
幻日/木山の話
沼田真佑
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刊行日 2023/12/06 | 掲載終了日 2023/12/05

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内容紹介
卓越した自然情景描写。
4年の歳月をかけ書き継がれた渾身の連作小説「木山」の話。
芥川賞受賞から6年、待望の受賞後第1作。
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コロナ禍を含め、4年の歳月をかけ書き継がれた、オーガニックな魅力の連作小説「木山」の話。
自然のまま、言葉の流れるまま、音楽に身を任せるように、耽溺し没入する小説体験。
自然への、生命への、名もなき人への「眼差し」。
人と動植物、水と土と空気、社会が影響し合って成り立つこの世界を生き、過ぎ行く時間をそのままに描き出す。
「早春」「入船」「遡」「ブラスト」「日なた」「朝霧の」「カタリナ」「ながれも」計8本収録。
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著者/沼田真佑(ぬまた・しんすけ)
1978年、北海道小樽市生まれ。
2017年、「影裏」を「文學界」に発表、同作が第157回芥川龍之介賞を受賞。本書が受賞後第1作の単行本となる。
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★★
出版情報
ISBN | 9784065339121 |
本体価格 | ¥1,900 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー

作家の木山なる主人公とした短編が並んでいく。でもこれは、私小説の形を捨てた私小説。
徒然なるままに綴られていく木山の見聞きし感じ、考えていく様。それは、虚構を生業としている彼の日常?幻想?。現実感が近づいたり遠ざかったりするその様子は、読んでいて軽い眩暈をもたらした。
しかし、碇との再会のあたりから、木山がだんだんと現実に侵食されていくのに気づいた。現実を生きるようになる木山。それが彼にとっては、いいことなのかそうでないのか。ただ、読んでいて木山の〈あやうい〉という本質が掌からこぼれ落ちていくようで、侘しく感じた。
そして最後の短編は、その小山の瞳に映る景色。それだけが、生き生きときらびやかに、陶酔感に満たされて綴られていく。それを読み終わった時、曖昧な自分の中に生きてきた小山が、自分すら溶け込んでいくような外界に立つ様子に、その情景に、とても清々しい気持ちになった。そうして、彼を見送ることができた。

「木山」が語る連作小説。
心地よいリズムと情景の美しさ。そして安定しない心の内側を独特な言葉で木山は語り続ける。木山の後ろに風景や音が次々に写し出されている。まるで木山の一人語りの舞台を干渉しているようだった。
そして章ごとの最後の言葉が印象に残る。
特に「早春」のラスト一行が好きだ。ああ、この心の奥底から出たようなこの一言を聞くためににここまで木山の言葉を聞いてきたのだ。
木山とはいったい誰なのだろうか。これは私小説なのだろうか。
これほどまでの言葉の美しさと、没入感を味わううちにそんな疑問は消えていた。
ただ木山の語る言葉とその奥に見える情景が美しいこの作品を読むことができて本当に良かったです。
ありがとうございました。

つらつらと流れるように言葉が連なっている、木山の話。
自然の描写が精緻で雅で、まるで絵巻物のように目の前に展開されていく。
自然の中に自分の過去の姿を見つけ、その過去の自分に誘われるがままに、昔のことを回想する。
時系列がポンポンと飛ぶので、たまに頭が追いつかなくなるが、人の思考をリアルに描写したらこんな感じになるのかなと興味深い。木山の思考が赴くままに、ただただ全身を委ねて読み進める気持ちよさを感じた。
こういう小説を読むのは初めてだったので、貴重な読書体験となった。