もし、世界にわたしがいなかったら
ビクター・サントス 文 アンナ・フォルラティ 絵 金原瑞人 訳
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刊行日 2024/05/15 | 掲載終了日 2024/05/15
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内容紹介
わたしは、ずいぶん長く生きてきた。
あなたが知っているだれよりも前から。
世界じゅうどこにでも、いろんな姿をした何千ものわたしがいる。
わたしはあなたを、つれていってあげられる。
過去へ、現在へ、未来へ。
わたしは、なんでしょう?
言葉が生まれて、人間社会は大きく変わりました。
人は成長とともに言葉をおぼえ、言葉によってものを考え、他者と交流します。
そしていま、世界で使われている7,000以上の言語のうち、少なくとも半分は、
2100年までになくなると考えられています。
本書はなぞときのようにストーリーが展開し、「わたし」がなにものであるかは、最後に明かされます。
言葉のもつ力やはたす役割、守ることの意味とは?
言葉についての哲学絵本。世界20言語で刊行。
おすすめコメント
★ユネスコ「先住民言語の国際の10年」公式絵本(2022~2032)
★ボローニャ国際児童図書展「新しいノンフィクション絵本」選定作品
* ドイツ・ミュンヘン国際児童図書館カタログ『ホワイト・レイブンズ2023』 選定作品
* 「dPICTUS 未刊絵本ショーケース」2022 年 選定作品
*イタリア・ボローニャ国際児童図書展「美と世界:新しいノンフィクション絵本」2023年 選定作品
* ユネスコ「先住民言語の国際の10年」(2022-2032年)の公式選定絵本
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784867060490 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
ページ数 | 42 |
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NetGalley会員レビュー
誰か一人のことでもなく、みんなすべてのことでもない。
私が誰かに伝える、私が何かを教えてもらう
そういう経験を人類はずっと繰り返してきたのだな。
何のためにあるのか、それを感じるまでもなく自然に接していて、
こんなに自然に接しているのに、分かり合えなかったりもする。
ことばがあってくれてよかった。ただそう思うことができます。
最後のオチがなかったら意味不明。だが、パチっとつながった瞬間、なるほどと腑に落ちた。これは大人向けの絵本だと思います。絵もなかなかいいし、言葉というものに対して色んな風に考えることができるのがいい。とても面白かった。
わたしは「言葉」そして言葉は「文化」
人間の歴史の中で、多くの言葉が消えてきた
日本でも、すでに失われた言葉がある
そしていま、各地の方言も徐々に姿を消しつつある
言葉とともに、文化も消えていってしまうという恐ろしい事実に目を向け、守るべきを守りたい
未来を生きる子どもたちに、もっと言葉を慈しむことを伝えていきたいと思った
もし、せかいにあなたがいなかったら、私はこの本と出会うことは出来ませんでした。
私よりもずいぶん長く生きているあなた。最初はひとりぼっちだけど今は世界中にいるあなた。
今日も私はあなたのおかげで、思いを伝えることができています。
優しい言葉とイラストで私たちがいつも触れる「わたし」について読んでいましたが、最後の読者へのメッセージは重く受け止めなくてはなりません。
どこかの土地で育まれてきた「わたし」がいなくなると、それは永遠に取り戻せなくなってしまいます。それは遠い場所の出来事ではなく日本においても言えることです。消えかけている多くの「わたし」がいることを知ることで、何気なくつかっている「わたし」をもっと大切に使いたいと思います。
「わたしは、ずいぶん長く生きてきた。あなたが知っているだれよりも前から。世界じゅうどこにでも、いろんな姿をした何千ものわたしがいる。わたしはあなたを、つれていってあげられる。過去へ、現在へ、未来へ。わたしは、なんでしょう?」
その問いの答えが知りたくて読んだ。私は一つの言語しか使えないけれど、もっと多く理解できればと思うことがある。言葉がその土地の文化もろとも失われていく現状に、私たちは何ができるのだろう。普段考えることのないテーマに少なからずショックを受けました。