母、アンナ

ロシアの真実を暴いたジャーナリストの情熱と人生

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刊行日 2023/11/17 | 掲載終了日 2023/11/15

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内容紹介

世界的に最も著名なロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの娘ヴェーラによる臨場感あふれる手記。母アンナは、2006年のプーチンの誕生日に殺害された。その時、ヴェーラは26歳で妊娠していた。母の死後に生まれた娘に「アンナ」と名づけ15年が経過した2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻した。その時から再びポリトコフスカヤの姓をもつ母娘の身に危険が迫ってきた。ヴェーラは娘を連れて国外脱出を決意した。娘が語る、母アンナの素顔、そしてロシア-ウクライナ戦争に突入した現在のロシア社会の内実。

世界的に最も著名なロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの娘ヴェーラによる臨場感あふれる手記。母アンナは、2006年のプーチンの誕生日に殺害された。その時、ヴェーラは26歳で妊娠していた。母の死後に生まれた娘に「アンナ」と名づけ15年が経過した2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻した。その時から再びポリトコフスカヤの姓をもつ母娘の身に危険が迫ってきた。ヴェーラは娘を連れて国外脱出を決...


おすすめコメント

本書は、家族による伝記にとどまらず、二〇二二年二月に始まったロシアによるウクライナ軍事侵攻後のロシア社会の空気を映す記録となっている。母と同じジャーナリストの道を歩んだ娘ヴェーラ本人の考察も一読に値する。プーチンやウクライナ侵攻についての論考は星の数ほどあるが、本書は、ポリトコフスカヤをもっとも身近に知る者の視点で体験を綴り事象を見つめたもので、異彩を放っている。――NHK解説委員安間英夫


この本は、「ある母」についてのものだ。ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤは、二人の子をもつ母であると同時に、プーチン政権に虐げられたチェチェンの人びとの精神的母親であった。そして本書の著者ヴェーラもまた、アンナの娘であると共に、娘の命を護るために故国ロシアを脱出したひとりの母親である。言論の自由のない国で「生きる」とはどういうことか? 一人の女性の生き方のなかに、私たち自身の生き方を顧みることができる、中高生にもお勧めの本。

本書は、家族による伝記にとどまらず、二〇二二年二月に始まったロシアによるウクライナ軍事侵攻後のロシア社会の空気を映す記録となっている。母と同じジャーナリストの道を歩んだ娘ヴェーラ本人の考察も一読に値する。プーチンやウクライナ侵攻についての論考は星の数ほどあるが、本書は、ポリトコフスカヤをもっとも身近に知る者の視点で体験を綴り事象を見つめたもので、異彩を放っている。――NHK解説委員安間英夫


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販促プラン

書店様の国際情勢(政治)、ロシア・ウクライナ紛争の関連書コーナーにて新刊としてご展開ください。

※NHK出版 書店様向けサイトより注文書がダウンロードできます。

https://shoten-pr.nhk-book.co.jp/news/n54455.html

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※NHK出版 書店様向けサイトより注文書がダウンロードできます。

https://shoten-pr.nhk-book.co.jp/news/n54455.html


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784140819500
本体価格 ¥1,900 (JPY)
ページ数 224

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NetGalley会員レビュー

アンナ・ポリトコフスカヤさん、ニュースで女性ジャーナリストが殺害されたというニュースを見た覚えはあるが、どのような人物でどんな活動をしたのか、恥ずかしながら知らなかったのでリクエストしました。

この本はアンナさんの娘であるヴェーラ・ポリトコフスカヤさんにより母親の素顔が語られる。
ジャーナリストであり、娘であり、妻であり、良き母親であるアンナさん。その黒幕は分かっていないというが、ジャーナリストとして政権批判をしチェチェン紛争の最中取材をし続けたアンナさんはなぜ殺害されたのか。

ヴェーラさんの言葉でとても心に残った言葉がある。
「ロシアでは言論の自由は贅沢品で、高い代償を伴う」
日々の生活のなかで当たり前のように言論の自由が保証されている私にとって、言論の自由が贅沢品であるという事を考えたことがなかった。今も続くウクライナ侵攻、そしてロシア国内での言論統制。作品中にナワリヌイ氏についての言及もあったが、この本を読み彼がどのような状況でロシアに戻ったのか興味を持ったら、ぜひ映画『ナワリヌイ』を観てほしいと思った。
ヴェーラさん自身もロシアのウクライナ侵攻後から、娘とともに身に危険が迫り国外脱出をしている。いつの日か彼女たちの身に危険が及ぶことがなくなりロシアに帰れる日が来ることを祈りたい。

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アンナ・ポリトコフスカヤ(ロシアのリベラル紙の記者)は2006年に自宅アパートのエレベーター内で射殺された。本書はその娘ヴェーラによる母の記録。

ロシアはプロパガンダによって作られた仮想の世界であり、その世界にとってアンナはとても不都合な存在だった。反面、欧米にとっては尊ぶべきアイコンでもあった。

本書に綴られているのは、精力的に体制に真っ向から立ち向かう真面目な1人の女性、2人の子の母親、そして誕生する孫を待つ祖母となるはずだった女性のささやかな生涯だった。

申し訳ないんですがアンナ殺害のニュースは記憶になく、本書で少し取り上げられている彼女の死後1か月後リトヴィネンコ氏のポロニウム210による殺害は強烈に記憶に残っています。しかし本書を読み、10月7日はプーチンの誕生日であり、アンナが殺害された日であることを私は新たに記憶します。

本書の著者ヴェーラも今回のロシアによるウクライナ侵攻のため、国を出ざるをえませんでした。停戦し、帰国できる日を祈っています。

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ウクライナの戦争が始まって1年が経った。そして多くのジャーナリストの声が抑圧され、報道が政府広報へと変えられていくことによって国民は真実の国の姿を知ることができなくなっている。
プーチン政権に抗って虐げられた声を拾って伝える母と娘の記者の足跡は痛ましくもありながら勇気をくれるものであり深い敬意なくしては読むことができない。
チェチェンへの侵攻を現地で取材する母アンナ・ポリトコフスキスカヤは家族を愛し、一途に仕事に打ち込む本当に誠実な女性だ。言葉で権力とその暴力に立ち向かうことはどんなに恐ろしいことだろう。現にロシアでは反対派を毒殺することが続いている。拘束され虐待されることもある。母は娘に常に自分がいなくなった時の対処について語る。暗殺された日の行動はまさに遺言のようでもある。そして娘のヴェーラもまた同じようにウクライナ戦時下のロシアを母の跡を辿るかのように綴っている、身の危険を感じながらも。
本書を読み、命の危険を冒してでも貫く正義とは、伝える言葉とは、なんと強いものかと感じる。そう思うと私は日々のニュースを見る時、読む時、心が熱くなってしまう。特に今、ウクライナやガザから届くものに、知らせなければ、伝えなければと言うジャーナリストの思いが込められていると感じている。爆撃で多くのジャーナリストも亡くなっていると聞く。一人でも多くの人が本書を手に取り、記者ひとりひとりの想いを共有してほしいと思う。

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言論の自由の象徴として「アンナ・ポリトコフスカヤ」という存在があること。彼女の生き方を娘であるヴェーラが記したことという意義がこの本には大きくある。

母親であることと、ジャーナリストであることと、そしてそれらの以前に人間としてどうあるべきかということがアンナの原動力だったことがわかる。おそらく母親という私生活の部分を抱えていること自体実は深い悩みにもつながっていたのではないかと、感じてしまう。
それほどまでに、言論にたいしての暴力が存在しているのだ。

著者ヴェーラは、母の姿を追うことで、自分のなかにあるジャーナリストとしての何かと向かい合っているんだろうとも思う。

チェチェン紛争のとき、遠い国で起きているように感じていた自分と、今起きているウクライナ侵攻に対して抱いている自分の考えと距離感のちがいは、報道のされ方にあると自分でもわかっている。それは報道の自由という問題ではなく、技術的な部分によるところが大きい。
それでも、本来このネット社会は言論統制と相反する仕組みを持つものだと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
アンナが生きていたならば、このウクライナのこと、それからパレスチナで起きていることなど、どのようにとらえて行動しただろうか、と思わずにいられない。

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はずかしながら、ロシア政府に暗殺された人ということ以外、ジャーナリストとしてのアンナ・ポリトコフスカヤの仕事を知りませんでした。急いで巻末に記されているチェチェンに関する邦訳を読みました。彼女の記事からは、戦争下にも衣食住の営みがあり、それを全面的に支えるのは女性たちであることが伝わってきました。また、チェチェン紛争を維持することで国が利益を得る構造を明らかにしています。自分に対する拷問や家族に対する締め付けについては、あまり触れられておらず、娘さんによって書かれた本書で、ロシアでジャーナリストとして書くことの難しさを知ることができました。モスクワについてはたくさんの資料があるけれど、ロシア連邦を構成するそれぞれの国について、あまり目にしてこなかったので、新たな知識を得る良い機会になりました。

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