いつか月夜

ログインするとリクエスト可能か確認できます。 ログインまたは今すぐ登録
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。

1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのEメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2024/08/08 | 掲載終了日 2024/08/08

ぜひ次のハッシュタグを付けてSNS等へご投稿ください:#いつか月夜 #NetGalleyJP


内容紹介

ぼくたちは、夜を歩く

眠れない夜に。不安な夜に。

静かで、藍色で、心細い。でも歩かずにはいられない。

そんな夜に。


「一緒に歩かない?」

会社員の實成は、父を亡くした日から得体のしれない不安(「モヤヤン」と呼んでいる)にとり憑かれるようになった。特に夜に来るそいつを遠ざけるため、とにかくなにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。そんなある日、会社の同僚・塩田さんが女性を連れて歩いているのに出くわした。中学生くらいに見えるその連れの女性は、塩田さんの娘ではないという……。やがて、何故か増えてくる「夜の散歩」メンバー。元カノ・伊吹さん、伊吹さんの住むマンションの管理人・松江さん。皆、それぞれ日常に問題を抱えながら、譲れないもののため、歩き続ける。いつも月夜、ではないけれど。

著者略歴

寺地はるな(てらち・はるな)

1977年佐賀県生まれ、大阪府在住。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。『今日のハチミツ、あしたの私』が勝木書店グループ「KaBoSコレクション2020金賞」を受賞、2021年『水を縫う』で河合隼雄物語賞受賞。2023年『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞9位入賞。『彼女が天使でなくなる日』『大人は泣かないと思っていた』『カレーの時間』『ガラスの海を渡る船』『こまどりたちが歌うなら』など著書多数。

ぼくたちは、夜を歩く

眠れない夜に。不安な夜に。

静かで、藍色で、心細い。でも歩かずにはいられない。

そんな夜に。


「一緒に歩かない?」

会社員の實成は、父を亡くした日から得体のしれない不安(「モヤヤン」と呼んでいる)にとり憑かれるようになった。特に夜に来るそいつを遠ざけるため、とにかくなにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。そんなある日、会社の同僚・塩田さんが女性を連れて歩いているのに出くわし...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784758414692
本体価格 ¥1,600 (JPY)

閲覧オプション

NetGalley Shelf App (PDF)
ダウンロード (PDF)

NetGalley会員レビュー

30歳独身の一人暮らしの男性が主人公。
同僚、中学生、元カノ、元カノのマンションの管理人。
ひょんなことから、5人で深夜の散歩をすることになる。

「善く生きろ」という父の言葉に、善く生きたいと願いながらその方法を探し求めている。
きれいごとだけではない感情と、それでも真摯に向き合う姿に引き込まれます。

このレビューは参考になりましたか?

「善く生きろ」とは。考えながら思慮深く生きている實成さんが、本当に素敵でした。だとすると、モヤヤンがいるということは短所でありながら、長所でもあるよなぁなんて思えたり。
ウォーキング仲間の面々も、いろいろなものを抱えながらもそれぞれがそれを諦めなかったり、手放したり。距離感がいいなと思いました。特に熊ちゃんは歩きながら救われたり、成長していく様子が眩しかったです。(もともと素直で正直な子なんでしょうね!)
そして寺地さんの作品は、いつもうなずきポイントがたくさんあって好きなんですが、今回特にうなずいたのは塩田さんの「わたしがおかしなこと言うやつに合わせて行動を制限しなきゃならないの、どう考えてもおかしいもん」のところです!そう!それ!わかる!でもおかしなこと言うやつに合わせる方が楽なことばかりだからしんどい!!!そんな風に普段思っていても言葉にできない事をたくさん書いてくださっていて、少しだけ心がすっとしました。
めっちゃ感動した!とか、めっちゃおもしろかった!とかの激しい感情を与えてもらえるわけではないのですが(失礼でしたらすみません)、人生のふとしたタイミングで思い出しては、心を落ち着かせてくれる作品だなぁと、ありがたく心の中に閉じ込めました。
いつも私たちに寄り添ってくれる、寺地さんの作品、大好きです!
ありがとうございました!

このレビューは参考になりましたか?

人と共に生活をしていくと疲れるしめんどくさいと思うことは出てくる。
でも一人ではなく、誰かと一緒に生活していくことは大事なんだと思う。
助けてくれる、助けてあげる、そんな関係が善く生きる事なのかなと思ってしまいました。
實成や塩田さん、伊吹さん、そして彩夏もみんな善く生きてる。
善く生きようと考えなくても、もう既にそうしているなと思います。

人の事はわかっているようでわかっていないし、意外に身近で生活している人の事も知らないことの方が
多いんだなと改めて実感させられました。
何か自分を考えさせられる思いがした物語でした。

このレビューは参考になりましたか?

實成という30代のサラリーマンの視点で書かれた小説。夜の散歩に、会社の年上の女性と、その娘と思いきや、全くの他人の二人が加わり、さらに会社の先輩だった元彼女、彼女の住居の管理人さんまでもがメンバーになる。みんな色々な問題を抱えていることが徐々に分かっていく。實成の住まいは今は亡き父の知り合いのアパートなのだが、隣の部屋に住む男性も顔は見せない不可解な人物だが、悪い人にも思えない。實成の兄や姉達、姪っ子、未亡人になった母も、みんな普通に仲の良い家族として登場。夜の散歩もずっとこのまま平穏に続いていくように思えたが、それぞれの周囲が動き出し、謎も次第に明らかになり、實成の父の法事に帰省する事で、大団円を迎えていく。夜の散歩のメンバーも、それぞれあるべき場所へと自然に戻っていく感じがとてもいい読後感だった。實成という名前も、実は名字だというのが冒頭にわかるのだけれど、冬至と下の名前で呼ぶのは身内だけ。でもやっぱり實成は實成だよなと思わせる作者もすごいなと。實成が海老を料理したり、知育お菓子なるものを作ってみようとしたりする細かいディテールもとても楽しめた。

このレビューは参考になりましたか?

「善く生きる」という言葉。

大切な場面で道を誤らないために
私もその理念を心に刻みたいと
感じました。

主人公は父を亡くしてから
霊のようなぼんやりした何かを
感じるようになった青年。

うす気味の悪さに慣れず
塞ぐ気持ちを紛らせるよう
真夜中に出歩く日々の中で、
彼は思わぬ出会いを重ねていきます。

やがて夜の散歩に加わっていく面々も
それぞれに深い苦悩を抱えながら
ままならない人生を歩んでいました。

出会いを大切にしたくなる一冊ですね。

確固たる自分がなかった主人公が
真夜中の邂逅を出発点として
意志を貫けるようになっていく流れが
まぶしくもありました。

正直、途中までは主人公のことを
無感動なしょーもない奴だとか、
軽んじられるのも無理はないだとか
思わないでもなかったのですが、
最後には見事にそんな評価を
打ち砕いてくれましたよ。

メチャメチャ魅力あるじゃん!

「善く生きる」という信条を
生き方に落とし込む男の有り様が
読者に波紋を投げかけてくる一冊。

読み手一人ひとりがその言葉を
胸に刻むことで、みんなの明日が
ほんのり明るくなると信じられます。

(対象年齢は13歳以上かな?)

このレビューは参考になりましたか?

今回も、やられた…と思った。
それぞれの登場人物の抱える思いが、
どれもわかる気がするのだ。
それぞれの人の中に自分のかけらが存在している。
それだけでも、やられた・・と思うのに、
展開がことごとく予想をくつがえすのだ。
一緒に暮らして家族みたいになるのだろうと思った二人は違う家に住むし、
こんなに一緒に歩いて話しているのだから、また付き合うのでは・・と
思った二人は付き合わない。

人間も人生も、そんなに甘くはない。それでも、生きていこうじゃないか・・と
つぶやく作者の声が聞こえるがような気がする。

このレビューは参考になりましたか?

「善く生きるとは。」
この冒頭のこの言葉に一気に心が貫かれた。

實成くんは高校を卒業し実家の滋賀から離れ大阪で一人暮らしをしている。
「善く生きろ」と言った父が言うたびに、うっすら怯えていた。それが具体的にはどういうことなのか分からない。そして人の目を見る行為が怖くなった。
實成くんは眠れない夜散歩をする。そしてその散歩には同行者が増えていく。

寺地先生の作品はほとんど読んでいるが、登場人物たちを通し自分はどうなんだろうといつも考えさせられる。
誰だって日々の生活の中でどこか違和感を抱えていることがある。
それが言語化されていて、この作品の中でもいくつもの言葉を通してこういうことでモヤモヤしていたんだなと自分の中に落とし込んでいった。
私が泣きたくなるほど共感した言葉は154ページの“「まじめ」が悪口になる世界は間違っていると思う”という言葉だ。なぜか世の中では「まじめ」という言葉には「つまらない」というニュアンスも含まれている。私はそのニュアンスがとても嫌いだ。「まじめ」で何が悪いのかと思っている。
最近私がとてもお世話になった人のことを、その人が居ないときにあの人はまじめで、まじめすぎてと評する言葉を聞きモヤモヤした。私はそのお世話になった人に「私はあなたのまじめであるところを信頼しています」と言葉にして伝えた。だからこそその言葉に強く共感したのだと思う。

言葉にして口にしないと伝わらないことがある。それは實成くんに限らず誰もが同じだ。そして言葉にして伝えてもらわないと伝わらないことがある。實成くんが一緒に歩く人達を通して、實成くん自身が行動することを通して、實成くんは他人の思いを知る。知っているつもり、わかっているつもりでいても人の本心はやはり言葉にして言われなければ伝わらない。
自分はどう思うのか、自分はどう行動したいのかと迷ったときにまた何度でも読み直したいです。

このレビューは参考になりましたか?

父を亡くしてなんだかよくわからない不安を感じ始める平凡なサラリーマンの男性。その不安が「黒いモヤモヤ」として出現する。それを「モヤヤン」と名づけるエピソードにまず心を掴まれる。
不安を紛らわすために「夜の散歩」に出ると、会社の同僚に出会う。しかも子供と一緒にいる。自分の子供ではなく、一緒に暮らしていた男性の連れ子。男性とはもう別れている。いやあおもしろい。
とにかく登場人物が皆、魅力的だ。それぞれに個性があり、背景があり、そして秘められた想いや事情がある。
誰にも「色々なこと」がある。「色々なこと」を抱えていない人なんかいない。日々を悩みながら、想いながら生きている人に優しい眼差しを投げかける作品だ。あったかくて、ほわっとしていて、読んでいるうちにふんわりとした気持ちになる。

中にサマセット・モームの書いた童話「九月姫とウグイス」の話が出てくる。
国王に生まれた王女の名前のエピソード。そこから主人公の名前を思いついたのか、ちょっと興味深い。

「わたしたちに翼はいらない」を書いた人なんだ、そりゃあしみる作品で納得だ。

このレビューは参考になりましたか?

なんとなく違和感があったとしても、
モヤッとしたものを抱えたまま過ごしたり、
雑事に追われて受け流したり、
そんなことが多い私にとって、
私は見過ごしません!
と言われている気になる作家さんです。
決して押し付けがましくなく、
あくまで
私は私です
みたいなスタンスに惹かれるのかも。
今作も心の深いところをギュッと鷲掴みにされるような言葉があちこちにあって、
何度も何度もページを行ったり来たり。。
発売が今から待ち遠しいです☺︎❥

このレビューは参考になりましたか?

第一章を読み終えたときから
今作の醸し出す空気感が好きだなと思った
夜をイメージしたり、歩くをイメージする作品は過去にもあったと思うが
それよりずっと磨きがかかっている
世間の異常に物申しますといった強さを残しつつも、
しなやかなのだろうか膨よかなのだろうか感じるのは情景描写の良さだ
大切な人を真から思い合い、穏やかに日々を過ごせるが当たり前の世界を
著者の作品を拝読する度に思う

このレビューは参考になりましたか?

父の死をきっかけにモヤッとした不安を抱える實成とひょんなことから一緒に夜の散歩をすることになった同僚と同僚と同居する少女、元カノと元カノの住むマンションの管理人。それぞれに悩みや不安、問題を抱えていて…

人はみんな、多かれ少なかれ悩みや不安、問題を抱えていて、日々折り合いをつけながら過ごしているんだと思う。ひとりで抱え込んで追い詰められていく人もいるだろうけれど、支えたり支えられたりという関係性を築くことができれば、少しラクになったり、一歩前に踏み出せたりすることもある。この物語では後者が描かれる。
特に大きな何かが起きるわけではなく、日常が描かれているからか身近なできごとのように感じたし、自分のことのようにも感じた。

太陽の射すような眩しい光ではなく、月の柔らかな光が感じられるラストはとても心地良かった。

このレビューは参考になりましたか?

人生の中で同じ方向を歩いていてたまたま知り合う。そんな人たちの話だと思った。恋愛とかではなくただそこで一緒にいるだけ、それだけでもいい時がある。読んでいてそのことを強く感じた。
實成くんは考えがフラットで話を聞いているところがとても好感を持てたし、塩田さんはある程度年齢を経た人の強さを上手に使っている人だと思った。ウォーキング仲間の人たちはそれぞれ自分のことも相手のこともぞんざいに扱っていないのでいい距離感だと思って羨ましかった。感情を強く揺さぶられるわけではなく、じんわりと沁みてくる作品。その中でも「はて?」と思う問題もありそういうところは誰かと話してみたいなと思いました。

このレビューは参考になりましたか?

静かに始まった話はやはり静かに終わったけれど、
読後、明らかにまとっている空気や色が変わっていました。
名前の付けようのない感情を抱えている登場人物たちと一緒に、自分の心の奥にいる感情を静かに取り出して抱え直したような、ジワリと心に染み込んでくる読後感でした。

このレビューは参考になりましたか?

父から言われた「善く生きる」を考えてしまう真面目な實成。話す時に言葉をためらってしまう、相手との距離を測ってしまうところにとても共感した。眠れなくなると實成は夜歩く。ひたすら歩く。しばらくして、気が向いた時、気が向いた人だけで歩く仲間ができた。それぞれに事情を抱えているがその感情の起伏が細やかに丁寧に描かれている。
夜道を歩いていてよそのお家から漏れてる灯り、自販機の光、そういうものでほっとする。月夜じゃなくても歩けるんだよ、と言う仲間の言葉があたたかい。お互いがほっとできる灯りになれればまた歩ける。一緒に進める。そしていつかみんなの心が月夜になるよう私も願っている。
どの場面もどの言葉も心地よく、ずっと浸っていたかった。この物語を書いてくれてありがとうと寺地さんに伝えたい。

このレビューは参考になりましたか?

寺地はるなさんの作品読むのは久しぶりなのてすがいつもの寺味さんとは少し違う感じのような感じがしました。むしろ小野寺史宜さんが書かれそうな読後感でした。

ラストのほうで塩田さんが實成くんに言った「わたしが好きでしょう。恋愛的な意味ではなく〜」から始まる台詞。たしかにここで言われる「居心地のよさ」は欲してしまうけどそれだけではいけないんだよな…とうんうんと頷いてしまう感じでこの場面が好きたなぁと思いました。

このレビューは参考になりましたか?

読み終わった後にとても優しくて穏やかな気持ちでいっぱいになりました。
程度の差はあってもみんな悩みとか迷いを抱えながら毎日を生きているんだと、それだけでもじゅうぶん大変なことなのに善く生きようとしたり自分以外の誰かに思いやりの心を持ったりする。こんな世の中ってなんだか心地よくて捨てたもんじゃないと思わせてくれました。ふんわりと肩の力が抜けていくような素敵な作品でした。

このレビューは参考になりましたか?

善く生きるとは。
どういう生き方が善いのか。
その答えを探しモヤモヤとした日々を過ごす實成。
そして夜の散歩仲間たちも人と関わることで、それぞれが抱える問題と正面から向かい
新たな一歩を踏み出していく。
同調し慰め合うのではなく、自分らしく生きるために自立していく。
暖かい光に慣れ合うのは居心地がいいけれど、暗闇の中を踏み出し自分の道を探していく
姿に勇気をもらった。

このレビューは参考になりましたか?

健康の為ですが私も夕食後歩いているので、歩いている時間に考えが整理される感覚は共感でした。人生に悩める人びとが歩く時間をとる事で頭をスッキリさせて悩みを吐き出し、やがて歩くことを卒業していく流れが寂しいながらもハッピーエンドで良かったなと思いました。

このレビューは参考になりましたか?

善く生きるってどういうことだろう。「良く」ではなく「善く」
「善い」かどうかは誰がどうやって決めるんだろう。
そんな悶々とした思いを抱えて、私も登場人物たちと一緒に歩いているような気持ちになった。

このレビューは参考になりましたか?

善く生きるとは、どう生きることなのか。よい人であった父親を亡くした實成さんが、会社の同僚の塩田さん、塩田さんの元恋人の子ども、實成さんの元同僚かつ元恋人、そのマンションの管理人と出会って、夜の町を歩く。
たとえば、誰かが實成さんの伝記を書くことになったら、ここに出てくる人たちとの出会いや過ごした時間は、掲載されないであろう、そんな偶発的で縛りの弱い関係だ。
この上手く名前のつけられない5人の関係が好きで、ずっと5人で歩き続けられたらなあと思ってしまいました。

「そんなこと気にしてたら生きていけないよ」と鈍感さが強さであるかのように言われることもある中で、寺地さんの作品はいつも自分の感情や言葉に誠実であろうとすることの尊さを思い出させてくれる。

善く生きたい。そう思いながら、ひよってしまったり、狡かったり、自己嫌悪に陥ったりしている私には、染み込ませたい言葉がたくさんあった作品でした。

このレビューは参考になりましたか?

主人公、實成とウォーキング仲間の塩田さん、熊、伊吹さん、松江さん。
人と歩調を合わせて生きていく事の煩わしさ、難さ、悦び、幸せ。
日々誰もが感じ抱えている心のモヤヤンを、丁寧に、奥深い表現力で描いていて、目頭がずっと熱かった。
会話に気付きがあり、癒やしもある。ああ、こんな風に人に関われたら良いな、なりたいな、と素直に思える、とことん心に寄り添ってくれる作品。
読み終えた後、スッと身体が軽くなって、元気のスイッチが入った。
ずっと大切にしたい、そんな一冊だ。

このレビューは参考になりましたか?

「一緒に歩かない?」
漠然とした不安や日常の悩みを抱える人々の偶然の出会いから始まった「夜の散歩」

多くの人々が寝静まった夜。
昼間とは違った表情の街。
ゆっくりと流れる夜の時間に心も体も包まれながら歩く。
年齢も性別も生き方も違う。
家族でもないし、友達ともちょっと違う。
お互いに必要以上に踏み込まない関係性が
羨ましくて、でもなんだか寂しい。矛盾する気持ちの中で心が揺り動かされる物語でした。

忙しない世の中を生きる誰かに、
心細さに押しつぶされそうな誰かに、
届けたい一冊です。

このレビューは参考になりましたか?

善く生きる、とは何なんでしょう。人それぞれに価値観が違うし、善し悪しの判断基準も違う。このお話の中心人物の實成さんは善い人で善く生きてると思います。夜のウォーキングメンバーもそう評価しているはず。このメンバーの距離感が程よくて、安心感を得られる人肌温度のお付き合いがいいなぁ、と思います。
實成さんのもやもやした感情に共感して、これは私の気持ちを代弁してくれてるんじゃないか、と思わせられました。
實成さんの優しさは月の光みたいな包み込む温かさ。やっぱり善い人です。

このレビューは参考になりましたか?

自分の大事なもの、嫌なこと、求められることと束縛されること。
外からは見えなくても、日々葛藤を繰り返しながら、自分の歩んでいく道を探している。
誰かと一緒にに歩けたらいい。
一人でも自分の足で歩けたらいい。
寺地はるなさんの優しい世界が広がっていた

このレビューは参考になりましたか?

寺地さんの書かれる物語に、なぜだか心惹かれる。
たぶん物語の主人公が、みんな丁寧に生きているからだと思う。

去年亡くなった實成の父親は、生前、實成に「善く生きろ」と言っていた。
實成の父親のいう「善く生きる」というものがどういったことを言っているのか、實成はわかっていないし、もちろん私もわからない。
でも、實成は、とても丁寧に生きていて、これが、よく生きるということなのかな、と思う。

ウォーキング仲間も、皆、それぞれ抱えるものがあって、もがきながら生きているのだけれど、それをドラマティックに描き上げるわけではなく、淡々と書かれているのがよかった。
ドラマティックにやられるとすっと冷めてしまうから、これくらい淡々としている方がいい。
なんというか、丁度良い距離感。
このウォーキング仲間の関係のよう。

物語の終盤で、もっちゃんが、「實成君、長い旅をしてきたみたい」と言っていたけれど、ほんとにそんな感じ、
読んでいても、實成の人生の旅にふれたような感じがした。

あまり登場しなかったもややんの存在が、この物語を引き締めているなあと思った。

このレビューは参考になりましたか?

会社員・實成、得体のしれない不安を感じる彼は、不安な時間を解消するために夜の街を歩く。
不安から遠ざかるために、何も考えず、ただただ歩く。
實成は、いつもの通り夜の散歩の途中、会社の同僚と彼女が連れた不登校の少女に出会う。
登場する人々が抱えた不安感・・・寺地さんらしい不安定な人たちの描写がとてもよかったです。
青春小説のように皆の問題が解決するわけではないのだけれど、夜の散歩クラブを通じ、少しだけ変化が生じていく過程がよかったです。

このレビューは参考になりましたか?

淡々と話が流れる中、「善く生きる」という大きな問いかけをしてくる。人間であれば皆『善い人』でありたいと思う。そうありたいと行動し、それが時には相手には迷惑だったり勘違いされたり。だからこそ言葉は大事、自分の殻に閉じこもってないで人と触れ合うことも必要だ。
そこまで書く?って言うくらい細いかい描写がされてて驚くと同時に作者の作品に対する熱意を感じました。感激するって作品ではない代わりに幾つも共感できる箇所があってそれぞれが楽しめると思いました。寺地はるなさん、応援してます!

このレビューは参考になりましたか?

ひょんなことから一緒に歩くことになったメンバー。それぞれに抱えているものがありながらも、お互いが踏み込み過ぎない程よい距離感でした。
「自分の寂しさは自分で決める」みたいな言葉が印象的。親や家族との関わりも共感できた。

このレビューは参考になりましたか?

きわめてまっとうな、まっとうな主人公と人々の物語。このような塩梅の良いまっとうさに出合うのはひさしぶりで、なんだか嬉しくなってしまった。
 えびの背ワタが取れないこととか、会社の年配の男性社員が若い女性社員を非難するのに「気が強い」と表現することに対する感情とか、得体のしれない「モヤヤン」に襲われて布団をはねのけて夜道を歩かずにいられない衝動とか。「なんか違う」ことに敏感なのだと思う。
 冒頭の一行「善く生きるとは。」
 主人公、實成は夜道を歩く。夜道で出会った人と歩く。歩く。
 そして、「實成」とは、「実直に、成る」であるのだなぁ、と思わせられる。

このレビューは参考になりましたか?

会社員の實成は亡くなった父親の言葉を自問自答する。父母の言葉って、どうしようもなく、理由もなく、正しいことだからしょうがない。日常生活を過ごす中で自分の気持ちに正直に生きようとするところが素敵だと思う。實成の心情が繊細に描かれていて共感できる。散歩メンバーたちもいろんな事情があるなかで自分なりの方法を模索しながら生きている。みんなうまくいきますように。自分に正直に生きてそんな自分を肯定していきたい。

このレビューは参考になりましたか?

大好きな寺地はるなさん、いつも新刊を楽しみにしていむす。

今回は、夜の散歩。
だんだん一緒に歩く人が増えて行く。
ただ歩くだけの微妙な関係。
深入りせず、ちょうどいいのかもしれないと思いました。
でも、ただ歩くだけじゃない、それぞれの人の抱える思い。
私も一緒に散歩しているような、そんな気持ちになりました。
最後も、とってもよかったな~

表紙も、どんな風になるんだろう。
すごく楽しみです。

読ませていただき、ありがとうございました。

このレビューは参考になりましたか?

「ただ夜散歩するだけの小説です」という作者の言葉が、読むきっかけでした。
ドラマチックな、起伏の激しい展開の作品が苦手になってしまって、穏やかで、感情の起伏が緩やかな小説が好みなのです。
それぞれの理由で夜歩く人たちが出会い、そこからまた自然に抜けていく、というストーリーです。
實成くんのモヤヤンのように、きっと誰もが漠然と抱えている恐れや不安のようなものって、誰もあえて言葉にしないけれど、それに光を当てて丁寧に描いています。また、日常生活の中で、ちょっと引っかかるけど、ま、いいか、って流してしまうことを丁寧に掬ってくださっています。
「もう何者にもならなくていい」という言葉に共感しました。塩田さんと同じで、私も今は自由にピアノを練習しているから。

このレビューは参考になりましたか?

あ〜良かった!今までに読んだ寺地はるなさんの作品で1番好きかもしれない。
亡き父の遺した言葉「善く生きろ」を信条にしている会社員の實成。あるきっかけで同僚の塩田さんと彼女と同居する中学生の女の子、實成の元カノ、元カノの住むマンションの管理さんと一緒に夜の散歩をするようになる。それぞれが色々なものを抱えていて、でもこの年齢も性別もバラバラなメンバーでのウオーキングがお互いの刺激や支えになっているようでとても良い。いつも月夜なんてありえないけれど、月夜じゃなくても歩いていけば光が見える。そう気付かせてくれるとっても素敵なストーリーでした。實成が自分の意思でちょっとずつ変わっていくところもとても良かったです。

このレビューは参考になりましたか?

読み始めてすぐ、これはきっと好きなお話。と直感した。
モヤモヤしたものから、昼の自分から、今の場所から、それぞれ逃げるように夜の散歩に出かけるひとたち。
よい夜もいまひとつの夜も驚きの夜もせつない夜も、なんとなく集まった人達なのに、いつの間にかなんだか妙に心強い布陣。
昼間には見えない光を探しながら、このままでいいのかもしれないと、ほんのり思って、みんな思って、でもやっぱりちゃんと現実は現実だった。

あの夜たどり着けたお店も、あの夜だから話せたことも、たくさんたくさんあって、それがちゃんと繋がって、きっと愛しい自分に出会えるはず。
確約はできないけど、遠い未来で、そんな風になれるような予感がする。

みんなで歩いた夜の散歩。
なくてはならない夜たちだった。
静かで凛としたお話。

このレビューは参考になりましたか?

作中に登場する「善く生きろ」という言葉が、ピリリと響く。父親の死をきっかけに、夜中に出歩くようになった30代の男性。やがて同僚の女性やその知人の娘とも一緒に歩くようになり、次第にその仲間は増えていく。

登場する一人一人はそれぞれが何かを抱えており、迷ったりうずくまったりしながら生きていく。

タイトルの意味を知ったとき、不覚にも泣いてしまった。強く照らす明かりばかりが、人生を指し示してくれるわけではない。ときには互いに寄り添いながらも、一人ですっくと立ち、歩いていくこともできるのだと背中を押された。

このレビューは参考になりましたか?

寝ても覚めても余韻が尾を引く

そこは
売れることを意識し作為的につくられた音楽とか
多すぎるイベントの集客の雑踏や
グルメ番組に紹介された唐揚げ店に行列を為す人の列とか
たくさんあることから真逆の場所

冒頭1行に、多くが着目し惹かれるのろうけれど
それは十分に共感できるのだけれど
やさしい、という言葉を用いず日ごろの会話から伝えるところ
まじめであることを、所作であらわすこと
どんな引っ掛かりが、好き、への導となったのか
筆者の目線のあたたかみに出会うたび気持ちがぎゅうっとなる

大業な宣伝や一目瞭然の誘いことばに紛れることなく
一冊一冊ひとりひとりの手によって「よい本です」と語りつながれてほしい本です。

このレビューは参考になりましたか?

主人公は實成冬至。ある日の夜、彼は職場の塩田さんが少女と一緒に歩いているところに遭遇する。
それから彼らの、夜の散歩が始まった。散歩のメンバーは實成の元カノ、元カノが住んでるアパートの大家さんと増え、4人になる。
何か劇的なことが起きるわけではない。事件が起きて解決するというものでもない。彼らが過ごしているのは日常で、散歩もその延長のように感じられた。
その日常の延長のような散歩が、散歩をするメンバーたちの救いにも見える。
散歩での会話を通して少しずつ昼間の日常が変化していく實成。
なんとなくある日常の閉塞感や、他者からの押しつけのようなもの、それを夜の散歩が晴らしてくれているように感じた。
真っ暗な夜でも、月が照らしてくれる夜なら歩ける。街灯も家の明かりもなくても、月夜のような優しい光が世界には存在すると背中を押してくれるような作品だった。

このレビューは参考になりましたか?

より善く生きたいと考え、ささやかな暮らしを大切に生きる青年のささやかな成長の物語。主人公冬至は、ひょんなことから、職場の同僚、同僚の同居人の中学生、元カノ、管理人さんと夜のウォーキングをすることになる。ただ一緒に歩くだけのゆるい繋がり。だがこの繋がりを通じて、それぞれがほんの少しだけ前に進むきっかけをつかむ。
自分の生き方は自分で決めるしかない。誰かに決めてもらったり、誰かの生き方を決めることはできない。
頭では分かっていてもなかなか上手くいかない。近い関係だとより難しく面倒だ。それでも何とか折り合いをつけて関わり合おうとする冬至の姿はとても清潔に思えた。。私もより善く生きたい。周りに合わせて上手く立ち回るのではなく、自分が納得できる生き方をしたいと思った。

このレビューは参考になりましたか?

初めて寺地はるな読んだ。とても優しい話だった。こういう作風なのかな。みなり君が熊に怒るところはとても大事な事だなと思って、自分も娘にちゃんとこういう事は大事にしてくれるように伝えたい。でもみなり君は伊吹さんに怒らなかったシーンで、『本当に怒ったわけではなかった』のはとても残酷な事。まあ怒って欲しいと伊吹さんが思う事が烏滸がましい話なんだけども。というか兄弟家族が出てくるシーンでも冬至じゃなくて名字で書かれると最初よくわかんなかった。

このレビューは参考になりましたか?

主人公の實成くんは父親を亡くしてからなんとなく不安の塊のようなぼんやりとしたものが見えるようになり(通称モヤヤン)、そんな夜は散歩に出る。
色々あって人が増え5人で深夜の散歩をすることに。
年齢も立場も違うなんだか不思議な集団。
最後は上手くまとまるのかなと思っていたけど結局はそれぞれの道を歩んでいく。
いろんな人がいていろんな考え方がある。
"言葉は通じるのに意思疎通ができない"人たちもいる。
勇気を出して先に進むことも大切だと思うけど焦らなくてもいいのかなとも思いました。
月夜のようなほんのりとした光を感じる読後感でした。

このレビューは参考になりましたか?

デビュー作からずっと追い続けている寺地先生の新刊。もう、やっぱり、大好きです!
自分にも思い当たる、そうそう!その感じ!という寄り添ってもらえる文章も、
自分では気づいてなかった、気づこうとしなかったことを目を逸らさないで!と、指摘されたような、胸が痛くなる言葉も、
厳しすぎない?と感じてしまう自分の甘さを認めた上で、よりよくなりたいとやる気をもらえた読書でした。
「いつも月夜に米の飯」初めて聞いた諺でした。
『九月姫とウグイス』読んでみます。
決めつけや押し付けるような文章ではない、誰も否定しない内容の話の中で、絶対にダメだということには断定的に書かれている箇所に深く深く安心し、肯定してもらえたという嬉しさを感じました。

このレビューは参考になりましたか?

夜の街を徘徊する人達。それは独身の寛成の存在がきっかけ。それぞれの重荷から逃げるように徘徊する彼らの頭上に、月夜が訪れるのだろうか? 月がなくても歩めるようになるのだろうか?
静かに静かに、読み手の心を揺さぶってくる物語。

---------------------

父の死後、寛成につきまとうぼんやりとした存在。そこから逃れるために、彼はひたすら夜の街を散歩する。そんな彼を中心に自然に人が集まる。でも集団には吸引力や方向性と言う厄介な力が生じてしまう。それが良い方に向けば良いのだけれども、それぞれが背負った荷物が異なるだけに、それもまた難しい。そんな様子に、いつの間にか自分を重ね合わせていた。

「善く生きる」に縛られる故の、寛成の穏やかで独占欲の薄い恋愛感。それをもたらした彼のたどってきた過去が、夜の街を歩き回る不思議さと交互に語られていく。穏やかだけど、よむ人の心を揺さぶってくる。例えばやりとりの中に、胸を打つはっとする言葉に不意打ちされる。
「二度と行けない場所があるって、何か良くない? なんかそこだけきれいに輝いてそう」
「一緒にいると自分が好きだと思える相手を選びなさい」
「可能性が少ないって、もう何者にもならなくていいって、自由だね」

その夜の散歩の果てに、散歩中とのやり取りの果てに、寛成は「恋愛」と「居心地がいい」は別の場合があることに気づいたのだろう。正面から向き合う気持ちと、並んで寄り添う気持ちをやっと区別できたのだろう。そして今までの自分はどちらだったかも…… だから、寛成は悲しくても受け入れることができたのか。

いつも月夜ではない。それどころか、彼らの心に逃げなくてすむ月夜が訪れるかもわからない。でもその代わりに、窓から溢れる光、街路灯の光、星の光がいつもある。だから必ず、みんな逃げずに歩いて行くことができるはず。
そして、月の光はただひとつ。そのことに、とうとう寛成は気づかせて貰うことができた。その時の彼の顔はまさに「どこにも移動せずに、長い旅をしてきた人の顔」をしていたはず。
だから、寛成は自分から動く。逃げるように散歩するのでなく、前に進むために動いていく。

どうか、2人に幸あらんことを。

このレビューは参考になりましたか?

「善く生きろ」という父親の言葉に、その「善く」の意味を考える實成。
成り行きで一緒に夜の散歩をすることになった人たちと、深く関わっているわけでもないのに、助けになれないだろうかと奔走する實成は、無意識に自分なりの「善く」を実行している。
人それぞれの「善く」があると思うけれど、ベースには必ず思いやりというものがあるのだと、読みながら感じた。

このレビューは参考になりましたか?

淡々と過ぎていくようで散りばめられている言葉は心の深くに刻まれてゆく。
自分が自分を大切にすること。
自分の本当の気持ちを裏切らないこと。
自分に正直でいること。
それは時に自分を苦しめることもあるけれど。
流されない生き方は強さだと教えてくれる作品だった。
みんな迷いながら生きている。
それでいいのだ。

このレビューは参考になりましたか?

色んな人が色んなものを抱えて深夜に歩く
人から見ればそんなに大きな悩みではないのかもしれないけれど、本人にとっては引っかかってる悩みってあると思う
夜と昼では人の感情も少し違う
夜は何故か少し自分を愛おしく思うんだと思う
自分の気持ちを少しだけ素直に認められる夜に寄り添う人がいてくれるなら、きっと何を言うでもなく寄り添ってくれるなら、気持ちを整理して向き合えるようになるのかもな
そんな風に思いました
人の優しさに触れる物語でした

このレビューは参考になりましたか?

亡くなった父の「善く生きろ」という言葉に憑かれた30歳の實成。ひとり静かに夜を歩く中で、同じように漠然とした不安を抱える人たちと出会い、歩を進めていく。人と歩調を合わせる事の厳しさと喜びを描いた、闇を照らす温もりに包まれた作品。

月夜もあれば闇夜もある。淡々とした文体が、無理強いしない登場人物たちとシンクロしていて、とても心地が好かった。
何かしなきゃ、と自分でわかっている時ほど何も出来ないし、何も言われたくない。そういう絶妙な距離感を大切にし、少し臆病になりながらも、見極めて踏み込む。それぞれに合った、ここぞ!という勇気を振り絞るべきタイミングのお手本を示してくれた。
「どこにも移動せずに旅をする」という表現が素敵で、ひとところをくるくる回っているようでも、人は何かしら成長出来ているのかな?と励まされた。

このレビューは参考になりましたか?

30歳独身、1人暮らしの實成。多くを望まずに日々を生きている。
ただ、お父さんが亡くなってから得体の知れない不安(「モヤヤン」と呼んでいる)にとり憑かれるようになった。夜にそいつはやってくるのであてもなく夜道を歩いていると、同僚と同居人と、元同僚の元彼女と、元彼女が住むマンションの管理人と出会うことになり、時々みんなで歩くことになる。

お互いの事情を聞くでもない。とりとめのない話をしているだけなのだが、そこに絆と気づきが生まれてきて…

「善く生きろ」というお父さんの言葉にとらわれる實成はこの言葉と共に自分と向き合うことに。
「ちょっと無理しなきゃいけない時って、いっぱいあるよ、生きていると」
「おかしなこと言うやつに合わせて行動を制限しなきゃならないの、どう考えてもおかしい」
ウォーキング仲間にも変化が表れます。

寺地さんの作品は私の「モヤヤン」を追い払ってくれます。
ふとした時に「今日のコレ嫌だったなあ」とか何で言い返さなかったのかな。とか。

派手ではない身近な登場人物たちに自分を重ねてしまいます。

このレビューは参考になりましたか?

この息苦しい世の中をどうすれば心地よく生きることができるのか。
誰にでも、振り回されたり、裏切られたり、生きづらいことばかりで自分の心がどこにあるのかわからなくなってしまう。そんな経験があるかもしれない。この物語の登場人物たちもみな何かを抱えながら生きている。
何をすれば、何をしなければ、自分が自分でいることができ、心がしっくりと落ち着くのか。
自分の心を優先しながら生きることはとても難しい。でも、心にひっかかるものを取り除きながら、自分らしさを大切にしていけば、いつか生きづらさが心地よい人生に変わるかもしれない。人との出会いと別れは人生を変える力があるのだと、安心感に包まれほっとするラストが心に染みました。

このレビューは参考になりましたか?