春のとなり

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刊行日 2024/05/02 | 掲載終了日 2024/04/24

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内容紹介

『貸本屋おせん』(続々重版!)で、鮮やかにデビューした 時代小説界、期待の新鋭による飛躍の傑作長篇。

命ある限り、人は幾度でもやり直せる。奈緒たちは、藩の秘め事に巻き込まれながら、市井の人々のたくましさと優しさ触れ、人生をやり直してもよいのでは、と思うようになるが――

●内容紹介

奈緒は、夫の仇を討つため、義父の文二郎と雪国の信州から江戸へやってきた。 ふたりは暮らしを立てるため、深川で薬屋を営んでいるが、医者である文二郎の元には、 無料でも診てもらえると、病人やけが人が次々と駆け込んでくるようになっていた。

そんなある日、深川の芸者・捨て丸が、惚れ薬を作ってほしいといってきた。 なんと捨て丸の相手は本草学者の平賀源内であた……

●著者略歴

高瀬 乃一(たかせ・のいち)

1973年愛知県生まれ。名古屋女子大学短期大学卒業。青森県在住。2020年「をりをりよみ耽(ふけ)り」で第100回オール讀物新人賞を受賞。その後、「オール讀物」「小説新潮」などで短編を発表、2022年デビュー作『貸本屋おせん』で第13回本屋が選ぶ時代小説大賞候補、第12回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞。


『貸本屋おせん』(続々重版!)で、鮮やかにデビューした 時代小説界、期待の新鋭による飛躍の傑作長篇。

命ある限り、人は幾度でもやり直せる。奈緒たちは、藩の秘め事に巻き込まれながら、市井の人々のたくましさと優しさ触れ、人生をやり直してもよいのでは、と思うようになるが――

●内容紹介

奈緒は、夫の仇を討つため、義父の文二郎と雪国の信州から江戸へやってきた。 ふたりは暮らしを立てるため、深川で薬屋を営んで...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784758414647
本体価格 ¥1,800 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

夫の敵を討つため、義父と江戸で薬屋を営みながら暮らす奈緒。夫に汚名を着せ、手にかけたのは誰なのか。見当もつかぬまま時が過ぎ、視力を失った義父の目となり、薬屋として深川の人々と関わりながら、「命」や「心」と向き合う日々。奈緒が個性的な患者たちとともに過ごす中で、悲しみや憎しみが少しずつ癒され、変化していく様子に「生きる」ことの尊さが感じられました。深川で逞しさを身につけた奈緒なら、これから向き合う「命」も、きっと乗り越えてゆけるだろうと思います。

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『貸本屋おせん』が良かったので、この作品も読んでみた。息子の無念を晴らすため江戸で薬屋をしている盲目の医師とその義理の娘の物語だ。息子、夫の冤罪を晴らすという目的があるが一つ一つの話しは医師と患者の物語でした。金のない患者には無理に治療費を請求しないので貧乏暮らしです。そういう医師だからこそ、みんなに信頼される。一つ一つのエピソードが沁みます。なかなか出来の良い時代もの小説でした。

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『貸本屋おせん』でデビューした高瀬さんの2作目。前作の続きも読みたかったが、こちらは、深川で生薬屋を営む目の不自由な文二郎と、彼の亡き息子の嫁だった奈緒が主人公の連作長篇だ。
文二郎は米坂藩の侍医だったが、ある理由で江戸に出奔していた。そんな“訳あり”の2人のもとへ、薬や治療を求めて人々が訪れる。目が不自由とは思えない適確な診断と処方で感謝されるが、そこは下町。無い袖は振れない。赤ひげ先生じゃないけれど、2人もあえて報酬を求めない。いいなあ、こういう話、大好きだ。
5篇のそれぞれがこうした人情噺をメインに進む。そして、2人が江戸に来た理由が徐々に明らかになっていき、クライマックスへと向かう。意外な人物も重要な役回りで登場する。
どういう形で目的を遂げるのだろうと興味津々だったが、うーん、そう来たか。途中で奈緒の揺れる心情が明かされていたのが伏線だったな。すがすがしい気持ちになる作品だった。

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「継承することは命を継ぐこと」

迷子になった山で「芒(すすき)」を見つけるところから物語ははじまる。
主人公は薬種問屋を営む親子。娘の奈緒は数年前亡くなった夫の仇を晴らすため信州から深川へ上京。

いわゆる時代物なのだが、それが苦手な方にも読んでもらいたい一冊。

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「貸本屋おせん」が面白かったので高瀬乃一さんの2作目を楽しみにしていました。5つの掌編が紡ぎだす物語に引き込まれていきました、平賀源内という歴史上の人物が登場してきて、なんだか実際にあった物語じゃないかなと思ってしまうところが、作者の筆の力だと思いました。今後の作品にも注目しています。

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『貸本屋おせん』でおせんの力強い生き方、本への愛が伝わり新作をリクエストしました。

奈緒は義父の文二郎と信州から江戸へやってきて、薬屋を営んでいる。やがて医者である文二郎の評判を聞き付け人々が駆けつける。
文二郎は目が不自由だが駆けつけた人たちの声をよく聞き薬を調合していく。
そんなある日、惚れ薬を作ってほしいと来た芸者。その惚れ薬を使いたい相手は平賀源内であった。

夫の仇を討とうする奈緒はとても強くて優しい。そして文二郎の知識から学ぼうとするところも頼もしい。だからこそ奈緒を見守り応援しながら読んでいた。
江戸の市井の人々だけでなく、平賀源内という実在した人物も描かれることで、もしかしたらこんな女性がいたのかもという想像が膨らみとても面白かったです。

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藩の侍医だった文二郎と息子の嫁だった奈緒。不器用な父娘は、段々と実の親子のようになっていく。
息子の命を奪った犯人を探すため、そして深川の町の人々のため、二人は日々薬を煎じる。
その営みの微笑ましさや人の命の儚さに、心を動かされつつ、藩のためという大義名分の元に人を殺める。金儲けのために、人を操る。人の欲のために動く汚さの二面を鮮やかに描いている。
確かに、長浜父娘は寒い冬をじっと江戸で堪え、愛する息子、夫の無念を晴らした。それこそ春のとなりで。きっとそれは、生きている一人一人が困難に立ち向かうときの場所なのだろうと父娘と交流する人々を見て感じるのだ。

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