
とびたて!みんなのドラゴン
難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険
オザワ部長・著
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刊行日 2024/09/30 | 掲載終了日 2025/05/31
ハッシュタグ:#とびたてみんなのドラゴン #NetGalleyJP
内容紹介
第71回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 小学校高学年の部
内気で、人前で話すことができない小6の女の子、マナミ。自分を変えようと、思い切って小学校でたったひとつの部活動、合唱部に飛び込む。新たに顧問になったのは、笑顔が素敵な竹永先生。でも、先生はだんだん体が動かなくなっていく難病「ALS」をわずらっていた……。
先生は病気と闘い、マナミは自分自身の弱さと向き合い、個性的な仲間たちと一緒に合唱曲《僕のドラゴン》をつくり上げていく。
目指すは、合唱コンクールの全国大会金賞! 果たして、マナミたちが心の中で育てた「みんなのドラゴン」はステージで羽ばたくことができるか?
福岡県の北九州市立日明小学校で実際にあった「1年間の冒険」をいきいきと描く感動ノンフィクション。
出版情報
ISBN | 9784265080410 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 176 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー

ここは、北九州市にある日明(ひあかり)小学校。マナミはものすごく内気な子だった。自分を変えたいと、この小学校で唯一の部活動である合唱部(合唱カンパニー)に入る。その顧問は、マナミの大好きな竹永先生。しかし竹永先生はALSを発症していた。ALSとはあの車いすの天才と呼ばれた故ホーキング博士も闘っていた、次第に全身の筋肉が衰えて、動けなくなる難病だ。本書はマナミたち合唱部の部員の成長と竹永先生のALSとの戦いを描いたものだ。竹永先生は、合唱の経験はなく、手探りで顧問を務めていた。合唱部のみんなは紆余曲折はあったものの最後は全国大会で金賞をとるまでになる。読み終わるとあなたの心には感動が残っているだろう。

嫉妬した
万来の拍手 充足感 自信 そして仲間
できないことの壁に向かうチャンスを与えられた 彼らは小学6年生の有志たちに
天賦の才をもっていたのでもなく 環境に恵まれていたわけでもない
九州のとあるちいさな小学校で起きた奇跡のような事実
無口、内気、消極的、臆病、恥ずがり、自分へのダメだしばかりしてきた女子
ここいちばんのステージで、大失態をしてしまった男子
自分を変えたい
願うだけでは変わらない自分を彼らは変えていった
彼等を導いた教員は教員採用試験に何度も落ちた
「ALS」筋萎縮性側索硬化症発症者である
あの日の苦労はこの日のためにあったのだ

個人的に、読み始めてすぐに、ああっ!と声が出た。私は一時期北九州市で教員をしていたため、「そうっちゃ」のようなラムちゃんのような方言が一気に身体の中に飛び込んでくるように思えたから。それほど、会話文がするすると音として聞こえてくる文章だった。しかも、存じ上げている先生のお名前も出てきて、一気に自分の側にこの作品が寄ってきてくれた。竹永先生の「あぁ、最高に青春した!」の言葉に、全てが詰まっていると思った。誰かのためになることをするとひっそりと花が咲く『花さき山』ではないけれど、自分がひとつ壁を乗り越え、何かを得ていくと、その先には成長が待っていて、その姿を見た誰かにも影響を及ぼすことがある。この本を読むだけでは、子どもはALSの残酷さに気付けないかもしれないが、逆にその意味を知った時に、竹永先生と日明小学校の子たちの歩みの重さを改めて感じることだろう。

北九州市立日明小学校合唱カンパニー。少ない人数ながら活動が活発で全国大会出場に向けて、九州大会突破を目指している。その合唱の姿に感動したマナミは入部を決意する。人前で話せないマナミが壁を突破していく姿もALSの竹永先生がみんなを引っ張っていく姿もいいなって思う。竹永先生、病と関係なく、ステキな先生だな。

すでに定評のある合唱部の子どもと、難病のALSと向き合い初めて顧問になる先生と。読む前から、どうなってしまうのだろうと思いがよぎるが、自分の弱さを隠さず子どもたちに希望を託す先生と、子どもらしい甘えが随所に見えるなか、自分たちで方向を決めて進んで行く子どもたちが、すがすがしく描かれている。難病のことを知ってもらおうという視点は強くなく、指導者と子どもたちが、いかにコンクールに向き合って行ったか、ふつうに直面する部活での葛藤に共感できる。

「青春」ってどんな状況でも、何歳からでも経験できるものだったのですね!
北九州にある小学校の合唱カンパニーが舞台。指導する先生は合唱が初めてのALS 患者。竹永先生は教員免許にも何度も落ちた経験もあります。合唱部のメンバーは朝の健康観察でも声が出ないマナミを含めて、肝心な時に動作を忘れてしまうカネコくんなど不安要素しかありません。それでも思いやりの気持ちと努力で得られた快挙までのストーリー。
決して順調ではなかった合唱部の活動。その成長の記録にワクワクしました。コンクールで歌うことになった自由曲の『僕のドラゴン』の飛び立ちには感動しました。
「日本でいちばん勇気と元気をあたえられる合唱部」を知ることができて良かったです。

『とびたて!みんなのドラゴン: 難病ALSの先生と日明小合唱部の冒険』は、ノンフィクション小説で涙なしでは読めない本でした。
涙の理由は、先生が難病だからではありません。
児童たちが先生を慕い信じて、自分たちの合唱をつくりあげるために、それぞれが必死になり、話し合い、励ましあい、互いに尊敬しあい、信じあって、みんなが声を、心をひとつにしていく姿に泣けるのです。
先生も児童の、みんなで歌いたい!歌っていたい!という想いが、本のなかからあふれでてくる臨場感もあります。
そして歌声までもが聞こえてくるような……。
本を読みながら、いろんな素敵な奇跡を目の当たりにしました!
竹永先生マジックというのでしょうか。
先生だから、大人だからとか関係なく、大切な人に自分の気持ち、自分の弱さをきちんと伝える勇気をもっているのが竹永先生の最大の魅力です。
そんな先生の魅力が、児童に先生自身に魔法をかけて、たくさんの奇跡が起きたんだと思います。

小学校の合唱部の実話。顧問の先生はALS(筋萎縮性側索硬化症)。
先生の闘病ではなく、あくまで合唱部のこども達の成長が描かれる。
中でも主人公は引っ込み思案なマナミ。
闘病中の顧問の先生の話は最低限にしてあり、こども達の成長に焦点を置いているので読みやすい。
きっとこども達は合唱部の誰かに自分を置き換えて読むんだろう。
引っ込み思案な子、しっかりもの、気の強い子、優しい子、ムードメーカー…本当にいろいろな子がいる。
大人目線で読んでいると、先生方上手に誘導しながら指導されているなと感じるが、こども目線だと自分たちで考えて頑張って…となるのかな。
いろいろ学んで、考えて、悩みながら成長していくには、先生や友達の存在は必要不可欠なのかもしれない。
やっぱり人はひとりでは生きられないし、成長もできないんだと思った。
難病を患いながら日々を大切に過ごされている先生には頭が下がる思いだった。
「不幸じゃない」「ワクワクしよる」と言い切れる先生は素敵だ。
読んだ後に「僕のドラゴン」を聞いたのは私だけじゃないはず。

本を開いたら、いきなりALSの病気の解説。この本の本質はどこにあるのか?着眼点はどこ?と思いながら読み始めました。
とにかく、夢中になって最後まで一気に読んでしまいました。気づいたら涙を流したシーンも数しれず。
小学校高学年にありがちな思考や行動、発言もありつつ。
それはどこにでもいる児童の姿で。そして、悩み葛藤しながらも児童と向き合う教師の姿。ちょっと違うのは、先生が難病であることだけでした。もちろん、そのことはストーリーに陰を落としたり、逆に子ども達に気づきのきっかけでもあったり。とにかく、素晴らしい作品でした。
ただ、願わくば病気の解説は最後にのせて欲しかったです。児童の中には同じ病を抱えている子、またはご家族が罹患しているご家庭もあるかもしれません。まだその病に向き合う勇気のない子のためにも、最後の方であると嬉しいです。

小学校の合唱部に参加した子どもたちと、新しく顧問になった先生の、一年間のノンフィクション。子どもたちの悩みや迷い、頑張りが、それぞれの個性とともに書き表されています。子どもたちの成長が、まるで目の前にいるように感じられます。また、顧問の竹永先生が「ALS」であること、病気とともに生きること、その心持ちが、読者に力を与えてくれるように思いました。
この本を読む子どもたちが、マナミのように、自分の中にある「ドラゴン」の卵に気付き、「ドラゴン」を育てていければ、と思います。

非常に面白く読みました。
ノンフィクションですが、書き手の方が各登場人物におきたことをドラマティックに描いているので、物語として読みやすいです。
子どもたちは子どもに感情移入できるし、大人も、大人にかかわる大人として先生目線で興味深く読むことができると思います。
小学校の合唱部が全国大会を目指します。とはいえ新しい顧問の先生は専門外だし実はALS。部員も多くはない。6年生からの新入りもいる。
逆境の中で彼らはどのように最高の歌を目指すのか。
顧問の役目は技術の指導ではなく、子どもたちが力を発揮できる環境を整えること。
ビジョンを持たせたり、主体的を持たせたり。部がうまくいかないときにこそどうするか、に魅せられました。

北九州市立日明小学校。ひと学年2クラスだから全校生徒300〜400人くらいの小さな小学校の、26人しかいない合唱部の子どもたちと、難病の先生が全国大会で金賞をとるノンフィクション。子どもたちがうまくまとまない時も、大会のメンバーを決める時も、先生はいつも子どもたちの意思を重んじ、自分たちで決めさせていきます。それが結果につながったんだろうなあと思います。感想文も書きやすいと思います。