
夜の日記
金原瑞人選モダン・クラシックYA
ヴィーラ・ヒラナンダニ(著者)・山田文(訳者)・金原瑞人(選者)
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刊行日 2024/07/15 | 掲載終了日 2025/06/16
ハッシュタグ:#金原瑞人選モダンクラシックYA夜の日記 #NetGalleyJP
内容紹介
第71回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 高等学校の部
ニューベリー賞オナー賞受賞作!
イギリスからの独立とともに、ふたつに分かれてしまった祖国。ちがう宗教を信じる者たちが、互いを憎みあい、傷つけあっていく。少女とその家族は安全を求めて、長い旅に出た。自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。
第71回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 高等学校の部
ニューベリー賞オナー賞受賞作!
イギリスからの独立とともに、ふたつに分かれてしまった祖国。ちがう宗教を信じる者たちが、互いを憎みあい、傷つけあっていく。少女とその家族は安全を求めて、長い旅に出た。自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。
出版情報
ISBN | 9784867930410 |
本体価格 | ¥2,200 (JPY) |
ページ数 | 240 |
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NetGalley会員レビュー

1947年のインドとパキスタンのイギリスから分離独立。これまで仲良くやって来たのにイギリスから独立することで何故宗教が違うだけで住むところをおわれ、暴力にさらされるのか。12歳の少女がその歴史の波にのまれる話だ。そしてひどい話。でも実際にこんな事が起こっていたし、今も起こっている。やるせなくて苦しい。

想像できるだろうか
1日16キロを歩き通した挙句
保持している食料がバックの中のピスタチオ3粒
そして知らない人から首にナイフを突きつけられおどされる
1947年イギリス支配から独立するインドを日記から読み識る
家族がいること 暖かい毛布にくるまること 作りたての料理を食べること シャワーがあること
それのどれもが奇跡にしか思えないほど 追いつめられていく
知り得ないところで聞いてはいけないことが群発している
恐怖や不安にあがらう術を知らない
何故なら日記の書き手は12歳の少女だから
命をかける
その言葉の引用に恐れ戦く
~ママの話しかける声が聞こえる「ニーシャー あともう1歩だけ」~
覚悟以上の力がもたらされる 窮極の物語

なんと、読んだその日に、インドとパキスタンの一触即発状態がアメリカの口利きで停戦になったというニュースがとびこんできました。
まだまだ不穏さはありますが、ほっと胸をなで下ろしました。
この物語は、1947年、インドとパキスタンの分離独立という歴史の大きな波に飲み込まれた少女ニーシャの視点から、家族の絆やアイデンティティの揺らぎが描かれていました。宗教っていったいなんなのでしょうねえ。
亡き母に宛てた日記という形で綴られる言葉は、時に切なく、時に力強く、読むほどに胸に響きました。
宗教や国境によって人々が引き裂かれる理不尽さの中で、ニーシャは自分の居場所を探し続けます。
彼女の静かな強さと、料理を通じて紡がれる人とのつながりがとても印象的でした。
(料理についてもっと知りたかったかなあ……)
静かだけれど、深く響く一冊でした。
金原瑞人先生が選者なのですね。さすが、まちがいない物語をもってきてくれます。
そして、みごとに訳者がこたえてくださっていて、みごとな作品となっています。タイトルもいいですね!

誰かの決めた勝手な国境線がそこで暮らす人たちをどれだけ苦しめるのか。
インドとパキスタンのいざこざは現在進行形でくすぶっているので、
より切実さをもってこの話の時代の混乱と不安と生きにくさを感じられた。
不勉強でパキスタンの成立についてなど知りませんでしたが、
ガンジーがいくら素晴らしかったとしてもそれだけでは解決できない問題があったのですね。
ただ、最後の用語集のクリケットの項、インド中心に書かれていて、
発祥がイギリスであるからこその植民地での広がりがあるのに、
事実誤認が起きそうな表記だなと(原文通りだとしても)違和感を覚えました。

印パ紛争。イギリスからの独立後続く両国の関係。そしてどちらも核保有国である。
さらに今年に入ってから、武力の攻撃があり、まさに一触即発の状況の両国。
この本は、インドがイギリスの長い支配から独立したときの話だ。
市井の人たちの目線というのは、読んだことがなかった。
まさに「開けば同じ内臓」の人間が、ただ宗教が違うだけ(と言えるのは現在の自分の置かれている環境ゆえに、であるが)
で、住む地域を追われ、またお互いを殺し合い・・・なぜこんなことが起こるのか?という理不尽さに押しつぶされそうに
なりながら、その荒波にもまれざるをえない家族の物語だ。
ガンジーの「目には目を、を続けていたら皆が盲目になってしまう」がとても心に残る。
今の世界の状況はどうだ。まさに目には目をを続けているのではないだろうか。
普通に豊かに暮らしていたところからいきなり流浪し、ギリギリの状況に追い込まれてしまうのは決して対岸の火事ではない。