にはもともとヒエラルキーが存在すると考える創造論者の側で活用され、ヒエラルキーの頂点にいる人種・民族がその優秀さを保つため、悪しき人種が交わることを許さず、駆逐すべしとされてしまった。

自然科学の知見が本来語っていることを、思想・政治の立場からあえて曲解し、自らの理論の足場にする行為は決してダーウィンの時代や近代の闇ではなく、現代でもしぶとく生き残っている手法である。いわゆる理科系人種も政治・思想の分野にも目を向け、自ら立脚する足場が崩されていくことが無いように注意を向けいていくべきであろう。

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本書の前半を斜め読みしてまず舌を巻いたのは、進化論の変遷とその受容過程にまことに多くの、それも個性豊かな科学者諸氏が関わっていたのだという事実。私のような門外漢は、御大ダーウィンを除けば、ラマルク、ウォレス、ハクスレーぐらいしか知りませんでしたからね。
 しかもダーウィン自身がほかの学者の主張や、その受け入れられ方を見て、自説を微妙に修正していたなんてこと、本書を読まなければ想像もしなかった。

 ただ、この本が俄然面白くなるのは、進化論に裏打ちされた優生学に話題が及ぶ第7章からだ。ここに至って、私は「斜め読み」ではなく、普通の縦読み(?)に切り替えた。
 優生学が出てきた当初の背景は、人種偏見や身障者蔑視よりもむしろ、貧者の出生率の高さに、当時の英国の知識人が頭を抱えたかららしい。
 彼らの問題意識は、野生動物なら自然選択により淘汰されていたはずの弱者が、人間であるがゆえに生き残れてしまう点にあった。で、ここで論理の飛躍があるように思うのだが、「だから人為的な自然選択を施す必要があるんだよ」と考えたわけですね。ただ、こうした思想自体はダーウィン以降のものではなく、古代ギリシャのプラトンもすでに唱えていたのだとか。
 それから20世紀前半にかけて、ご存じのとおり、優生学とそれに基づく政策は、英米、(ナチス)ドイツ、北欧、日本といった、現代の常識からすれば人権意識が高くあれかし「先進国」で猛威を振るうことになる。
 少々シニカルな見方をすると、「後進国」では人間であっても弱者は生き残れない状況だったから、優生思想がはびこる余地も必要性もなかったのかもしれないな。

 本書の中で最も印象深かったのは、253ページのある一節。少し長めだが、そのまま引用させていただこう。

「危険な思想が出現した理由のすべてを、特定の時代の特異な個性に帰すのがよいとは思えない。それよりどの社会の誰の心にも、それを抱く素地がある、という認識を持ったほうがよいのではないか。その思想は不死身の生命体のように、はるか昔から雌伏していて、時を得るや人と社会を利用して姿を現し、猛威を振るい、やがていずこかへ姿を消して復活の時を待つ――そう考えるのが適切であろう。科学者が思想を生み出したというより、思想が科学者を宿主とし、科学を武器に利用したのである。」

 前後関係を参照した上で読んだ方が論旨を正確にとらえられるのはもちろんだが、このパラグラフだけ一読しても、かなりの含蓄があると思いませんか。
 ワタシ的にはいくつもの連想が、同時に頭に浮かんできた。
1)う~ん、優生学(を含む危険思想)って、帯状疱疹ウイルスの体内潜伏みたいなもんなんやなあ。
2)リチャード・ドーキンスが言うところの、DNAによる宿主(=個々人)の行動の操作にも似てるやないか。
3)そして相模原市の重度障害者施設における大量殺傷事件だ。今のところ、あの事件を起こした男性の思想は、(少なくとも表面的には)社会の多数派から「危険思想」と断じられている。
 けれど、それをこの「特定の時代の特異な個性」に帰すことは、たぶんできないんだよね。時を得るや、彼の思想が「人と社会を利用して姿を現し、猛威を振るう」こともあるかもしれない。
 たとえば冷戦崩壊後の一時期には、「自由民主主義的な思想・経済・政治体制がやがて世界を覆いつくすだろう」という考え方が主流になったわけだが、私たちはそれが単なる幻想に過ぎなかったことを、すでにこの目で見てしまった。
 それと同じように、現在常識とされていることが、20年後にも常識であり続けるとは限らないことを、私たちは肝に銘じなければなるまい。「長生きしすぎた人たちや、重度の障害を持つ人たちを無理矢理生かしておいたなんて、平成から令和の人たちはなんて残酷だったのだろう」と言われる時代がいつか来ないとは限らないのだ。

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ダーウィンの進化論って、とても優れた発明だとおもっていた。適者生存、自然淘汰という概念が、まるで、それはダーウィンによる呪い。というのか呪詛みたいに扱われています。面白いが、どうなんだろうかとも感じた。

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ダーウィンといえば、「進化論」。浅学な私の思い込みの知識が根本からひっくり返された。進化は進歩とは異なる。日頃、生物学の書を手に取らない私の目から鱗が落ちる面白さだった。
ダーウィンの「進化」がブランドとして一人歩きしてしまったのはなぜなのか。
進化論を守るために妥協してウォレスの案を受け入れ使った「適者生存」の一語。火種の元となったこの一語から、ダーウィンの学説が社会や政治にいいように利用され、恐るべき「優生学」が唱えられた。その過程を解きほぐして明かしてくれるこの一冊、興味深くも恐ろしい。

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