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そして砂漠は消える 表紙

そして砂漠は消える

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刊行日 2025/05/15 | 掲載終了日 2025/05/15

ハッシュタグ:#そして砂漠は消える #NetGalleyJP


内容紹介

12歳の少女サマァが生きているのは、いずれわたしたちもそうなるのかもしれない世界。地球の表面からほとんどの生命が消えて、砂漠に飲みこまれた世界だ。人々はそこで遊牧の民となり、残った木々を狩り、生きるためにそれらを材木にして売っている。

サマァも木々を狩るハンターになりたいが、それは部族の掟で男の仕事。諦めきれないサマァは密かに準備し、ある日、狩に出たハンターたちのあとを内緒でついていく。しかし、砂漠にはさまざまな顔がある。道に迷ったサマァは獣と遭遇、さらに強烈な砂嵐に巻き込まれ深い穴に落ちてしまう。そこでの衝撃的な出会いがサマァの人生観を変えていく。穴の底で食料が尽き、日に日に弱っていくサマァ。それでもサマァがつかんだ真実が、部族全体の運命を永遠に変えることになる。

サマァの1人称によるサバイバルファンタジー。詩的な雰囲気とともに強く切ない意志が伝わってくる命と希望の物語。

12歳の少女サマァが生きているのは、いずれわたしたちもそうなるのかもしれない世界。地球の表面からほとんどの生命が消えて、砂漠に飲みこまれた世界だ。人々はそこで遊牧の民となり、残った木々を狩り、生きるためにそれらを材木にして売っている。

サマァも木々を狩るハンターになりたいが、それは部族の掟で男の仕事。諦めきれないサマァは密かに準備し、ある日、狩に出たハンターたちのあとを内緒でついていく。しかし、砂漠...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784863897915
本体価格 ¥1,850 (JPY)
ページ数 256

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NetGalley会員レビュー

知らないと、世界はこう見えるのか、ということに気づかせてくれ、
このまま砂漠化してしまうかもしれない未来を、
どうにか食い止める未来のほうを選ぼうというメッセージが伝わってくる。

大半が砂漠化した地球においても大都会に暮らす人がいる、
という発想がファンタジーでありながら現実的。
けれど、長老ばあさまに運ぶのがスープというのがちょっと不思議。
スープは具材がない時に水分でごまかすための料理なので、
水分こそが貴重品である世界線ではそうそうお目にかかれなそうと思ってしまった。

サマァのお父さん、因習にとらわれずにいい親御さんだなぁと思いました。

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<本を読む?>冒頭の言葉が高鳴る鼓動を察知した この初動は期待大
「布を織ったり食料を配ったり
  -そんなことだけの人生は、いや。そうできると証明してみせる」
意を決して発ったものの 砂漠は12歳の少女へは難敵過ぎた
自然の猛威、手持ち食糧のカウントダウン、
~わたしは一人 なんの道具もない 技術も力もない
 くやしくて、わたしは泣いた~
ひたひたと募る押し寄せる ひとり孤独の攻撃
95%不本意な現実をどうするというのだ

短い言い切りに込められた決意の強さ
物語中盤のシフトチェンジを経て、俄然面白さに拍車がかかる

冒険小説への夢中が 新年度の無用な倦怠感を忘れさせる
道をつくれ 変化は自分で起こすものだ

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世界が砂漠となった遥か未来。ほぼ絶滅した木と出会った12歳の少女サマァは、様々な試行錯誤の末に世界をもとに戻していく方法を体験していく。
生きるために自然を使うのではなく、共に生きる事の大切さに気付かせてくれる物語。

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一人で砂漠に出たまだ12歳のサマァの行動は、最初は無鉄砲さとしか思えなかった。思い込みと気の強さだけだったら、確かにそうだったろう。でも、そうではなかった。

亡き父から学んだハンターの技能や文字を読み考える力。「昔あったのなら蘇ることもある」と信じ、女の子であるサマァが父から様々な事を吸収していく様を微笑みながら見守った母親。「未来は木と共にしかない」と彼女に言い続けた長老ばあさま。サマァを取り巻くこの人々の力添えが、「わたしは自分で未来を作り上げなければならない」という意思や考える力、感性を育て、技能を身につけさせた。そうでなかったら、砂漠の窪地に落ちた彼女は時間を浪費し、無力のまま父のところに旅立ってしまっていただろう。

決して登りきれない岩壁に囲まれた、砂漠の真ん中の窪地。でも、そこにある水を飲んだサマァは「空の味がする」と言った。何という感性。そして、中央に立つ木ナイアを第二の我が身のように扱いながらひたすら岩壁に挑戦する意思とその工夫に感じ入った。

そして、運命の〝雨〟。それからはポロックにひたすら水をあげるサマァ。自分が生きていられる日数を数え、その後のポロックのことまで心配するほどに。だからこそ、ナイアとポロックとそれを取り巻く関係に気づく事ができたのに違いない。そして、その気づきを認める長老ばあさまと母親。やっぱりこの二人の心はこの世界に縛られてはいなかったのだ。

その大いなる繋がり、円環こそが、砂漠を森へと変えていく秘密。まさに、サマァだからこそ悟る事ができたこと。奇跡を呼び寄せた運命。

「後日談」は涙無くしては読めなかった。世界を変えていく第一歩はたった一人の力から。その様子に立会う事ができた。更に、その後の世界を知る事ができたのだから。

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自然の偉大さ、食物の大切さ、水源の尊さ、心の潤い。豊かさは今ここにあるから当たり前に感じるが、砂に覆われてしまった世界では無意味なものとなる。多種多様な生物も命を尽きてしまった。砂と風しかない夜に独り。囀りもせせらぎも聴こえない。人間は種一粒作りだすこともできないのに、失ったものを取り戻すこともできないまま忘れ去る。人間は不変ではない。行動し経験を積めば当然変化していくものである。長老の語り継ぐ世界は決して幻想ではない。音や色、光や影、動と静がこの実世界にあると気づいたとき、希望の双葉は芽生えるのだろう。

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