電報予告殺人事件
岡本好貴
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刊行日 2025/05/30 | 掲載終了日 2025/05/28
ハッシュタグ:#電報予告殺人事件 #NetGalleyJP
内容紹介
ヴィクトリア朝ロンドン郊外の電信局で起きた密室殺人。疑われた青年を救う為、電信士ローラが己の知識と技能を駆使して見えない犯人を追う。第33回鮎川哲也賞受賞第一作。
ヴィクトリア朝ロンドン郊外の電信局で起きた密室殺人。疑われた青年を救う為、電信士ローラが己の知識と技能を駆使して見えない犯人を追う。第33回鮎川哲也賞受賞第一作。
出版社からの備考・コメント
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
・多くのリクエストをお待ちしておりますが、過去のフィードバック状況やレビュー内容からリクエストをお断りする場合がございます。予めご了承ください。
・いただいたコメントは帯やPOP、X等SNSでのご紹介など、弊社販促活動に使用する場合がございます。予めご了承ください。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784488029227 |
本体価格 | ¥2,100 (JPY) |
ページ数 | 384 |
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NetGalley会員レビュー

素敵な物語には魅力的な人物が要る。
それを証明してくれるのが、本作の主役を務めるローラだ。
女性電信士として、クールな姿を示すローラ。しかし作中の時代は『女性は結婚して家庭に入ること』が当たり前となっている。だから、仕事に誇りを持っているローラは、そうした『女性としての人生』に悩みを抱えているのだ。
デビュー作でも感じたが、著者は、主要キャラクタのバックボーンの組み立てと見せ方が巧い。
序盤数十ページでローラのことが気に入り、『働く女性』として彼女がどんな選択をするのか、目が離せなくなった。
そして肝心の密室殺人が起きるや犯人探しが始まるわけだが、『女性』と『電信士』という強みを活かし、正義を標榜して謎を追う展開にはミステリとして手堅い面白さがある。
また、共に調査を行う疑われた青年・ネイトとの間にも細やかな“予感”があり、クラシカルなロマンスの風情も感じられるのだ。
やがて『電報予告殺人事件』の意味が鎌首をもたげるや、事件の謎は多面体になっていく。この過程で仲間への猜疑心も芽生え、誰もが怪しく見えてくる様相には海外ミステリのような興趣を覚えた。
このように、本書は張り巡らされた物語の骨が太く、数々のドラマチックな演出──とりわけ真相披露の場面では、その劇的な展開に胸の内で喝采していた──に舌を巻くこととなった。
『電信士』という一つの職業を丁寧に掬い上げ、素材の旨みを全て使い尽くすような構成。そして本格ミステリでありながら、事件を通し『お仕事小説』としての側面も味わえる今年注目されるべき傑作だ。

19世紀後半のイギリス。電信士として働くローラは人生の岐路に立たされていた。主任電信士への昇進の話が出ているのだ。昇進し仕事にまい進するか、一歩退いて家庭を持ちまた別の生き方を進むのか・・
岐路の悩みに覆いかぶさるかのような事件は時代を反映して一足飛びの技術の進化に使う側の人々の気持ちが追い付いていないかのように混迷を増していく。そして提示される謎は密室に暗号にアクションと王道の古き良きミステリーを見せつけられるているかのようで秀逸です。また現代に蔓延る犯罪の原型を見た想いがするのも興味深く、さらには揺れながらも真相を追い続ける主人公の姿が共感を誘います。
時代の猥雑さをふんだんに感じさせる趣深い推理劇。

19世紀後半のイギリス、女性電信士として働くローラ
当時女性は結婚をし家庭に入るのが当たり前にと思われていた時代に結婚もしたいが働いていたいと悩む
そんな時、職場で密室殺人事件が発生しローラとその時に
犯人と疑われたネイトと事件の捜査を始める
本格ミステリー、テンポ良くどんどん引き込まれまれました
現代問題になっている事と重なり、見えないものに不安を感じる
謎が多く事件の真相に辿り着くのかと思ってしまったが
ローラは電信士としての力を存分に発揮していた

昔ながらの時代感を残しつつ、「電報」が鍵となる新鮮なミステリー。
会話のやりとりや舞台となる場所、時代設定には、どこか名探偵が活躍する古典推理劇の香りがただよい、心地よく読み進められる一冊。
主人公ローラのキャラクター設定も魅力的で、好奇心旺盛でありながら冷静さも併せ持つ彼女の視点から描かれる展開に、ぐいぐい引き込まれます。

19世紀ロンドン郊外の電信局。そこでの密室殺人の謎を追う電信士ローラ。更に殺人を予告する電信文が。当時の社会が克明に描かれる中、電信機が使い手により救いにもトリックにもなる。骨太なヴィクトリア朝ミステリ。
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19世紀のヴィクトリア朝では、遠距離でのやり取りはやっと官営化された電信局に頼っていた。その頃の社会の様子、人々の考え方が克明に描かれているのが、ストーリーに厚みと実在感を与えてくれている。
才能ある女性電信士ローラは、民営化によりやっと電信士の女子蔑視が薄れたこの時代で頑張っていた。まさに、時代の先端をいく女性。そんな彼女のお仕事小説から始まる。
しかし、局長が密室で殺される。その謎を解くために電信を最大限活用していくのは、まさにローラらしい。でも、ローラや警察を撹乱するのもまた電信とは。敵も味方もいかに電信をうまく活用していくか。砂糖棒を削るナイフの音で人知れず会話し、犯人像がつかめない電信による殺人の予告が。まさにこのヴィクトリア朝での情報戦。
活劇を交えながら二転三転する真実の果てに見えてくる、本当の真実。電信の世界がここまで広がっていくとは、予想だにしなかった。