こころをなくしたかいじゅう
新井洋行
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刊行日 2024/05/24 | 掲載終了日 2024/05/24
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内容紹介
「こころってなんだろう?」こころで感じる、喜び・怒り・悲しみ・楽しみについて考える絵本
かいじゅうのオルーガには、心がありませんでした。仲良しだった親友に裏切られ、傷つけてやろうと怒りをぶつけ、いつの間にか親友はいなくなってしまいました。どんなに泣いても元には戻らず、いつの間にか心を失ってしまったのです。何も感じない日々を送るオルーガに、1枚の地図が届きます。地図の場所を辿りながら、かいじゅうたちの心に触れて、少しずつ心を取り戻していくオルーガ。喜び・怒り・悲しみ・楽しみなど、オルーガを通して、心の大切さについて考える絵本です。
おすすめコメント
『かいじゅうたちは こうやってピンチをのりきった』や『かいじゅうポポリは こうやって いかりをのりきった』など、感情をテーマにした人気シリーズ「かいじゅうとドクターと取り組む」を手がける、新井洋行さんの最新作です。
『かいじゅうたちは こうやってピンチをのりきった』や『かいじゅうポポリは こうやって いかりをのりきった』など、感情をテーマにした人気シリーズ「かいじゅうとドクターと取り組む」を手がける、新井洋行さんの最新作です。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784756258984 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
ページ数 | 42 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
かいじゅうのオルーガには心がありません。
どうして心がなくなってしまったのでしょう。
オルーガは親友に裏切られ、泣き続けて、いつの間にか心がなくなってしまいました。そんなある日一枚の地図が届き、オルーガは出掛けることにします。
最初にオルーガがたどり着いたのは「ケラケラむら」そこではなぜか怪獣たちが笑っています。なぜ笑っているのでしょう。ページを進めると一匹ずつに名前があり、こんなことで笑っているのかということが分かります。「笑う」だけでもこんなにいろんな気持ちがあるんですね。
こうやって地図を辿りオルーガは、怒っている怪獣、泣いている怪獣、わくわくしている怪獣たちと出会いながら地図に書かれた宝の場所を目指します。
そもそも心って何でしょう。
こんなときどんな気持ちになるかなと読み聞かせをしたら楽しそうです。
最後のページでオルーガが読者に質問しています。大人でも考え込んでしまうような質問もありますが、自分の心と向き合うような質問ばかりで、ぜひお子さんと一緒に質問の答えを考えてみてほしいです。
この主人公の怪獣の絵がとてもいいですね。最後に笑顔の絵が出てくるのだけれども、それがとても癒されます。子供向けの作品です。絵も内容も子供に受けるような感じです。名作とは言えないけれども十分に読む価値はあると思います。とてもいいと思いました。
オルーガのひとりぼっちの世界。
自分一人の感情と向き合うのに、他人のいろんな種類の感情と向き合った末に旅に出る。
オルーガの輪郭も他社の輪郭もしっかりとして力強い。
世界自体もしっかりと力強く、意志の強さを感じる。
ワクワク村の存在が、普通の日常のような感じなのも面白く、
読後感にも、ああよかっただけでない、私自身が考えさせられる感じがある。
私に、心をなくすようなことがあっても、ゆっくりとして取り戻せるよと教えてくれるような本でした。
何も感じないというのはどういうこと?何に対しても心が動かないのは、どういう状態?
今まで、苦しみや怒りや悲しみの感情(負の感情たち)をわたしは否定的に捉えていましたが、オルーガの感情を巡る旅に寄り添ってみて、心の機能は全てがだいじなパーツなのだと理解しました。自分の中に怒りや悲しみの感情がなかったら、他人のそれらを到底わかることができないからです。
オルーガが出会った怪獣たちの感情のひとつひとつ、どれひとつとしてわたしたちには欠かせないものなのです。
心とはなんとふしぎで豊かなものでしょうか。