
わたしは食べるのが下手
天川栄人
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刊行日 2024/06/25 | 掲載終了日 2025/05/31
ハッシュタグ:#わたしは食べるのが下手 #NetGalleyJP
内容紹介
第71回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 中学校の部
会食恐怖症と摂食障害。ふたりの少女がたどり着いた正しい”食”との向き合い方とは。わたしたちが望む給食って、どんなだろう?
第71回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 中学校の部
会食恐怖症と摂食障害。ふたりの少女がたどり着いた正しい”食”との向き合い方とは。わたしたちが望む給食って、どんなだろう?
出版情報
ISBN | 9784338287289 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
ページ数 | 254 |
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NetGalley会員レビュー

大好きな作品の1つになりました。
子どもの頃は完食指導だった給食に苦手意識があったけど、大人になってからは給食のありがたさを毎日感じています。
実際に会食恐怖症も摂食障害も学校にいます。大人がどんな関わりをしたら良いか少し分かった気がします。
また、安くて栄養満点の給食を提供する栄養士さんの苦労も垣間見れたので、子どもたちが読んだ時も何かしら感じてくれると嬉しいです。
中学校の課題図書になっていますが小学校にも蔵書に入れたいです。

会食恐怖症らしい葵と過食嘔吐の摂食障害の咲子が交互に語り手になる構成で、イスラム教や給食が命綱的な家庭なども含めて給食について描かれた物語。給食ってあるだけで素晴らしい!って思っていたけど、多方面から考えされる、でも前向きに終われる高学年から中学生に

面白かった!
食べるという、生物が生きていく上で必要不可欠なこと、かつ、ほとんどの人がなんの疑問も感じずに無意識に行なっていることを取り上げてくれてありがとう、という気持ちです。この作品を読みながら、「食べるのが下手」な葵や咲子と同じように、自分自身も「食べるのが下手」なのだと気づきました。毎日甘いものを食べずにはいられない、これもまた摂食障害なのではないのかと。子どもたちがこの本を読んで、食べるということについて、改めて考えて考えてくれたらいいなと思います。

ほんとうの多様性とは、他者の苦しみに目を向けることなんだな、と思いました。
主人公の一人、葵は食べきることを強要されたり、他者の目があるところで食事をするのが苦手。特に『完食月間』中の給食があまりに苦痛で悩んでいます。
もう一人の主人公、咲子は過食嘔吐を繰り返す摂食障害があり、親からもネグレクト気味で自分の存在価値について思い悩んでいます。
二人とも、自分の苦しみにいっぱいいっぱいで、『どうにかしなきゃ』と前向きになっても視野が狭く、周りからの反発を招いてしまいます。
いろんな人がいて、いろんな事情があって、お互いの願いを全て叶えることは難しくても、尊重して歩み寄ることはできる。それこそが今求められている多様性豊かな社会なんだろうなと思います。

食べることにまつわる悩みを描いた、必読の物語!
給食って「みんなで楽しく食べるもの」と思いがちですが、この本を読むと、食べることの感じ方は人それぞれなんだと改めて気づかされます。
無理に食べるのではなく、自分に合った食べ方を見つけることの大切さが伝わってきました。
読んだ後は、食事の時間がちょっと優しく感じられるかも。
このタイプのお話はどうしても、学校や先生を「いや、それありえないでしょう!」という漢字の敵にすえがち。テレビドラマではよくあるある!
そういったところが、ちょっとだけ気になるけど、栄養教諭の先生をうまく動かして描いているところが、さらによかったです。
ほんとは、小学校舞台に描いてほしかったなあ。

「食べること」、特に給食に違和感を感じている女子中学生のナイーブな気持ちがていねいに書かれていた。
クラスのみんなは当たり前のように給食を食べているのに、しかも、とっても楽しそうに食べているのに……。
どうして自分はみんなが当たり前のことができないのか?自分はわがままなのか?と悩む葵ちゃん。
大人の私は、実は葵ちゃんに共感する人ってけっこう多いんじゃないかなと思いました。
そして、大人の私が特に好きだなと思ったのは、咲子ちゃん。
繊細な心をもちながらも、女王様キャラで生きている咲子ちゃん。
見た目はかわいいのに、はっきりしていて、口は悪いし態度もでかい。
強がっていても不安でいっぱいで、気持ちも弱い。
でもでもやっぱり強い(笑)
大人の私は、そんな咲子ちゃんが大好きになりました。

わたしは給食に対して、ポジティブな印象しか持っていなかったですが、好き嫌いではない食べたくない食べられない理由がある人もいることを、わかりやすく実感できました。中高生には、自分の周りにそういった人がいるかもしれないという一つの知識として、知っておいてほしいです。また、教員も知識として知っているかもしれませんが、その子たちの考え方を垣間見ることができるので、読んでいると役立つのではと思いました。いろんな立場の人に読んでもらいたい本です。

小学校の図書館にも買いたい!読んでほしい!
子どもにも嫌なことを嫌だという権利がある。
でも、それは、ただ単に要求を押し付けることとは
似て非なる、ということが伝わる。
それぞれのバックグラウンドがある。同じ
「食べる」ということでも、思いはそれぞれ。
だが、作者の天川さんの導き出したその意味は
静かにわたしたちの心を打つ。栄養教諭にも読んで
もらいたいし、完食指導と似たようなことを
言い出すうちの管理職にも読ませたい←

懐かしくて美味しかった学校の給食。お気に入りの献立が出る日は朝から心躍っていた。でもよく周りを見てみると、違う思いを抱いていた学生がいたのかもしれないことを今さらながら気付かされる。複数の学生が登場するが各々にはいろんな事情がある。見えない重圧に押し潰されてしまい、たった一口が喉を通らなかったりする。集団の中で共にあることは表面上では美しいが、共にあることは同じを求めるものではなく多様性を尊重すること。同調ではなく協調すること。他者と調和し合うことで閉塞感が緩和され自身の心と体のバランスは整えられていく。

学生の頃は給食の時間が大好きで、今は食べることが苦手になってしまいおそらく会食恐怖症の自分には、とても刺さる内容でした。給食改革を通して、家族や友だちと向き合い、また食の大切さも理解できる葵たちはとても素晴らしいです。

「わたしたちが望む給食」を考える過程が丁寧に描かれていました。他者になかなか理解されない悲しみや苦しみをもつのは自分だけだと10代は思いがちですが、そうではないことに気づけたのがよかったです。食べることに様々なむずかしさを感じる生徒の声だけでなく、給食がセーフティネットとなる生徒や給食を楽しみにしている生徒の声もちゃんと書かれていて、「無視されてもいい声はないこと」を生徒には読んで感じてほしいです。

会食恐怖症ではありませんが、子どものころは、自分の分として盛り付けられた給食を見ただけで気分が悪くなる「給食恐怖症」でした。
少量ずつしか飲み込めないので食べるのも遅いし、2口ほど食べると疲れてしまう…。
毎日苦しかったことを半世紀(以上笑)経った今でも思い出します。
完食を無理強いする空気は未だにあります。
みんなちがって みんないいと言いながら食は一律で一斉の押しつけ。
食べられない人がいることを教育関係者はもっと理解してほしいです。
最近話題になった、給食の量が少ない問題については、カロリーは十分なのだし、これが適量の子どももいることに気付いてほしいなあと思っています。